何で僕を?

大器晩成らしい

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「凄い綺麗」

遅れを取り戻したみたいで、さっきまで、ドドドドドッって感じで土埃を上げてたけど、今は、パカラッパカラッって感じにスピードを落としてくれたから、視界はクリアになって、景色がよく見えるようになった。

道の脇に沢があるんだけど、苔むした大きな岩がごろごろしていて、その間を流れている川面に木洩れ日が当たって、キラキラと光って、とにかく、マイナスイオンが大量に出てる感じで、癒される。

時間があれば、ここで水遊びがしたいくらい。

月夜に背凭れながら、呆けっと眺めて、そんな事を考えていたら、

「葵ちゃん、次来た時は、ここで遊ぼう」

考えを読んだかのようなタイミング。

「うん、そうだね。水着を用意しないとね」

「ビキ「ビキニ以外」・・・ケチ」

ケチで結構。

断固反対だから。

「ねぇ、モカも反対だよね?」

クキュ

お~、偉い偉い。

ちゃんと空気を読んでる。

モカは僕の味方だからね。

うりうりと咽を擽ると、こっちもって感じで頭を差し出すから、頭も撫で撫でしておいた。


沢から逸れて、森の中をひたすら走っている。

外を見るのに厭きて、うとうととしかけた時、〝左の方。少しだけど、湖が見えるよ〟って月夜が教えてくれ、目を擦りながら、窓の外を見ると、森の木々の間から本当に少しだけ、水面を見ることができた。

「もう少しで森も抜けるから」

長かった~。

やっと着く~。

「夕食からは俺との時間だからね。そのフクロウサはラピス預かりね」

「まだ、ラピスさんにお願いしてないんだけど・・・」

「じゃなかったら、放し飼い」

「馬車から降りたら、即行でお願いしてくる。放し飼いはしないからね。それ、絶対、家の中に入れる気ないでしょ?」

「そんな事はないよ。寝室とキッチンはダメだけど、それ以外なら、トイレの躾を、ちゃんとしてくれさえすれば、好きに歩かせていいよ」

「うん。分かった。ちゃんとトイレを教える。モカ、頑張ろうね」

クキュ

「通じてるのか?これ?」

「これ、じゃないよ。モカって呼んであげて」

「・・・・・・・・・気が向いたら」

大人気ない。

「大丈夫だよ。月夜との時間は邪魔しないから。ねっ、モカ」

クキュ





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