捻じ曲った欲望の果て

黄色子爵

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シーラ 30代前半 総合格闘家

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 シーラはこれまでの格闘家人生で一番の難敵と戦っていた。リング外には文字通り潰されたトレーナー。その横には頭を潰された屈強なボディガードと、身体が海老反りにねじり曲がったボディガードが横たわっていた。もちろん、3人とも息をしている様子は無い。シーラの呼吸は荒くなっていた。目の前にいる泣き顔の仮面の男は、余りに人外の怪力と移動速度を持っているからだ。そして、仮面の男から放たれるプレッシャーは、並の者なら対峙するだけで腰が抜けるだろう。仮面の男はシーラと対峙したまま、ピクリとも動かない。
(30分前に遡る)
シーラは総合格闘家であり、総合格闘技団『HF』の軽量級、不動のチャンピオンである。実力もさることながら容姿もキリッとした美人顔であった為、人気があった。また、防衛戦で幾度となく強敵を打ち破っており、そのファイトスタイルには華があり、防衛新記録も打ち立てていた。今回も偉大なる防衛記録の樹立に向けてのタイトルマッチである。対戦相手はあまりパッしない格下の相手で、前評判は『シーラの勝ちは確実』と言われていた。しかし、その周りの期待や評価からシーラは自然とプレッシャーを感じていた。タイトルマッチは興行の関係もあり、ここ第2都市ラコルドで開催される。シーラは明日に迫ったタイトルマッチに向け、最後の調整を地下の特設トレーニング室で行っていた。トレーニング室の入口では、ラコルド内の民間兵団から呼び寄せた、屈強なボディガードが警備にあたっていた。シーラの目の前には長年付き添っているトレーナーがミットを持っている。並の格闘家は、試合前日は休息に徹するのだが、ジーナの場合、過度なプレッシャーが邪魔をして、休息どころではなかった。トレーナーより、
「よしよーし。ラスト1ラウンド!」
と、声が掛かる。シーラは身体の動きを確認しながら、丁寧にミットを打っていく。すると、
(ガチャッ)
と、急にトレーニング室のドアが開いた。ドアの隙間から重い嫌な空気が入ってきた。トレーナーとジーナは思わずドアの方を見てしまう。そこには、黒いマントを羽織り泣き顔の仮面を付けた男が立っていた。シーラはその仮面を見た瞬間、全身に鳥肌が立った。トレーナーをチラリと見ると震えている。仮面の男は、
「こんばんは。」
と言う。トレーナーは、
「だ、誰だ?ボディガードはどうした?」
と、仮面の男に聞く。仮面の男は、マントを翻すと、頭部の無いボディガードと、身体が海老反りに
折り曲がったボディガードが出てきた。
「うわぁぁ!」
トレーナーは思わず、叫んでしまった。そして、シーラは戦慄した。そのボディガード達はラコルドの民間兵団内でもトップクラスの実力者2名だったからだ。すると突然、仮面の男の姿が消えた。シーラもトレーナーもあたりを見渡す。すると、シーラがトレーナーの背後に影を見つけた。シーラはトレーナーに向かって、
「後ろ!」
と、叫んだ。トレーナーは振り返ると、仮面の男が立っていた。トレーナーは恐怖で動けない。仮面の男はトレーナーの頭頂部に手を置くと、そのままトレーナーを一気に圧し潰した。
(バギッグチュグチャ)
トレーナーの頭部が胴体に一気にめり込んだ。その後も仮面の男は、そのままトレーナーの胴体を圧し潰し続けた。そして、圧し潰れたトレーナーを、リング外に転がるボディガード達の近くに放り投げた。シーラは、その様子を一部始終を唖然としながら見ていた。ほんの数分でトレーニング室には仮面男とジーナの二人だけとなっていた。
(そして今に至る)
シーラと仮面の男はリングの中央部で対峙していた。仮面の男はゆっくりと戦闘態勢に構えた。シーラも釣られて構えてしまう。仮面の男もシーラも構えはオーソドックスであった。
(シュッ)
