【完結】クズ夫を嫉妬させる役のモブ王子が激甘でした ※ただし彼には本命の愛人がいます

星森 永羽(ほしもりとわ)

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初仮面舞踏会です

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 仮面舞踏会の会場に足を踏み入れた瞬間、私は思わず声を上げた。

「ひゃー、初めて来ました仮面舞踏会。ムーディーですね」

 天井から吊るされたシャンデリアが、仮面の海を照らしている。  
 音楽と香水が混ざり合い、まるで夢の中にいるようだった。

「……初めてなのに、行くって言ったのか」

「現世では、まだ処女ですよ」

「っ!」

 ヴァネッサが一瞬、息を詰まらせたのがわかった。  
 私は首を傾げる。

「なんです?」

「いいや……」

 彼女は視線を逸らし、仮面の奥で何かを飲み込んだようだった。

「男漁りに来たんですから、ちゃんと良さそうなの見つけてください」

「何だって?」

「あ、“わらわ”言葉禁止ですよ。すぐバレますから」

「わか……わかったわ」

 ヴァネッサがぎこちなく言い直す。  
 私はくすっと笑って、彼女の腕を取った。
  

「うーん、あれはどうですか?」

 私は、壁際でグラスを傾けている長身の男を指差した。  
 黒い仮面に深紅のマント。雰囲気はある。

「あれは貴族派の大公だ」

「仮面つけててもわかります?」

「王弟だからな」

「だから“よ”」

「……だから“よ”」

 ヴァネッサが、小さくため息をつきながら言い直す。  
 私は、にんまりと笑った。

「あの人、いい人そう」

「あれは貴族学園の同級生。カッタリーニ男爵“よ”」

「なるほど。
 どんな人が好みですか? まさか金髪碧眼の爽やか王子?」

 ヴァネッサは沈黙した。  
 私は目を丸くする。

「マジで? もっとバリバリいかつい人が好きかと思った」

「よく言われる」

 彼女の頬が、わずかに赤くなった気がした。  
 私は視線を滑らせながら、ふとある人物に目を留めた。

「あらあらあら? 見てください、あの人。まろやか王子っぽい」

 白い仮面に金の縁取り、柔らかな微笑み。  
 まさに絵に描いたような王子様。

「あれは……隣国のウォーレン王子だと思う。既婚者だぞ?」

「いいじゃないですか。ひ……ヴァネリーも既婚者でしょ」

「ヴァネリー……そうだね、フローレンス」

 ヴァネッサが苦笑する。  
 私はくるりと踵を返し、スカートを揺らして言った。

「ナンパしてきます」

「え」

 ヴァネッサの声が裏返った。  
 私は振り返らず、軽やかに人混みに紛れていった。  



「HEY! そこのカワイ子ちゃん。楽しんでる?」

 白い仮面の王子様は一瞬きょとんとした後、眉をひそめた。

「……酔ってるのか?」

「いいえ、私はフローレンス。ご趣味は?」

「しゅ、趣味? いきなり? ええと……狩猟だ。君は?」

「おお! ナイス!」

 私は思わず拍手しそうになった。  
 これは、ちょうどいい。

「君も狩猟が趣味なのか?」

「私は違いますけど、ちょうど狩猟用にニットレースの服を作ったんです。あっちの友達に」

 私は彼の手を取って、そのまま人混みをかき分ける。  
 ヴァネッサのもとへ、ずるずると引っ張っていった。

「この方、狩猟が趣味なんですって」

 ヴァネッサは一瞬、青い目を見開いたが、すぐに仮面の奥で表情を整えた。

「あ、ああ……それは。最近は何をお獲りに?」

「最近は冬眠前の動物が多いから、大きいのは熊だな」

「おおお」

 私が感嘆の声を上げると、ヴァネッサが1歩前に出た。

「それは、どこで? 私はプレジ森で鹿ばかり……」

「ああ、プレジ森か。あそこは獲りやすいが、草食動物ばかりだ。カルネ山に行くと、大きな獲物がいる」

「カルネ山……あそこは風が強いから、匂いの流れが難しいのでは?」

「それが逆に利点になることもある。風下に陣取れば、熊も気づかない」

 2人は、すっかり意気投合していた。  
 仮面越しでも伝わる熱量に、私はそっとその場を離れた。

 ──よし、任務完了。

 私は静かに、食べ物コーナーへ向かった。

 やっぱり生ハムはないのか……。  
 私は大皿を見つめて、ため息をついた。  
 仕方なく、小さく切られた肉の盛り合わせを手に取る。

「……まあ、これで我慢しよ」

 ムシャムシャと口を動かしていると、背後からくぐもった笑い声が聞こえた。

「ククク……」

 振り返ると、背の高い細身の男性が、仮面の奥で目を細めてこちらを見ていた。  
 黒と銀の装飾が施された仮面に、深い藍色のタキシード。  
 その立ち姿は、どこか儚く、けれど目を離せない存在感があった。

