私 彼のこと想い続けているんだけど・・・

すんのはじめ

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第1章

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「ねぇ ここらで泊れるとこ 知らない?」

いきなり、車の中から声を掛けられた。友達の家に行っての帰りで田舎道を歩いている時だった。

「えっ あぁー このまま もう少し行って 左 左の道をしばらく行くと 突き当りに(潮屋)っていう漁師旅館があります」

「おっ ありがとう」と、過ぎ去っていった。男の子の4人組。高校生なのか でも、車だから大学生なのかな 若いけど、子供っぽくみえた。

 午後の3時過ぎ そろそろ お客さんの夕食の準備に掛かろうかと私が台所に入ると、玄関のところでお母さんがお客さんを迎えていた。朝 会った 4人組だ。どうも、潮屋さんが満室でウチに廻されて来たみたいだった。

 直ぐに彼等は近くの浜辺に泳ぎに行ったみたいだったけど、夕陽に照らされた頃、帰って来て、玄関先にある大きな夏みかんの樹の下の床几で、自分達で持ってきたのか缶ビールを飲んでいた。その時、側を菜美《なつみ》が猫のシロスケを抱きかかえて通ったんだけど

「あっ さっきの・・・」と言う声がしたけど、菜美はキョトンとして無視していた。

「さっきの子だよね 確か・・・」と、言う声がしていたけど、菜美は台所に来て

「シロスケに 何かあげてー サチさんチで 何か貰おうってぇー、ニャーニャーとうるさいんだって」と、魚のアラなんかを物色してながら「ねぇ 真菜 表のお客さん 4人組 馴れ馴れしくってよぉ でも、恰好良い子 居たよ! 私の好みのタイプ」

「また 始まった 菜美はすぐに 男の子になびいてしまうんやからーぁ」

「そんなことないよー その時々で ちゃんとしてるんやからー」

「ああ そーですか 告られて、直ぐにOKしても 簡単に振ってきたもんねぇー それに、告って付き合っても・・・直ぐに、振られたりも・・・」

「それは・・・付き合わなー 相手のこと わからへんやんかー」

 夕食の時、彼等に配膳をしていたのは、菜美だったのだけど、そこでも

「ねぇ ねぇ 朝 道を教えてくれた子だよね」と、しつこく聞いて来る人が居たのだけど、菜美は知らんぷりをしていて

「なんやねん シカトかよー」

「いや なんとなく あの子と違う気がする 雰囲気が・・・」

「そーだよ もっと 大人だったよーな 落ち着いた美人だった」とか、みんなで言い合っていたのだ。私は、台所でそれを聞いて居て「美人」という言葉にニンマリしていたのだ。昼間は、私 半袖のAラインのシャツワンピースだったので大人びて見えたのだろうし、今は、菜美はハーフパンツ姿だから、それなりに見えるのだ。それに、あの人達と出会ったことは知らないのだから、知らんぷりをするのも当たり前なのだ。

 夕食の後、部屋ん中がクーラーもなくて暑いのだろう。彼等は庭に出て夏みかんの樹の下でたむろしていたが、私は他のお客さんの子供達と花火をする約束をしていたので、彼等の前の広くなったところで、やり始めたのだ。

「なぁ あの子 俺等のこと わかってないのかなあー」

「どうだか 関わりたくないんじゃぁないの! きっと」

「ちがう! さっきの子とは違うと思うよ ご飯の時の子は右利きだった でも、あの子は左利きみたいなんだ それに、さっきから こっちをチラチラとみている あの子は 昼間会った子だよ たぶん」と、みんなから ガクって呼ばれていた人。私のことをちゃんと見ているんだ。

 だから、私 その人のほうを真っすぐに見つめて 微笑んだつもりだった。花火も終えた時、菜美が帰って来た。夜釣りをするというお客さんを突堤まで案内していたのだ。

「あっ あー あの子」

「あっ そーなんか こっちは さっきの子なんだ いや 反対かなぁー」と、彼らは混乱していたのだ。

「ふふっ ご飯の時 真美とまちがったんでしょう 私達 双子なの」

「そっ そーだよなー なんか 変だなとは思ってた」

 その後、私達は彼等と合流していて、彼等は小学校からの幼馴染で、高校は別々だったのだけど、大学生になって久々に皆で旅行に来たのだということがわかった。今は大学の4年生。私達2人のことも聞かれたのだけど、菜美は今は 勤めているよ!」と、誤魔化していた。だから、同い年か一つ上を装っていたのだ。

 夜遅く、私達は離れの倉庫の2階で、夏の間は私達の寝る場所になっているところに戻って

「なぁ 菜美 なんで 年のこと誤魔化したん?」

「だってさー あの子等 子供っぽいから からかったんやー なぁ ゲンって子 かっこええなぁー 好みやわー」

「また 始まった 菜美は、惚れっぽいんや

「そんなこともないけどなー あのガクって子も ええ感じやなー」

「ダメよー そんな あっちもこっちもなんてぇー」私は、少し ガクって人に興味があったから・・・反応してしまった。それに、子供っぽいけど、なんとなく都会の雰囲気に憧れてしまったのかもー・・・
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