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phase1 三章 第十一回イベント
三十話 驕りの代償(2)
しおりを挟むエリアルヘロン達の前に三機のアーマードスーツが並び立つ。
「チャレンジャーはお前らか?」
真ん中のプレイヤーが尋ねてくる。
「チャレンジャー?まあ、そうだな」
俺は答えた。
「この基地は返してもらう」
「ふん、じゃタイマンね。ルールは特になし。やられた方が負け」
右のプレイヤーが自信満々にルールを提示する。
「じゃあ俺から行くぞ」
ミネーが前に出る。
「頑張れよ」
俺とヴァリュートは後ろに下がった。
「僕がやるよ」
左側のアーマードスーツがエリアルシュトレインの前へ出る。
《ジークフリート、負けるなよ》
《負けたら鬼ダサだからね》
二人が煽りながら後ろに下がる。
《負けるわけないだろ?僕は天才だぞ》
随分な自信だ。
『初手からビットンを射出してくるか?ならすぐ終わりそうだが、、、、、」
《エリアルキラー、準備よし》
『エリアルシュトレイン、オーケーだ』
《それでは、始め!》
合図が出されると同時にエリアルキラーがエンジン全開で切り掛かってきた。
「そう来たか!」
ミネーはそのままエリアルキラーの振り下ろしたエナジーブレードを防いだ。
《逃げないだと?》
ジークフリートが呟く。
エリアルシュトレインがエリアルキラーを振り払う。
「天才とか言ってたけど、こんなもんか」
《なにを!》
二機が激しくぶつかり合う。
エリアルキラーの繰り出す攻撃はどれも鋭いが、エリアルシュトレインにはかすりもしない。
全て避けられるかブレードで受け止められてしまう。
《今までの奴とは違う、、、、、》
「そりゃあ、それなりに場数踏んだからな」
ミネーがそっけなく返す。
「お前、装備頼みだろ?特にビットン系の自動追尾兵器」
《うっ、ち、違う!》
「図星か。別に悪いことじゃないけどな」
ミネーはそう言いながらエリアルシュトレインを巧みに操り、エリアルキラーの攻撃を防ぐ。
《クソァ!》
エリアルキラーががむしゃらにエナジーブレードを振るう。
『プライマルクランはこんな奴らに負けたのか?』
《ビットンさえあれば、お前なんか!》
エリアルキラーがエリアルシュトレインから距離を取る。
『来る』
エリアルキラーからビットンが射出される。
ビットンはエリアルシュトレインを目標に設定し、飛翔する。
エリアルシュトレインは全速でビットンに突っ込んでいく。
《な!自殺するつもりか!?》
ジークフリートが驚く。
ビットンからレーザーが放たれるが、エリアルシュトレインはそれを避けながら確実にエリアルキラーとの距離を詰めていく。
《ヤバい!》
ジークフリートがそう言って機体を後退させる。
「逃すかよ」
エリアルシュトレインがビットンを切り裂く。
《な、なんだよアイツ》
《ふ、ふん、なかなかやるじゃない!》
二人は驚きを隠せないようだ。
《チート使うなよ!卑怯者!》
ジークフリートが叫ぶ。
「使ってねぇよ!癒着女と一緒にすんな!」
ちなみに癒着女とはブルーファイターズのリーダーのことである。
《嘘つけ!運営に通報してやる!死ね!》
実に子供らしい返答である。
「直接的な暴言はマナー違反だぞ!」
エリアルシュトレインがエナジーブレードを構える。
《うるさいうるさい!》
エリアルキラーが自棄になって突っ込んでくる。
二機がぶつかる瞬間、エリアルシュトレインが機体を捻り、エリアルキラーの突き出したエナジーブレードを避けてそのまま頭部から股までズバッと切り裂いた。
《そんな!》
エリアルキラーが爆散した。
「よーし、俺の勝ち」
ミネーがそう言ってハナサギ達の所へ向かう。
「やっぱ勝てたな」
俺がそう言うと、ミネーは呆れたように返した。
「流石に負けねぇよ」
「てかめっちゃ強くなったね」
ヴァリュートが感心したように言う。
「あんだけ戦ってきたんだから、それなりに強くなるだろ」
「次はボクが出るよ。お仕置きしてあげないとね」
《やられるとか鬼ダサ。ゴッド、あんたなら負けないよね》
《当たり前だろ。ジークフリートは運が悪かったんだ》
ジークフリートとヴァリュートのアーマードスーツが向かい合う。
《エリアルグレイプニル、準備よし》
「エリアルゴースト、大丈夫だよ」
「じゃあ、よーいスタート!」
エリアルグレイプニルが後ろに飛び退る。
先ほど同様、ビットンが射出される。
「さっきの見てなかった?」
ヴァリュートが距離を詰めようとするが、エリアルグレイプニルから放たれたバーストマグナムに阻まれる。
「うわっと、そこまでバカじゃないか」
ヴァリュートが笑いながら言う。
《子供だからって舐めるなよ!》
ビットンとバーストマグナムの攻撃がエリアルゴーストに降り注ぐ。
「なかなか激しいね!」
ヴァリュートが楽しそうに言いながら攻撃を避ける。
《こいつも避けやがる!》
ゴッドが驚愕する。
「なに驚いてんの?予想できたでしょ!」
『新しい装備を使ってみるか』
エリアルゴーストが淡い緑色の光に包まれる。
ビットンから放たれたレーザーが湾曲する。
《え!?》
「わー、すごいねこれ。五秒の制限時間と移動速度低下はあれど、全然戦えるね」
ヴァリュートが自機にブーストをかけて一気にエリアルグレイプニルとの距離を詰める。
《正々堂々と勝負しろ!大人だろ!》
「ボクに手を抜けって言うの?君は本気でやってるのに?君が本気を出すならボクも本気を出さないと、正々堂々と勝負出来ないよ?」
『なかなかの詭弁かもだけど相手は子供だし大丈夫でしょ。実際黙っちゃったし』
《うっ、、、、、ぐすっ》
『えー、泣いてる?そこまで刺さるとは思ってなかった』
「はーっはっはっは!大人の力、思い知りなさーい!」
エリアルゴーストがエリアルグレイプニルを真っ二つに切り裂いた。
《、、、、、っ!なんなの?昨日はあんなに強い奴らいなかった》
残った一人が唖然とする。
「ふー、次はハナサギ君だね」
ヴァリュートが戻ってくる。
「お、おう。頑張るよ」
「あいつらホントに大したことないみたいだし」
「そ、そうなんだ、ははは、、、、、」
俺は何故か性格の悪くなったヴァリュートにちょっと引きながら残りの一人の前に向かった。
《あたしはあいつらとは違うからね》
「えーと、プレイヤーネームは?」
《、、、、、アテナよ》
「戦乙女だっけ、かっこいいね」
《う、うるさい!ぶっ殺してあげる!》
アテナが怒鳴る。
「エリアルヘロン、準備完了」
《エリアルククバーヤ、準備完了よ》
両者のボルテージが上がる。
ミネーとヴァリュートが固唾を飲んで見守る
ミドリも緊張した面持ちで見守っている。
「それでは、始め!」
ミネーが開始を宣言した。
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