「食べます?」

 私は皿を差し出した。  
 シルバーブロンドの彼は、首を振り微笑んだ。

「いいや、君を見てる方が面白い」

「食べた方がいいですよ。細いですよ」

「僕の婚約者が、リアトリス国の漢方を勧めてくれてね。今日は、少し調子がいいんだ」

 私は目を細めた。  
 この声、この雰囲気──

「……どこかの王子ですか?」

「正解。踊ってくれる?」

 彼──マティアス殿下は、手を差し出した。  
 私は皿を置き、彼の手を取った。

 

 舞踏会の中央、ゆったりとしたワルツのリズムに合わせて、私たちは滑るように踊った。  
 仮面越しに交わす視線が、どこかくすぐったい。

「漢方って、1日じゃ効かないですよ。飲み続けないと」

「そうなんだけど、婚約者が破天荒だから見張るために“キツいのくれ”って言ったら、3時間も悶絶する強烈なの処方されてね」

 ちなみに私は、マティアスの婚約者ではない。

「それはそれは……アーメン」

「まだ殺さないでくれ」

 マティアスは苦笑しながら、私の腰を軽く引き寄せた。

「それで? 義姉上は“君を手放さない”って言ってきたけど──君の気持ちはどうなの?」

「殿下とは一昨日、出会ったばかりですから。何とも言えないです」

「兄上は君と出会った、その日に『側室にする』って宣言したらしいけど?」

 私は一瞬、足を止めかけたが、すぐにステップを戻した。

「たまたま私の見た目が好みだったんじゃないですか」

 私は素っ気なく言いながら、マティアス殿下の視線を避けた。  
 彼は仮面の奥で笑い、肩をすくめる。

「君は我が国とフローディア国の王子全員、手玉に取ったんだね」

「なんて人聞きの悪いことを。カイエン殿下には難癖つけられただけだし、ラッシュ殿下は跡目争いから逃げたいだけですよ」

 ついでにフローディアの第2王子とは、接点がない。

「ふうん。みんな見る目ないね。僕は、君の魂を見てるのに」

 その言葉に、私は思わず足を止めた。  
 次の瞬間、ふわりと視界が浮き上がる。

「ちょ、ちょっと?!」

「ほら、君を抱き上げるくらいの力はあるよ。少しは見直した?」

 マティアスは私を抱き上げ、そのままバルコニーへと歩き出した。  
 夜風がドレスの裾を揺らし、遠くの音楽がかすかに聞こえる。

「あ、ちょっと。私はヴァネッサ様の付き添いなんで、見えなくなるのは困ります」

「すぐに済む。デートの約束をするだけだ」

「デートって……殿下の体力がついてからならいいですよ」

「君が料理を作ってくれるんだろう? なんだっけ、味噌? 醤油は手に入ったよ。麹がまだだって」

「本当ですか?!」

 私は思わず前のめりになった。  
 マティアスが、少し引き気味に笑う。

「あ、ああ。だから僕の離れに作りに来てよ」

「実は私、料理があんまりできなくて……いつも護衛やメイドに作ってもらってたんです。
 今、地下にいるフォレスっていう護衛なら豆腐も作れます。連れてっていいですか?」

「逢い引きに男連れで来るなんて、君らしいね。いいよ」

「わ、やったー! ありがとうございます!」

 私はマティアスの腕の中で、思わず小さくガッツポーズをした。  
 彼の笑い声が、夜風に溶けていった。



「あれえ? ヴァネリーどこ?」

 マティアスと別れ会場に戻った私は、仮面越しに辺りを見回した。  
 さっきまでいたはずのヴァネッサの姿が見えない。

「ちょっといいかな。1曲、踊らない?」

 声をかけてきたのは、パッとしない男だった。  
 私は軽く会釈して断る。

「今、人を探してるんです。ごめんなさい」

「こんなとこで誰を探してるって?」

「友達です。女友達」

「ああ、それならしけこんでるんだろ。あそこだよ」

 男が廊下の奥を指差す。  

「ありがとう。行ってみます」

 私は礼を言って、そちらへ向かった。



 扉を1つずつ、そっと開けていった。

 ──ウォーレンの声が聞こえた。

「君がヴァネッサ殿下なのは、最初からわかってた」

「このことは誰にも言わないでくれ」

「それは君次第じゃないか」

 んんん? これは脅迫?  
 私は扉の影で息を潜める。

「何が望みだ?」

「定期的に会ってくれないか?」

 んん? 口説いてるとこ?

