過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

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第3章 慈愛の愛姫と拳帝襲来

魔術大会本戦 ~白兎雄司vs天道勇樹~

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会話パート

「」ユウジ 『』エステル []シャルロッテ

〔〕シルヴィ 【】エルナ {}サーシャ

《》ユウキ・テンドウ []女神アウラ <>その他

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

『迷宮区』闘技場・医務室

 俺達は急いで医務室へと向かった
 アオイが担架で運び込まれたからだ
 アオイをこんな目に合わせたのはきっとブラッドだ
 ブラッドへの怒りが沸き起こるが今はアオイの容態確認が先だ

医務室には医務の担当教師ほか数名がいた
 アオイはどうやら命の別状はないとのことだ
医務室にいる数名の教師や生徒、シャル達は安心している
 それは別に構わない。命の別状がないのは神眼でわかっている

(くそっ!早くみんな引き上げろよ!邪魔だ!運んでくれたことには感謝するが、安全が確認できたならさっさと引き上げろ!)
 俺は相当イライラしていたんだと思う

『お師匠様・・・』
エステルは心配そうな顔で俺を覗き込んできた

(俺がイライラしていることに気付いて心配してくれてるのか・・・エステルは優しいな。脈ありか?俺の女コースも確定路線だな)
アオイへの心配半分とエステルの脈ありな行動に嬉しさ半分だ

 エステルの顔が俺の顔に近づいてくる
 え?こんな状況なのにキスしちゃうの?大胆だな!
まぁアオイは無事だしなんとかなる・・・・・・から構わないけどさ!
じゃあいただきます。エステル、ん~。

 『なにをしておるのじゃ、お師匠様!アオイに呪いがかかっておるのじゃ。皆は気付いておらぬようじゃが・・・』
エステルがみんなに聞こえないよう耳元で囁いた

(あ、もしかして心配そうな顔してたのってそっち?うわ~、、、めっちゃ勘違いしてた。恥ずかしい・・・)

 確かにアオイは魔偽造持ちだから、エステルの魔聖眼なら今のアオイの状況がわかる
普通に考えてこんな状況でキスはしてこないか・・・
 それはそれで残念だ・・・

「大丈夫だ、問題ない。アオイを心配してくれてありがとな?エステルは優しいな」
 『お師匠様がそういうなら大丈夫じゃな。それにお師匠様もイライラしないよう落ち着くのじゃ』
おぉ!?気付いてもいたのか!成長したな、エステル!

エステルの成長に感無量だった。ここは距離を埋めるチャンスだ!
アオイはなんとかなる・・・・・・し、そもそもシャル達以外の人々は邪魔でしかない。出て行くまでは何もできないしな

「エステルが俺を落ち着かせてくれるか?シャルがしてくれてるみたいに」
 『シャルがしてくれてるみたいに?どんなのじゃ?お師匠様の役に立てるなら頑張るのじゃ!』
 言ったな?今頑張るって言ったよな?言質取ったからな?

 「こんな感じだよ。・・・やば!超ふかふかなんだが!?なにこれ!?この弾力に、この沈み具合!気持ちいいです!」
エステルの確認が取れたので豊満な山脈へと顔を埋めた

『~~~!!!お師匠様はエッチなのじゃ!!』
おま!声でかい!みんなに聞こえるだろ!?

・・・。
みんなの視線が注がれる・・・
他の生徒からは軽蔑の眼差しが、シャル達からは呆れの眼差しが飛んでくる

 まぁ当のエステルは恥ずかしそうにしてはいるが、別に怒っているわけではなさそうだ
好感度もある程度はあるのだろう
今回はこれでよしとするか
俺のエステル攻略戦はまだ始まったばかりだ!

アオイの無事が確認されてしばらくするとそれぞれ退室して行き始めた
中にはいるのは俺達と医務の教師だけだ

<君達もそろそろもど・・・>
 「スリープ!」
 『[〔【ええええ!?】〕]』

 医務教師を突然眠らせた俺の行動にみんな驚いたようだ
 いや、むしろ闇魔法スリープに驚いたのか?両方かな?

