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異世界は想像と異なる世界であってはならない。マジで!
二度目のコンティニューはアリですか?
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「・・・・・・オワタ」
もう、泣いていいやら、漏らしていいやら。この状況から一体俺に何が出来るだろう。後ろの方では俺が目を点けられたのを良い事に、次々と仲間が逃げ出していく。せめて俺の屍を乗り越え・・・・・・いや、まぁ、皆が生きるための人柱になったと、そう考えるしかない、か。
足掻いたとて既に助かる見込みはない。目の前のアロサウルスも、サッサと俺を喰い殺し、皆を追いかけていく事だろう。出来るだけ遠くまで逃げてくれ、そう祈ることしかできない。ただ、出来るなら最後に漏らしたことは秘密にしておいてくれ!
「ハァ。ミーナ、ごめん。やっぱり俺には無理だったよ」
こっちに来てから唯一俺と親しくしてくれた少女のことを想う。彼女がいなければもっと前に死んでいた。一言お礼を言いたかったが、それももう叶わない。
「女神様、また転生させてくれるなら、ミーナにお礼を言いたいので此処に・・・・・・いや、やっぱりこんな○○ラシックワールドじゃなく、ああ、でもでも、ミーナは可愛いし。う~ん、いや、でも」
これは迷うところだ。異世界にこの体のまま転生させてくれると言われた時は、それこそ飛び上がるほどに嬉しかった。でも、それはマンガやアニメの如く剣と魔法の世界で活躍できる。そう思ったから。決して恐竜とガチバトルをするとか無謀なことを考えたわけじゃない!
「・・・・・・ってかさ、なげーよ! 何時までクッセー息かけてんだよ!」
人間、開き直ってしまえば割と度胸が出てくるものだ。今だったらこいつの胸倉だって掴んでやれる。
「GYAAAAAAAAAAA!」
アロサウルスの雄叫びが鼓膜どころか全身を震わせる。さながら震度5くらいの地震のようだ。
「・・・・・・ウソウソ! ごめんなさい!」
人間の謝罪なんて通じるわけもないが、でももう謝るしかない。日本のマーシャルアーツたる『DOGEZA』を発動する。『DOGEZA』で『GO○ZILLA』に対抗とか、日本の文化は最強だ。
「えっと、痛く、しないで?」
少しだけ起き上がり、チロリと見上げればアロサウルスと目と目が合う。
すると――
何処か居場所が無いような感じでアロサウルスの視線が泳ぐ。
・・・・・・そして、何故か戸惑うように視線を彷徨わせ――
「GYA!」
――どこか、そっけない仕草で踵を返し、去っていく。
その様子に呆気にとられながら、俺はただただ立ち尽くしていた。
俺?
俺の名は志渡重吾(しどじゅうご)平成の時代を生きた16歳の高校生だ・・・・・・った。で、今はなんかこのリアル・○○ラシックワールドに転生した至って普通の人間だ。魔法も使えなきゃ、剣も使えな・・・・・・てか、まだそんな文明兵器はない。
そんな俺が転生の女神に貰った成長スキル『獣神の魂』。ただそれだけを頼りに生きていく、これはそういう物語だ。
もう、泣いていいやら、漏らしていいやら。この状況から一体俺に何が出来るだろう。後ろの方では俺が目を点けられたのを良い事に、次々と仲間が逃げ出していく。せめて俺の屍を乗り越え・・・・・・いや、まぁ、皆が生きるための人柱になったと、そう考えるしかない、か。
足掻いたとて既に助かる見込みはない。目の前のアロサウルスも、サッサと俺を喰い殺し、皆を追いかけていく事だろう。出来るだけ遠くまで逃げてくれ、そう祈ることしかできない。ただ、出来るなら最後に漏らしたことは秘密にしておいてくれ!
「ハァ。ミーナ、ごめん。やっぱり俺には無理だったよ」
こっちに来てから唯一俺と親しくしてくれた少女のことを想う。彼女がいなければもっと前に死んでいた。一言お礼を言いたかったが、それももう叶わない。
「女神様、また転生させてくれるなら、ミーナにお礼を言いたいので此処に・・・・・・いや、やっぱりこんな○○ラシックワールドじゃなく、ああ、でもでも、ミーナは可愛いし。う~ん、いや、でも」
これは迷うところだ。異世界にこの体のまま転生させてくれると言われた時は、それこそ飛び上がるほどに嬉しかった。でも、それはマンガやアニメの如く剣と魔法の世界で活躍できる。そう思ったから。決して恐竜とガチバトルをするとか無謀なことを考えたわけじゃない!
「・・・・・・ってかさ、なげーよ! 何時までクッセー息かけてんだよ!」
人間、開き直ってしまえば割と度胸が出てくるものだ。今だったらこいつの胸倉だって掴んでやれる。
「GYAAAAAAAAAAA!」
アロサウルスの雄叫びが鼓膜どころか全身を震わせる。さながら震度5くらいの地震のようだ。
「・・・・・・ウソウソ! ごめんなさい!」
人間の謝罪なんて通じるわけもないが、でももう謝るしかない。日本のマーシャルアーツたる『DOGEZA』を発動する。『DOGEZA』で『GO○ZILLA』に対抗とか、日本の文化は最強だ。
「えっと、痛く、しないで?」
少しだけ起き上がり、チロリと見上げればアロサウルスと目と目が合う。
すると――
何処か居場所が無いような感じでアロサウルスの視線が泳ぐ。
・・・・・・そして、何故か戸惑うように視線を彷徨わせ――
「GYA!」
――どこか、そっけない仕草で踵を返し、去っていく。
その様子に呆気にとられながら、俺はただただ立ち尽くしていた。
俺?
俺の名は志渡重吾(しどじゅうご)平成の時代を生きた16歳の高校生だ・・・・・・った。で、今はなんかこのリアル・○○ラシックワールドに転生した至って普通の人間だ。魔法も使えなきゃ、剣も使えな・・・・・・てか、まだそんな文明兵器はない。
そんな俺が転生の女神に貰った成長スキル『獣神の魂』。ただそれだけを頼りに生きていく、これはそういう物語だ。
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