おバカな超能力者だけれども…

久保 倫

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ネットカフェにて

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 江戸川が乗ったタクシーが走り去るのを確認し、スマホの暗証番号を入力して着信履歴から、電話をかけた。
 見知らぬ番号だが、飛ばしの携帯でかけてくる可能性がある以上無視は出来ない。
 コール5回で繋がったが、電話の向こうに人の気配がしない。
「もしもし、甲斐ですが。」
「あっ、赤江ちゃん?」
 聞いたことの無い若い男の声。まさか。
「赤江ではありません。甲斐です。」
「あれ?赤江ちゃんじゃないの?」
「違う!ちゃんと番号確認してかけやがれ!」
「失礼しました。ごめんなさい。」
 通話は切れた。
「とぼけやがって。」
 腹は立つが、いちいち相手してられない。甲斐は、待たせている車の方に足を向けた。

 駐車場に止めた車の中に白野と吉良がいる。
「怒鳴られたようだね。」
 そう言いながら、白野からスマホを受け取り通話を切った。
「さすがヤクザの組長。迫力がすごい。ところで暗証番号は?」
「メモはちゃんとしたさ。」
 後部座席の白野にメモをかざす。もっとも目を閉じている白野には見えないが。
「スマホの通話の扱いも慣れた。今度スマホに機種変してみるか。」
 吉良の携帯が鳴った。
「はい、吉良です。」
「終わったぜ。」
「江戸川さん、ご協力ありがとうございます。」
「構わねえよ、今回は会ってやんなきゃいけねえ話だった。で、これで良かったのかい。甲斐に携帯に出させず、後で確認するように仕向けるってのは?」
「はい、大丈夫です。もう携帯の暗証番号は入手しました。」
「本当に早いな。早すぎて、頭が追っつかねえ。」
「通話履歴は、また後日になります。」
「わかった。期待してるぜ。」
 通話は切れた。
「うまくいきましたね。」
 江戸川が電話に出ないことで、甲斐が電話にでれないようにする。そのため、まず吉良が江戸川に自分の携帯で電話し、次に甲斐の携帯に白野の携帯で電話する。
 会食が終われば、甲斐も携帯をチェックするために、暗証番号を入力する。それを『Mark2eyeball』で見る。
「さっそく行くのかね?」
「はい。」

 深夜白野と蔵良はネットカフェのブースにいた。
「何だって坊やと一緒なんだろ。」
「仕方ないですよ。黒江さん、体調不良でダウンしてるんですから。先生も来られないし。」
「先生は、明日札幌で朝一訴訟があるからね。しょうがないのさ。」
 そのため、白野と甲斐の携帯の暗証番号入手後、すぐに空港へ向かい、最終便で飛び立っている
「それにしても飲み過ぎねぇ。お嬢ちゃん、いい気になると暴走するタイプだね。」
 飲み過ぎプラス生理痛なのは、黙っておこう。生理を知られるのは、いい気がしないだろう。
「黒江さんが来ないのは、いいことですよ。危険が減る。」
 あたしはいいんかい、と言ってやりたかったが、肯定の返事が返ってきそうなのでやめた。
「それじゃ始めます。」
「頼むよ。出来れば終電までに帰りたいからさ。」
 白野は、目を閉じた。
「ちょいとマンガでも読みながら待ってるよ。」
「どうぞ。」
 蔵良はブースを出た。
 何読もうかと棚を眺めながら歩いていると、電話が鳴った。黒江からだ。
「蔵良だけど、お嬢ちゃんどうしたの?」
迷惑にならないよう近くの通話ブースに入る。
「いえ、白野さん一緒ですよね。大丈夫ですか?」
「大丈夫っていうか、どういう意味?」
「いや、白野さん、あの性格だから。二人だけだと心配で。その、え、エ、エッ…。」
「エッ……?」
 エッから始まる……?……あっ!

 面白いおもちゃ見ーっつけた♪
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