母娘淫乱調教―レモンティーな朝焼け―

山田さとし

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第五部 調教(香奈子)

第二十八章2 思い出づくり(挿絵付き)

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屈強の男二人が椅子を担いで現れた。
日焼けした浅黒い肌は筋肉で覆われ、身につけているものはピッタリと食い込んだスパッツのみであった。
モッコリした下半身の膨らみが、嫌がおうにも目についてしまう。
椅子を下ろすと女が座っていた。
縄で縛られている。

【おぉっ・・・】
場内にどよめきが起きた。

長い髪が肩先を超えて、後ろ手に縛られている手首まで垂れている。
髪の隙間から何重にもなった縄が服の上からバストの輪郭をなぞるように身体を拘束しているのだが、その豊満な膨らみは縛られる事でより強調されて、ボタンを外したブラウスからブラジャーのカップが盛り上がるように覗かせていた。
真っ赤なミニスカートから伸びた細い足は内股に閉じられ、膝の上辺りでシンプルに縄がまきついているのだが、ヒールを履いているためにより長く華奢に見える。

「い、いやぁっ・・・」
まぶしいライトが照らすステージで女が苦しそうに悲鳴をあげた。

それはギャラリーの好奇心を満たすには、十分なリアクションだった。
男達は卑猥な笑みを浮かべ、生贄になった女にギラツイタ視線を飛ばしている。

「や、やめてくださいっ・・・」

唇を震わせて懇願する女に同情するものなどいない。
ただ一人、香奈子という例外を除いては。

(ああぁ・・・)
香奈子もステージの女と同様、恐怖に怯えていた。

真っ暗な会場に浮かび上がるステージは廻りの興奮とあいまって、異様な雰囲気をかもし出している。
ギャラリーの中には女連れの客もいるのだが、純粋にショーを楽しんでいるのか忍び笑いを漏らす者もいるほどだった。

だが、香奈子にとってはひとごとではない気がする。
大勢の前にさらされた女の姿に、無意識に自分を重ねてしまうのだ。
顔立ちも似ていなくもなく、豊満なバストやスリムなプロポーションが余計に香奈子を連想させる。

それもその筈である。
今日のために、竹内が手持ちのメンバーの中から厳選した女だった。

若いが既にベテランの域に達している女はこのSMショーの売れっ子で、容姿も香奈子に印象が良く似ていた。
今夜のショーでは特に念入りに打ち合わせが行われていて、あたかも香奈子自身が調教されていくような演出が計画されていたのだ。

そんな事に気づく筈もない香奈子は固唾を飲んで見つめていた。
間近で見る淫靡なショーに心臓が高鳴りを押さえきれずにいる。

ピシッと鋭い音が鳴り、興奮したギャラリーがひそひそと漏らす声で、ざわめいていた場内が一瞬にして静まった。

【おぉっ・・・】
ムチを持つ女がライトに照らされると、再びギャラリーがどよめいた。

全身黒づくめの姿はピッチリした革のボディースーツに包まれて、ハイヒールにも関わらずそれほど背は高く感じられないのと、コケティッシュな顔立ちが大仰なコスチュームと妙にアンバランスで、返って妖しい雰囲気を見せている。

だが、ムチの扱いは慣れているらしく、器用に手首を返しながら乾いた音を何度も鳴らしていた。
役者が揃った所で、シルクハットの男が司会を進行していく。

『やあ、美しいお嬢さんだ・・・』
その場の雰囲気を一瞬で掴む呼吸を心得ているらしく、不自然さを感じさせない口調は流石だった。

『今夜のゲストはさる財閥の奥様だそうです』

もっともらしく言う説明は勿論、偽りだったが興奮したギャラリー達には真実味を帯びて聞こえていた。

『まだお若いのですが、
お子様も一人いらっしゃるそうなんですよ』

【おぉ・・・】
人妻と聞いて男達はいろめきたった。

このショーに集まる客達にとって素人臭いほうが返って新鮮に感じるのである。
無垢で世間知らずの奥様が淫靡に調教される事を想像するだけで興奮を呼ぶらしい。

『さる大会社の社長である旦那様とは、
ここ何年もセックスしていないらしくて・・・
欲求不満が溜まっているとのことです・・・』

(フフフ・・・)
わざとらしい口上に竹内は笑いをかみ殺していた。

ギャラリー達も全てを信じている訳ではないだろうが、妙に信憑性があるのはモデルがあるからだろう。
それは今、隣に座っている香奈子の事をそのまま説明しているに過ぎないからだった。

『ここへ来る前はフェラチオさえ・・・
そう、した事が無かったそうですよ・・・』

クスクスと忍び笑いが聞こえてくる。

(あぁ・・こ、こんな・・・?)