 「とりあえずみんな落ち着け?色々と聞きたいのはやまやまだが、後で話すから早々に本題に入らせてもらう。エステルはわかってると思うが、アオイは完治していないんだ。呪いがかけられている」
 慈しむようにアオイの頭を優しくなでる

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 アオイ 15歳 ♀ レベル:102

種族:妖精族エルフ 状態異常:昏睡
 職業:奴隷

 体力:1250000/1250000(+800000)
 魔力:4560000/4560000(+2800000)
 筋力:27000(+19000)
 敏捷:140000(+80000)
 器用:70000(+50000)
 幸運:99★(+99)

 称号:王女の親友になりし者/王女の妹になりし者
    勇者の妹になりし者/女神の妹になりし者/魔女っ子
    戦場の奏姫

 加護:勇者ユウジ 『義妹』『良愛』『慕愛』
    女神ヘイネ 『神妹』
    拳帝セリーヌ『寵愛』『義妹』

 技能:剣聖眼/魔力操作/魔偽造/無詠唱/生活魔法
    家事Lv.22/ヒール/キュア/剣聖流体術Lv.52/精霊守護
    精霊契約/魔力圧縮/精霊結界/精霊召喚/短剣術Lv.21
   ヒーリング/エクストラヒール/キュアリング
   精霊歌唱/恋慕Lv.4/演奏魔法/恋慕の情

 装備:(右)『愛妖精の小ハープ』(左)双剣『かすみ』
    フェアリードレス   (ユウジ渾身作)
    フェアリーヴェール  (ユウジ渾身作)
    慕愛のブローチ    (ユウジ渾身作)
    フェアリーブレスレット(ユウジ渾身作)
    フェアリーヒール   (ユウジ渾身作)
    フェアリーイヤリング (ユウジ渾身作)

 道具:勇者のお守り
   良愛のクマさんポーチ

体型:B70・W39 ・H73

『恋慕』Lv.4
(Lv)   (効果)      (解放条件)
・Lv.1 恋慕度による身体強化  淡い想い
 ・Lv.2 全能力成長速度激増   お願い
 ・Lv.3 全能力消費魔力減5   恋の自覚
・Lv.4 『恋慕の情』解放    恋の封印
・Lv.5 『愛情スキル』解放   ???
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

[〔【呪い?】〕]
 「昏睡という状態異常に係っているみたいなんだ」

 (魔眼以上のスキルを持たない三人では状況確認も大変だな。いっそエステルの魔聖眼を渡してしまうか?三人にはこれからも世話になるんだし。三人なら秘密にしてくれるだろう)

 「シャル、シルヴィ、エルナ。今からすること、話すことは秘密にしてほしい。友達として頼む。今から三人にスキルを渡す。終わったらアオイを見てくれればいい」

こうして三人に魔聖眼を渡すことにした
三人なら誰にも言わないと信じているし、仮にバレたしても帝国からトンズラすればいいしな

魔聖眼を得た三人はアオイを見て状況を確認し終えたようだ
三人それぞれ心配したような顔を俺に向けてきた
 やはりみんな優しい子達なんだよな
 エステルと同じ展開になりそうだったので、話を進める

「状況は確認してもらえたと思う。みんな安心してくれ。アオイは治せる。・・・エクストラヒールex!はい、治った。さて、問題は誰がこんなことをやったかだ。そして何が問題なのか、どうしてこんな状況を作りだしたか、みんなにはわかるか?」
シャル、シルヴィ、エルナ、エステルを見回す

『[〔【ええええ!?】〕]』
 君達よくハモるねぇ~

 〔なにサラッと治して平然と話を進めてるんですか!?呪いでしたよ?普通そんな簡単に治せませんよ?〕

 (あぁ、魔聖眼を得ても俺のステータスは見れないもんなぁ。そこまでは話さなくても大丈夫だろ)

 「これも秘密で。俺に掛かればチョロいということだ」
 『さすが妾のお師匠様なのじゃ!益々気に入ったのじゃ!』
そうだろう?そのまま惚れてしまうんだ!

