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第三部 守(まもる)と正(ただし)
第三章 世界で二番目に
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【守と正16歳】
【2016年 9月10日】
数日後。
正の家で。
※※※※※※※※※※※※
世界で二番目に綺麗だ。
と、守は思った。
この間のお返しとばかりに正の家を訪れた時だった。
玄関で迎えた母の秋穂を一目見て胸が熱くなった。
スレンダーなプロポーション。
正に似たクールな顔立ち。
後から知ったが、血は繋がっていないらしいが。
一瞬、やばいと思った。
好きになってしまいそうだと。
自分は年上好きなのだろうか?
クラスメートの美形女子から告白されても断っているのに。
秋穂さんの微笑みが心に入り込んできて。
何だか、切ない気持ちになったのだ。
お茶とお菓子を運んだ後、息子の部屋を出た秋穂は振り返ってドアに視線を向けた。
正から紹介された守という男の子の美少年ぶりに、胸が熱くなっていたからだ。
正もクールな美形で自慢の息子だとは思っていたが、正反対のタイプである幼い顔立ちは衝撃的だった。
「こんにちは・・・」
一言だけの挨拶なのに、子犬のような眼差しが胸をキュンとさせた。
初めて正と会った時と同じくらい心に入り込んでくる。
高校に入学して、いや、この土地に移住してから息子が友達を連れてくるのは初めてだった。
もしかして孤独なのかと心配していたので昨日、友達が来ると言われて興味津々だったのだが。
息子とは会話をする方だけど、あまり学校については話したがらないので友達も少ないと思っていた半面、これほどの美少年を連れて来るとは予想もしていなかった。
秋穂は口元を綻ばせると1階のリビングに向かった。
今日の夕食は正の好物の手作りハンバーグにしようと思ったからで支度にとりかかるためだ。
守について詳しく話を聞いてみたくなった。
息子との会話の種が出来て嬉しかったのは最近、気まずい想いをしていたからだ。
二人の関係が冷たくなった訳ではない。
始まった二人の秘密のイタズラが互いの口を重くさせていたのだ。
このままではいけないと思いつつ続いていく淫靡な戯れによる罪悪感を少しでも紛らわせることが出来るのなら、守という美少年は恰好の話題になるではないか。
秋穂は台所に立つといそいそと夕食の支度にとりかかるのだった。
無意識に鼻歌を口ずさみながら。
【2016年 9月10日】
数日後。
正の家で。
※※※※※※※※※※※※
世界で二番目に綺麗だ。
と、守は思った。
この間のお返しとばかりに正の家を訪れた時だった。
玄関で迎えた母の秋穂を一目見て胸が熱くなった。
スレンダーなプロポーション。
正に似たクールな顔立ち。
後から知ったが、血は繋がっていないらしいが。
一瞬、やばいと思った。
好きになってしまいそうだと。
自分は年上好きなのだろうか?
クラスメートの美形女子から告白されても断っているのに。
秋穂さんの微笑みが心に入り込んできて。
何だか、切ない気持ちになったのだ。
お茶とお菓子を運んだ後、息子の部屋を出た秋穂は振り返ってドアに視線を向けた。
正から紹介された守という男の子の美少年ぶりに、胸が熱くなっていたからだ。
正もクールな美形で自慢の息子だとは思っていたが、正反対のタイプである幼い顔立ちは衝撃的だった。
「こんにちは・・・」
一言だけの挨拶なのに、子犬のような眼差しが胸をキュンとさせた。
初めて正と会った時と同じくらい心に入り込んでくる。
高校に入学して、いや、この土地に移住してから息子が友達を連れてくるのは初めてだった。
もしかして孤独なのかと心配していたので昨日、友達が来ると言われて興味津々だったのだが。
息子とは会話をする方だけど、あまり学校については話したがらないので友達も少ないと思っていた半面、これほどの美少年を連れて来るとは予想もしていなかった。
秋穂は口元を綻ばせると1階のリビングに向かった。
今日の夕食は正の好物の手作りハンバーグにしようと思ったからで支度にとりかかるためだ。
守について詳しく話を聞いてみたくなった。
息子との会話の種が出来て嬉しかったのは最近、気まずい想いをしていたからだ。
二人の関係が冷たくなった訳ではない。
始まった二人の秘密のイタズラが互いの口を重くさせていたのだ。
このままではいけないと思いつつ続いていく淫靡な戯れによる罪悪感を少しでも紛らわせることが出来るのなら、守という美少年は恰好の話題になるではないか。
秋穂は台所に立つといそいそと夕食の支度にとりかかるのだった。
無意識に鼻歌を口ずさみながら。
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