捻じ曲った欲望の果て

黄色子爵

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メイファン 20歳 メイド 1/2

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 メイファンはクファンルド王家の親類にあたるクランダール公爵の館に仕えるメイドである。メイファンは物心付いた時からこの館に従事しており、メイド以外の仕事を知らなかった。ある意味では貴族のお嬢様より箱入り娘であり、閉鎖された世界がメイファンを寡黙な人格へと形成していった。メイファンが20歳を迎えた頃、この館の現当主であるクランダール公爵の夕食係に任命された。メイファンは少し恐怖を感じていた。何故ならクランダール公爵は、昔から権力に物を言わせ、好みの若い女性を思い通りに調教してきたという噂があったからだ。しかし、夕食係を辞退する理由にもいかず、メイファンは公爵の夕食を緊張した面持ちで部屋に運んでいた。公爵の部屋に入ると、黒髪に髭が目立つ50代に入ったばかりであろう人物がテーブルを前にして椅子に座っていた。公爵はメイファンを見るなり、食事を前のテーブルに置くように命じる。メイファンは緊張しながら食器をテーブルに置いた。そして、公爵は自分でエプロンを締めると、メイファンの身体に視線を送りながら、
「お前も20歳か。良い実り方をしたものだ。」
と、メイファンの手を撫でながら、厭らしく語る。メイファンはいよいよ覚悟を決めた。公爵は
「まずはスープだ。」
と、メイファンに命じる。メイファンはスープの入った食器とスプーンを持った。すると、公爵は
「口移しでそのスープを私に飲ませるのだ。」
と、メイファンに言った。メイファンは目が丸くなったが、
「失礼いたします。」
と言うと、スープを口に含ませると、公爵の口に運んだ。公爵はニヤニヤしながら、メイファンの唾液が絡んだスープを味わった。
「良い!今夜のスープは一段と良い味だ!メイファン、続けろ!」
と、公爵はメイファンに言うと、メイファンは再びスープを口に含むと公爵の口に運ぶ。公爵はスープを口移しで受け取ると、スープだけでは飽き足らず、そのまま自分の舌をメイファンの口内に侵入させた。メイファンは異変にすぐに気づくが、どう抵抗すれば良いかわからず、公爵の生温かい触手が口内で暴れるのをただ耐えるしかなかった。公爵はメイファンの口内を犯し続けた。メイファンは異性との交遊経験が無かった。よって、この口移しはメイファンにとって初めての接吻となる。そして、公爵の老獪な性技がこの若いメイドを堕落させることなど造作もないことであった。メイファンは公爵の舌使いに悶絶し、足腰が宙に浮いているような感覚に陥った。公爵は頃合いをみて、メイファンの口からその邪悪な触手を引き抜く。舌を引き抜かれたメイファンは息が荒くなり、頬を赤らめていた。公爵はメイファンの胸元に目をやる。メイファンの乳房はDカップほどあり程良いサイズのものであった。しかし、締め付けるメイド服においては実際のサイズよりも一回り大きく見えてしまう。公爵は接吻による愛撫で一時的に身体が麻痺しているメイファンの乳房を衣服の上から触った。メイファンは、
「旦那様…せっかくのお食事が…冷めて…あぁ…」
メイファンは公爵の愛撫に恥じらいながらも食事を召し上がって貰おうと応戦する。しかし、冒険に出たばかりの冒険者が上級モンスターに敵う理由もなく、メイファンは衣服の上からの愛撫にも関わらず、身体がビクンビクンと震えだした。公爵は、
「さあ、跪きなさい。」
と、メイファンに指示をした。メイファンは指示に従い、公爵の座る椅子の横に跪いた。公爵は、