 [呪いを治せる力。素晴らしいですわ!ステキですわ!]
 〔ハクトさん、どんだけ力隠してるんですか?〕
 【はぁ~ハクト君に掛かれば呪いもイチコロなんだねぇ】
とりあえずは納得してもらえそうだな

「みんな、ありがとう。時間もないし話を進めたいんだ。さっきも話したがみんなはどこまで理解している?」
 改めてシャル、シルヴィ、エルナ、エステルを見回す

最初に口を開いたのはエステルだった
 さすがだ、エステルかシルヴィあたりだとは予想していた

『やったのは間違いなくブラッド・クロイツなのじゃ。こんな状況にしたのは誰にも聞かれたくないからじゃな』
うん、エステルは現状理解をしているな

次に口を開いたのはシルヴィだった
 これも予想通りか

〔問題なのは呪いをかけたということですよね?でも呪いなんてかけるとなると闇魔法かマジックアイテムしかないはずです。マジックアイテムは武舞台上に持ち込めないでしょうし、闇魔法はそもそも・・・あれ?〕

おっ!気付いたみたいだな。さすがシルヴィだ
 シルヴィが側にいる限りシャルは安泰だな

「シルヴィは気付いたみたいだな。闇魔法は魔族にしか使えないんだろ?確か。でも俺にも使える、さっきのスリープがそうだしな。あ、俺は魔族じゃないぞ?」
 魔族とか疑われたら話がこじれるからな

〔魔族じゃないならなんで闇魔法を?〕
 「いや、勇者だから?」

 『[〔【ええええ!?】〕]』
また!?てか、エステルは俺のステータス見ただろ!?

 「いや、エステルは俺のステータス見たろ?もうなんかめんどくさいが、いちお俺は勇者だぞ?これも秘密な。今回打ち明けた理由はブラッドに関わるからだ」

 『いや、妾はお師匠様の強さが最初に目に入ったのじゃ。それにしてもお師匠は勇者様だったのじゃな・・・なるほど』
 勇者様?勇者にじゃなく俺に惚れてくれよ?

 [ハクト様は勇者様でしたのね。やはり素晴らしい方ですわ!私の目に狂いはありませんでしたわ!]
そうだろう、素晴らしいだろう?どんどん甘えさせてな?

 〔はぁ~。勇者様なら確かにとんでもない力を持ってるのは理解できます。ハクトさんが勇者様ですか・・・〕
なんだ、その目は?俺が勇者じゃ不満か?

 【ハクト君、勇者様だったんだねぇ。エッチなのにぃ】
エッチなのは関係ないですよね!?勇者だってエッチだよ?

なんか想像していたより勇者という言葉は影響がでかいらしい
 ひょっとしてバラしたのは失敗したか?と後悔し始めた
 でもなにかと協力して欲しいこともあるしなぁ

「話を戻すぞ?闇魔法を使えるのは魔族か勇者だけだ。そして俺はブラッドを勇者だと思っている。観客席には俺の家族もいるんだ。後で確認しに行くが魔族なら何かしら教えてくれるはずだろうから、まぁ勇者だろうな」
まぁサーシャやセリーヌが騒いでないから勇者だろうな

『・・・』
ん?エステルがなにか考えている?

 『お師匠様はブラッドを見ておらんのか?お師匠様ならわかるのではないか?本戦でブラッドも戦ってたはずじゃ』
ですよねー。興味なくても確認しておけばよかった。あれ?

 「男に興味なかったしなぁ。てかエステルはどうなんだよ?お前だって魔導眼で見れたはずだろ?」
 『妾も興味なかったから見てないのじゃ』
 人の事言えないだろ!はぁ、確認してくるか・・・

〔あんたらねぇ・・・。スキルの持ち腐れね〕
ぐぅ。ごもっともで。ブラッドが男なのが悪いんだよなぁ

結局会場にいるサーシャ達のもとに確認しに行くことになった
 ブラッドの確認もそうだが、アオイの事も心配してるだろうし、知らせたほうがいいだろう

□□□□

『迷宮区』闘技場・観客席

サーシャ達と合流した俺はアオイの無事を伝えた
 アオイが呪いをかけられたと知りセリーヌが憤怒したが、何とか宥めてもふもふして事なきを得た
 そして呪いの経緯よりブラッドを魔族か勇者だと予想していることを伝え、サーシャに尋ねてみた
 セリーヌは憤怒中により役に立たないと判断してのサーシャだ

「サーシャ、実際どうだった?」
 {はい、名前は『ユウキ・テンドウ』でした}

やはり日本人勇者だったか
俺のクラスメートでないから詩乃のクラスメートかな?
 詩乃に確認したらずばりそうだった
 どんなやつか尋ねてみたがあまり話したことはないらしい
詩乃には俺同様痛い黒歴史があるからなぁ。嫌な思い出だ

