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「ひぐっ……えぐぅっ……あぁぁ……」
何よ、私が何をしたっていうのよ
好きな人のために頑張ってきただけなのに
なんで……なんでこんな目にあわなきゃいけないのよ!!
持たされたのは金貨10枚、それ以外は
何もくれなかった。
もう無理だ、私はもうここで死ぬしか……
絶望と悲しみで泣き崩れていたそのとき
誰かが私の腕を強く引っ張った。
「おい、性悪女」
視界に入れたくないほど大嫌いな男の声
「捨てられたんだな、でも自業自得だ
あんなことをしたんだから」
なによ、私を嘲りに来たの?今までの仕返しに?
腹立たしくて腕を振り払おうとするが
力では敵うわけがない。
そうか、こうやって私は惨めに死ぬんだ。
世界で一番大っ嫌いな男の手によって
もういいや、抵抗するのも疲れた。
「……好きにしていいわよ」
「は?」
「……もういいの、今までの鬱憤を晴らしなさいよ」
「……分かった、お前がそういうならそうしてやるよ」
最期がこの男だなんて最悪だけど
もう早くこの人生を捨ててしまいたい。
私は目を瞑り、覚悟を決めた。
「えっ……な、なに?!」
なぜか私の身体が上へと持ち上がり、男の肩の上に
担がれた。
「好きにしていいんだろ、ならそうする」
「なっ、ま、待ちなさいよ!どこへ連れていく気?!
離して、離してぇ!!」
全てを失った日、私は大嫌いな男にあっという間に
連れ去られたのだった。
「気に入らないわ、殿下の隣にふさわしいものを
用意してって言ったでしょ?」
「も、申し訳ございません、お嬢様」
今夜は大切な舞踏会の日、きっと殿下と私の結婚が
発表される。
殿下の真っ赤な瞳に合わせた派手なドレス
きっとこれで会場の皆は私の美しさに目を奪われるはず。
「お姉様~準備できました?」
ノックもせずに私の部屋に入ってきた無礼な義妹
私に触ろうとしてきたその手を強く叩いた。
「触らないで」
「お、お姉様……ひ、酷いわ」
しくしくと泣き出した義妹をメイド達は慰め
私を睨む、この屋敷に私の味方は誰もいない。
義妹を無視して、早く舞踏会に行こうと
下へと降りていった。
私の名前はラビエッタ・ぺスカトール
ぺスカトール公爵家の娘である。
空色の美しい髪に深い紫の瞳、誰がどう見ても
私以上に見目麗しい女はこの国にはどこにもいない。
婚約者はこの国の第一王子、オリビオ・アラビアタ
赤い髪と瞳が人目を引きつける次期国王
私は彼を愛している、そしてきっと彼も私を
愛してくれている。
今日の舞踏会で私は次期王妃と発表され主人公になれるはず
会場に到着し、馬車を降りると
顔を合わせたくもない一人の男が立っていた。
「……ご機嫌よう、レグリス様」
銀の髪が月明かりに照らされ、男の翡翠の瞳が
私を忌々しそうに睨む。
「今日も派手なドレスだな、お前に全然似合ってない」
綺麗な顔をしているくせに口から出る言葉は
私を馬鹿にするものだった。
「貴方の趣味が悪いのよ、メイド達は最高に綺麗だって言ってたんだから!」
「お前はなんでお世辞を真に受けるんだよ」
「お世辞なんかじゃないわ、私は世界で一番
美しいもの」
そう言うと男は呆れ、私に背を向ける。
「いつか痛い目見るぞ、そんなことしてたら」
「……そ、そんなわけ」
男の言葉が胸のどこかに刺さりながらも
私は無視して私を待ってくれているであろう
殿下を探した。
「……どこにいらっしゃるのよ」
会場の入口を全て見て回ったがどこにもいない
まさか遅刻を?時間に遅れるような方ではなかったのに
「ぺスカトール公爵令嬢、こちらオリビオ殿下より
ご伝言でございます」
「……は?」
使用人に渡された手紙には
『遅れる、先に入っていてくれ』
とだけ書いてあった。
「私に一人で入場しろと言いますの?
殿下をお待ちしますから共に入場を……」
「殿下より令嬢へのご命令です」
使用人は私に頭を下げ、立ち去った
私に一人で入場して欲しい理由があるの?