「そなたは隣国に帰るだろう」

「俺は三男だ。外交担当と言って、こちらに赴任する」

 やっぱり口説いてるね。どうしよう。  
 私は咳払いして、扉をノックした。

「お取り込み中、すいません。そろそろ帰ろうかと思うんですけど」

「……先に帰ってくれ。馬車は、こちらで調達する」

「いや、俺が責任もって送る」

 ええええ?!  
 私は戸惑いながらも頷くしかない。

「……わかりました」

 そっと扉を閉め、息を吐く。  

 ──いきなり、こんなことに?  
 まあ、大人だしな……でも、帰っていいのかな? 王子妃を置いて帰るって、どうなの? 代わりに誰か、派遣してもらおうかな……。

 そう考えながら歩いていると、突然、腕を掴まれた。  
 私は驚いて振り返る間もなく、空き部屋に引きずり込まれた。

「用事が済んだなら、こっちも遊ぼう」

 さっきのナンパ男だった。  
 顔が近い。息が臭い。キモすぎる。

「いや! やめ──」

 叫ぼうとした瞬間、口を塞がれ、ズルズルとベッドへ引きずられる。  

 どうしよう! ヤバい! 主催者は、どこ?!  
 こういう時は──きんたま蹴るんだっけ?  
 よし、タイミングを見て──

 3、2、1──

「がああっ!」

 いきなり男の体が吹っ飛んだ。  
 私は呆然とした。

「え?」

 そこに立っていたのは──

「あれは王宮メイドだ。わかって、やってるのか!」

「ひっ、てぃ、ティエル殿下! ちがっ、誘われて、その……」

「そう言ってるが?」

 ティエル……なぜここに。

「聞いてるのか」

「……違います」

 私が答えると、翡翠の目が見開かれた。

「……その声……まさか」

「私はフローディアです。助けてくださり、ありがとうございます。御礼は後日」

 私はベッドから飛び降り、逃げようとした。  
 けれど──

「待って。僕が、君を間違うはずないんだ」

 腕を掴まれたまま、私は固まった。  
 ナンパ男は、その隙に逃げていった。

 ティエルは私の仮面に手をかけ、そっと外す。  
 私は顔を背けた。

「なんで……幻なのか?」

 答えない私を、ティエルは抱きしめた。

「やだ。離して」

「離さない!」

 彼の腕の中で、心臓の音がうるさく響く。

「……信じられない。君が、僕の腕の中にいるなんて」

「今日は離して。帰らせて」

「どこに帰るって言うんだ?」

「それは……」

 答えきれない私を、ティエルは抱き上げた。  



 仮面をつけていない私とティエルが、廊下から舞踏会場へと姿を現した瞬間、空気がざわめいた。

「あれはティエル殿下と……辺境伯の──」

「本当だ。新聞で見た」

 誰かの囁きが、波紋のように広がっていく。  
 ティエルは一切無視して、私の抱いたまま馬車へと乗り込んだ。


 

