絢と僕の留メ具の掛け違い・・

すんのはじめ

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第5章

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 先生の家を出て、直ぐに絢に電話した。が、なぜか通じなかった。お母さんに言って絢の家に電話するように頼み込んだ。「嫌ヨ」と、言って居たが・・
電話している母を見ていると、しきりに頭を下げて

「本当に申し訳ございません。ごめんなさい。」

 とか、しきりに頭を下げていた。なにをそんなに謝っているのだろう。

「向こうのお母さんが言うのには、あの娘は一人娘みたいなものですし、最初は猛反対したのですけど・・。結局、上の息子もアメリカから帰ってきてくれるというし、最後は、主人も、後で後悔させないためにも、本人の思うようさせようと納得しましたの。あの娘を信じて、旅をさせるつもりです。もう、旅立ちましたがと言っていたわよ」

「多分、もう居ないわよ。 そうおっしゃっているんだから、それ以上聞けないじゃーない」と母は笑いながら言っていた。
 
 海外留学にでも行ったのだろうか、もう、居ないって、どういうことだろう・・・。
すべてを後悔していたが、大学に向かう日が来た。
 
 お母さんが「向こうできっと、いいお友達に出会うわよ。大切にしなさいよ。落ち着いたら、遊びに行くからね。私もお友達連れて行くから」と、いい加減なこと言って送り出してくれた。

 先に寮の方から行った。寮長という人が出てきてくれて、部屋に案内してくれた。宅急便で送っておいた荷物も入れてくれていた。

「2人部屋なんだけど、もう一人は申し込みだけして、あとの受付をしてないから、そのままなんだけど、多分もう来ないと思う。他の大学に受かったので、そっちに行ったんじゃあないかな。とりあえず、一人部屋だ」

 荷物を片付けていると、

「よろしく、俺、となりの部屋の 石本慎二いしもとしんじ 試験の時、後ろの席だったの覚えているかな? 昼休憩の時、話し掛けたんだけど」

「ウン 何となく覚えている。元気良かったよね 僕は水島もとし よろしく」

「あっそうそう だから、同じ海洋だよね。ちょうど良かった。これから、海洋学部のキャンパスに行こうと思ってたんだ。行こうよ、一緒に。 ここの本部キャンパスは近いから、直ぐ行けるしね あっちを見に行こうよ そうだ 同じ大阪だろう 大阪弁でかめへんな」

 良いんだけど、僕は、そこまでの方言じゃぁないぞ、と思っていた。だけど、この強引そうな奴が、最初の友人になるのかと思った。

 電車で小一時間かかったが、南国ぽく、ヤシの木が校門近くには並んでる。広々とした敷地で、奥の方には、農場らしきものも遠くまであった。2年になると、こっちに移るのか―
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