午前十時を過ぎたなら ―義父との秘密が始まる―

山田さとし

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第一部 恵の選択

第六章 レイプ(挿絵付) 

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【啓介と同居 三ヶ月目】 
【20●1年3月15日 AM11:00】

一か月後。
リビングで。

※※※※※※※※※※※※※※※

「あぁっ・・や、やめて下さい・・・。
あ、貴方・・・なんか、大っきらいよ。
は、離してよ・・けがらわしい・・・」

女は髪を振り乱し、必死になって声を出している。
しかし、男の力には勝てずベッドに押し倒された勢いで組み伏されてしまった。

「いやっ・・いやだってば・・・」

まだ抵抗してくる女の頬に男が平手打ちを与えると、急に静かになった。
怯えるように男を見つめている。

「あぁっ・・や、やめ・・て・・・」

女の声が哀願するように、か細くなった。
男は余裕が出来たのか薄笑いを浮かべ、女が大人しい内に素早く服を剥いでいく。

「あぁっ・・い、いやぁ・・・」

女は着痩せするタチらしい。
意外にボリュームのある身体を見て、男は驚きながらも自分も裸になった。

反りかえるペニスが女の顔まで近づいてくる。
女は一瞬、喉を鳴らしたが再び抵抗し始めた。

「や、やめて・・・嫌い、イヤなんだから」
そんな女の声を楽しむようにゆっくりと腰を沈めた。

「あんっ・・い、いやっ・・・」
短い叫びの後、女の身体に電流が走った。

「は、はなして、やだぁ・・い、いやぁ・・・」
女は最後の力を振り絞って抵抗する。

か細い腕で男の逞しい肩を押しのけようとするのだがやがて力尽き、徐々に男の動きに支配されていった。

「や、やめて・・やめてった・・ら・・・」
拒絶の言葉が虚しく消えていく。

あれ程ばたつかせていた手足の動きが、ベッドのきしむ音に合わせるように穏やかになっていた。
男への罵声は、荒い息と切ない喘ぎ声へと微妙に変化していく。

「い、いやぁ・・は、はな・・して・・・
ふぅ・・・ん・・・
だ、だ・・め・・・はぁ・・あぁ・・・」

男の興奮した息が首筋をくすぐる。
嫌で堪らなかった男の匂いが、奇妙に懐かしく感じられるのだった。

「ふっふぅ・・・うぅ・・ん・・・
はぁ・・・や、やめ・・てぇ・・・」

男はその変化に気づいていたが、女の切ない表情から時折白い歯が零れているのを見つけると、目を光らせて意地悪く言った。

「どうした・・・?
あんなに嫌がっていたくせに・・・」

男の声に我に帰った女は慌てて抵抗しようと叫んだ。

「ああっ・・い、いやっ・・はなしてっ・・・」

だが男の腰が直ぐに深く突き上げると、その言葉は空しく喘ぎ声に変えられてしまう。

「あんっ・・・や、やめてぇ・・・
は、あぁ・・あんっ・・・
はっ・・はぁ・・ん・・・」

※※※※※※※※※※※※※※※

恵は、悩ましい表情で犯されている女の挿絵を食い入るように見つめていたが、ハッと我に帰ると汚い物でも見るかのように雑誌を投げ捨てた。 

ソファーの上にそのページが開いたままになっているのを、目を閉じて見ないように顔をそむけている。

微かであるが自分の息が聞こえてくる。
窓の外に目を向けると叩きつけるような雨が降り注いでいた。

恵は窓に寄り白い曇りを指でなぞりながら、どうしようか悩んでいた。
ため息が更に曇りの色を濃くしていった。

時計を見ると、もう直ぐ12時になるところであった。
決断できないまま、恵は雨で暗くなっている庭を見つめ続けるのだった。
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