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慰めてくれる息子に”男性”を感じてしまう
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私の暮らしている町は岩手県の某市。
夫と私、夫の両親、高校1年生の一人息子。
特に珍しいこともないどこにでもいる普通の家族です。
いえ、普通の家族”でした”。
私達の環境が変わってしまった原因。
それは突然私の住む町を襲った災害でした。
災害が起こって直ぐに息子とは合流することが出来ました。
ただ、夫と夫の両親とは連絡がつかないまま幾日も時間だけが経っていく。
悪い考えだけがよぎる日々の中でも、きっと何処かで無事にいる。
避難所から動けず連絡をつける手段も無いだけだと。
結局その祈りが報われることはありませんでした。
夫と夫の両親は海から押し寄せる黒い波に飲まれ、変わり果てた姿で見つかりました。
遺体が見つかった時も葬儀の時も私は取り乱したい気持ちを必死に抑えて平静を装いました。
父親と祖父母を失って大泣きしている息子。
もう高校生とはいえ、これからは私が一人でこの子をしっかり育てなければいけない。
この子の前で弱い部分を見せるようなことはあってはならない。
そう自分に言い聞かせて。
その誓いもあって、しばらくの間は私の心が悲しみや不安に負けることはありませんでした。
ですが、それは決して乗り越えたという意味ではありません。
必死に一日一日を平静に取り繕っているだけ。
そして、それはちょっとしたことで脆く崩れてしまうもの。
きっかけは葬儀から半年ほど経ったある日。
息子との他愛もない会話でした。
もし息子が結婚をしてお嫁さんが来たら私は邪魔ものね、何気なく言った冗談。
その冗談に息子は、
「今お母さんが生きててくれて有難いと思う。これからもずっと一緒に居て欲しい。」
そんなことを言ってくれたのです。
強がっていた私の心が音を立てて壊れていくのを感じました。
葬儀の時にも我慢していた涙がボロボロと溢れ息子の前でみっともなく泣き崩れてしまったのです。
そんな私に息子は戸惑っていたようですが、そっと肩に手を置いてくれました。
その温もりに甘えるように私は息子に抱き着いて泣きました。
ただ何も言わず泣き止むまで私をぎゅっと抱きしめていてくれた息子。
夫を亡くしてから誰かの温もりに包まれたのは初めてでした。
この時は気付きませんでしたが、自分を支えてくれる”男性”。
私が失ってしまったそれを息子に感じていたのかも知れません。
それほどにまだ高校生のはずの息子の腕は優しく安心感がありました。
ふいに見せてしまった母親の弱い部分。
それが母と息子で狂おしい痴態に耽る発端になってしまったのでしょう。
後悔はないけれど懺悔したい気持ちは今でも消えません。
夫と私、夫の両親、高校1年生の一人息子。
特に珍しいこともないどこにでもいる普通の家族です。
いえ、普通の家族”でした”。
私達の環境が変わってしまった原因。
それは突然私の住む町を襲った災害でした。
災害が起こって直ぐに息子とは合流することが出来ました。
ただ、夫と夫の両親とは連絡がつかないまま幾日も時間だけが経っていく。
悪い考えだけがよぎる日々の中でも、きっと何処かで無事にいる。
避難所から動けず連絡をつける手段も無いだけだと。
結局その祈りが報われることはありませんでした。
夫と夫の両親は海から押し寄せる黒い波に飲まれ、変わり果てた姿で見つかりました。
遺体が見つかった時も葬儀の時も私は取り乱したい気持ちを必死に抑えて平静を装いました。
父親と祖父母を失って大泣きしている息子。
もう高校生とはいえ、これからは私が一人でこの子をしっかり育てなければいけない。
この子の前で弱い部分を見せるようなことはあってはならない。
そう自分に言い聞かせて。
その誓いもあって、しばらくの間は私の心が悲しみや不安に負けることはありませんでした。
ですが、それは決して乗り越えたという意味ではありません。
必死に一日一日を平静に取り繕っているだけ。
そして、それはちょっとしたことで脆く崩れてしまうもの。
きっかけは葬儀から半年ほど経ったある日。
息子との他愛もない会話でした。
もし息子が結婚をしてお嫁さんが来たら私は邪魔ものね、何気なく言った冗談。
その冗談に息子は、
「今お母さんが生きててくれて有難いと思う。これからもずっと一緒に居て欲しい。」
そんなことを言ってくれたのです。
強がっていた私の心が音を立てて壊れていくのを感じました。
葬儀の時にも我慢していた涙がボロボロと溢れ息子の前でみっともなく泣き崩れてしまったのです。
そんな私に息子は戸惑っていたようですが、そっと肩に手を置いてくれました。
その温もりに甘えるように私は息子に抱き着いて泣きました。
ただ何も言わず泣き止むまで私をぎゅっと抱きしめていてくれた息子。
夫を亡くしてから誰かの温もりに包まれたのは初めてでした。
この時は気付きませんでしたが、自分を支えてくれる”男性”。
私が失ってしまったそれを息子に感じていたのかも知れません。
それほどにまだ高校生のはずの息子の腕は優しく安心感がありました。
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それが母と息子で狂おしい痴態に耽る発端になってしまったのでしょう。
後悔はないけれど懺悔したい気持ちは今でも消えません。
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