という、風きり音と共にシーラの顔が跳ね上がった。仮面の男のジャブが命中したのだ。チャンピオンであるシーラでも拳が見えなかった。シーラは仮面の男から距離を取る。
『ヤバイ…スタンディングはヤバイ…』
シーラは仮面の男のジャブ一発で打撃戦は不利と悟ると、なんとか寝技に持ち込み仮面の男のパワーとスピードを殺す戦術に切り替えた。そして、スキを見てトレーニング室からの逃走を計るつもりであった。シーラは仮面の男と対峙しながら、今度は自分からジャブを放つ。仮面の男はそれを避けるが、シーラのジャブは囮であった。本命であるタックルを仮面の男に仕掛ける。シーラの格闘技ベースはクファンルド王国の格闘技『フィルンクル』という総合格闘技であった。領土紛争が絶えなかったクファンルド王国内で、当時はあらゆる格闘技が乱立したが、無血統一を果たした後に、それらを統合して出来たものだった。『フィルンクル』が確立し、治安維持部隊にも採用されると、競技人口は一気に増えていった。『フィルンクル』は『制圧』をメインとする技が多く、女性でも一般男性を『制圧』出来る程の関節技や極め技が揃っていた。その技を活かす為には必要なテクニックがテイクダウンであるが、シーラの得意技は『見えるのは影だけだった』と対戦相手から言われて名付けられた『シャドー』というタックルであった。
シーラの『シャドー』は仮面の男をしっかりと捕らえた。しかし、テイクダウンが取れない。仮面の男の重心がわからなかったからだ。シーラの『シャドー』は仮面の男にあっさりと切られると、ジーナは勢い余りマットにうつ伏せに倒れてしまった。シーラは仮面の男の反撃を怖れ、すぐに仮面の男を目視する。すると、不思議なことに仮面の男はパウンドに入る様子もなくシーラを見ていた。タックルが失敗した以上、この体制は不利と考えたジーナは素早く立ち上がる。シーラの『シャドー』は、決まれば男性の中量級のチャンピオンクラスでもテイクダウンは免れない程の完成度である。それをこうもあっさりと切られたとなると、シーラは動揺を隠せなかった。仮面の男はそんなシーラをあざ笑うかのように左ジャブを放つ。
(シュッシュッ)
仮面の男の的確な左ジャブがシーラの顔面にヒットする。シーラの鼻からは血が垂れた。仮面の男は更に左ジャブをシーラの顔面に打ち込む。シーラはガードを無意識に上げた。しかし、仮面の男の左ボディブローを受けた瞬間、シーラはそれが仮面の男の戦術だったとわかった。今までのジャブが嘘のような強力なボディブローは、シーラの鍛え抜かれた鉄板の腹筋を貫いた。シーラの腕が下がってしまう。仮面の男は、ガードが空いたシーラの顔面にジャブを放つ。仮面の男のジャブは今までに無い程の精度と速度を誇っていた。正直、シーラでも圧倒的な実力差を感じていた。それでもシーラは負けじと反撃の『シャドー』を仕掛けた。今度は仮面の男をテイクダウンすることに成功した。しかし、仮面の男はシーラのタックルに合わせて寝技を仕掛ける。グランドに移行すると、仮面の男が、シーラの身体を引き込みながらマットを転がる。そして、シーラが気付いた時には仮面の男にマウントポジションを取られていた。しかも両腕が後頭部とマットの間に交差して挟まっており、仮面の男は片腕でシーラの顔を抑え込んでいる為、シーラは身動きが取れない。仮面の男は、
「まだまだ修行が足りないね。」
と言うと、シーラを抑え込んでいる腕の袖をあげると前腕には縄が巻かれていた。それを解くと、シーラを回転させていく。回転が止まると、先程のマウントポジションに戻った。しかし、シーラの身体は左右の手首と膝がそれぞれ縄で結ばれ、開脚された状態で固定されていた。
シーラはもちろん抵抗するが、両手はしっかりと固定されており、ピクピクと小刻みに身体が跳ねるだけであった。
「やめろー!いやー!」
と、必死に抵抗しているシーラに仮面の男は、
「楽しみはこれからだよ。」
と、優しく語りかける。仮面の男はシーラの上半身のトレーニングウェアを引き千切った。小ぶりだが、形の整った美しい乳房が出てきた。シーラは悔しさの余り、
