母の告白～息子が恋人に変わるまで～

誘い合う母と子。股を濡らしながら絡める舌。

息子が家にいる最後の夜。
明日息子は大学のある仙台に巣立っていってしまう。

明日の夜からはこの家にいるのは私だけ。
家族を亡くしてもこれまでやってこられたのは息子のおかげ。
今度は本当に一人になってしまう。


息子の将来を思えば快く送り出してあげなければいけない。
私は心の奥に自分の本心を隠してその日は努めて明るく振る舞いました。


夜ご飯は息子の好きなビーフシチュー。
美味しそうに食べてくれる息子を見て涙が溢れそうになるのを堪えていました。


食べ終わって後片付けを済ませリビングに戻ると鼻をすする音が聞こえます。
びっくりして横を見ると息子は泣いていました。

高校生、いえもうすぐ大学生になる息子が泣きじゃくる姿で小さかった頃のことを思い出す。
大きくなったね。まだまだ子供なんだから。
そんな想いが同時によぎり息子を包むように抱きしめてあげました。


私の目からも思わず涙が溢れます。

「お母さんも泣いちゃうから泣かないで」

そう声を掛けると息子は私の胸に顔を埋めて更に嗚咽を漏らす。
そんな息子を私はあやすようにずっと抱きしめて頭を撫でていました。


どのぐらいそうしていたでしょうか。
息子も泣き止み落ち着いたようです。


私は冗談を言うように、

「こんな子離れ出来ない母親は駄目ね」

と呟きました。



「お母さんのこと好きだし、大事だから離れたくない。」

なにか冗談で返してくれることを期待した息子の口から出た言葉。
抱き合ったまま顔を離し、思わず息子の顔をじっと見てしまいました。

母親を大事に思っている。
ただ、それだけの意味のはずの言葉。

でも、私の心には何故かそれ以上の意味をもって響いてしまう。
毎夜息子を想って自慰に耽るほど私は息子の中の男に惹かれてしまっているのだから。

親孝行の言葉でしかない。
そんなはずないのよ。
妄想のしすぎで私はおかしくなっているの。
冷静に、冷静にならないと。

そんな風に自分に言い聞かせても期待していけない何かを期待してしまう。

息子は真剣な表情で、どこかギラギラした目でじっと私の目を覗き込んだまま。
目を逸らしてくれません。


やめて。そんな目で見るのはやめて。
それ以上見つめられたなら・・私・・。

私から目を逸らせばいいのに私もずっと息子の瞳から目が離せない。

ああ・・何を想ってそんな目で私を見ているの。
私は、お母さんは・・あなたが欲しいのよ。
息子のあなたが欲しいの。
気付いて。お母さんはあなたさえ良ければ・・・。

私の中の”女”が淫らに訴えかけてくる。
自分がハッキリと濡れていることも分かりました。

私は今どんな顔をしてどんな目で息子を見ているのだろう。
いけないわ。もう、本当にもうよさないと。


そう思った瞬間。
私の背中の息子の腕にグッと力が込められるのを感じました。
引き寄せられて私の顔と息子の顔が近づく。
もうお互いが数センチ寄り合ったなら触れてしまうほどに。


この子も・・そうなの？
私を・・母親の私を欲しいって・・・。
そう思ってくれてくるの？

絶対に抱いてはいけない想い。
絶対にしてはいけない期待。

本当に私の”女”を欲しがってくれるのなら・・・

（いいの、このまま。来て）

息子を見つめる私の目が声にならない声をあげた。


（お母さん。お母さんが欲しい。）

そう言ってくれている気がした息子の目が私にもう少しだけ近づいた。


唇に感じる柔らかく暖かい温度。
やがて私の唇を割って入り、私の舌を求めて暴れ出す若すぎる雄の舌。
私は答えるようにその舌に自分の舌を絡めてゆく。


男と女であってはならない母子で愛欲を込めたキスを交わし合う。
まるで夢の中にいるように。

私は愛しい人に唇を吸われながらこれ以上ない幸せと昂りを感じていました。