「顔を上げるんだ。」と、メイファンに言う。メイファンは顔を上げると、目の前に公爵の滾った陰茎がメイファンを待ち受けていた。メイファンは陰茎をまともに見るのは初めてであった。メイファンは公爵の陰茎から目が離せなくなった。そんなメイファンに公爵は、
「私のイチモツに接吻しなさい。そして、先程の私のように舌で愛撫するんだ。」
と命じた。メイファンは小さな声で、
「畏まりました。」
と言うと、嫌がる素振りを見せず、公爵の陰茎をその可愛らしい小ぶりな口で咥えた。公爵は、
「ほら、私の顔を見るんだ。」
と、メイファンに命じる。メイファンはそのキリッとした細い目を公爵の顔に向けた。公爵は、
「いいぞ。ゾクゾクする視線だ。もっと丁寧にゆっくりと上下に顔を動かすんだ。」
と指示を出すと、メイファンの頭部の両手で挟むと、懸命に陰茎を咥えるメイファンの顔を上下にゆっくりと動かしてた。
(ジュポッジュポッジュポッ)
メイファンも慣れてきたのか、徐々に動きが洗練されていく。流石の一流メイドであった。公爵はメイファンの頭部を上に上げる。
(ジュポン)
そして、メイファンの口から陰茎を引き抜いた。公爵は、膝を立て涎を垂れながらも公爵の顔を見ているメイファンに
「厭らしい顔だな。この下民が!」
と、蔑む。メイファンはその言葉を聞いた瞬間に、乳房の先端と下腹部から熱いものを感じた。公爵は
「まったくなんて厭らしい身体をしているんだ。」
と、メイファンのメイド服を破く。メイファンのDカップの乳房が露わになった。公爵はメイファンの乳房を守っている下着を外すと、乳房をまじまじと鑑賞すると、乳房に触れていく。乳房の側面を指で撫でながら、乳房の全体を優しく揉みながら、メイファンの反応を伺う。メイファンは初めての経験からくすぐったい感覚に囚われたが、次第にカクンカクンと、身体が反応していく。公爵はそんなメイファンの身体の反応を確認するとニヤニヤと笑みを浮かべた。そして、メイファンの乳房の中心部に指を動かしていく。メイファンはこれから自分に襲いかかるであろう感覚を予想し、その衝撃に身構える。しかし、公爵がメイファンの乳首に触れた瞬間、予想からかけ離れた衝撃がメイファンを襲った。
「あっ…あぁ…」
冷静沈着で滅多なことでは声を荒げないメイファンであったが、この衝撃には思わず甘い声が出てしまった。メイファンは恥じらいから咄嗟に両手で口を抑える。公爵は、
「そうだ。声を出すと周りに聞こえてしまうぞ!」
と、メイファンに言うと、乳首弄る指の動きを早めた。メイファンは必死に声を抑えるが、無意識に発せられる身体の悦びの叫びを全て防ぐことなど到底不可能であった。公爵は目を閉じ、必死に声を抑えるメイファンを愛おしく感じると、メイファンに、
「次はその敏感な乳房で私に奉仕するんだ。」
と命じた。メイファンは乱れた息を整えながら、公爵からの命令に応じようとするが、やり方がわからず戸惑ってしまう。公爵は、
「何をしているんだ!役立たずな女だ!乳房で私のペニスを挟むんだ!」
と、メイファンの乳房で自分の陰茎を強引に挟んだ。先程の公爵からの愛撫により、乳首を始め乳房全体が敏感になっていたメイファンは強引に乳房を扱われ、息が荒くなってしまった。メイファンは自身に流れる快楽を必死に堪え、公爵の陰茎を懸命に乳房で愛撫した。公爵は、
「私を見ろ!その冷静な顔つきがどう変わるか、私が全部見てやる!」
と、メイファンに言う。メイファンも、
「畏まりました。旦那様。」
と、素直に従い、視線を公爵に向けた。すると、メイファンは公爵の背後に動く影を捉えた。そこには泣き顔の仮面を付けた者が立っていた。咄嗟のことで言葉を失い、動きを止めてしまう。公爵はメイファンの視線の先を見る為、振り返る。すると、公爵はいきなり頭を鷲掴みにされる。そして、そのまま持ち上げられると、目の前に泣き顔の仮面が現れた。公爵は警備の者を呼ぶ為に叫ぼうとしたが、泣き顔の仮面の者は公爵の腹部を怖ろしい速度で殴りつけた。
