母子(おやこ)スワッピング -ママ(母さん)を愛しすぎて-

山田さとし

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第二部 秋穂(あきほ)と正(ただし)

第七章 怖いのです

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ジッと見つめる息子の瞳に。
思わず目を伏せてしまった。
いつもなら明るく会話をしているのに。
正さんの顔をまともに見ることが出来ない。

※※※※※※※※※※※※

昨夜、脱衣室で彼の下着を見つけた時。
甘酸っぱい匂いに大人の男になったことを知った。
そういえば眉毛も濃くなって、顎が目立つほどに頬の肉がそがれて精悍に見える。
初めて出会った頃から比べると格段に成長しているのが改めて分かる。

私にとって大きな衝撃だった。
四年間とはいえ毎日共に暮らしていて気づかなかったが、十六歳という年齢が子供では無いということを思い知らされた瞬間だったのだろう。
下着に沁み込んだ匂いを感じながら立ち尽くしていた。
粘ついたシミが正さんの精液だと思うと、体中が熱くなり心が震えた。
二人きりで同じ屋根の下に住んでいることの意味を思い知らされたから。

あれから私はシャワーを浴びた。
身体を洗っている時に泡に滑る指先が敏感になっている場所を無意識にたどっていく。

久しぶりに味わう昂りに、声を漏らさぬよう必死に耐えていたのだけど。
下着の匂いの記憶が私の興奮を煽り、早くなった指の動きに小さく叫んでしまった。

(あぁ・・気持ち・・いい・・・)
放心したまま私は暫く座り込んでいた。

これほど激しい絶頂は別れた夫とのセックスでも味わったことが無かった。
勿論、一人でするイタズラでも。
若いころから奥手の私は淡泊な方で、滅多にしたことが無かったせいもある。

だけど昨夜は違った。
下着から漂う甘酸っぱい匂いが頭にこびりついて、離れなかった。
それが彼の精液であると思うと、まるで息子に犯されたかのような錯覚に陥り、淫靡な妄想が膨れ上がってしまうのだ。

(ただしさんっ・・ただしさんっ・・・)
心の中で愛おしい名を呼んでいた。

息子の精液の匂いを思い出しながら自分を犯す。
精悍な顔が歯を食いしばるようにして私を突き上げてくる姿を想像して。

※※※※※※※※※※※※

(あぁ・・・)
伏せていた視線を上げると目が合った。

(母さん・・・)
その眼差しから息子も私を呼んでいるような気がする。

(ただしさん・・・)
私も視線を逸らすことなく見つめ返した。

ほんの数秒だろうか。
二人は見つめ合ったまま同じ時間を過ごした。
それがとても心地良いものだと。
そう思うことが少し怖いと感じてしまうのだけど。
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