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第2章
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次の日、ななのちゃんは僕のあげた帽子を被って来ていた。僕は、とりあえず安心したのだ。
「こんにちわ ななのちゃん」
「うん シュウ君 昨日は楽しかったよ ななネ お風呂に入ってる時、気が付いたんだけど、手首のとこ 赤くなってた ロープでカナー」
「そう 必死にしがみついていたもんなー 大丈夫?」
「うん たいしたことないんやー 平気」と、被っていた帽子を脱いで
「夕立になりそうやねー あっちの方 空が黒くなってる」
「そうだね 降られないうちに帰ろうよ」
「ううん まだ帰らない 6時頃まであかんねん」
「そうか じゃぁ 僕も 付き合うよ」
「あのなー シュウ君 なな お父さんおらへんねんって話したやろー 私が小学校に入った頃 突然 おらんようになってん お母さんはおらんようになるのって、うすうす知っていたみたいやったけど」
「そう・・・」僕は、何と言っていいのかわからなかったけど、ななのちゃんは続けて
「今から考えたら お母さんもそのほうが良かったみたい 私が2年になった時やった 学校から帰ったら、お母さんが知らない男の人と下着のまま抱きあってるの見てしもてん 私だって 何してるんか すぐにわかったわー それからな 学校が終わっても、夕方まで家に帰らんようにしたんや そのうち 自然とお母さんも、ななに6時ぐらいまでは帰ってこないようにって言うようになったの」
「そうかー そんなことがあったから・・可哀そうに・・」
「ううん そんなことないよ シュウ君と友達になれたしー」と、それまで下を向いていたけど、まとめた髪の毛のおくれ毛を耳元に掻き揚げるしぐさをして、僕のほうに笑顔を見せてきた。その時、一瞬、女としての顔を見たような気がしていた。
「なぁ シュウ君 独りなんやろー マンション なな 泊めてくれへんやろかー?」
「えぇー なんてことを・・ そんなことできる訳ないよー お母さんにも叱られるよ 子供監禁になるわ」
「そんな大げさなもんやなくて コソッとね」
「だめ ダメ! 一応 男と女やないか まして、ななのちゃんは子供なんやから 叱られるに決まってるよ 警察にも捕まるわー なに言い出すねん」
「あのなー 海水浴に行こうって言われてんねん お母さんから だけど、よその男の人も一緒なんやー 去年も行ったんやけどなー その人、海の中で泳いでいる時、ななのお尻とか胸とかも時々触ってくるんや それにな、ななとお母さんがお風呂に入っている時にも、その人も後から入ってきてなー お母さんが頭洗ってる時、私の身体を洗うふりして、身体中撫でまわすんやでー それに、ななの手を取って無理矢理あそこを触らせようとして、ななのあそこに手を添えて来るねん ぃやらしーねん 考えすぎかわからへんけど 私 声も出せなくって お母さんには、そんなこと言われへんかってんけど・・ 今年も、一緒や言うから・・・嫌や ななは 行きとーないねん そやから その時 シュウ君 泊めてーな シュウ君やったら 変なことしーひんやろー」
「そりゃー ななのちゃんは 子供やし 友達にはそんなことしないけどなー」
「なぁ お願い 私 独りで留守番するって言うし そやけどなー ななは独りだけやと怖いやんかーぁ お母さんも、男の人とふたりだけのほうがええねんでー 去年も私が寝たと思ってるんか、隣で変な声聞こえてくるやでー 多分・・抱き合ってネ・・ 私やって 男と女が何してるんか、もう、わかってるわー」
「うーん ななのちゃんの気持ちはわかるけどなぁー でも それは もう ちょっと なんとか 考えようよー」
「あのなー うちに来てるのって その人だけちゃうみたいやね ななに、6時前に、急に帰ってきたらあかんって言うねん そやから、ずーと ここに来てたのー お母さん 男の人にいろいろと助けてもらってるって言ってたけど・・・ウチ お金ないやろー でも ななは そんなお母さん嫌いやー 軽蔑してんねん そやから ななは お母さんを裏切るようなことしてもええって思ってる」
「だけどさー まだ 日があるんやろー」
「ウン 1週間後」
「まぁ 考えようよー だけど 僕のとこに泊って、二人っきりって 絶対 ダメ」と、言っている僕の顔を下から悲しそうな表情で見上げてきていたのだ。その瞬間も、僕はすがりつくような女としての顔を感じていたのは、不純なのだろうか