まさか、結婚発表のサプライズって可能性も考えられる。
仕方がない、恥を忍んで会場に一人で入場する。
「ぺスカトール公爵令嬢のご入場です!」
皆の視線は一人で入った私に注がれる。
驚く声や私を馬鹿にする声、耳を塞ぎたくなるが
気にしていないふりをして
笑顔で会場の中心に向かう。
大丈夫、殿下が私との結婚を発表すれば
全てがひっくり返る。
私はこの場の主役になれるんだから
「レグリス様~!」
「私と踊りましょ!」
「私が踊るのよ」
「喧嘩しないでよ、可愛い顔が見れなくなる」
あの男、また女を誑かして…
他の女には優しいくせに、気持ち悪い甘い言葉を吐くくせに私にはなぜあんなに冷たいのか
睨んでやると、レグリスは女を放って私に近づいてくる。
「なんで一人なんだよ」
「…別にいいでしょ、一人でも」
「殿下は?」
「放っておいて」
「……お前、そんな性格だから一人なんだろ
友人もいないようだし」
「いるわよ、友達くらい」
「どこに?」
たしかに私に近寄ってくる者は誰もいない。
「わ、私が神々しすぎて隣に並べないのよ」
「はぁ……」
ザワザワと声が聞こえ、振り向くと扉が勢いよく
開かれる。
「……は?」
「オリビオ王太子殿下、ぺスカトール公爵令嬢の
ご入場です!」
ぺスカトール公爵令嬢……?
何を言って……殿下の隣にピッタリと寄り添っている
その女は憎いあの義妹だった。
会場はさらに騒がしくなり、人々の視線は私と
義妹に注がれる。
殿下は何を考えているのよ
私は持っていた扇子を握りしめ、殿下の方へ
歩いていく。
「おいラビエッタ、落ち着け!」
レグリスの声など聞こえず、私は2人の前に
堂々と立ち塞がった。
「殿下、なぜその女が隣にいるのです?
殿下の婚約者は私です、その女ではありません」
「いや、僕の婚約者はラビエッタ
君ではなくアメリアになるんだ」
「……は?何を言っておりますの
冗談もほどほどになさって……」
殿下は義妹を抱きしめ、高らかに宣言した。
「僕は今、この場を持ってラビエッタ・ぺスカトールに婚約破棄を言い渡す!」
「……こんやく……はき?」
婚約破棄ってどういうこと?
「お前の数々の悪行、証拠は出揃っている。
お前は王妃にふさわしくない」
「悪行?なんのことです?
私は何もしておりません、次期王妃になるため
努力をしてまいりました。
なのになぜ私が婚約破棄なんてされなければ
ならないんですか!」
周りにも同意してもらおうと辺りを見回すが
なぜか私から皆が目を逸らす。
「使用人、他の貴族への罵詈雑言
身分を笠に着た好き勝手な振る舞い
そして最たるはアメリアを殺そうとしたことだ」
「殺そうとした……?」
貴族達はザワザワと騒ぎ出し、私から距離をとる。
そんな馬鹿な話を信じるの?
誰がこんな女を殺そうとするのよ、いてもいなくても
私にはどうでもよかったのに。
「アメリアから聞いたよ、君に小さい頃から
虐められてきたと
暴行を受け、死んでしまえと怒鳴られ
食事だってさせなかったんだって?」
「いいんですわ、オリビオ殿下……お姉様のことは
私が許しますもの」
義妹は涙をポロポロと流し、殿下の胸に顔を埋める。
あの女、私の婚約者に何をするのよ
掴みかかろうと足を踏み出すと、騎士達に
身体を取り押さえられた。
「何をするのよ、公爵令嬢に触れるだなんて!」
「貴方は今罪人なんですよ」
「罪人……ですって?」
殿下は私を冷めた目で見下ろし、また声をあげた。
「そして昨夜、アメリアを殺そうと野盗に襲わせたんだろう!アメリアは許すと言っていたが
僕は王太子として……そしてアメリアの新たな
婚約者として見過ごすことはできなかった」
「新たな婚約者?まさか殿下、その義妹と結婚するつもりですか?」
「そうだ、なぜなら僕はアメリアを愛しているから」
「殿下ぁ♡」
ようするに私はあの義妹に婚約者も次期王妃の座も
奪われたってこと?