「ぐぇぇ!」
公爵は初めて感じる腹部への衝撃に助けを呼べなかった。仮面の者は、
「こんばんは。クランダール公爵。お楽しみ中にすみませんね。」
と、声を掛けた。声の質から男性だとわかる。公爵は
「何者だ…私にこんな…ことして…ただでは…」
と、仮面の男に言うと、仮面の男から更に腹部を殴られる。
(グチョ…ブリブリ…ジョロロロ…)
公爵は腹部への強打により腹部の筋肉が緩み、脱糞と失禁をしてしまう。仮面の男は、
「酷い匂いですね。公爵もこうなっては見る影もないです。そんな哀れな姿を見て、そちらのメイドさんはどう思うでしょうか。」 
と言うと、仮面の男は恐怖から腰が抜け、固まっているメイファンの方へ公爵を向けた。公爵は
「見るな!見るんじゃない!助けを呼びに行け!」
と、メイファンに命じる。メイファンもその声を聞いてようやく我に帰ったが、仮面の男がメイファンに対し、人指し指を口元に当てる合図を送っていた。明らかに『騒ぎ立てるな。』という合図である。しかし、メイファンはこの館のメイドである。主である公爵の命令に背くことは出来ない。メイファンは立ち上がろうとする。すると、仮面の男はメイファンに対して、
「やはり立派なメイドさんだ。しかし、貴女が外に出たり、助けを呼ぶようであれば、私は公爵を殺し、不本意ですが、貴女も殺します。」
と語りかけた。メイファンは少し考えたが、公爵の身の安全を優先し留まることにした。仮面の男は、
「その方が懸命でしょう。」
と、メイファンに言うと公爵の身体をユラユラと振った。公爵は
「やめろー!やめろー!」
と、手足をバタつかせながら懸命に抵抗していた。仮面の男はメイファンに向かって、
「どうです?滑稽で笑えてくるでしょう?」
と聞く。メイファンは先程までの威厳に満ちた公爵の滑稽な様子を見て、思わず
「クスッ」
と、笑ってしまった。公爵は
「な、何を笑っているんだ!見るな!貴様、ただではすまさんぞ!」
と、威厳たっぷりにメイファンに言うが、その無様な姿からメイファンには何も効果は無かった。そんな様子を見て仮面の男は、
「貴女、イイですね。気が合いそうですよ。そこの破れた服とリボンを取って頂けますか?」
と、メイファンに声を掛けると、公爵をやっと床にほうり投げた。公爵は
「き、貴様等ぁぁ!私にこんなことをしてただではおかないぞ!私は6代目現国王の従兄弟であるクランダール公爵だぞ!貴様等の親兄弟残らず、拷問し責め殺してやる!」
メイファンは公爵の変貌ぶりと自分まで共犯者のような扱いに裏切りと恐怖を感じると、ガタガタと身体が震えだした。しかし、仮面の男は震えるメイファンの肩をポンポンと叩くと、何故か落ち着いた。そして、仮面の男はメイファンが持つリボンと破れた衣服を手に取ると公爵に近づいていく。公爵は手を前に出しながら、
「来るな!来るな!」
と、抵抗するが無駄であった。仮面の男は破れた衣服で公爵の両手を手際良く縛っていく。そして、公爵の口にはリボンを猿轡のように結び付けた。そして、仮面の男は立ち上がると、公爵の左足首を踏み付ける。
「うぅー!」
公爵は声が上手く出せてはいないが、その表情から激痛が足首に走っているのがわかった。そんな公爵に仮面の男は、
「さて、公爵。私の質問にいくつかお答え頂きたい。」
と伝えると、話始めた。
「5代目クファンルド王が事故にあった。当日、休暇に出ていたとのことであるが、間違いないか?」
公爵は首を上下に動かす。
「貴殿は、王族の権力を私利私欲に乱用しているな。それを良しと思わない5代目が何度か貴殿に行動を慎むよう伝えていたな。」