{ユウジ様、ただいくつか気になることがあります}
なんだ?サーシャの聖龍力眼なら大体の事はわかるからな

{まず一つ目なのですが、鑑定眼が『魔王眼』でした}

 (・・・は?魔王眼?勇者なのに?てか、やっぱり魔王いたの?サーシャの聖龍力眼で見れたとなると魔の力よりは聖龍の力のほうが強いのは確定した。ブラッドも魔偽造は持っているらしいし。ブラッドに俺の本当の力はバレないだろう)

 俺が考え込んでいるとサーシャが更に言葉を続けた
 それはさすがの俺でも驚くべき内容だった

{二つ目なのですが、加護に他の勇者様の加護がありました}
 「ん?どういうことだ?他の勇者の加護?」

 {はい。二つありまして、勇者タカナリ・オオトモと勇者タカシ・スドウ、という名前でした。ユウジ様と同郷の方ですよね?}
 間違いなく日本人だな。俺のクラスメートではない

詩乃に確認したらやはりクラスメートらしい
 どんなやつか尋ねて(以下略)本当使えねぇな、詩乃は!
ちなみに仲がいいやつらだったのか尋ねたらそうでもない、とのこと。それは知ってるんだ。
 詩乃はそれなりにコミュニケーション能力はあるみたいだ
 まぁ男子と女子じゃそんなもんかな?
ただそうなると・・・

(加護は余程親しくならないと本来はつかないぞ?イリアスで仲良くなった可能性もあるが・・・。他には・・・確か邪竜王倒した時に邪竜王が持っていた加護を奪うこともできたな。・・・おいおい、まさか他の加護持ちを倒せば奪えるとかか?アウラ様はそんなこと少しも言ってなかったぞ?やはりアウラ様は信用できないな。それに魔王眼ってのも気になる。魔王から奪うぐらいの実力があるなら倒してるはずだ。倒してるなら今までの経験上俺達は日本に強制送還されてるはず。更には召喚もしないはずだ。つまりブラッドユウキ・テンドウは魔王の知り合いまたは部下の可能性もある。そう考えると・・・加護の件は、仲間勇者殺しの可能性が高いかもな)

 「サーシャ、ブラッドユウキ・テンドウは魔族ではなかったのか?」
 {私が見た時は人間族でした}

 (う~ん。こういう場合テンプレだと、実は魔族になっちゃいました!とか、魔族に体を乗っ取られてました!とかが定番なんだけどなぁ。それなら簡単に殺せるんだが・・・。まぁ人間でも仲間殺しするような可能性のあるやつだ。反省してないなら躊躇なく殺すがな。いや、テンプレの力は強力だ!ここは少しの疑いでも用心した方がいいな)

 「サーシャ、鑑定眼をごまかせるようなマジックアイテムの存在とかある?実は魔族なんだけど人間族に偽造して見せることができるみたいな?」
 {聞いたことないですね。私はあまりマジックアイテムや魔法のことは詳しくないので、申し訳ありません}

 (なるほど、確かにそうだった。悪いことしたな。そっちはエステルの分野か。エステルに確認してみよう!)

サーシャにお礼のなでなでと万が一の時は家族を護るよう頼んで医務室に戻ることにした

□□□□

『迷宮区』闘技場・医務室

 早速エステル達にブラッドが勇者であることを伝えた
魔族の可能性や魔王との繋がりがある可能性は伏せた
無駄なパニックは避けたいしな
 ただ仲間殺しの可能性がある件は伝えないとまずいだろう
魔法学校に通っている以上、加護持ちのエステルはかなり危険だ
 それに確認したいこともある

「エステル。鑑定眼をごまかすようなマジックアイテムって知ってるか?」
エステルが知らないようならきっとないだろう

『なんじゃいきなり。偽造スキルを有するマジックアイテムならそれなりにあるのじゃ。妾の屋敷にもあるのじゃ。Sランク冒険者はみな所有しているとも聞いたことがあるのじゃ。』

 (へ?Sランク冒険者?剣聖のなんとかさんなら知ってるが持ってたのか?あぁ、だから偽造スキルなかったのか。剣聖のくせになかったしな。隠す必要がなかっただけかもしれないが・・・。くそが!イケメン死ね!)

