エリート妻色情飼育―性奴隷は人妻にかぎる―

山田さとし

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第二部 企み

第八章 見合い

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見合いの席、料亭にて。
20●2年2月15日 AM 11:00


「佐山春香と申します・・・」
上品な口元から零れる笑顔を、井上克巳は口を半開きにして眺めていた。

「おい・・・」
悟の肘が男を促した。

「あっ・・い、井上・・克巳といいます」
シドロモドロに声を出す若者に、春香は思わず表情を崩して微笑んだ。

白くクッキリとした襟を薄いブルーのワンピースから出している様は、清楚な令嬢の印象を更に強く男達に植え付けていた。

これ程美しいとは思わなかった。
春香の美貌は写真のイメージ以上に心に迫ってくる。

飽きる程に女を漁った幸造でさえ、目を疑いたくなるような美しさである。
幼い頃に会った時の印象を遥かに越えている。

やはり自分の女にしておくべきだったか。
幸造の頭に後悔の念が浮かぶ。

だが、直ぐに否定した。
悟でさえ断ったのである。

こんないい女に手をつけたら惚れてしまうではないか。
もう、裏切られるのは御免であった。

幸造は愛人を作っても直ぐに別れるようにしている。
妻に逃げられた男にとって、女とは欲望を吐出す事と復讐の対象でしかない。

それにいくら借金があるとはいえ、春香の父が六十を過ぎた男に大事な一人娘を嫁がせる筈もないのだ。
悟も春香の超越した美しさに暫し見とれてはいたが、やはり何時もの冷静な表情に戻っていた。

今日は秋元チェーンの専務であり井上の上司として、この見合いに同席している。
そんな悟を春香の父である佐山道明は、複雑な表情で見つめていた。

本来なら娘は、次期秋元グループ総帥となる悟に嫁がせるつもりだったのだ。
春香は佐山にとり、とっておきの切り札だった。

「箱入り娘」として、幼い頃から躾と教養を身につけさせた。

その頃はかなり裕福で、娘を金のために嫁に出すことなどは思いもしなかったのであるが。

天性の美貌と素直な性格は自慢の娘である。

大学を卒業するまで男と付き合ったことも無い。
嘘がつけない素直な性格の娘は、無邪気な笑顔で父の問いにそう、答えていた。

アイドルや女優でも春香を超える女等、いない。
当然、もろ手を広げて承諾してくれると思っていたのだが。

佐山の脳裏に幸造の甲高い声が思い出された。

『スマンなぁ・・・。
悟は結婚するつもり無い、言うのや・・・』

『そ、そんな・・・』
心から済まなそうに言う幸造に、佐山は戸惑いの口調で言った。

佐山の卸問屋は今、倒産寸前であった。

幸造からの特別な融資と大口の注文で何とか生き延びてはいるが、こう価格破壊が進んでは利益が極端に減って赤字続きであった。

当然、自分達の時代遅れの商法を反省すべきなのに、ヌクヌクと過してきた放漫な経営体質を改善する能力がなかった。

この縁談を成功させる事によって秋元グループと姻戚関係を持ち、会社を立て直そう等と甘い考えを抱いていたのである。

それだけに一人娘の春香には絶大の自信があったのだ。
容姿は言うに及ばず、名門女子大を卒業したばかりの春香には幼い頃から厳しく躾をしてきた。

昨今にはびこる安物の令嬢とは訳が違うのである。
習い事もピアノから日本舞踊まで、あらゆる芸事をこなした完璧な乙女であった。

しかも未だ処女である。
少なくとも父の佐山はそう信じていた。

春香の方も勉強や習い事が好きな性格で、特に男と交際している雰囲気もなかった。
親バカと言われればそれまでであるが事実、親思いの春香に悲しい気持ちにさせられた事はなかったのである。
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