「やめろー!解け!」
と、抵抗していた。仮面の男はシーラの声が聞こえていないかのように、シーラの乳房を揉みしだく。仮面の男の手付きは柔らかく、リズミカルであった。シーラの下半身はそれにしっかりと反応してしまい、陰門からは愛液が滲み出ていた。しかし、シーラはそれを打ち消すように、
「くっ…やめろー!離れろー!」
と、必死に抵抗していた。仮面の男は更にシーラの乳首を摘むと指で擦る。それには流石のシーラも、
「うっ…やめろ…イヤ…」
と甘い声が混じった。仮面の男は、
「あれ?気持ち良いのかな?」
と、いたずらっぽくシーラに聞く。シーラは
「違う!そんなこと無い!やめろー!」
と、激しく否定する。仮面の男は、充分にシーラが感じていることを読み取ると、マウントポジションからインサイドガードポジションへ滑るように移動した。シーラは、仮面の男のその動作を見た瞬間、『寝技なら勝てる』と思った自分が愚かであったと後悔した。仮面の男は、続けてシーラの陰門を指でなぞると、
「あっ…」
と、シーラから甘い声が出た。仮面の男は、
「やっぱり気持ち良いんだね?」
と、シーラに聞く。
「違う!そんなこと無い!」
と、激しく抵抗した。仮面の男は股間から猛った陰茎を出した。そして、シーラの陰門に陰茎の先端を当てる。シーラはその感触が何を意味するか理解した為、
「やめろっ!クソ!縄を解け!」
と、必死に抵抗する。しかし、仮面の男が縛った縄
はシーラがいくら抵抗しても、解けることは無かった。そして、仮面の男は陰茎をシーラの陰門に徐々に挿入していく。
「や…やめろ!あっ…待て!イヤァァァ!」
と、シーラは叫ぶが状況は変わらなかった。仮面の男はシーラの陰門にピストンを開始した。仮面の男は、
「締まりがイイネ。あんまり経験無かった?強い女性は人気無いね~」
と言いながら、ピストンを続けた。シーラは処女では無いがビジュアルに比べ、男性経験が少なかった。格闘技に没頭しており、そんな暇無かったと言えば聞こえは良いが、純粋に良いと思う男性が少なかった。しかし、有り余る性欲はシーラを時に狂わせる為、オナニーや会員制の女性向け風俗などを利用していた。ただし、本番行為となると、ここ数年ご無沙汰であった。そんな久々な陰茎による快楽、シーラの身体は正直に悦びを感じてしまっていたが、シーラの精神はまだ快楽に負けていなかった。
「やめろー!解け!」
シーラは仮面の男に向かって叫ぶが、仮面の男にはまったくの無意味であった。仮面の男はシーラの弱点を見つけると、集中して責めたてる。シーラは、
「ダメ!やめろ!そこはダメ!」
と叫ぶ。仮面の男は容赦無くピストンを続けた。
「ダメ!あっ!あっ!くぅぅぅ…」
シーラは叫びながら、絶頂に達した。仮面の男は絶頂したシーラの頬を優しく撫でながら、
「あれ?気持良くなっちゃった?」
と、シーラに聞く。シーラは、
「触るな!クソ!気持ち良くなんか無い!」
と仮面の男に対して強がった。仮面の男は、
「イイネ。イイネ。」
と言うと、ピストンを続けた。シーラは強がったものの、達したばかりである。まだ敏感な身体に仮面の男のピストンが襲いかかる。
「待て!動くな!今は動くな!」
シーラは叫んだが、仮面の男は淡々とピストンを続ける。
「やめろ!やめろ!うっ…イッ…あっ…うぅぅ…」
シーラは2回目の絶頂に達してしまった。仮面の男は、
「まだまだ余裕だよね!気持ち良くなんか無いよね?」
と言うと、達しているシーラに間髪入れずにピストンを続けた。シーラは絶頂の余韻から、目は虚ろに口は半開きになっていた。そんなシーラを横目に仮面の男のピストンは続いた。
(パンパンパンパンパンパンパン)
仮面の男のピストン音はトレーニング室に響いた。
シーラは、
「うっ…やめろ…あっ…やめ…うっ…」
と、必死に抵抗していたが、身体は正直に反応していた。仮面の男は、
「シーラちゃん!まだまだ大丈夫だよね?」
と、シーラに問いかける。シーラは、
「ふざけるな!もうやめろ!クソ!」
