当て馬系ヤンデレキャラから脱却を図ろうとしたら、スピンオフに突入していた件。

マツヲ。

文字の大きさ
19 / 55

*19.サービスが過剰すぎるというか、過激だった件。*

しおりを挟む
*前回に引き続き、今回も少々過激な表現をふくみます。
*周囲からの視線にご注意のうえ、ご覧ください。
*性的表現が苦手な方は、読み飛ばしを推奨します。
*心の準備がととのいましたら、スクロールしてどうぞ。




 飛び散った白濁は、しかしシャワーのお湯ですぐに排水口へと流されていった。
 それを横目で見ながら、荒い息をくりかえす。
 でもなんだろう、イッたばかりだというのに、まだ下腹の奥にはわだかまる熱が残っているような気がする。
 どうせならこの熱ごと、全部出きってくれればよかったのに……。

 きっとそのせいだ。
 まだ足りなくて、もっともっと気持ちよくしてほしい、ほかのだれでもない、山下の手であの夜の記憶を塗り替えてほしいだなんて、そんな荒唐無稽な願いを抱きそうになる。

 まったくもって、どうかしている。
 だって相手は、己の秘書なんだぞ?
 くりかえすようだけど、山下は恋人でもなんでもなくて、『』だ。

 とはいえ、そんなおかしさに気づける程度には、冷静になれているのだろうか?
 今の自分の姿を見たら、とてもまともになったとは言いがたい様子をさらしてしまっているんだとしても。

 だって、熱に浮かされたような顔は赤く染まり、瞳はあたえられた快楽にとろけている。
 あくまでもこれは、中途半端に反応してしまった前を静めるためにヌイただけで、後ろだってそのままにしておくわけにいかないから、まとめて洗ったにすぎないんだと自分に言い聞かせたところで、余韻が抜けずにいる。

 おかげでからだの芯には熱がこもったまま、まるで後ろだけでイカされたみたいな気持ちになってしまっていた。
 それが証拠に、直前まで山下の武骨な指を咥え込んでいたそこは、いまだにヒクヒクと切なげにわなないていた。

「次は、おからだを洗って差し上げますので」
「っ、ちょっと待っ……山下ぁっ!」
 俺が止める間もなく、ふたたび山下はボディーソープのボトルに手をのばす。

 そして透明な液体を手に取ると、お湯を加えて手のひらで泡立て、ぬれたからだに塗りたくってくる。
「んんっ、ちょっ……やめろ、バカ……!」
 イッたばかりのからだはやけに敏感で、なのにわざとらしく山下の手は、ゆっくりと何度も肌のうえを行き来する。

「ひっ、や…やめっ………!」
 特に紅く痕の残る鎖骨のあたりを念入りになでさすられ、ぬるぬると這いまわる手のひらがくすぐったくて、思わず鳥肌が立ちそうになった。

「……鷲見わしみ社長の前でも、そんなにかわいらしい声で啼いてらしたんですか?」
「は?な、なにを……?」
 ワントーン下がった声色に、ゾクリと背すじに冷たいものが走る。

「ご自覚がないというのも、それはそれで問題ですね。ちなみにこちらは、どういう風に触られたんですか?」
「んっ!」
 とがめるような口調のままに、キュッと胸もとの突端をつままれた。

「こんな風につままれたんですか?……それとも円を描くように、やさしくなめられました?……それとも、爪や歯を立てられたりは?」
 言葉に出して聞いてくるたびに、山下はそれを再現するかのように指先で弄っていく。

「っ、そんなの、されてな……っや、だから、んんっ!」
 最終的には、親指の腹でクニクニと円を描くように押しつぶされた。
 その絶妙な力加減に、くすぐったいのとはちがうナニかが、腰の奥に走る。

「本当ですか?こんなに赤く色づいておいしそうに主張してるのに……それになにより、あなたがそんなに気持ちよさそうにしてるのに、弄らなかったと……?」
「あたりまえだ!」
 だってあれは俺の尊厳を傷つけ、鷲見社長のプライドを回復させるための代償行動でしかなくて、気持ちいいとかそんなんじゃなかった。

「てっきり手首以外に目立ったおケガがなかったので、理性を飛ばされるほどに愛されたのかと思っていましたが……」
「なんでそうなる?!あんなの、ただのレイプだ!」
 ただ一方的に突っ込まれて、好き勝手に動かれた。

 無理やり突っ込まれたそこが切れていなかったのは、ここがBLゲームの世界という補正がかかっているか、もしくは媚薬入りだとかいう怪しいローションのおかげでしかないと思う。
 そうじゃなきゃ、はじめてなのに、あんなにおかしな感じになるわけがない!