「ふざけないで!!」
私の声に騒がしかった会場は静まり返り
私の声だけが響いた。
「愛しているですって?貴方は私の婚約者でしょう!
その女を殺そうとか虐めようだなんてしたことは
一度もないわ」
「嘘をつくな、証拠はあるんだ」
「見せてみなさいよ!」
私がアメリアを虐げたという数々の証言が書かれた。
書類を渡されるが、なんとまぁよくこんな嘘をつくものだ。
なんで私がその女をそこまでして虐めなきゃなんないのよ
その女がどうなろうが知ったことでは無いのに
「全部嘘です、私はそんなことしていません」
「信じると思うか?殺人未遂の疑いで
お前を国外追放する」
「はぁ??」
国外追放って何を言っているの?
「その女を連れて行け」
「「「「はっ!」」」」
騎士に引き摺られ、必死に抵抗するが何もできない
「私はしてない……何もしてません!
殿下、私を信じてください!」
殿下は私を恨めしそうに睨み、あの女を抱きしめる。
「助けて……誰かたすけ……て……」
皆は私から視線を外し、誰も手を差し伸べようとはしなかった。
絶望の中、最後にあの女と目が合ってしまう
殿下の腕の中でさっきまで泣いていた義妹は
いやらしい笑みを浮かべていた。
「ざまぁみろ、お姉様♡」
そう言っているような気がしたが、怒鳴ることも
できず私は会場を追い出された。
それからは一瞬だった、お父様に助けてもらおうと
屋敷に戻るが
「妹を殺そうとするような者はこの家に必要ない」
と勘当され、僅かなお金だけ渡され
身一つで追い出された。
王宮の騎士に国境まで連れていかれ、門から
押し出された。
「二度とこの国に入れると思うな、卑劣な犯罪者め」
捨て台詞を吐かれ、国境の門はバタンと閉められる。
とどまっていることもできず、あてもなく森を歩いていたが、力尽き死のうとした。
そんなところに現れたのは私が大嫌いなあの男
レグリスだった。
何よ、私が何をしたっていうのよ
好きな人のために頑張ってきただけなのに
なんで……なんでこんな目にあわなきゃいけないのよ!!
持たされたのは金貨10枚、それ以外は
何もくれなかった。
もう無理だ、私はもうここで死ぬしか……
絶望と悲しみで泣き崩れていたそのとき
誰かが私の腕を強く引っ張った。
「おい、性悪女」
視界に入れたくないほど大嫌いな男の声
「捨てられたんだな、でも自業自得だ
あんなことをしたんだから」
なによ、私を嘲りに来たの?今までの仕返しに?
腹立たしくて腕を振り払おうとするが
力では敵うわけがない。
そうか、こうやって私は惨めに死ぬんだ。
世界で一番大っ嫌いな男の手によって
もういいや、抵抗するのも疲れた。
「……好きにしていいわよ」
「は?」
「……もういいの、今までの鬱憤を晴らしなさいよ」
「……分かった、お前がそういうならそうしてやるよ」
最期がこの男だなんて最悪だけど
もう早くこの人生を捨ててしまいたい。
私は目を瞑り、覚悟を決めた。
「えっ……な、なに?!」
なぜか私の身体が上へと持ち上がり、男の肩の上に
担がれた。
「好きにしていいんだろ、ならそうする」
「なっ、ま、待ちなさいよ!どこへ連れていく気?!
