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第四部「不条理な記憶」
第二十章4 不安
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※※※※※※※※※※※※※※※
『フフフ・・・』
不敵な笑みを浮かべながら男が近づいてくる。
『い・・や・・・いやっ・・・』
蛇のような眼差しに身体がすくみ動けなかった。
『俺はあんたが好きだった・・・』
おぞましいセリフをヤニ臭い息が囁く。
『んぐぅっ・・・』
ネットリした感触が唇に蘇る。
「わ、わたし・・竹内さんと・・・」
キスをしていた。
無理やりとはいえ、夫以外の男に唇を奪われたのだ。
『いやっ・・あぁっ・・・』
当然、逃れようと男を突き放した。
『あなたなんか嫌いっ・・だいっきらい・・・』
叫んでいた。
憎いと思った。
夫の友人のくせに何と卑劣な行為をするのだろう。
ブラウスを握り締める手がワナワナと震えている。
青ざめていた肌が怒りで赤く染まりだしていた。
「ああっ・・・」
だが、鮮烈な痛みを思い出すと恐怖に顔が歪んだ。
乾いた音が耳の奥で響いた。
『あうっ・・ああっ・・・』
頬を何度も打たれ、圧倒的な暴力の前に抵抗する気力さえ奪われてしまったのだ。
(あぁ・・わ、わたし・・・)
手繰りだした記憶の糸は、次々と無残な光景を浮かび上がらせていく。
『あぁっ・・・やっ・・やめっ・・あぁっ・・・』
服を引き裂かれ、バストを吸われていた。
『ふむっ・・・むぅっ・・んぐぅ・・・』
男の唇がチュパチュパと音を立てて貪っていく。
そして。
『あぐぅっ・・・』
貫く熱い感触がリアルに蘇る。
「あぁ・・わ、わたし・・・」
レイプされたのだ。
遂にそのシーンにたどり着いてしまった。
『そ、そんなぁ・・・』
ズブズブと挿入される瞬間を、自分自身の目でハッキリと見ていたのだ。
「いやぁっ・・・」
両手で頭を抱え、香奈子はしゃがみ込んでしまった。
「うそ・・うそよ・・・」
激しく首を振りながら声を絞り出している。
ドクンドクンと心臓が脈打っている。
だが、一度戻った忌まわしい記憶を振りほどく事は難しかった。
「あぐぅっ・・・」
焼きつくようなコックが深く貫いていった。
『あんっ・・はっ・・あっ・・・んんっー・・・』
男が深く腰を入れるほどに声を搾り出していた。
「そ、そんな筈はないわ・・・」
香奈子は無理に否定しようとした。
「夢よっ・・きっと夢をみたんだわっ・・・」
自分に言い聞かせるように呟いている。
だが、手にしている引き裂かれたブラウスが事実を冷酷に物語っていた。
よく見ると、スカートの他にブラジャーやパンティーがそこここに散らばっている。
「ああぁ・・・」
大きく瞳を見開いたまま、香奈子は細い肩を震わせていた。
額に薄っすらと汗が浮かび上がっている。
応接間に朝の光がさし込んでいた。
カーテンが開いたままになっていて窓の枠の影がソファーをなぞるように落ちている。
そこで昨日、香奈子はレイプされたのだった。
「わ、わたし・・・」
誰もいない部屋で、か細い声が響いていた。
『フフフ・・・』
不敵な笑みを浮かべながら男が近づいてくる。
『い・・や・・・いやっ・・・』
蛇のような眼差しに身体がすくみ動けなかった。
『俺はあんたが好きだった・・・』
おぞましいセリフをヤニ臭い息が囁く。
『んぐぅっ・・・』
ネットリした感触が唇に蘇る。
「わ、わたし・・竹内さんと・・・」
キスをしていた。
無理やりとはいえ、夫以外の男に唇を奪われたのだ。
『いやっ・・あぁっ・・・』
当然、逃れようと男を突き放した。
『あなたなんか嫌いっ・・だいっきらい・・・』
叫んでいた。
憎いと思った。
夫の友人のくせに何と卑劣な行為をするのだろう。
ブラウスを握り締める手がワナワナと震えている。
青ざめていた肌が怒りで赤く染まりだしていた。
「ああっ・・・」
だが、鮮烈な痛みを思い出すと恐怖に顔が歪んだ。
乾いた音が耳の奥で響いた。
『あうっ・・ああっ・・・』
頬を何度も打たれ、圧倒的な暴力の前に抵抗する気力さえ奪われてしまったのだ。
(あぁ・・わ、わたし・・・)
手繰りだした記憶の糸は、次々と無残な光景を浮かび上がらせていく。
『あぁっ・・・やっ・・やめっ・・あぁっ・・・』
服を引き裂かれ、バストを吸われていた。
『ふむっ・・・むぅっ・・んぐぅ・・・』
男の唇がチュパチュパと音を立てて貪っていく。
そして。
『あぐぅっ・・・』
貫く熱い感触がリアルに蘇る。
「あぁ・・わ、わたし・・・」
レイプされたのだ。
遂にそのシーンにたどり着いてしまった。
『そ、そんなぁ・・・』
ズブズブと挿入される瞬間を、自分自身の目でハッキリと見ていたのだ。
「いやぁっ・・・」
両手で頭を抱え、香奈子はしゃがみ込んでしまった。
「うそ・・うそよ・・・」
激しく首を振りながら声を絞り出している。
ドクンドクンと心臓が脈打っている。
だが、一度戻った忌まわしい記憶を振りほどく事は難しかった。
「あぐぅっ・・・」
焼きつくようなコックが深く貫いていった。
『あんっ・・はっ・・あっ・・・んんっー・・・』
男が深く腰を入れるほどに声を搾り出していた。
「そ、そんな筈はないわ・・・」
香奈子は無理に否定しようとした。
「夢よっ・・きっと夢をみたんだわっ・・・」
自分に言い聞かせるように呟いている。
だが、手にしている引き裂かれたブラウスが事実を冷酷に物語っていた。
よく見ると、スカートの他にブラジャーやパンティーがそこここに散らばっている。
「ああぁ・・・」
大きく瞳を見開いたまま、香奈子は細い肩を震わせていた。
額に薄っすらと汗が浮かび上がっている。
応接間に朝の光がさし込んでいた。
カーテンが開いたままになっていて窓の枠の影がソファーをなぞるように落ちている。
そこで昨日、香奈子はレイプされたのだった。
「わ、わたし・・・」
誰もいない部屋で、か細い声が響いていた。
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