 「でもそれらのマジックアイテムでもエステルの鑑定眼なら見えたはずだろ?それをごまかすようなやつはさすがにないよな?」
 実際剣聖のステータスは詩乃も見えてたからなぁ

『さすがにないはずなのじゃ。ただ・・・妾は見たことはないのじゃが、お師匠様はユニークモンスターなるものは知っておるか?』

ユニークモンスター?あれだよな?
 魔山にたまにいて神圧で死なないめんどくさいやつ
 ステータスがバグってるんだよな

「あるぞ?何度も倒してるな。ステータスがおかしいんだよ。俺でも正確に見えないんだ」

 『おぉ。やはりおるのじゃな!どうも見たことがないから信じられなかったのじゃ。そのユニークモンスターが稀に落とすユニークアイテムなるものならもしかしたらごまかせるかもしれないのじゃ。稀にオークションや武闘大会の賞品になるらしいのじゃ。性能もかなり優れているとか、一度お目にかかりたいものじゃ!』

 (おいおい、マジか!あるのかよ!ユニークアイテムなら確かにごまかせるはずだ。俺の神眼でさえバグって見えたんだから。オークションに武闘大会か・・・。今後は積極的にユニークアイテムを手に入れてみるか!上手く力を抽出さえできれば神超えも可能になる!ヘイネ、ようやく迎えにいける準備が始められそうだぞ!・・・それにしてもやはりエステルは素晴らしい!)

これで対ブラッド戦での不安はなくなった
 ユニークアイテムという存在も知ることができた
 ヘイネを迎えにいけるだけの力の取得も目処が立ちそうだ
全てはエステルのおかげだな!俺はエステルを強く抱きしめ、

 「エステル、ありがとう!お前は、俺の子房張良だ!これからもエステルを頼りにさせてもらうぞ!」

 『オーホッホッホ!妾が頼りになるのは当たり前なのじゃ!お師匠様、いつでも相談するがよいのじゃ!』

その後決勝が始まるギリギリまでエステルをなでなでしてあげることにした
 エステルもアオイ同様なでなでが好きになったみたいだ
可愛い反応を見せるエステルと可愛い寝息をたてるアオイを眺めながら落ち着いた気持ちで決勝を待つ

(ブラッド、いや、ユウキ・テンドウ。色々と聞かせてもらうぞ?覚悟しておけよ!)

□□□□

魔術大会決勝 ~ユウジvsブラッド~

 決勝開始の時間だ
 エステルをひとしきり堪能した俺は会場に向かうことにする
心は落ち着いている。今なら賢者にもなれそうだ
賢者タイムだろうか。いやいや、エステルとはしていない
 エステルは体が既に大人だから判断に迷う。色魔、色魔

 「よし!サクッとアオイの仇でも取ってくるか!優勝に興味はないがブラッドを優勝させるつもりもないからな!」
 勝つのは当たり前だから情報を聞き出さないとな

『お師匠様ほどほどにするのじゃ~!』
 [ハクト様、どうかお気をつけてくださいですわ]
 〔勇者同士の戦いなんですから油断しないでくださいね〕
 【ハクト君、ファイトぉ~。頑張ってねぇ~】

 会場に到着し武舞台上を目指す
決勝ともなると皆相当注目しているのだろう
会場に到着しただけですごい喚声だ。なんか俺が会場入りしただけで若干罵声みたいなものが聞こえるような?
 耳を澄まして聞いてみる。こういうのは聞かない方がいいのはわかっている。でも気になる漢女心。・・・うげぇ。

 <待たせんじゃねぇよ!性癖の狂人!早くしろ!>
 <あれがエステル様を妊娠させた性癖の狂人?>
 <俺らのシャルちゃんを汚した性癖の狂人は許さん!>
 <ひぃ!性癖の狂人がこっち見たわ!汚されるわ!>

せ、性癖の狂人?なんだよそれ?俺のことか?
 俺の通り名みたいなんだろうが酷くないか!?
 誰だよ、考えたやつ!人としての良心はないのか?
 言われた人がどう感じるのか考えないのか!?

