黒曜の誓い、竜を狩る者たち

ンヴ

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闇の聖者ノクターンとの最終決戦から数年。世界は、真の調和と平和を享受していた。六聖者もそれぞれの聖域から世界のバランスを見守り、影の教団の脅威も完全に過去のものとなっていた。俺たち蛮族討伐隊は、その役目を終え、それぞれが新たな道を歩み始めていた。

俺、ウルフルムは、ルナと共に故郷の村で穏やかな日々を送っていた。畑仕事や村の子供たちへの指導は相変わらずだったが、最近では、エルネスト魔術師団長から依頼され、王都の魔術アカデミーで時折、実戦的な戦闘技術やリーダーシップについての講義を行うようにもなっていた。

そんなある日、俺たちの村に、二人の若者が訪ねてきた。
一人は、快活な笑顔が印象的な、赤毛の快活な少年。腰には細身の剣を差し、その身のこなしからは、相当な剣の腕を持つことが伺える。
もう一人は、物静かで知的な雰囲気を持つ、眼鏡をかけた黒髪の少女。その手には、分厚い魔導書が抱えられており、時折、周囲の植物や昆虫を興味深そうに観察している。

「こんにちは! あなたが、あの伝説の英雄、ウルフルムさんですか!?」
赤毛の少年が、目を輝かせながら俺に話しかけてきた。

「英雄だなんて、そんな大げさなものじゃないよ。ただの元・蛮族討伐隊の隊長さ」
俺は、苦笑しながら答えた。

「僕はリオ! 将来、ウルフルムさんのような立派な冒険者になるのが夢なんです! そして、こっちは僕の幼馴染のセナ。彼女は、すごい魔術師なんですよ!」
リオと名乗る少年は、元気いっぱいに自己紹介をした。

「……リオが、いつもお騒がせしてすみません。私はセナと申します。古代魔術と、世界の成り立ちについて研究しています」
セナと名乗る少女は、落ち着いた口調で丁寧に挨拶した。

「それで、君たちはどうしてこの村へ?」
俺が尋ねると、リオは少し興奮した様子で答えた。

「実は、僕たち、ある古代遺跡の調査をしているんです。その遺跡には、かつてこの世界とは異なる次元から来たと言われる、『星の民』の遺産が眠っているという伝説があります。古文書によれば、星の民は高度な科学技術と未知のエネルギーを操る力を持っていたとされています」
リオは目を輝かせたが、セナが少し心配そうな表情で続けた。
「しかし……その古文書には、気になる記述もありました。星の民が姿を消した後、その遺跡は何者かによって封印され、そして、その力を悪用しようとする『影』の存在が、古くから囁かれているというのです。最近、その『影』が再び動き出したという不穏な噂も耳にして……私たちは、その遺産が本当に世界を豊かにするものなのか、それとも新たな災厄を招くものなのか、真実を確かめたいのです」

その時、家の奥からルナが顔を出した。
「ウルフルム、お客様?」

「ああ。冒険好きな若い二人組だ」
俺は、ルナにリオとセナを紹介した。

ルナは、二人の話を聞くと、興味深そうな表情を浮かべた。
「星の民の遺産……。なんだか、ワクワクするね!」

俺は、少し考え込んだ。平和な日々に慣れきっていたが、若い二人の情熱と、未知なる冒険への誘いは、俺の心の奥底に眠っていた冒険心をくすぐるものがあった。それに、もし本当に世界を豊かにするような発見があるのなら、それを見過ごすわけにはいかない。

「……分かった。君たちの冒険、俺たちも手伝わせてもらおう」
俺がそう言うと、リオとセナは、満面の笑みを浮かべた。

「本当ですか!? やったー!」
「ありがとうございます、ウルフルム様、ルナ様!」

こうして、俺とルナは、新たな仲間であるリオとセナと共に、星の民の遺跡を目指す冒険へと旅立つことになった。ザナックやアルドリス、アウストラにもこの話をしたところ、彼らも興味を示し、それぞれの得意分野で俺たちをサポートしてくれることになった。ザナックは、リオに剣術の稽古をつけ、アルドリスは遺跡に関する古文書の解読を手伝い、アウストラは星詠みの力で遺跡の場所を特定してくれた。

数週間後、俺たち四人は、険しい山脈を越え、深い森を抜け、ついに星の民の遺跡へと辿り着いた。そこは、まるで未来都市のような、金属と水晶でできた、美しいながらもどこか異質な建造物だった。そして、その入り口には、巨大な機械仕掛けのゴーレムが、侵入者を拒むかのように立ちはだかっていた。

「あれが……星の民のガーディアンか……!」
リオが、ゴクリと喉を鳴らす。

「ウルフルムさん、ルナさん、お願いします!」
セナが、少し緊張した面持ちで言った。

「ああ、任せろ!」
俺は、久しぶりに愛剣を抜き、レプリカの力を解放した。隣では、ルナが聖なる光を放ち、戦闘準備を整えている。

「リオ、セナ、俺たちの戦い方、よく見ておけよ!」
俺は、若い二人にそう言うと、機械仕掛けのゴーレムに向かって駆け出した。

新たな仲間、新たな冒険。
俺たちの物語は、まだ終わらない。
それは、世代を超えて受け継がれる、勇気と希望の物語。
そして、この世界の未来を、さらに明るく照らし出すための、新たな一歩だった。

この冒険の先に、何が待ち受けているのか。
それは、まだ誰にも分からない。
だが、俺たちは進む。
仲間たちと共に、未知なる世界へと――。
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