公爵は困った顔をしながら仮面の男を見上げている。
仮面の男は更に、
「貴殿はそんな5代目のことを疎ましく思っていた。そんな時、5代目が王族特権の範囲を一部制限する考えを持っていることを聞いた。」
公爵は微かに首が左右に揺れる。仮面の男は、
「そして、5代目の暗殺を画策したんだろう。いや、暗殺計画に乗ったんだな。」
公爵は激しく首を左右に振る。仮面の男は踏んでいる公爵の足首を踏み潰した。
「んんんんー!」
公爵は苦悶の表情をする。仮面の男は、公爵のもう片方の足首を踏み付ける。仮面の男は、
「どうだ?本当のことを言う気になったか?」
公爵は仮面の男への恐怖でガタガタと震えだしていた。仮面の男は公爵の口のリボンを取った。公爵は、
「違う!違うんだ!俺じゃない!俺はただ資金と後ろ盾を提供しただけだ!」
仮面の男は、
「そんなところでしょうね。貴方には暗殺を計画する知力も度胸も無いでしょうから。」
公爵は、
「お前の目的はなんだ?」
仮面の男は、
「気まぐれな破壊ですよ。」
公爵は、
「何を言っているんだ?狂っているのか?」
仮面の男は、
「ええ、狂っています。かつての皆さんと一緒ですよ。」
公爵は仮面の男が言っていることがわからず、言葉を失った。
「さてさて公爵様。今まで好き勝手に権力を乱用していたのです。そろそろ報いを受ける番です。」
仮面の男が公爵に言うと、公爵は騒ぎ出そうとするが、仮面の男が素早くメイファンのメイドリボンを公爵の口に詰め込み、声をかき消した。そして、それからが酷かった。仮面の男は公爵を片手で持ち上げると、椅子に座らせる。そして、破られた衣服で結ばれた両手をテーブルに乗せた。そして、仮面男は懐から片手ハンマーと釘を取り出すと、メイファンに向かって
「さぁ、メイファンさん。お楽しみの時間ですよ。」
と、ハンマーを渡した。メイファンは呆気に取られ、思考停止になってしまう。そして、右手に持った片手ハンマーの重みを鮮明に感じていた。仮面の男は、
「ほら、メイファンさん。躊躇うのは最初だけですよ。いいんですか?このままでは貴女は公爵に殺されてしまいますよ。」
と、片手で公爵の身体をテーブルに押し付けて公爵の身動きを完璧に止めながら、メイファンに優しく語りかける。メイファンは、不安と躊躇いを振り払いながら釘を手にする。メイファンはこのままでは自分の命が危険であるということを思い出す。
『私は悪くない。悪いのは仮面の男だ。私は公爵の命を守ろうとした。公爵が勝手に勘違いしたんだ。』
メイファンは心の中で必死に弁解しながら、釘を公爵の手に突き刺す。公爵は必死に抵抗しているが、仮面の男が完璧に抑え込んでいる為、意味を成さなかった。
「さあ、メイファンさん。ハンマーを振り下ろし、釘を公爵の手に打ち込むのです。」
仮面の男はメイファンに向かって語りかける。常に冷静で、感情を表情に出すことは滅多にないメイファンであったが、公爵の手への釘打ちという行為には流石のメイファンも躊躇いがあった。仮面の男は、
「うーん。やっぱり急には難しいですか。」
と言うと、腰のベルトに帯刀している短剣を抜くと、公爵の手を拘束していた衣服を切る。そして、なんの躊躇いもなく、公爵の右手の甲に短剣を突き刺した。短剣を見ると刃の部分が全て公爵の手の甲に隠れていた。公爵は
「んーんんー」
と口元から声が漏れている。表情から激しい苦痛に襲われていることは察することが出来た。メイファンは公爵のその表情を目にし、何故か下腹部から熱いものを感じた。
「おや?メイファンさん。貴女…」