離して、離してぇ!!」
全てを失った日、私は大嫌いな男にあっという間に
連れ去られたのだった。
「気に入らないわ、殿下の隣にふさわしいものを
用意してって言ったでしょ?」
「も、申し訳ございません、お嬢様」
今夜は大切な舞踏会の日、きっと殿下と私の結婚が
発表される。
殿下の真っ赤な瞳に合わせた派手なドレス
きっとこれで会場の皆は私の美しさに目を奪われるはず。
「お姉様~準備できました?」
ノックもせずに私の部屋に入ってきた無礼な義妹
私に触ろうとしてきたその手を強く叩いた。
「触らないで」
「お、お姉様……ひ、酷いわ」
しくしくと泣き出した義妹をメイド達は慰め
私を睨む、この屋敷に私の味方は誰もいない。
義妹を無視して、早く舞踏会に行こうと
下へと降りていった。
私の名前はラビエッタ・ぺスカトール
ぺスカトール公爵家の娘である。
空色の美しい髪に深い紫の瞳、誰がどう見ても
私以上に見目麗しい女はこの国にはどこにもいない。
婚約者はこの国の第一王子、オリビオ・アラビアタ
赤い髪と瞳が人目を引きつける次期国王
私は彼を愛している、そしてきっと彼も私を
愛してくれている。
今日の舞踏会で私は次期王妃と発表され主人公になれるはず
会場に到着し、馬車を降りると
顔を合わせたくもない一人の男が立っていた。
「……ご機嫌よう、レグリス様」
銀の髪が月明かりに照らされ、男の翡翠の瞳が
私を忌々しそうに睨む。
「今日も派手なドレスだな、お前に全然似合ってない」
綺麗な顔をしているくせに口から出る言葉は
私を馬鹿にするものだった。
「貴方の趣味が悪いのよ、メイド達は最高に綺麗だって言ってたんだから!」
「お前はなんでお世辞を真に受けるんだよ」
「お世辞なんかじゃないわ、私は世界で一番
美しいもの」
そう言うと男は呆れ、私に背を向ける。
「いつか痛い目見るぞ、そんなことしてたら」
「……そ、そんなわけ」
男の言葉が胸のどこかに刺さりながらも
私は無視して私を待ってくれているであろう
殿下を探した。
「……どこにいらっしゃるのよ」
会場の入口を全て見て回ったがどこにもいない
まさか遅刻を?時間に遅れるような方ではなかったのに
「ぺスカトール公爵令嬢、こちらオリビオ殿下より
ご伝言でございます」
「……は?」
使用人に渡された手紙には
『遅れる、先に入っていてくれ』
とだけ書いてあった。
「私に一人で入場しろと言いますの?
殿下をお待ちしますから共に入場を……」
「殿下より令嬢へのご命令です」
使用人は私に頭を下げ、立ち去った
私に一人で入場して欲しい理由があるの?
まさか、結婚発表のサプライズって可能性も考えられる。
仕方がない、恥を忍んで会場に一人で入場する。
「ぺスカトール公爵令嬢のご入場です!」
皆の視線は一人で入った私に注がれる。
驚く声や私を馬鹿にする声、耳を塞ぎたくなるが
気にしていないふりをして
笑顔で会場の中心に向かう。
大丈夫、殿下が私との結婚を発表すれば
全てがひっくり返る。
私はこの場の主役になれるんだから
「レグリス様~!」
「私と踊りましょ!」
「私が踊るのよ」
「喧嘩しないでよ、可愛い顔が見れなくなる」
あの男、また女を誑かして…
他の女には優しいくせに、気持ち悪い甘い言葉を吐くくせに私にはなぜあんなに冷たいのか
睨んでやると、レグリスは女を放って私に近づいてくる。
「なんで一人なんだよ」
「…別にいいでしょ、一人でも」
「殿下は?」
「放っておいて」
「……お前、そんな性格だから一人なんだろ
友人もいないようだし」
「いるわよ、友達くらい」
「どこに?」
たしかに私に近寄ってくる者は誰もいない。
「わ、私が神々しすぎて隣に並べないのよ」
「はぁ……」
ザワザワと声が聞こえ、振り向くと扉が勢いよく
開かれる。
「……は?」
「オリビオ王太子殿下、ぺスカトール公爵令嬢の
ご入場です!」
ぺスカトール公爵令嬢……?
何を言って……殿下の隣にピッタリと寄り添っている
その女は憎いあの義妹だった。
会場はさらに騒がしくなり、人々の視線は私と
義妹に注がれる。
殿下は何を考えているのよ
私は持っていた扇子を握りしめ、殿下の方へ
歩いていく。
「おいラビエッタ、落ち着け!」
レグリスの声など聞こえず、私は2人の前に
堂々と立ち塞がった。
「殿下、なぜその女が隣にいるのです?