「ではこちらは?」
「あぅっ……それも、触られてない……」
 泡だらけの山下の手が、ふたたび反応しはじめた前に触れてくる。

「ふあっ…………う、んっ……!」
 洗うためだと思っても、その手がやさしく包み、しごいてくるのに勝手に反応してしまう。
 必死にくちびるを噛みしめていないと、いやらしい声がもれてしまいそうだった。

 泡まみれの手がこするヌチヌチという音が、耳からも俺の羞恥心を煽ってくる。
 着実に腰の奥にわだかまっていた熱は、ハッキリとした情欲となって、一度はイッて落ちついていたはずのそれを硬く勃ちあげていく。

「よほど慣れていなければ、後ろだけではなかなかイケないはず……───では、ひょっとして社長、先方はなか出しをされたというのに、あなたは一度もイッてなかったので?」
「…………………」
 無言のままにこくりとうなずけば、たずねる顔の迫力が増した。

「あの男……見下げ果てた野郎ですね!なんて自分勝手な!!自分は出すだけ出して、相手のことを気づかえないなんて……とんだじゃないですか!?社長、やっぱり訴えるべきでは?」
「それについては、ダメだと言っただろう?!」
 これでイーグルスター社がつぶれでもしたら、目も当てられない。

 本気で抵抗する気なら、自由になる足で相手を蹴り飛ばせばよかったはずだ。
 それでも甘んじて受け入れたのは、過去の自分への反省と、そしてなにより大事な我が社の社員とその家族を守るためと思ったからこそだ。
 そのおかげで、吐きそうなくらいに気持ち悪かったけど、なんとか耐えられたんだ。

 連鎖倒産なんて起こしてみろ、今度こそ俺はただのヤラれ損だ!
 さすがにそれは、許容しかねることだった。

「うっ、あぁっ……」
「しかし、こちらは多少腫れてらっしゃるような気もしますが、切れてはない……まさか!グチョグチョになるほど舌で念入りになめられたとか?!どうなんですか、社長?」
 一度かき出されたからと油断をしていたところで、ふたたび山下の指先が、後ろの穴へとねじ込まれた。

 待ち望んでいた刺激に、キュッと締めつけてしまってから、あわてて力を抜こうとして……失敗した。
 わざとなのか偶然なのかはわからないけれど、その指先はまた、俺の弱いところを的確にとらえていた。

「あっ、ちょっ……んぅっ、やっ!かきまわすなぁっ…!」
「お言葉ですが、そのわりには、よろこんでいらっしゃるようですが?」
「おまえの、せいだ……っ!」
 思わず責任転嫁をしてしまったところで、敏感なところをこりこりと指先で引っかかれた。

「こんなにグイグイ締めつけてくるくせに、切れていなかったのは、不思議ですよね?まさかのお粗末なというわけでもないでしょうに……」
「ローションはあったから……その、媚薬入りだとか言ってたけど……」
 だからそのせいで、はじめてなのに受け入れられてしまったのかもしれないとつぶやけば、山下の顔がピシリと固まった。

「なんですか、その怪しいものは?!やっぱりもっとしっかり洗わなきゃ、自分の気が済みませんよ!失礼します!!」
「ひっ、な、なにを……っ!?」
 今度は直接シャワーの強い水流をあてられ、すんでのところで悲鳴をこらえた。

「っ?!」
 あらためて二本の指が奥まで挿し入れられ、拡げられたところにお湯が入ってくる。
 それだけじゃない、ぐりぐりと奥までかきまわされ、まるでローションの余韻すらゆるさないとばかりに洗われた。

 でも、こうして山下の手が触れていくところは、あまりにも刺激が強すぎて、あのとき鷲見社長によって無理やりに暴かれたときの恐怖と嫌悪の記憶を、さらにその上から打ち消してくれるような気さえする。
 それこそ本当に嫌な記憶ごと、お湯で洗い流されていくような感じだ。

 でも───こんなことを考えているなんて知ったら、山下に軽蔑されるだろうか?
 だって彼が尊敬するのは社長としての俺であって、それはつまりゲームのなかの盛りすぎ設定だったころの鷹矢凪たかやなぎ冬也とうやなんじゃないかって、そう思う。

 そうだ、きっとこんな風に弱いところだらけの俺じゃない。
 ならば山下にも、呆れられてしまったのだろうか?
 もしそうなら山下もまた、俺のもとから去っていってしまうかもしれない───。
 それはかんがえるだけで、キュッと胸が締めつけられるような気がした。

しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)  インスタ @yuruyu0   Youtube @BL小説動画 です!  プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! ヴィル×ノィユのお話です。 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけのお話を更新するかもです。 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新! Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

【完結】双子の兄が主人公で、困る

  *  ゆるゆ
BL
『きらきら男は僕のモノ』公言する、ぴんくの髪の主人公な兄のせいで、見た目はそっくりだが質実剛健、ちいさなことからコツコツとな双子の弟が、兄のとばっちりで断罪されかけたり、 悪役令息からいじわるされたり 、逆ハーレムになりかけたりとか、ほんとに困る──! 伴侶(予定)いるので。……って思ってたのに……! 本編、両親にごあいさつ編、完結しました! おまけのお話を、時々更新しています。 本編以外はぜんぶ、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結】抱っこからはじまる恋

  *  ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。 ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結】お義父さんが、だいすきです

  *  ゆるゆ
BL
闇の髪に闇の瞳で、悪魔の子と生まれてすぐ捨てられた僕を拾ってくれたのは、月の精霊でした。 種族が違っても、僕は、おとうさんが、だいすきです。 ぜったいハッピーエンド保証な本編、おまけのお話、完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! トェルとリィフェルの動画つくりました!  インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのWebサイトから、どちらにも飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 透夜×ロロァのお話です。 本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけを更新するかもです。 『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も 『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑) 大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑) 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

処理中です...