と、仮面の男を睨みつけながら抵抗を続ける。仮面の男は、
「イイヨ。その顔イイヨ。」
と、シーラを弄ぶかのように、ピストンの速度や角度を変え、シーラの反応を楽しんだ。
シーラはその度に、
「あっ…ダメ…くっ…くっ…」
と、一瞬甘い声を出してしまうが、すぐに食いしばりながら、仮面の男を睨み付けた。仮面の男はそんなシーラの顔を確認しながら、執拗にピストンを続け、シーラを絶頂に誘った。シーラは、
「あっ…うっ…うぅぅ…イク…うっうっ…」
と、声を漏らしながら、ビクンビクンと全身が震えていた。仮面の男はピストンを一旦止めると、仮面の男はシーラの頬を再び叩いた。
「おーい。シーラちゃ~ん!」
と、シーラに呼びかける。シーラは我に返ると、仮面の男をキッと睨み返し、
「な、何も感じてなんかない。余りに暇だから寝てただけだ!気持ち良くなんかねーよ!」
と、叫ぶ。シーラはどこまでも仮面の男に屈指ない様子だ。仮面の男はそんなシーラに対して、
「イイヨ。本当にイイヨ。その精神がポキっと折っちゃいたい。」
と、シーラに不気味な口調で言う。シーラは仮面の男のその言葉を聞いた時、泣き顔の仮面がニタニタと薄気味悪く笑う顔に見えてしまった。仮面の男はシーラへのピストンを再開した。しかし、先程と比べてゆっくり、ねっとりとしたピストンであった。しかし、確実にシーラの性感帯を刺激しており、一瞬でも気が抜けると堕ちてしまいそうだった。シーラは必死に堪え、精神を繋ぎ止めていた。仮面の男は、
「シーラちゃんはこっちの方が好みだったんだね~。」
と、厭らしく言いながらピストンを続け、シーラの反応を見ていた。シーラは目をつぶりながら必死に耐えていた。確かに先程までのピストンより、今のピストンの方が明らかに感じている。まだ達してはいないが、かなり大きい快楽の波を感じた。
『これでイッたら、マジで壊れる…』
と、シーラは内心怖れていた。しかし、身動きがとれない為、仮面の男への対抗策が無かった。シーラは苦肉の策として、仮面の男に話しかける。
「もう素直に認めます。だから、1度縄を解いて!」
と、仮面の男に懇願した。仮面の男を懐柔しようとしたのだ。仮面の男はピストンをピタッと止めた。シーラは内心ニヤリとほくそ笑んだが、それが絶望への始まりだった。仮面の男は、
「シーラちゃん!何を認めるのかな?」
と、シーラに問いかける。シーラは少し躊躇ったが、
「貴方とのエッチで感じています。認めるから、縄を解いて!抱きしめ合いたいの!」
と、甘い声で仮面の男にお願いする。仮面の男は、
「そうか。別に貴方に認させるのが目的ではないからな。縄を解く理由にはならないね。」
と、さらりと答えると、ピストンを再開した。シーラは、
「クソ!テメー!ヤメロー!」
と、シーラは元の口調に戻ると、仮面の男を睨み付けながら罵声を浴びせた。仮面の男は少しも気に留めず、先程のねっとりとしたピストンをシーラに行う。シーラは、
「クソ!離せ!ハァ…縄を解け!うっ…」
と、罵声の合間に甘い声が入ってしまう。仮面の男はシーラの様子を確認しながら丁寧にピストンを続けた。シーラは内心で、
『ダメだ。もう限界だ!イッてしまう!』
と感じ、強烈な快楽に精神が壊れないように備えた。すると、仮面の男は突然ピストンを止めた。シーラは、
『え?止めた?なぜ?』
と、頭の中が少しパニックになる。シーラの陰門が震えるのがシーラ自身でもわかった。仮面の男は、
「何か驚いてるね。その顔イイヨ。」
と言うと、ピストンを再開した。シーラは何か焦れったい感情が込み上げてきた。しかし、すぐに仮面の男の腰使いに意識が集中してしまう。
「くっ…ヤ…メロ…あっ…」
と、シーラの声の質が、あからさまに変わってきた。そして、絶頂に達しかけた瞬間、仮面の男はピストンを止める。シーラは、
「くっ…くっ…」
と、絶頂したが空振りになった為、その衝撃を一身に受け止めていた。かなりの負荷であろう。仮面の男はそんなシーラを眺めながら、ピストンを再開する。そして、またシーラが達しそうになるとピストンを止めた。それも完璧なタイミングであった。シーラは仮面の男の焦らしプレイにどっぷりと侵食されていた。身体はもちろんのこと、精神的にも限界であった。そして、またしても絶頂寸前でピストンを止められた。その瞬間、シーラは思わず、