香奈子はまるで自分の事を言われているようで、気が気ではなかった。
竹内が演出しているとも知らず、顔を真っ赤にして聞いている。

『しかし、私達に調教されてセックスの歓び・・・
それを知った彼女は、更なる官能を求めて・・・
そう、今夜のステージに来たわけなのです・・・』

【おおぉっー・・・】

拍手と歓声が沸き起こる。
静まるのを待って、男が女に尋ねた。

『そうですうおね・・・?』
女は俯いたまま、否定したいのか首を横に振っている。

『おやぁ・・・?』
大げさな表情で声を出した。

『どうして?気が変わったのですか・・・?』
『ゆ、許してっ・・・私、帰りますっ』

『それはないでしょう・・・』
場内からブーイングが起きる。

『大丈夫、嫌がっている人をその気にさせる・・・
それが私達の仕事ですから・・・』

男が催促するように手を上げると、パラパラと拍手が起こった。

『さあ、何も怖がる事はないのですよ・・・』
顔を近づけ、諭すように声をかけている。

『この間と同じようにするだけですから・・・
前は凄く喜んでくれたでしょう?』

男はニヤリと顔を歪め、シルクハット越しに客席の方を眺めた。

(ああぁ・・・)
その目が香奈子を絡みつくように見ている。

『もう、以前のあなたとは違うのですから・・・』

まるで自分に向かって話しているようで、一つ一つが胸に突き刺さる。
脳裏に自分が犯した淫靡な痴態が浮かび上がっていた。

『さあ、お名前からお伺いしましょうか?』
『い、いやっ・・・』

差し出されるマイクに女は答える事も出来ず、首を振った。

『あぅっ・・・』
ムチがとんだ。

『何、上品ぶってるんだよぉっ・・・』
黒尽くめの女が大きな声で叫んだ。

『お前が望んだから、ここにいるんだろうがぁ?』
可愛い顔立ちからは想像も出来ない程の荒々しい迫力に、場内がシーンと静まり返った。

『うっ・・ううぅ・・・』
すすり泣く女の声だけが微かに聞こえてくる。

『おやおや・・・』
シルクハットの男が、わざとおどける様に言った。

『乱暴はいけませんねぇ・・・』
優しい口調が緊張を和らげる。

『怖がっているじゃありませんか、ねぇ・・・?』
会場にいる女性客だろうかクスリと笑い声が聞こえた。

『でも、ご安心下さい・・・』
タイミング良く男が答えている。

『彼女は真性のマゾですので・・・
いたぶられるのが本当は大好きなんですよ・・・』

場内がドッと沸いた。
ざわめきがおさまるのを待って、男が再びマイクを女の顔に近づけた。

『気持ちが落ち着いた所でどうですか・・・
お名前を聞かせてくれませんか?』

もはや、女に拒否する気力は残ってはいなかった。

『さ、幸子・・です・・・』
か細い声がマイクを通して会場に響いた。

『苗字は?上の名前も教えてくれませんか?』
『た、田島・・・田島・・幸子です・・・』

(あぁっ・・・?)

答えた名前が香奈子の胸にズキリと突き刺さった。
偶然だろうか、自分の名前に余りにもよく似た響きだった。

『田島幸子様ですか・・いいお名前ですねぇ・・・』
その気持ちを見透かすように、香奈子の方を向きながら言った。

『さあ、それでは始めましょうか・・・』
男が目配せすると、ステージの端に控えていた筋肉質の二人組みが幸子に近寄った。

「あぁっ・・・」

次の瞬間、香奈子は声を漏らした。
屈強な男達の手でブラウスが引き裂かれたのである。

『い、いやぁっー・・・』
ビリビリと布が裂ける音はレイプされた時を思い出させていた。

『や、やめてっ・・・やめて下さいっ』

泣き顔で懇願する声もむなしく、衣服が剥ぎ取られていく。
パチンとブラジャーのホックが外れる音がしたかと思うと、Gカップはゆうにありそうなバストがブルンと現れた。

『あぁっ・・・あっ・・あぅっ・・・』
すかさず、二本の腕が伸びて揉み解し始めた。

『やっ・・やめてっ・・・あぁっ・・・』

両手を縛られている女は抵抗する事も出来ずに、理不尽な愛撫を受けている。
あっという間にスカートも剥ぎ取られていった。

『さあ、これからもっと気持ちよくなりますよ』

シルクハットの男は縄を手に取ると、パンティーだけが残された身体を器用な手つきで縛り始めた。
瞬く間に何重にも重なった縄が、白い裸体を複雑な模様で縁取っていく。

『あうっ・・あぁっ・・あはぁ・・・』
縛られていくうちに女の表情が変わり始めていた。

きつく食い込む縄に柔らかな肌がいびつに盛り上がり、恐怖で引きつっていた顔は窮屈な姿勢を強いられているのに、却って安堵するように眉間の辺りが緩やかになっていく。

背中の後ろに廻った両手は折れるかと心配するほど、くの字に曲げられている。
背後から縛るシルクハットの男が耳元でささやいている。

『どうですか、気分は・・・・』
『んっ・・んふぅ・・・』

切ない吐息は、男が差し出すマイクを通して会場に響いている。
女が感じ始めているのは、誰の目にも明らかだった。

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