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福岡県警東署
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「助けていただいてありがとうございました。私、永倉 有希といいます。」
歩きながら永倉は自己紹介した。
「僕は、壬生 朗です。」
イケメンも名前を教えてくれた。
「壬生さん、運動神経いいんですね。あの柵を乗り越えてキックするなんて。」
「いや、さすがに一気に柵を登れないです。木を踏み台に跳んで柵に乗って蹴っ飛ばしたんです。」
「格闘技されているんですか?」
「はい、空手を少々。仕事が忙しいんでなかなか稽古できなくて。明日休みなんで、久しぶりに走ってそれからこの貝塚公園で稽古しようと思っていたんです。」
「そこを私が助け求めちゃったんですね。」
「気にしないで下さい。ただ、なんでこんな遅い時間にここに?」
「叔母さんのところに来たんです。もっと早く到着する予定だったんですけど、天候トラブルで遅くなっちゃって。」
「オバさん、心配してないですか?連絡しておいた方がいいのでは。」
「そうですね。」
ひったくり犯から取り返してもらったバッグからスマホを取り出し、メッセージアプリに打ち込む。
「ひったくりに遭いました。バッグは取り返してもらったけど、一応警察行ってきます。事情聴取とか終わったら電話しますので迎えに来て下さい。」
待っていたのか返事がすぐ来た。
「わかった。帰れるようになったら連絡して迎えにいくから。」
「東署に行きます。」
「東署ね、了解。」
それ以上何もない。
原稿に取り掛かっているのかもしれない。天候トラブルを連絡した時、次の新連載の構想や年末イベント向けの原稿が詰まっていると愚痴っていたから。
「叔母さん、事情聴取が終わったら連絡するようにとのことです。」
「そうですか。」
そうしているうちに東警察署の前についた。
事情聴取自体は、さっさと終わった。
警官が現場検証して、鑑識が自転車の指紋などを採取し、証拠品ということで警察署に運んだ。
「お疲れさまでした。また事情を聞かせてもらうことがあるかもしれませんが、その時はご協力お願いします。」
それだけ言われて解放された。
東署を出たところでで壬生が話しかけてきた。
「永倉さん、関東の人だったんですね。」
事情聴取の中で千葉から来たこと、名島の叔母の家に住むことなどを言ったのを壬生も聞いている。
「えぇ。」
「僕も高校までは埼玉の方にいました。卒業して福岡に来たんです。そろそろ3年になります。」
「そうなんですか。」
「はい。どうです?明日福岡市内を案内しましょうか?車一応ありますんで。軽ですけど。」
「いいんですか?ぜひお願いします!」
こんなイケメンに福岡市内を案内してもらえるとは!
ひったくり犯にお礼を言いたくなる永倉であった。
「連絡先いいですか?」
「は、はい。」
二人は通信アプリのIDを互いに登録した。
「これでいいですね。待ち合わせは貝塚駅でいいですか?」
「いや、名島駅でお願いします。そっちが近いんです。今日は、叔母さんが迎えに来るから、乗り換えなかっただけで。」
「わかりました。11時でいいですか?」
「はい、お願いします。」
その時車が止まった。
永倉には止まった車に見覚えがあった。叔母の車だ。
「有希、待たせてごめんね。」
叔母の杉村 妙子が車の中から窓を開けて声をかけてきた。
「叔母さん。」
「怪我が無くて何よりだわ。バッグも取り返してもらったそうだけど。」
「うん、こちらの壬生さんが取り返してくれたの。」
そう言って傍らにいた壬生を妙子に紹介した。
「壬生 朗です。」
壬生は礼儀正しく一礼した。
「あら、そう……。杉村 妙子です。有希が助けて頂いたそうで。」
「大したことはしていません。」
壬生は、涼やかに微笑む。
「やだ、アタシったらこんな恰好で。」
叔母さん、何を言っているのだ?