 絶望にうちひしがれながら武舞台に上がる
武舞台上にはブラッド・クロイツ、いや、ユウキ・テンドウが既にいた

金髪ではあるが、エステルやシャルのような元からの金髪ではなく、明らかに染めましたみたいなくすんだ色
 顔は全体的に平面で、鼻もそれほど高くなく、掘りも深くなく、目は大きめ、唇は中程度、頬骨はそれほど出ていない
典型的な日本人顔だ。まぁ俺も人の事言えないが
身長は180を確実に超えていて、全体的にがっしりしている筋肉質な体だ
 まぁ明らかに日本人だわな。勇者なのは確定っと

 そんな典型的な日本人であるユウキ・テンドウは、にやにやと人を馬鹿にしたような笑みで俺を待ち構えていた

(なんだこいつ、気持ち悪い笑みだな。だから男ってやつは嫌いなんだよ。笑顔は女の子に限るよな!早くエステルとアオイのダブル天使の笑顔が見たい!)

 《遅いじゃないか、待たせんなよ。性癖の狂人さん?くくくっ》
 「・・・」

 《どうした?会場の雰囲気にでも呑まれたのか?情けないやつだな。なぁ性癖の狂人さんよ?》
 「・・・」

 《ちっ。少しはなんとか言えよ!性癖の狂人!》
 「・・・黙れ。ユウキ・テンドウ 」
 俺の中でふつふつと静かな怒りが沸いている

審判から試合開始の合図だ。魔術大会決勝が始まった
 ユウキが何か話しているが、俺は足に力を入れ地面を蹴った

《・・・なに?なぜ俺の正体が・・・ぷごぉ!?》

 試合開始したらこいつをぶん殴る、そう決めていた
 ユウキは俺の右フックを鮮やかに喰らい吹き飛んでいった

(・・・はっ!しまった。色々と聞きたいことがあるんだった・・・。ムカつく顔してたからつい殴ってしまった。まだまだ修業が足らんな、俺も。まぁかなり手加減してやったし、勇者でもあるんだから死なないだろう。ステータス確認しないとな)

 平常心になると罵声の嵐の中でも、ほんの僅かな黄色い声援があることに気付く。ユウキを吹き飛ばしたからだろう
観客席からはセリーヌの、選手控室方面からはエステルとシャルからの叫び声に近い黄色い声援が聞こえてきた
 お前ら貴族だろ!はしたないぞ!っと心の中でツッコミを入れつつも少し、かなり嬉しかった

(なんか力が沸いてくるな!・・・てか、早く立ち上がれよ。あの程度でやられた訳じゃないだろ?ほんの少ししか力入れてないんだから。それとも本当にその程度なのか?もしそうなら、ユウキの実力から察するにイリアスの魔王なんてデコピンでも倒せるレベルだぞ?)

しばらくするとユウキが立ち上がってきて、俺をキッと睨みつけてきた
 その顔からは憎悪の感情が読み取れる

《きさまぁ!まだ俺が話してる最中だっただろうがぁ!》
 「はぁ?お前はバカか?なんでお前の話を俺が待つ必要があるんだよ?俺の話をお前が聞くのは当然だが、お前の話を俺が聞く義理も義務も全くない。勘違いするな?お前の話を聞くかどうかは俺が決める。お前に選択権なんてそもそもないんだよ」

 (う~ん。それにしてもなんかボロボロだな・・・。魔族かも?なんて思ってたがやはり勘違いだったか?テンプレ先輩も当てにならんな。まぁいちお確認するか・・・神眼発動!)

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 ユウキ・テンドウ 16歳 ♂ レベル:221

種族:人間?
 職業:勇者?

 体力:1520000/8000000(+4500000)
 魔力:12000000/12000000(+8000000)
 筋力:1200000(+800000)
 敏捷:980000(+600000)
 器用:88000(+60000)
 幸運:62

称号:万物の力を手に入れし者/ドラゴンスレイヤー
   デーモンキラー/略奪を極めし者/魔王に認められし者

 加護:女神アウラ   『万力』
    魔王ティルグレア『将帥』
    勇者タカナリ  『天変』
    勇者タカシ   『万能』

 技能:威圧/魔王の支配/身体強化/魔王眼/気配察知Lv.66
   槍術Lv.56/体術Lv.64/掌覇Lv.61/掌拳Lv.54/隠蔽Lv.68
   天変魔法/槍舞Lv.62/闘気/魔将の咆哮/魔偽造/万力
    脚地/脚龍昇Lv.60/脚虎昇Lv.63/武器創成/闇呪魔法
    火炎魔法/水刃魔法/土淵魔法/風凪魔法

 装備:(右)なし(左)なし
   ウェルカスローブ
   ダンタロスの首飾り
   ティルグレアの証
    フールカンブレスレット
   ボルファルシューズ
   $¥¢&@の指輪