「なんで止めるの…最後まで…イカせてよ!」
と勝手に口が動いてしまった。仮面の男は、
「シーラちゃん!もっとちゃんとお願いしてね。」
と、シーラに意地悪く言う。シーラは、
「クソっ!クソっ!もう限界なんだよ!頼む!止めないでくれ…イカせてくれ!」
と、言葉は悪いが本心を仮面の男に伝えた。仮面の男は、
「覚悟してね。たぶん壊れるよ。」
と、シーラに伝えると腰を動かし始めた。シーラは仮面の男の言葉に期待してしまう。その自身の感情に失望感を感じながらも、これから訪れる測り難い快楽の予感に、自然と身体がビクついていた。そして、それはすぐに訪れた。シーラは、
「イクッ!あぁ…イクッ!そのまま続けて!」
と、仮面の男に懇願する。
あまりの快楽の予感からシーラの奥歯がカチカチと音を鳴らしている。
「あっ!あっ!ダメ…ダ…メ…」
仮面の男は、
「シーラちゃん!すごい反応だね!では、いってらっしゃい!」
と、絶頂に達するシーラに声を掛けた。その瞬間、シーラは絶頂した。
「あぁぁあ…うわあぁぁぁあぁぁ!」
シーラは叫び声を上げが、すぐに静まった。そして、シーラは白目を向きながら、手足をガタガタと震わせている。シーラにあまりに強烈な快楽が襲っているのであろう。シーラの壮絶なイキっぷりに並の者ならばピストンを中断してしまうであろう。しかし、この泣き顔の仮面を被った男は違った。そんな変貌したシーラを確認しながらも、執拗にピストンを継続した。
「ダメッ…ダメッ…イッデル…ダメェェエ…」
と、シーラはビクッと動くと、仮面の男に必死に中断を求めたが、無情にもその願いは受け入れられなかった。
(パンパンパンパンパンパン)
仮面の男のピストン音がトレーニング室を包み込む。シーラは、
「ダメ…ダメだってば…おっ…おっ…おぉぉ…」
と喘ぎ声は最早、獣の唸り声のようなものになっていた。そして、
「おっ!おっ!おぉぉぉぉぉぉ!」
と、シーラは絶頂に達してしまう。白目を向き、口からは涎が垂れていた。仮面の男は動かなくなっているシーラの頬を強めに叩きながら、目を覚まさせる。そして、目覚めたシーラは、
「もうダメッ!もうダメェェ!」
と、仮面の男に懇願するが、仮面の男は
「ほ~ら!いっぱい壊れちまいな~!」
と、シーラへのピストンを止めなかった。シーラは、
「イヤァァァ!ヤベテェェェェ…おっ!おっ!おぉぉぉぉぉ!」
と、絶頂を繰り返した。その内、シーラは笑い始めた。あまりの強烈な快楽の継続で、脳細胞に影響が出たのであろう。シーラは、
「アハ…アハハ…もっと!もっと突いて!スゴイ!アナタのチンポ、スゴイノヨォォオ!サイコー!」
と、シーラは仮面の男にピストンを要求する。そこには、軽量級絶対王者と呼ばれたシーラの姿は無く、快楽の奴隷になった一人の女性がいた。すると、仮面の男はシーラへのピストンのリズムを激しくした。シーラは、
「これ!これすっごいぃぃ…アッ…アッ…アァァ…」
と叫びながら絶頂した。仮面の男は、
「イイヨ。イイヨ。」
と、シーラを褒めると陰茎をシーラの陰門から抜いた。そして、仮面の男は、シーラを固定している縄を丁寧に解いた。シーラは縄を解かれて自由になったが、連続絶頂による体力の消耗でくだったりとしていた。そして、シーラは目を覚ますと、仮面の男に両手を広げ、
「もっと!もっとして!お願いします!」
と、行為を要求するのであった。あれだけ『縄を解け』と言っていたシーラであったが、縄を解いた直後の言葉が仮面の男との結合であった。なんとも皮肉なものである。シーラの顔は鼻水が垂れ、口からは涎が糸を引いてる。誰がどう見ても危険な状態だ。しかし、仮面の男は、
「イイヨ。もっと壊してあげる。」
と、ねっとりとした口調でシーラに答えるのであった。仮面の男は、恍惚とした表情で仮面の男を眺めているシーラを抱きながら立ち上がると、櫓立ちの姿勢をとった。シーラは自然と仮面の男の肩に腕を回すと、
