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第四部 犠牲
第二十三章 罠
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「おおおっ・・こ、これは・・・?」
幸造と悟の視線が同時に春香に向けられる。
「い、いやっー・・・」
両手で顔を覆って床に座り込んでしまった。
『あんっあんっあんっ・・・もっと、もっとよ。
おネェ様ぁ・・もっと舐めてぇー・・・』
狂ったように叫ぶ声が部屋中に響いている。
衝撃に心を破壊され、視界が歪んでいく。
春香は只、身を震わせるしかなかった。
※※※※※※※※※※※※※※※
「どういう事なんや、これは・・・?」
幸造がとがった口調で問い詰める。
泣きじゃくる春香を抱えるようにして、裕子は床の絨毯に座っていた。
「ああぁっー・・うっうっ、うううぅ・・・」
春香はひたすら泣くしかなかった。
涙が後から後から流れてくる。
もう、お終いであった。
とり返しのつかない事をしてしまった。
よりによって裕子と愛し合っているビデオを、幸造と悟に見られるなんて。
井上と婚約をしたばかりだというのに。
「大丈夫、春香・・泣かないで・・・」
裕子の励ましの声が聞こえる。
だが、全てはムダなのだ。
事実を知られてしまった以上、裕子も会社にはいられないだろう。
春香の胸に次々と不吉な予感が込上げてくる。
「何が大丈夫なんやっ・・・?」
幸造の容赦の無い声が飛ぶ。
悟もどうしていいか解らず、立ち尽くしているしかなかった。
「事もあろうに社長室の中で・・・
秘書の二人がレズっとたんやで、レズや・・・」
幸造の下品な言い方が春香の胸をえぐる。
そうなのだ。
自分達は汚いケダモノになっていたのだ。
「おやめ下さい、社長・・・。
いくら何でもその言い方は失礼ですわ」
春香の肩をギュッと抱いて、裕子は毅然とした表情で叫んだ。
裕子の腕の中で、春香は不思議そうに聞いていた。
どう弁解しても同じなのだ。
裕子の強さが理解出来なかった。
しかし同時に嬉しかった。
こんな時にでも裕子は自分をかばってくれている。
自分だって死にたい位恥かしい筈なのに。
極限状態の頭の中で春香は裕子への愛を感じていた。
自分達の恥かしい痴態がかえって、誇りに思える程だ。
「な、何やその態度は・・・開き直ったんか?」
裕子の強い口調に一瞬たじろいだ社長だったが、それでも口元を歪めて聞いた。
「確かに私達は愛し合いました・・・。
それは、私が春香の事が好きだからです。
無断で社長室を使った事はお詫び申し上げます。
だけど、このビデオは明らかに社長が知っていて
見せたのでしょう・・・?」
裕子の堂々とした言葉に、何時しか春香は顔を上げて聞いていた。
涙は止まり、潤んだ瞳を恐る恐る周囲に向けている。
春香を抱きしめる裕子の腕の強さだけが、怯える心を支えてくれていた。
「フンッ・・確かにそうや・・・。
ワシはお前らがレズッた最初の日に
ベッドが湿っとるのを発見したんや。
それで隠しカメラをセットしといたんや・・・」
春香の顔が見る見る内に真赤になっていく。
全て見られていたのだ。
「す、すると・・・?」
初めて声を出した春香に、残忍な表情を見せて幸造が言った。
「そうや、悟も知っとる・・・」
再び春香の胸に衝撃が走った。
専務も観てしまったのだ。
自分達の痴態を。
さすがに裕子も言葉が出なかった。
春香の頭に婚約者の井上の顔が浮かんだ。
優しい顔が微笑んでいる。
しかし、その愛する男もこの事を知ったら去っていくだろう。
春香の瞳が涙で滲む。
裕子がどう戦ってくれたとしても、もう遅い。
以前の綺麗な身体には戻れないのだ。
重く沈む春香の気持ちがわかるのか、裕子は最後の力を振り絞るように言った。
幸造と悟の視線が同時に春香に向けられる。
「い、いやっー・・・」
両手で顔を覆って床に座り込んでしまった。
『あんっあんっあんっ・・・もっと、もっとよ。
おネェ様ぁ・・もっと舐めてぇー・・・』
狂ったように叫ぶ声が部屋中に響いている。
衝撃に心を破壊され、視界が歪んでいく。
春香は只、身を震わせるしかなかった。
※※※※※※※※※※※※※※※
「どういう事なんや、これは・・・?」
幸造がとがった口調で問い詰める。
泣きじゃくる春香を抱えるようにして、裕子は床の絨毯に座っていた。
「ああぁっー・・うっうっ、うううぅ・・・」
春香はひたすら泣くしかなかった。
涙が後から後から流れてくる。
もう、お終いであった。
とり返しのつかない事をしてしまった。
よりによって裕子と愛し合っているビデオを、幸造と悟に見られるなんて。
井上と婚約をしたばかりだというのに。
「大丈夫、春香・・泣かないで・・・」
裕子の励ましの声が聞こえる。
だが、全てはムダなのだ。
事実を知られてしまった以上、裕子も会社にはいられないだろう。
春香の胸に次々と不吉な予感が込上げてくる。
「何が大丈夫なんやっ・・・?」
幸造の容赦の無い声が飛ぶ。
悟もどうしていいか解らず、立ち尽くしているしかなかった。
「事もあろうに社長室の中で・・・
秘書の二人がレズっとたんやで、レズや・・・」
幸造の下品な言い方が春香の胸をえぐる。
そうなのだ。
自分達は汚いケダモノになっていたのだ。
「おやめ下さい、社長・・・。
いくら何でもその言い方は失礼ですわ」
春香の肩をギュッと抱いて、裕子は毅然とした表情で叫んだ。
裕子の腕の中で、春香は不思議そうに聞いていた。
どう弁解しても同じなのだ。
裕子の強さが理解出来なかった。
しかし同時に嬉しかった。
こんな時にでも裕子は自分をかばってくれている。
自分だって死にたい位恥かしい筈なのに。
極限状態の頭の中で春香は裕子への愛を感じていた。
自分達の恥かしい痴態がかえって、誇りに思える程だ。
「な、何やその態度は・・・開き直ったんか?」
裕子の強い口調に一瞬たじろいだ社長だったが、それでも口元を歪めて聞いた。
「確かに私達は愛し合いました・・・。
それは、私が春香の事が好きだからです。
無断で社長室を使った事はお詫び申し上げます。
だけど、このビデオは明らかに社長が知っていて
見せたのでしょう・・・?」
裕子の堂々とした言葉に、何時しか春香は顔を上げて聞いていた。
涙は止まり、潤んだ瞳を恐る恐る周囲に向けている。
春香を抱きしめる裕子の腕の強さだけが、怯える心を支えてくれていた。
「フンッ・・確かにそうや・・・。
ワシはお前らがレズッた最初の日に
ベッドが湿っとるのを発見したんや。
それで隠しカメラをセットしといたんや・・・」
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全て見られていたのだ。
「す、すると・・・?」
初めて声を出した春香に、残忍な表情を見せて幸造が言った。
「そうや、悟も知っとる・・・」
再び春香の胸に衝撃が走った。
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