何で僕を?

大器晩成らしい

文字の大きさ
上 下
266 / 358

265

しおりを挟む
「葵ちゃんは、喧嘩してる人の傍には、絶対に寄っていかないでね」

う~ん。

無いとは思うけど、月夜の分が悪い時は、助けに入っちゃうと思うんだよね。

黙ってなんか、見てられないもん。

でも、それ以外なら、わざわざ行くつもりはないかな。

喧嘩の介入って難しいと思うんだよね。

止めに入る人は、それなりに力のある人じゃないと、無理だと思うし、僕の場合、力はあっても、そういうのに慣れていないから。

魔物相手なら、遠慮なくできるから、平気なんだけど、咄嗟の力加減が、まだ全然、自信ないから、人相手は、ちょっと尻込みしちゃうんだよね。


目の端に、仲間の冒険者に一生懸命ヒールをかけてるのが映った。

まぁ、5人のパーティなら、最低1人は回復ができる人がいて当たり前か。

自分達で治せるようで、良かった。


「葵ちゃん、もう用も済んだし、出よう」

「うん、分かった。でも、ちょっと待って。あの・・お騒がせしてすみませんでした」

一応、ギルド職員に、お騒がせした事を謝らないとね。

「いいえ、またのご利用、お待ちしております」

良かった。

笑顔付きだ。

この街に、またくる事があるかもしれないし、今回みたいに、このギルドで用事を済ますかもしれないもんね。

来づらくならなくて、良かった。


月夜と手を繋いで、ギルドを出る。

「あ~、空が赤く染まり始めてるぅ」

結構、時間かかったもんね。

「少しでいいから、お店を覘きたかったのになぁ」

「ゴメンね。次に来る事があったら、買い物をする時間をつくるから」

ズルイなぁ、僕、月夜のしょぼ~ん顔に弱いんだよね。

「しょうがない。いつになるか分からないけど、楽しみにしてるから、約束ね」

「ん、約束。チュッ」

繋いだ手が持ち上げられ、僕の目を見ながら、薬指の指輪にチュッって、何か頬にキスされるより、照れるんだけど///





しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:15,385pt お気に入り:7,997

王妃は離婚の道を選ぶ

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:18,381pt お気に入り:107

【R18】体に100の性器を持つ女

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:560pt お気に入り:2

無敵チートで悠々自適な異世界暮らし始めました

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:525pt お気に入り:2,518

組長様のお嫁さん

BL / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:1,062

執事の嗜み

BL / 連載中 24h.ポイント:92pt お気に入り:1,105

処理中です...