 ヴァネッサの部屋とは違う棟、ティエルの私室。  
 重厚な扉が閉まると同時に、私はベッドに降ろされた。  
 その直後、彼がのしかかってきて、手が私の体を這う。

「ちょ、ちょっと何?! 痛っ、いや!」

 私が叫ぶと、ティエルの動きが止まった。

「……処女なのか?」

「当たり前でしょ!」

 彼は安堵して、胸を撫で下ろした。  
 私は怒りに震えながら睨みつける。

「何なの、いきなり?!」

「あんな場所にいるからだ!」

「人のこと言えないじゃない!」

「僕は潜入捜査に行っただけだ!」

 私は顔を背けた。  
 その言葉が、どこまで本当なのか、もう信じられなかった。

「……どういうことか説明してくれ」

「いや!」

「なっ──」

 私はベッドから起き上がり、部屋を出ようとした。  
 けれど、ティエルが私の腕を掴み、強引に唇を重ねてきた。

「やめて! 穢らわしい!」

 私は、彼を突き飛ばした。

「なっ……どうして?」

「嘘つき! バカ! 嫌い! もう私に話しかけないで!」

「待て、誰に何を吹き込まれた?! 僕は誓って君を愛してる!」

「セフィナ・アルヴァリエ」

 その名を口にした瞬間、ティエルの顔が青ざめた。  
 私は──やっぱり、と思った。

 踵を返して扉へ向かう。

「待ってくれ! 違う! 聞いてくれ! ちゃんと話すから!」

「聞きたくない!」

 ティエルが私の前に回り込み、膝をついた。

「頼むから……本当に、君を愛してる」

 私は戸惑い、足を止めた。

「勝手に居なくなったくせに、何を話すの?」

「なぜ君は、この国に居る? しかも王宮メイドだ。僕に会いに来たんじゃないのか」

「違う。私は亡命したの」

「は?」

 ティエルの顔が、さらに困惑に染まる。

「……今までのことを聞きたいなら、地下牢にいるフォレスに聞いて。私は今、あなたの顔も見たくない」

 彼はしばらく黙っていたが、やがて静かに言った。

「……わかった。部屋まで送る」

「いいえ、結構よ」

 私は背を向け、扉を開けて出ていった。  
 涙は、まだ流さない。  
 ──今は、怒りの方が強いから。




 翌朝、私はヴァネッサの部屋を訪ねた。  
 けれど、メイドは留守だと言う。

「……え、まだ帰ってないの? どうしよう」

 まさか、あのままウォーレン王子と──いやいや、まさか。  
 心配になって、急いで馬車を呼び、昨夜の会場へ向かおうとした。

 そのとき、ちょうど門の前に馬車がきた。  
 扉が開き、ヴァネッサが優雅に降り立つ。

「どこへ行く?」

「どこって……心配したじゃないの!」

 私が詰め寄ると、ヴァネッサは少し驚いたように目を見開き、それからふっと笑った。

「心配? わらわを? わらわには、ちゃんと影がついておる」

「あ……」

 言われてみれば、確かに。  
 王太子妃に護衛がついていないわけがない。

「まあいい。部屋に戻ろう。それとも出掛けるか?」

 私は首を横に振った。

「今日は、マティアス殿下に食事を作る約束なのです」

「む。あやつめ……まあいい。着いていこう」

「政務は?」

「そちが侍女にさせよ、と言ったのじゃ。ほれ、いくぞ」

 ヴァネッサはすっかり乗り気で、私の返事も待たずに歩き出した。
 上機嫌で何より……。


 

 マティアス殿下の離れに到着すると、彼は窓辺からこちらを見下ろしていた。  
 扉を開けて出迎えた彼は、仮面のない素顔で、少しだけシルバーブロンドの眉をひそめた。

「あー……デートのつもりだったのに、余計な人が1、2……」

 視線の先には、ヴァネッサとフォレス。  
 私は肩を、すくめて笑った。

「今日は“体に優しい料理”ってことで、味噌汁、炊き込みご飯、だし巻き玉子、冷奴です。作るのはフォレスです」

「お嬢様、全部作ったことありませんが」

 フォレスが真顔で言う。  
 私は胸を張って宣言した。

「よし、それでは皆で出汁をとりましょう!」

 マティアスは呆れたように笑い、ヴァネッサは腕を組んでため息をついた。  
 けれど、誰も帰ろうとは言わなかった。  


 豆腐を作るのに思いのほか時間がかかって、気づけば日はすっかり高くなっていた。  
 ようやく食卓に並んだ料理を前に、ヴァネッサが呆れたように言う。

「本当に、料理したことなかったんだな」

 私は黙ってフォークを握りしめた。  
 言い返せないのが悔しい。

「た、食べよう。全部、焦げてるけど……美味しそうだ。
 うん……巻くの苦労した卵が柔らかい」

 マティアス殿下が、優しくフォローしてくれる。  
 だし巻き玉子は形こそ崩れていたけれど、味は悪くない……はず。

「この白いの、味がないぞ」

「醤油と鰹節かけるのです」

 冷奴に手を伸ばしたヴァネッサが、青い眉をひそめる。  
 私はすかさず説明を添えた。

「お嬢様の炊き込みご飯、天才です」

 フォレスが感動したように言う。  
 それだけは、炊飯器に入れるだけの簡単レシピで何度か作ったことがあった。

「それだけは、ね。ああ、味噌汁、美味しい」

 湯気の立つ椀を手に取り、私はほっと息をついた。  
 出汁の香りが、体の奥まで染み渡る。

「なんだか体に染みるな」

 ヴァネッサが、ぽつりと呟く。  
 ──それは朝帰りしたからじゃないかな、と心の中で突っ込んだ。

「いつもより食べられるよ」

 マティアスが、ゆっくりとフォークを進めながら言った。

「宮廷料理は香辛料が多くて胃が疲れるから、あまり食べられないのでは?」

「どうも、そうみたいだ。ありがとう。これで君と結婚できそうだ」

 その瞬間、フォレスが手にしていたフォークを落とした。  
 私は咳払いで誤魔化す。

「モテる女は辛いな」

 ヴァネッサが笑いながら言った。  
 私は味噌汁を啜りながら、視線を逸らした。  
 ──この味、ちょっとしょっぱいかもしれない。



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