仮面の男はメイファンに何かを伝えようとしたが、言葉を呑み込んだ。公爵は激痛の中で自分のメイドの方へ顔を向けた。公爵に悪寒が襲った。右手から流れる痛みでも出血からくるものでもなかった。それはメイファンの不気味な笑顔に圧倒されたからであった。メイファンは、公爵が右手の激痛から苦しんでいる姿を見て、無意識に笑みが溢れていた。仮面の男は、公爵をまるで好物のデザートを目の前にした子供のような表情で見つめるメイファンに、
「さあ、メイファンさんもやってみたらどうですか?とても楽しいですよ。」
と言った。メイファンは泣き顔の仮面の男に向かって小さく頷くと、公爵の左手の甲に釘を立てた。公爵は身体をガタガタと震えだした。先程、仮面の男に刺された右手の痛みが、もう一度訪れようとしていることへの恐怖もあるが、先程まで従順であった自分のメイドが、自分の身体を痛めつけようとしているという背信行為への恐怖という2つの大きな恐怖が公爵を襲った。そして、メイファンは大きく息を吸うと、片手ハンマーで躊躇いもなく釘頭を叩いていく。
(コンコンコンコンコンコン)
公爵は全身をバタバタと動かし抵抗したが、仮面の男ががっしりと抑えつけている為、無抵抗で痛みに耐えるしかなかった。釘の先端が徐々に公爵の手に刺さっていく。非力な女性の力でも正しく、躊躇いなく打ち続ければ手を貫通することが出来る。メイファンは釘が公爵の手に釘を打ち付けながら、公爵の恐怖と苦悶の表情を口角を上げながら見ていた。そして、釘が公爵の手の甲に埋まった。仮面の男は、
「公爵、次はどこに欲しいですか?メイファンさんに言えば、どこにでも打ち付けてくれますよ。」
と、公爵に囁く。公爵は涙を流しながら怯えていた。「そうですか。メイファンさん。手の甲も良いんですが、指先も格別なんです。やってご覧なさい。」
と、仮面の男はメイファンに釘を渡す。メイファンの顔はもう前とは比較出来ないほどに変貌していた。細目は見開き、口元からは白い歯が見えるほどに笑っていた。頬も何処か朱色に染まっていた。メイファンは、
「私…私…あぁ…」
と、初めて体験する悦びに浸っていた。仮面の男は、
「良いんですよ。今はただその悦びとの遭遇に感謝することです。」
と言うと、残りの釘をテーブルに置いた。メイファンは釘を公爵の左中指の爪に置くと、
(コンコンコンコン)
と、釘を打ち込むのであった。公爵は痛みから更に失禁してしまった。仮面の男は、
「公爵、5代目の暗殺について何か有益な情報はありませんか?」
公爵は額に汗を滲ませながら、首を縦に動かす。
仮面の男は、
「そうですか。ではリボンを取りますが、騒ぐようでしたら、そのまま喉を潰します。そして、私の監修の下、貴方のメイドがより長く、より苦しく貴方を拷問するでしょう。」
公爵は首を縦に動かした。仮面の男は公爵の口からリボンを外した。公爵は、
「5代目の暗殺の黒幕を言う。黒幕はパルダだ!パルダ宰相だ!私もアイツの使いの者から誘われ、陣営に加わったんだ。頼む!私だけでも見逃してくれ!」
と、震えた声で必死に訴えた。仮面の男は公爵の口元にハンカチを入れると、リボンで固く結んだ。
「んんんー!んんんんんー!んん!」
公爵は必死に助けを乞うが無駄であった。仮面の男は、
「ありがとうございました。貴重な情報でしたよ。では、メイファンさんに後はお任せましょうか。」
と、メイファンの方に泣き顔の仮面を向ける。メイファンは少し興奮が治まったのか、いつもの顔付きに戻りつつあった。落ち着きを取り戻したメイファンの手付きは精密で、公爵の左手の爪を丁寧に釘で打ち付けていく。公爵は余りの激痛から気絶してしまう。仮面の男は、素早く公爵の頸部を叩く。すると、公爵はパッと目を開いた。そして、メイファンの顔を見ると、恐怖から涙目になるのであった。公爵は小一時間程、自分の元メイドから酷い拷問を受けた。公爵の顔面は蒼白し、目元は青黒く変色していた。手の釘打ちから始まった拷問は仮面の男の指示の下、二の腕、肩、背中にまで及んでいた。そして、今まさに仕上げの釘打ちをメイファンが公爵の頸部上部に打ち込んだ。すると、公爵の身体はブルブルと痙攣し、やがて止まった。メイファンの表情は達成感に満ちた良い顔をしていた。額には薄っすらと汗も滲んでいた。仮面の男は、