 『万力』:筋力のステータスUP絶大(固定)
 『将帥』:全ステータスUP大   (固定)
 『天変』:天変魔法。天空に起こる異常現象を具現化
 『万能』:全ステータスUP絶大(レベル依存)
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 なんかユウキがごちゃごちゃ言っているが無視して思案に耽る
 アプソリュートもあるからユウキは放置でいい
 ユウキユウキ程度ではアプソリュートを壊せないし

(おぉ!Sランク冒険者より強いな!確かにアオイには無理だ。呪いはかけられたが殺されなかっただけマシか。にしてもたったワンパンチで体力ごっそりなくなるとかマジか・・・。強いは強いけど所詮雑魚だな。イリアスでは最強の部類なんだろうが)

 正直ガッカリだ。まぁ元から大して期待はしていないが
 そもそも男だから期待したくもない

(にしてもなんで、人間?、勇者?、って疑問形なんだよ!これがユニークアイテムの影響か?サーシャは人間だと断定してたぞ?もしかしたら聖龍力眼ではごまかせたが、神眼ではかろうじてわかるとかか?神眼は聖龍力眼より上のスキルだから有り得る。でも神眼でも疑問形だしなぁ。可能性としてあるかも?みたいなもんか。それでもユニークアイテムは有用なアイテムだ。指輪は頂くか)

ユニークアイテムの性能を確認できただけでも満足だ
神の力なんて普通は手に入らないから、サーシャの聖龍力眼をごまかせたなら上々だろう

(ただ気になる点もあるな。ユウキのレベルとスキルレベルが一致しないぞ?明らかにスキルレベルが低すぎる。偽造・・・している?する必要あるか?テンプレだ、テンプレ先輩を思い出せ!こういう場合はなにがある?・・・ユウキが力を解放していないのは明らかだ。それに人間?なんて表示がある以上は変身する可能性があると思ったほうがいい。・・・そうなると変身後に変化する恐れがあるな。スキルを奪うのはその時でいいか)

とりあえず色々と吐かせるか
 どうせ口は割らないんだろうから瀕死にして拷問かな?
なんかごちゃごちゃ言いながら無駄な攻撃を繰り返しているユウキ。なぜ力の差を理解できないのか?
バカ相手にここで押し問答も意味ないしな
 いちお確認だけしてみるか

「おい、加護はどうやって取得したんだ?勇者タカナリ・オオトモと勇者タカシ・スドウのだ」
さ~て答えてくれるかなぁ。答えなきゃ拷問にかけるだけだけど

《・・・きさま、何者だ?なぜそんなことまでわかる?》
はぁ~。これだからバカの相手は疲れるんだよなぁ

「お前は難聴なのか?誰がそんなこと聞いた?俺は加護のことについて聞いたの。理解できた?Do you understand?早くしろよ。さっきも言ったろ?お前の話を聞くかどうかは俺が決める。そしてお前は俺の話を聞け。幼稚園生でもわかるぞ?オツム大丈夫か?なんなら治してやるぞ?治せるほど知能があるならな」
 早くしてよ~、めんどくさいな

《ふ、ふ、ふざけるなあああああああ!》
だから~お前の攻撃効かないんだって!

 怒り狂ったユウキの苛烈なまでの猛攻撃
この世界でなら、俺、サーシャ、セリーヌを除けばきっと脅威なのだろう
周りからはどう見えているんだろうか?

 (今度そういう衛星魔法でも創ってみるか!エステルがいるから何か創れる気がするな!)

とりあえずこの不毛な戦いを終らせるかな
口を割らないみたいだし

「もういいわ。なんか隠してる力あるならさっさと出せよ?今のお前とか全く話にならないから。じゃあ、お疲れさん」

さっきはパンチでかなり削ったからなぁ
 なでる感じで十分か?男をなでるとか気持ち悪いが仕方ない
 ユウキのごわごわしてそうな髪に嫌々ながら撫でる感じで攻撃をしてみる

《ぐぅ!?・・・・・・・・・。》

あ、あれ?やりすぎた?あまりにも弱いと手加減難しいんだよな・・・
 まぁ最悪死んでもエステル考案のスキルもあるしどうとでもなるが・・・

膝をついて動かなくなったユウキを眺める
 と、とりあえず神眼発動!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ユウキ・テンドウ 16歳 ♂ レベル:221

種族:人間?
 職業:勇者?

