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第6章
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実家から戻って数日後、夜、電話が鳴って、ななのちゃんのお母さんだ。
「もしもし 北番さん? この前はななのがお世話になりまして、ありがとうございました とっても楽しかったって・・・」声がななのちゃんにそっくりなのだ。
「あー いえ 僕も楽しかったです」
「ななのはなんかご迷惑なことしませんでした?」
「いいえ みんなから可愛がられてましたよ 父母もウチは男二人だったから、女の子が欲しかったみたいで、楽しんでました。良い子だって、また、連れといでよって言ってました」
「そう! うれしい いくぅー」
「・・・ななの だろう なんかおかしいなって思った からかうなよー」
「えへっ ばれたか お母さんのん借りちゃった あのね お礼に ウチでご飯 ご招待したいんだー たいしたもん用意できないけど お母さんも、誘ってみなさいって言ってるしー」
木曜日、お母さんが休みだというし、僕が仕事を終えて向かうと、途中までななのちゃんが出迎えてきてくれていた。
「あのね 私 普段 シュウのとこに行ってるのは内緒ね」
「もちろんだよ 叱られちゃうよ」
「ウン 今んところシュウはポイント高いから」
案内されたのは、3階建ての古いマンションで2階の端っこの部屋だった。
「いらっしやい 狭いとこですけど、どうぞ この子ったら、朝から、張り切っていて 北番さんに食べてもらうんだって」
そんなに広くないキッチンに連なっている部屋に座卓が置かれていた。それ以外にもう1部屋あるみたいで2Kのつくりで、確かにそんなには広いと思えなかった。そして、机のうえには、ちらし寿司が・・・一度、ななのちゃんが作ってくれたものだ。ななのちゃんが冷蔵庫からお刺身の皿を出してきてくれた。
「おビールしかないんですけど」と、お母さんがコップと出してきてくれて、継いでいる時、ななのちゃんが、お母さんにもコップを渡して
「お母さんも飲めばいいじゃぁない ずーと 飲むのやめていたんでしょ」
「そっ そう じゃぁ飲もうかなー お実家のほうから、いっぱい椎茸とかきゅうりをいただいてありがとうございます それに、この子に浴衣までご用意いただいて 帰って来て、とってもうれしそうに話ししてくれました ずーと、しゃべりっぱなしでー 楽しかったみたい おみやげのサラダパンもおいしかったわー 私、迷ったけど、この子を連れて行ってくださって、本当にありがとうございました ご両親にもお礼を言っておいてくださいね」
「いえ いえ ウチの両親も女の子だからって とても楽しませてもらっているみたいですよ ウチは男兄弟ですから、女の子が欲しかったってね それに、ななのちゃんは素直で良い子ですから ご飯の用意なんかも手伝ってました」
「そう 私のご飯の用意も 家のことも掃除、洗濯 全部やってくれてるの お料理も私なんかより、ずーと上手なんですよ」
その時、ななのちゃんがキッチンでなんかやっていたかと思ったら
「これっ 椎茸の肉詰め お肉好きだよね シュウ」と、焼き立てを持ってきた。
「・・・ななの・・・あっ この椎茸 いただいたの 肉厚でおいしいですよね 確か、ちらしにも入れていたみたい」と、お母さんが言っていたけど、ななのちゃん ダメだよ シュウってと、僕とななのちゃんは顔を見合わせていた。その時、ななのちゃんはお母さんにわからないようにちょこっと舌を出していた。可愛いと思って、その肉詰めに喰らいついていた。
「うまい! ななの・・ちゃん」僕は、お母さんのほうを思わず見ていた。
その後、お腹がいっぱいになって、帰る時、お母さんが
「また 時々来てくださいね ななのも 喜んでいるみたい これからも よろしくね ななののこと」と、なんとも意図が不明なことを言われて、ほろ酔いで帰ってきた。
次の日、僕が帰るとななのちゃんが来ていて、勉強をしていた。実家に行って以来、ななのちゃんは髪の毛を留めたのをまた上に持ち上げるようにしていて、うなじが見えていた。僕は、この子もだんだんと大人に近づいているんだ感じていた。
「昨日はありがとう おいしかったよ」
「うん あのね お母さんから聞かれちゃった まさか、お付き合いとかしてるのって 名前呼び捨てで呼んでしまったから」
「ふーん どうした?」
「そんなわけないじゃぁないって言っておいた ただ 私はあの人のことが好きなんだと思うって言ったけど」
「・・・」
「お母さんはネ まだ、あこがれているだけよ 年も離れているし・・ 確かに、いい人だけど これから、多くの出会いがあって色んな人と知り合うわって」
「ななの やっぱり こうやって ここに来るのは良くないよ お母さんを欺くことになるよ」
「嫌! 毎日でも、シュウに会いたいモン」
「しかし、ななのちゃんは女の子だよ 娘が男のとこに、毎日行っていると知ったら反対するに決まっているだろう?」
「・・・だったら、シュウのお休みの水曜と、それに、土・日だけ 私、お母さんに打ちあける 勉強教えてもらうからって言うワ ねっ? いいでしょう?」