「お疲れ様でした。如何でしたか?」
メイファンは、
「はい、とても充実した時間が過ごせました。ありがとうございます。旦那様。」
仮面の男は、
「おや?」
と、メイファンに向かって軽く首を傾げた。
「私も一緒に連れて行って頂けませんか?ここに居ても処刑されるだけでさ。何でもやりますにで、お願いいたします。」
と、床に手を付けて頭を下げた。仮面の男は少し考えると、
「そうですね。わかりました。こうなったのは私の責任ですから。」
と言うと、メイファンの手を取り身体を起こすと、
「ただ、私のような者に仕えるということは、ある程度の事は覚悟して下さいね。」
と、メイファンに言う。メイファンはコクリと頷いた。仮面の男は羽織っている黒いマントを広げ、乳房が露わになっているメイファンを優しく抱き寄せる。そして、メイファンをマントに包むと、二人はマントの中に消えると、マントも丸まりながら消えた。この部屋はあと数時間はこの状態で放置されるであろう。拷問により見るも無残な公爵の遺体からは、公爵が垂れ流した排出物の異臭が漂っていた。

「さて、着きましたよ。」
と、仮面の男はメイファンに優しく声を掛けた。メイファンは顔を上げた。そこは開けた野原であった。草や花が咲いて、その合間を発光虫が漂っていた。なんとも幻想的な風景だ。
「キ…キレイ…」
メイファンはその幻想的な風景に見惚れていた。
「さあ、こっちですよ。」
仮面の男はメイファンにマントを掛けてると、メイファンの手を取り優しくエスコートした。歩く先には大きな門と立派な洋館が建っていた。メイファンは、
「あの…旦那様…?ここは…いったい…」
と、仮面の男に聞く。仮面の男は、
「ここは私の領地です。さあ、どうぞ中へ。」
二人は大きな門を通ると館の玄関ドアを開けた。館の中はとても暗く淀んでいた。仮面の男はが指を鳴らすと、フロアの蝋燭が灯った。すると、灯りの影から何やら唸り声が聞こえてきた。メイファンはその唸り声に驚き、悲鳴を上げる。仮面の男は、
「大丈夫ですよ。彼らは防犯用です。先程、貴女の事を認識したみたいですので貴女には危害を加えないでしょう。」
仮面の男が言った通り、唸り声はもう聞こえなかった。二人は廊下を歩き始めた。仮面の男は、
「メイファンさん、疲れていますか?」
メイファンは少し間を置き、
「実は…先程の拷問で…まだ興奮しているんです。勢いで旦那様について来ましたが、本当にご迷惑ではありませんか?」
仮面の男は、
「いえいえ、そんな事はありませんよ。」
と答えた。メイファンはその言葉を聞いて、
「ありがとうございます。旦那様。」
と返事をした。
そして、メイファンは再び間を置くと、
「旦那様…私はどのようにお呼びしたらよろしいでしょうか?」
仮面の男は、
「そのままで良いですよ。後、私の事は追々伝えましょう。私もメイファンさんの事をじっくりと知る必要がありますからね。」
と、言う。
無表情なメイファンだが、白い肌のせいで頬が薄紅に染まり始めた。仮面の男は、泣き顔の仮面を少し傾げてメイファンの方に顔を向けた。
「さて、メイファンさん。お食事はもう済んでいますか?」
メイファンは火照った顔を下に向けながら、
「はい。軽く済ましております。」
と素早く返答した。そして、
「旦那様。よろしければ、お食事のご用意をいたしますが。」
と、無表情に言うが、頬はまだ薄紅に染まっていた。仮面の男は、
