その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう

すんのはじめ

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第6章

6-4 ななの初めての練習試合

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 10月になっての土曜日、ななのちゃん達は試合でバスに乗って出て行った。僕は、仕事があるし、残った男子の連中が年上の子を中心にグラウンドで練習していたから、何かあった時の為に、離れる訳に行かなかったのだ。

 お昼前、彼女達は帰って来たのだが、暗~い雰囲気だった。予想された結果だったのだけど、それ以上にショックが大きかったみたいだった。声も元気なく解散していった。

 部屋に帰ると、ななのちゃんも気のせいか元気無かった。

「どうした? まだ 初めての試合だろー そんなに甘くないよ」と、言ったけど、彼女は膝をすりむいていたみたいで傷テープが

「怪我したの?」

「大丈夫 ちょっとね パスを受ける時、こかされた 5対0」

「そうかー しょーがないよな 向こうも遠慮はしないってことだから ちゃんと手当したのか?」

「ウン 試合終わってから 向こうのお姉さんが親切にしてくれて 私 悔しくて泣いていたら あなた達はもっと声を出し合わなければ駄目って キーパーの子が声出してるのに 他の子は知らんぷりじゃぁないって それは監督も言ってた」

「そうかぁー それは練習中も感じるなぁー 監督がもっと声を出し合ってヤレってんのに 声が小さいよ」

「だってさー そんな大きい声 しんどいやん」

「だからよー みんなを励ます意味でも 私はここに居るよって 合図しながら相手に知らせてパスもらうんやー」

「そうかー そんなことも私 わかってへんかってんなー リョウの声 聞き流してたわー」

「まぁ いい経験だよ 又 1か月後 試合やろー 皆で、今回のことを考えて練習すれば 強くなっていくよ」

「ウン 頑張る シュウ 今のシューズ すごく 走りやすい ありがとう」

「そうか それは良かった 将来のなでしこジャパン」

「だからー アホかぁー 私はシュウの飯炊き女にしてもらえればええねんやー」

 ― ― ― * * * ― ― ―

  11月になって、レディース達はバスに乗って出て行った。あれから、声もかなり掛け合うようになっていたので、僕は今回は成長しているだろうと期待していた。

 そして、帰ってきた時、賑やかな雰囲気は無かったが、彼女達は男の子達が練習しているグラウンドの隅で、パス回しをしていた。声を出し合って確認している様子だった。朝宮監督が僕の元に来て

「3対1で負けたけど、なかなか良かったよ チームとしても成長しているよ 彼女達から、もう一度、忘れないうちに確認しておこうよ言い出した 手応えを感じているんだろう 初得点もしたしな」

「そうですか いい雰囲気だ 楽しみですね」

「ああ 3年のアミがリーダーとしてしっかりしてきたけど、もう卒業なんだよなぁー」

 その日、帰るとテーブルに英語の教科書を広げて

「今 火点けたとこ ロールキャベツ」

「そう いつも 手の込んだもの作ってくれるネ ありがとう」

「ううん そんなに 手かからないよ 今も 勝手に煮込んでくれるし」

「ななのは料理の天才だよ 今日の試合 まずまずだったらしいな」

「うーん リョウが結構 止めてくれたからね だけど 私等 まだまだパスがつながらなくてゴール前まで遠いんだぁー」

「でも 監督は チームとして成長していってるって言ってたよ これからだよ」

「そうだね シュウもコーチしてくれればいいのにー」

「僕なんて たいしたことないよ まぁ 機会あったらネ」

「でもね しばらく 試合もないから 走り込み中心だって 練習 でもね 走るの嫌いって子 多いんだ 走んないとパス 通らないよネ」

「ななのって 何にでも センスあるような気がするよ」

「そんなことないよー 私 必死なんだからー シュウの為に・・・」 
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