「わかった ななのがそれでいいのなら」
「もしもし 北番さん? この前はななのがお世話になりまして、ありがとうございました とっても楽しかったって・・・」声がななのちゃんにそっくりなのだ。
「あー いえ 僕も楽しかったです」
「ななのはなんかご迷惑なことしませんでした?」
「いいえ みんなから可愛がられてましたよ 父母もウチは男二人だったから、女の子が欲しかったみたいで、楽しんでました。良い子だって、また、連れといでよって言ってました」
「そう! うれしい いくぅー」
「・・・ななの だろう なんかおかしいなって思った からかうなよー」
「えへっ ばれたか お母さんのん借りちゃった あのね お礼に ウチでご飯 ご招待したいんだー たいしたもん用意できないけど お母さんも、誘ってみなさいって言ってるしー」
木曜日、お母さんが休みだというし、僕が仕事を終えて向かうと、途中までななのちゃんが出迎えてきてくれていた。
「あのね 私 普段 シュウのとこに行ってるのは内緒ね」
「もちろんだよ 叱られちゃうよ」
「ウン 今んところシュウはポイント高いから」
案内されたのは、3階建ての古いマンションで2階の端っこの部屋だった。
「いらっしやい 狭いとこですけど、どうぞ この子ったら、朝から、張り切っていて 北番さんに食べてもらうんだって」
そんなに広くないキッチンに連なっている部屋に座卓が置かれていた。それ以外にもう1部屋あるみたいで2Kのつくりで、確かにそんなには広いと思えなかった。そして、机のうえには、ちらし寿司が・・・一度、ななのちゃんが作ってくれたものだ。ななのちゃんが冷蔵庫からお刺身の皿を出してきてくれた。
「おビールしかないんですけど」と、お母さんがコップと出してきてくれて、継いでいる時、ななのちゃんが、お母さんにもコップを渡して
「お母さんも飲めばいいじゃぁない ずーと 飲むのやめていたんでしょ」
「そっ そう じゃぁ飲もうかなー お実家のほうから、いっぱい椎茸とかきゅうりをいただいてありがとうございます それに、この子に浴衣までご用意いただいて 帰って来て、とってもうれしそうに話ししてくれました ずーと、しゃべりっぱなしでー 楽しかったみたい おみやげのサラダパンもおいしかったわー 私、迷ったけど、この子を連れて行ってくださって、本当にありがとうございました ご両親にもお礼を言っておいてくださいね」
「いえ いえ ウチの両親も女の子だからって とても楽しませてもらっているみたいですよ ウチは男兄弟ですから、女の子が欲しかったってね それに、ななのちゃんは素直で良い子ですから ご飯の用意なんかも手伝ってました」
「そう 私のご飯の用意も 家のことも掃除、洗濯 全部やってくれてるの お料理も私なんかより、ずーと上手なんですよ」
その時、ななのちゃんがキッチンでなんかやっていたかと思ったら
「これっ 椎茸の肉詰め お肉好きだよね シュウ」と、焼き立てを持ってきた。
「・・・ななの・・・あっ この椎茸 いただいたの 肉厚でおいしいですよね 確か、ちらしにも入れていたみたい」と、お母さんが言っていたけど、ななのちゃん ダメだよ シュウってと、僕とななのちゃんは顔を見合わせていた。その時、ななのちゃんはお母さんにわからないようにちょこっと舌を出していた。可愛いと思って、その肉詰めに喰らいついていた。
「うまい! ななの・・ちゃん」僕は、お母さんのほうを思わず見ていた。
その後、お腹がいっぱいになって、帰る時、お母さんが
「また 時々来てくださいね ななのも 喜んでいるみたい これからも よろしくね ななののこと」と、なんとも意図が不明なことを言われて、ほろ酔いで帰ってきた。
次の日、僕が帰るとななのちゃんが来ていて、勉強をしていた。実家に行って以来、ななのちゃんは髪の毛を留めたのをまた上に持ち上げるようにしていて、うなじが見えていた。僕は、この子もだんだんと大人に近づいているんだ感じていた。
「昨日はありがとう おいしかったよ」
「うん あのね お母さんから聞かれちゃった まさか、お付き合いとかしてるのって 名前呼び捨てで呼んでしまったから」
「ふーん どうした?」
「そんなわけないじゃぁないって言っておいた ただ 私はあの人のことが好きなんだと思うって言ったけど」
「・・・」
「お母さんはネ まだ、あこがれているだけよ 年も離れているし・・ 確かに、いい人だけど これから、多くの出会いがあって色んな人と知り合うわって」
「ななの やっぱり こうやって ここに来るのは良くないよ お母さんを欺くことになるよ」
「嫌! 毎日でも、シュウに会いたいモン」
「しかし、ななのちゃんは女の子だよ 娘が男のとこに、毎日行っていると知ったら反対するに決まっているだろう?」
「・・・だったら、シュウのお休みの水曜と、それに、土・日だけ 私、お母さんに打ちあける 勉強教えてもらうからって言うワ ねっ? いいでしょう?」
「わかった ななのがそれでいいのなら」
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