「うれしい!まだ壊してくれるのね!」
と、仮面の男に言うのであった。仮面の男は、反り立つ陰茎をシーラの陰門に突き刺すと、シーラの身体を上下に動かした。シーラは、
「おぉぉ…おぉぉ…これ…あっ…ヤバイ…」
と、声が漏れる。そして、
「イクッ!イクッ…ああぁぁぁあぁぁ!」
と、絶頂した。しかし、シーラの身体の動きは止まらない。仮面の男はシーラの身体を動かす速度を上げていく。
(パンパンパンパンパンパン)
シーラは失神していたが、急に目が覚めると、
「スゴイィィ…キモチイイ…アハハ…アハハ…」
と言いうと、感情の昂ぶりからか、目の前の泣き顔の仮面を、舐め回した。仮面の男は、その行為が気に入ったのか、
「イイヨ。見事な壊れっぷり!」
とシーラを褒めると、仮面の男も腰を動かした。シーラは発狂した。そして、
「アッ!アッ!…ううぅうぅうぅうぅ…」
シーラは叫びながら全身が激しく痙攣しマットに落下した。仮面の男は静かにシーラの傍らにしゃがみ込み、
「良い壊れ方だったよ。」
と、仮面の男はシーラの手をとりながら伝える。そして、
「では、お別れに絶望をプレゼント!」
と、シーラに向けて言うと、とった腕を軸に仮面の男はシーラとマットを転がると、
(バギッゴギッガゴッ)
と、何やら折れる音が響き渡ると、シーラの身体に激痛が走った。仮面の男はシーラとマットを転がりながらシーラの身体の関節を壊していたのだ。転がる度に激痛がシーラを襲ったが、もはやシーラには抵抗する力は欠片も残っておらず、無抵抗で激痛に耐えるしかなかった。ようやく回転が止まると、仮面の男はシーラを離した。シーラは恐る恐る自身の身体を見る。シーラの右肩は脱臼、両肘は逆関節に曲がっており、両膝の関節は複雑に破壊されていた。それを確認すると、その絶望から更に激痛がシーラを襲う。
「ギャッ…ギャァァァ!私の…私の…」
シーラはもう格闘家としては再起不可能であろう。それほどまでにグチャグチャにシーラの身体は壊されていた。シーラは先程までの恍惚とした表情とは打って変わり、
「ひどい…私…もう…」
と、生気をまるで感じない、絶望感に溢れた顔をして呟く。
仮面の男は壊れたシーラに近づくと、 
「その顔が一番イイヨ。」
とシーラに伝える。シーラは、
「なんで…なんで…」
と、涙を流す。仮面の男はシーラに跨ると、拳を振りかぶると、シーラの顔面に振り下ろした。
「ギャァァ!ギャァァァ!」
シーラの鼻はひん曲がり、前歯は破損した。美人顔であったシーラの顔はボコボコに破壊された。仮面の男は
「バイバーイ!」
と、シーラに手を振ると、今度は先程よりも力を込めてシーラの顔面を殴った。シーラの身体はピクピクと動いていたが、すぐに止まった。仮面の男は、シーラに跨った状態で反り立った陰茎を出すと、
「イイヨ。やっぱりイイヨ。」
と、言いながらシーラの乳房で陰茎を挟み、乳房で陰茎を擦った。そして、シーラの壊れた身体にありったけ射精した。そして、仮面の男はトレーニング室を後にした。
 後日、『HF』軽量級の不動のチャンピオンであるシーラが移動中に不慮の事故に合い、故人となった事が発表された。シーラの防衛記録も途中で止まり、ファンからは惜しむ声が絶えなかったが、同時にシーラへの哀悼も多かった。第二都市のラコルドの捜査局では、最近発生したベネッカ社長の犯行現場から採取した体液と、シーラの犯行現場に残されていた体液の特徴がほぼ一致したことで、同一人物の犯行であることがわかった。捜査局は、その体液を過去の犯罪者情報と照らし合わせたが、犯人を特定することは出来なかった。被害者同士の関係性も調べたが地方調査局レベルでは、進展するような手掛かりは見つからない。捜査は難航を極めた。
 しかし、この凶悪な犯罪者を1日でも早く捕らえる為、ラコルド捜査局は現在も調査を続けている。
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