「いえ、今夜は余り食欲が無いもので。」
と言った。メイファンは無表情ながらも残念そうな雰囲気を醸し出した。仮面の男は、
「軽く館の中を案内しましょうか。その前に着替えですね。」
と言うと、
「はい。お願いいたします。」
メイファンは返答した。仮面の男は、フロアの裏にあるクローゼットに入ると、衣服を数枚取り出しメイファンに渡した。
「これなんてどうですか?シンプルですが、サイズはピッタリだと思います。こちらも可愛いですが。」
メイファンは、
「旦那様が選んで頂けますか?」
と、仮面の男にニッコリと笑顔を向けて答えた。仮面の男はメイファンの不意打ちの笑顔に、その泣き顔の仮面に相応しく無い感情が滲み出てしまった。
「では、これで如何でしょうか?そこの部屋を使ってくだ…いや、ここで着替えるのですか?」
と、仮面の男はメイファンがその場で衣服を脱ぐのを見ると、咄嗟にメイファンに背を向けた。しばらくすると、
「旦那様…」
と、メイファンの呼び掛けに仮面の男は振り返る。そこには、ニットのセーターにロングスカートを履いたメイファンが立っていた。
「サイズはピッタリでしたね。」
仮面の男が言うとメイファンも、
「はい。びっくりしました。」
と、返事をした。それから仮面の男はメイファンに館の中を案内した。そして、最後に一番奥の部屋の扉の前で立ち止まった。仮面の男は、
「さて、メイファンさん。」
メイファンは、
「はい、旦那様。」
と、静かな口調で答えたが、仮面の男の口調が少し変わったことに気が付き少し不安になった。仮面の男は、
「公爵の城を出るときに言ったこと覚えていますか?」
メイファンは、
「はい…もちろんでございます。覚悟は出来ております。」
と、返事をする。仮面の男は、
「良い返事ですね。では、どうぞ。」
と、ドアを開いた。
(ギギギィィ)
木製のドアは重く音を立てながら動いた。奥はとても暗く、どんよりとした空気が漂っていた。そして、優雅な曲線を描いた拘束椅子に黒と赤を基調とした贅沢な装飾が施されたダブルベッドが置かれていた。そして、棚には動物の皮のような物が瓶詰めにされて置かれていた。そして、壁には観たこともないような拷問器具が掛けられていた。仮面の男は、
「今からこの部屋で、貴女を私好みに改造します。いえいえ、大丈夫です。私に任せて下さい。そうすれば、貴女がなぜここに来ることとになったのかわかりますよ。」
と、メイファンに言った。メイファンは無表情で部屋の中を見た。メイファンは頭が真っ白になっていた。好奇心と恐怖という2つの感情から流れるシナプスは、メイファンの判断力を容易に妨害していた。仮面の男は、メイファンが自分の意思で歩き出すのを待っているようで、力ずくで引っ張るような仕草はない。メイファンは前へと歩き始めた。一歩、また一歩とメイファンは自分の意思で足を前に踏み出しいく。そして、メイファンは仮面の男に手を取られながら拘束椅子に腰を降ろした。仮面の男は静かな動作でゆっくりとメイファンに目隠しを施していく。メイファンは目隠しをされた瞬間、押し寄せていた恐怖の波が襲ってきた。メイファンは、
「うぅぅ…うわぁぁぁぁ…」
と、声を上げて泣き始めてしまった。そこには、無表情で平然と受け答えをしていたメイファンの姿はなかった。仮面の男は、
「大丈夫ですよ。ゆっくり丁寧に作り替えてあげますからね。」
と、泣き叫ぶメイファンの耳元で囁きながら、メイファンの手足を拘束椅子に固定していく。仮面の男は、
「さあ、始めましょう。」
と、メイファンに声を掛けた。すると、ひとりでに部屋の扉が閉まった。
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