殿下の婚約者は私です、その女ではありません」
「いや、僕の婚約者はラビエッタ
君ではなくアメリアになるんだ」
「……は?何を言っておりますの
冗談もほどほどになさって……」
殿下は義妹を抱きしめ、高らかに宣言した。
「僕は今、この場を持ってラビエッタ・ぺスカトールに婚約破棄を言い渡す!」
「……こんやく……はき?」
婚約破棄ってどういうこと?
「お前の数々の悪行、証拠は出揃っている。
お前は王妃にふさわしくない」
「悪行?なんのことです?
私は何もしておりません、次期王妃になるため
努力をしてまいりました。
なのになぜ私が婚約破棄なんてされなければ
ならないんですか!」
周りにも同意してもらおうと辺りを見回すが
なぜか私から皆が目を逸らす。
「使用人、他の貴族への罵詈雑言
身分を笠に着た好き勝手な振る舞い
そして最たるはアメリアを殺そうとしたことだ」
「殺そうとした……?」
貴族達はザワザワと騒ぎ出し、私から距離をとる。
そんな馬鹿な話を信じるの?
誰がこんな女を殺そうとするのよ、いてもいなくても
私にはどうでもよかったのに。
「アメリアから聞いたよ、君に小さい頃から
虐められてきたと
暴行を受け、死んでしまえと怒鳴られ
食事だってさせなかったんだって?」
「いいんですわ、オリビオ殿下……お姉様のことは
私が許しますもの」
義妹は涙をポロポロと流し、殿下の胸に顔を埋める。
あの女、私の婚約者に何をするのよ
掴みかかろうと足を踏み出すと、騎士達に
身体を取り押さえられた。
「何をするのよ、公爵令嬢に触れるだなんて!」
「貴方は今罪人なんですよ」
「罪人……ですって?」
殿下は私を冷めた目で見下ろし、また声をあげた。
「そして昨夜、アメリアを殺そうと野盗に襲わせたんだろう!アメリアは許すと言っていたが
僕は王太子として……そしてアメリアの新たな
婚約者として見過ごすことはできなかった」
「新たな婚約者?まさか殿下、その義妹と結婚するつもりですか?」
「そうだ、なぜなら僕はアメリアを愛しているから」
「殿下ぁ♡」
ようするに私はあの義妹に婚約者も次期王妃の座も
奪われたってこと?
「ふざけないで!!」
私の声に騒がしかった会場は静まり返り
私の声だけが響いた。
「愛しているですって?貴方は私の婚約者でしょう!
その女を殺そうとか虐めようだなんてしたことは
一度もないわ」
「嘘をつくな、証拠はあるんだ」
「見せてみなさいよ!」
私がアメリアを虐げたという数々の証言が書かれた。
書類を渡されるが、なんとまぁよくこんな嘘をつくものだ。
なんで私がその女をそこまでして虐めなきゃなんないのよ
その女がどうなろうが知ったことでは無いのに
「全部嘘です、私はそんなことしていません」
「信じると思うか?殺人未遂の疑いで
お前を国外追放する」
「はぁ??」
国外追放って何を言っているの?
「その女を連れて行け」
「「「「はっ!」」」」
騎士に引き摺られ、必死に抵抗するが何もできない
「私はしてない……何もしてません!
殿下、私を信じてください!」
殿下は私を恨めしそうに睨み、あの女を抱きしめる。
「助けて……誰かたすけ……て……」
皆は私から視線を外し、誰も手を差し伸べようとはしなかった。
絶望の中、最後にあの女と目が合ってしまう
殿下の腕の中でさっきまで泣いていた義妹は
いやらしい笑みを浮かべていた。
「ざまぁみろ、お姉様♡」
そう言っているような気がしたが、怒鳴ることも
できず私は会場を追い出された。
それからは一瞬だった、お父様に助けてもらおうと
屋敷に戻るが
「妹を殺そうとするような者はこの家に必要ない」
と勘当され、僅かなお金だけ渡され
身一つで追い出された。
王宮の騎士に国境まで連れていかれ、門から
押し出された。
「二度とこの国に入れると思うな、卑劣な犯罪者め」
捨て台詞を吐かれ、国境の門はバタンと閉められる。
とどまっていることもできず、あてもなく森を歩いていたが、力尽き死のうとした。
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レグリスだった。
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