「こんにちわ ななのちゃん」
「うん シュウ君 昨日は楽しかったよ ななネ お風呂に入ってる時、気が付いたんだけど、手首のとこ 赤くなってた ロープでカナー」
「そう 必死にしがみついていたもんなー 大丈夫?」
「うん たいしたことないんやー 平気」と、被っていた帽子を脱いで
「夕立になりそうやねー あっちの方 空が黒くなってる」
「そうだね 降られないうちに帰ろうよ」
「ううん まだ帰らない 6時頃まであかんねん」
「そうか じゃぁ 僕も 付き合うよ」
「あのなー シュウ君 なな お父さんおらへんねんって話したやろー 私が小学校に入った頃 突然 おらんようになってん お母さんはおらんようになるのって、うすうす知っていたみたいやったけど」
「そう・・・」僕は、何と言っていいのかわからなかったけど、ななのちゃんは続けて
「今から考えたら お母さんもそのほうが良かったみたい 私が2年になった時やった 学校から帰ったら、お母さんが知らない男の人と下着のまま抱きあってるの見てしもてん 私だって 何してるんか すぐにわかったわー それからな 学校が終わっても、夕方まで家に帰らんようにしたんや そのうち 自然とお母さんも、ななに6時ぐらいまでは帰ってこないようにって言うようになったの」
「そうかー そんなことがあったから・・可哀そうに・・」
「ううん そんなことないよ シュウ君と友達になれたしー」と、それまで下を向いていたけど、まとめた髪の毛のおくれ毛を耳元に掻き揚げるしぐさをして、僕のほうに笑顔を見せてきた。その時、一瞬、女としての顔を見たような気がしていた。
「なぁ シュウ君 独りなんやろー マンション なな 泊めてくれへんやろかー?」
「えぇー なんてことを・・ そんなことできる訳ないよー お母さんにも叱られるよ 子供監禁になるわ」
「そんな大げさなもんやなくて コソッとね」
「だめ ダメ! 一応 男と女やないか まして、ななのちゃんは子供なんやから 叱られるに決まってるよ 警察にも捕まるわー なに言い出すねん」
「あのなー 海水浴に行こうって言われてんねん お母さんから だけど、よその男の人も一緒なんやー 去年も行ったんやけどなー その人、海の中で泳いでいる時、ななのお尻とか胸とかも時々触ってくるんや それにな、ななとお母さんがお風呂に入っている時にも、その人も後から入ってきてなー お母さんが頭洗ってる時、私の身体を洗うふりして、身体中撫でまわすんやでー それに、ななの手を取って無理矢理あそこを触らせようとして、ななのあそこに手を添えて来るねん ぃやらしーねん 考えすぎかわからへんけど 私 声も出せなくって お母さんには、そんなこと言われへんかってんけど・・ 今年も、一緒や言うから・・・嫌や ななは 行きとーないねん そやから その時 シュウ君 泊めてーな シュウ君やったら 変なことしーひんやろー」
「そりゃー ななのちゃんは 子供やし 友達にはそんなことしないけどなー」
「なぁ お願い 私 独りで留守番するって言うし そやけどなー ななは独りだけやと怖いやんかーぁ お母さんも、男の人とふたりだけのほうがええねんでー 去年も私が寝たと思ってるんか、隣で変な声聞こえてくるやでー 多分・・抱き合ってネ・・ 私やって 男と女が何してるんか、もう、わかってるわー」
「うーん ななのちゃんの気持ちはわかるけどなぁー でも それは もう ちょっと なんとか 考えようよー」
「あのなー うちに来てるのって その人だけちゃうみたいやね ななに、6時前に、急に帰ってきたらあかんって言うねん そやから、ずーと ここに来てたのー お母さん 男の人にいろいろと助けてもらってるって言ってたけど・・・ウチ お金ないやろー でも ななは そんなお母さん嫌いやー 軽蔑してんねん そやから ななは お母さんを裏切るようなことしてもええって思ってる」
「だけどさー まだ 日があるんやろー」
「ウン 1週間後」
「まぁ 考えようよー だけど 僕のとこに泊って、二人っきりって 絶対 ダメ」と、言っている僕の顔を下から悲しそうな表情で見上げてきていたのだ。その瞬間も、僕はすがりつくような女としての顔を感じていたのは、不純なのだろうか
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