いつも通りスッピンで、着てるのも普段着のスウェットに半纏を羽織っている。足元もサンダルではなかろうか。
ひょっとして壬生さんのイケメンっぷりにやられたかな。無理もないけど。
「ほほほ、有希、遅いから帰りましょう。壬生さんも送りますけど。」
「僕はトレーニングのため走って帰ります。お気遣いありがとうございます。」
「壬生さん、空手やってるんだって。」
「そうなの。」
「では、失礼します。」
壬生は、一礼してからそのまま走り出した。
永倉は、その背中を見送って妙子の車に乗りこんだ。
歩きながら永倉は自己紹介した。
「僕は、壬生 朗です。」
イケメンも名前を教えてくれた。
「壬生さん、運動神経いいんですね。あの柵を乗り越えてキックするなんて。」
「いや、さすがに一気に柵を登れないです。木を踏み台に跳んで柵に乗って蹴っ飛ばしたんです。」
「格闘技されているんですか?」
「はい、空手を少々。仕事が忙しいんでなかなか稽古できなくて。明日休みなんで、久しぶりに走ってそれからこの貝塚公園で稽古しようと思っていたんです。」
「そこを私が助け求めちゃったんですね。」
「気にしないで下さい。ただ、なんでこんな遅い時間にここに?」
「叔母さんのところに来たんです。もっと早く到着する予定だったんですけど、天候トラブルで遅くなっちゃって。」
「オバさん、心配してないですか?連絡しておいた方がいいのでは。」
「そうですね。」
ひったくり犯から取り返してもらったバッグからスマホを取り出し、メッセージアプリに打ち込む。
「ひったくりに遭いました。バッグは取り返してもらったけど、一応警察行ってきます。事情聴取とか終わったら電話しますので迎えに来て下さい。」
待っていたのか返事がすぐ来た。
「わかった。帰れるようになったら連絡して迎えにいくから。」
「東署に行きます。」
「東署ね、了解。」
それ以上何もない。
原稿に取り掛かっているのかもしれない。天候トラブルを連絡した時、次の新連載の構想や年末イベント向けの原稿が詰まっていると愚痴っていたから。
「叔母さん、事情聴取が終わったら連絡するようにとのことです。」
「そうですか。」
そうしているうちに東警察署の前についた。
事情聴取自体は、さっさと終わった。
警官が現場検証して、鑑識が自転車の指紋などを採取し、証拠品ということで警察署に運んだ。
「お疲れさまでした。また事情を聞かせてもらうことがあるかもしれませんが、その時はご協力お願いします。」
それだけ言われて解放された。
東署を出たところでで壬生が話しかけてきた。
「永倉さん、関東の人だったんですね。」
事情聴取の中で千葉から来たこと、名島の叔母の家に住むことなどを言ったのを壬生も聞いている。
「えぇ。」
「僕も高校までは埼玉の方にいました。卒業して福岡に来たんです。そろそろ3年になります。」
「そうなんですか。」
「はい。どうです?明日福岡市内を案内しましょうか?車一応ありますんで。軽ですけど。」
「いいんですか?ぜひお願いします!」
こんなイケメンに福岡市内を案内してもらえるとは!
ひったくり犯にお礼を言いたくなる永倉であった。
「連絡先いいですか?」
「は、はい。」
二人は通信アプリのIDを互いに登録した。
「これでいいですね。待ち合わせは貝塚駅でいいですか?」
「いや、名島駅でお願いします。そっちが近いんです。今日は、叔母さんが迎えに来るから、乗り換えなかっただけで。」
「わかりました。11時でいいですか?」
「はい、お願いします。」
その時車が止まった。
永倉には止まった車に見覚えがあった。叔母の車だ。
「有希、待たせてごめんね。」
叔母の杉村 妙子が車の中から窓を開けて声をかけてきた。
「叔母さん。」
「怪我が無くて何よりだわ。バッグも取り返してもらったそうだけど。」
「うん、こちらの壬生さんが取り返してくれたの。」
そう言って傍らにいた壬生を妙子に紹介した。
「壬生 朗です。」
壬生は礼儀正しく一礼した。
「あら、そう……。杉村 妙子です。有希が助けて頂いたそうで。」
「大したことはしていません。」
壬生は、涼やかに微笑む。
「やだ、アタシったらこんな恰好で。」
叔母さん、何を言っているのだ?
いつも通りスッピンで、着てるのも普段着のスウェットに半纏を羽織っている。足元もサンダルではなかろうか。
ひょっとして壬生さんのイケメンっぷりにやられたかな。無理もないけど。
「ほほほ、有希、遅いから帰りましょう。壬生さんも送りますけど。」
「僕はトレーニングのため走って帰ります。お気遣いありがとうございます。」
「壬生さん、空手やってるんだって。」
「そうなの。」
「では、失礼します。」
壬生は、一礼してからそのまま走り出した。
永倉は、その背中を見送って妙子の車に乗りこんだ。
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