 体力:360/8000000(+4500000)
 魔力:630000/12000000(+8000000)
 筋力:1200000(+800000)
 敏捷:980000(+600000)
 器用:88000(+60000)
 幸運:62
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

(なんだ生きてんじゃねぇか!大袈裟なやつだな。あまりの力量さに絶望でもしてんのか?絶望するぐらいなら最初から口割ればいいのに・・・)

しばらくユウキを眺めていたら、ユウキのいる場所に赤い魔法陣が浮かび上がってきた
逃げ出さないよう注意しながら警戒する
 ちょっと武舞台が降る出したぞ?
ユウキの周りを赤い魔力が覆いはじめた

《・・・魔王様、力の解放を致します。申し訳ありません。魔王の支配、・・・解放!》
やっとかよ!遅いんだよ!待たせんな!

 魔法陣と言えば大抵逃げる時に使われることが多いから正直焦っていた
 さすがの俺も魔法陣の追跡はしたくない
追いかけるのは女の子だけで十分だ!
 俺の正確なステータスがわからないからまだナメているんだろう。今回はそれに助けられた

体を覆っていた赤い魔力をユウキがどんどん体内に吸収していく
赤い魔力を吸収していく度にユウキの体が少しずつ少しずつ変化していく

 ユウキの頭からは大きな羊の角が現れ、髪も銀色となり長髪になった
目の色は髪の色と同じになり、まるで狼男のように口が突き出している
体全体が赤黒く、長い爪に、漆黒の羽と尻尾。

うん、どう見ても人間族じゃないよね!
 羽と尻尾あるし、なんか口尖ってるし、体赤黒いし
悪魔と獣人のハーフな感じがするな
 それに吸収した魔力で回復もしたみたいだ

 どれどれ、どんなものかな?・・・神眼発動!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 ブラッド・クロイツ 16歳 ♂ レベル:442

種族:魔獣人族
 職業:魔族12将

 体力:16000000/16000000(+9000000)
 魔力:24000000/24000000(+16000000)
 筋力:2400000(+1600000)
 敏捷:2000000(+1200000)
 器用:100000(+80000)
 幸運:78

称号:万物の力を手に入れし者/ドラゴンスレイヤー
   デーモンキラー/略奪を極めし者/魔王に認められし者

 加護:女神アウラ   『万力』
    魔王ティルグレア『将帥』
    勇者タカナリ  『天変』
    勇者タカシ   『万能』

 技能:魔圧/魔王の支配/身体万化/魔王眼/気配察知Lv.98
   魔槍術Lv.112/魔王流体術Lv.128/魔掌覇Lv.122
   魔掌拳Lv.108/天変魔法/魔槍舞Lv.124/魔闘気
    魔将の咆哮/魔偽造/万力/脚地/魔龍昇Lv.120
   魔虎昇Lv.126/魔器創成/闇呪魔法火炎魔法/水刃魔法
    土淵魔法/風凪魔法/隠蔽Lv.124

装備:(右)なし(左)なし
   ウェルカスローブ
   ダンタロスの首飾り
   ティルグレアの証
    フールカンブレスレット
   ボルファルシューズ
   $¥¢&@の指輪

 『万力』:筋力のステータスUP絶大(固定)
 『将帥』:全ステータスUP大   (固定)
 『天変』:天変魔法。天空に起こる異常現象を具現化
 『万能』:全ステータスUP絶大(レベル依存)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ユウキの体が変質し魔族のそれへと変貌を遂げると、先程まで成り行きを見届けていた観客席がざわめき出した
観客全員が明らかに驚いているようだ

《グッグッグ!お遊びはこれまでだ!きさまのその強さ、この俺、ブラッド・クロイツがもらい受ける!逃げられると思うなよ?生きながらにして死の恐怖を味わせてやる!》


ユウジがイリアスにきて初めての魔族だ
初めての魔族ではあるが奇しくも、同じ日本人で、同じ勇者
なんと残酷な運命の悪戯なのだろう

今、勇者ユウジ・ハクトと魔将ユウキ・テンドウの戦いの火蓋が切って落とされようとしていた


[勇者様方、お久しぶりです。本日は神託緊急クエストを授けに参りました]
え?今?せっかくナレーション先輩が頑張ったのに!?
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