黒曜の誓い、竜を狩る者たち

ンヴ

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虹色に輝く新たな剣を握りしめた俺の体には、これまでに感じたことのない、清らかで、そして強大なエネルギーが満ち溢れていた。それは、邪神の力でも、精霊の力でもない。仲間たちとの絆、そして諦めない心が昇華した、俺自身の魂の力だった。

「な……なんだ、その力は……!? 我々のデータベースに存在しない……計測不能なエネルギーだと……!?」
銀色の仮面の男――サイレント・ガーディアンのリーダーは、初めて動揺を隠せない様子で後ずさった。他のガーディアンたちも、俺の放つ未知のオーラに怯え、動きを止めている。

「これが……俺たちの……絆の力だ!」
俺は叫び、新たな剣を構えた。

「ウルフルム……!」
ルナが、涙を浮かべながら俺の名を呼んだ。彼女の聖なる光もまた、俺の新たな力に呼応するように、さらに輝きを増している。

ザナック、アルドリス、そしてリオとセナも、俺の覚醒を目の当たりにし、再び闘志を燃やしていた。

「面白い……! 面白いぞ、人間! 我々ガーディアンの理解を超える力が、まだこの世界に存在したとはな!」
銀色の仮面の男は、一瞬の動揺から立ち直り、再び冷酷な表情に戻った。
「だが、それもここまでだ! この星の遺産の真の力、お前たちに見せてやろう!」

そう言うと、銀色の仮面の男は、背後にある巨大な水晶の球体――遺跡のメインシステム――に再び手をかざした。すると、水晶の球体は禍々しい赤黒い光を放ち始め、遺跡全体が激しく揺れ動き始めた。

「まずい……! あいつ、遺跡の防衛システムを暴走させるつもりだ!」
セナが、顔を青ざめさせて叫んだ。

「させるか!」
俺は、虹色の剣を振るい、ガーディアンたちに向かって突進した。覚醒した俺の動きは、もはや彼らの予測を遥かに超えていた。剣から放たれる虹色の斬撃は、ガーディアンたちの青白いエネルギーフィールドを容易く切り裂き、その装甲を砕いていく。

「ぐおおっ!」
「システムエラー! 解析不能な攻撃パターン!」
ガーディアンたちは、次々と俺の剣の前に倒れていった。

「ウルフルムさん、すごい……!」
リオが、目を輝かせて俺の戦いを見つめている。

「リオ、セナ! 俺がメインシステムを止める! その間、残りのガーディアンを頼む!」
俺は、若い二人に指示を出した。

「はい!」
「お任せください!」
リオとセナは、力強く頷き、残りのガーディアンたちに立ち向かっていく。リオの俊敏な剣技と、セナの多彩な魔術が、ガーディアンたちを翻弄する。

ザナックとアルドリスも、俺の援護に回り、銀色の仮面の男の動きを封じる。
「お前の相手は、俺たちだぜ!」
「これ以上、好き勝手はさせません!」

「小賢しい真似を……! だが、この遺跡の力は無限だ!」
銀色の仮面の男は、なおも抵抗を続け、周囲の壁や床から無数の機械の触手を伸ばし、俺たちを攻撃してくる。

「ルナ!」
俺は、ルナに合図を送った。

「うん!」
ルナは、聖なる光を最大限に高め、機械の触手を浄化していく。その光は、まるで太陽のように、遺跡の闇を照らし出し、ガーディアンたちの力を弱めていく。

そして、俺はついに、赤黒く輝くメインシステムの前に辿り着いた。
「これで、終わりだ!」
俺は、虹色の剣を振り上げ、メインシステムの中枢へと、渾身の一撃を叩き込んだ!

ズガアアアアアン!

凄まじい爆発音と共に、メインシステムは完全に破壊された。遺跡全体が激しく揺れ動き、天井からは瓦礫が降り注いでくる。

「システム……ダウン……。我々の……使命も……これで……」
銀色の仮面の男は、力なくその場に崩れ落ち、そして、他のガーディアンたちと共に、光の粒子となって消滅していった。彼らは、最後まで自分たちの使命を全うしようとした、悲しい存在だったのかもしれない。

メインシステムが破壊されたことで、遺跡の暴走は止まり、不気味な静寂が訪れた。

「……やった……のか……?」
俺は、荒い息をつきながら、その場に膝をついた。新たな力を手に入れたとはいえ、その消耗は激しかった。

「ウルフルム!」
ルナが、心配そうに俺に駆け寄ってきた。

「ああ……大丈夫だ、ルナ。みんなも……無事か?」
俺は、仲間たちの顔を見回した。誰もが傷つき、疲弊していたが、その顔には達成感が浮かんでいた。

「ああ、何とかな。しかし、とんでもねえ遺跡だったぜ」
ザナックが、肩で息をしながら言った。

「ですが、これで、星の民の遺産が悪用される心配はなくなりましたね」
アルドリスが、安堵の表情を浮かべる。

「ウルフルムさん、ルナさん、本当にありがとうございました!」
リオとセナが、深々と頭を下げた。彼らの目には、俺たちへの尊敬と感謝の念が溢れていた。

しかし、その時だった。
破壊されたメインシステムの残骸から、突如として、禍々しい黒い霧のようなものが噴き出し始めた。そして、その霧の中から、声が聞こえてきた。

「フフフ……まさか、ガーディアンたちが破れるとはな……。だが、それもまた計算の内だ……」

その声は……どこか聞き覚えのある、しかし、より深く、そして絶望的な響きを持っていた。

「誰だ!?」
俺たちは、再び身構えた。

黒い霧が晴れた時、そこに立っていたのは……。
驚くべきことに、かつて俺たちが倒したはずの、影の教団の首領、ノクスの姿だった。しかし、その姿は以前とは異なり、まるで虚無そのものが人の形をとったかのような、禍々しいオーラを放っている。そして、その背後には、さらに巨大な、名状しがたい「混沌」の影が揺らめいていた。

「ノクス……!? なぜ、お前がここに……!? 原初の虚無と共に、消滅したはずでは……!?」
俺は、愕然とした表情で叫んだ。

「消滅だと? フン、愚かな。私は、原初の虚無と一体化し、そして、この星の民の遺跡に眠る『混沌の核』の力を吸収することで、真の覚醒を遂げたのだ。もはや、私はノクスではない。この宇宙の全ての法則を超越し、全てを無に帰す存在……『虚無の混沌神』として、ここに降臨した!」
虚無の混沌神と名乗る存在は、そう言って、天を衝くかのような絶望的なオーラを放った。その力は、かつての原初の虚無をも遥かに凌駕しており、世界そのものが悲鳴を上げているかのようだった。

サラシエルを操っていた黒幕。
その正体は、原初の虚無と一体化し、さらに星の民の遺跡の力を吸収することで、神にも等しい存在へと進化した、ノクスだったのだ。

「お前たちの矮小なる希望も、ここまでだ。さあ、絶望と共に、この宇宙から消え失せるがいい!」
虚無の混沌神は、そう言うと、その両手から、宇宙そのものを破壊しかねないほどの、強大なエネルギー弾を放ってきた。

これが……本当の最後の戦い……。
俺たちは、この絶望的なまでの力を持つ存在に、果たして打ち勝つことができるのだろうか――。
しかし、俺たちの心には、まだ仲間との絆がある。そして、虹色に輝くこの剣が、最後の希望を照らし出してくれるはずだ。

世界の、そして宇宙の運命を賭けた、最終決戦の幕が、今、本当に上がろうとしていた。
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