私 彼のこと想い続けているんだけど・・・

すんのはじめ

文字の大きさ
25 / 29
第5章

5-1

しおりを挟む
 4月になって、ひとりの女の子を雇っていた。私達と同じ美容学校を出た子で、篠原栞奈《しのはらかんな》ちゃん。実家が大津なので、菜美は同じマンションに住まわせていたのだ。お陰で私も、時間的に余裕も出来ていた。

 そして、その子も仕事にも慣れてきた6月頃

「真美 どうなの ちゃんと旦那のことも構っているの?」

「うん ちゃんとやってるよ」

「夜も 愛し合っている?」

「えー なんてことを・・・ そんなこと・・・ 心配しないでぇー」

「そう だったら良いんだけどーネ あのね 真美に心配かけるんじゃぁないんだけど・・・ 昨日ね 私 時々行く近くのスナックで飲んでいたらね タテと篠原さざゑ 覚えてる? 居酒屋の・・・」

「うん 知ってるよ」

「二人で入って来てさー 12時頃だったから あっちの店を閉めた後なのかしら・・・彼女タテの腕なんか組んでさー そんな雰囲気なのよ! タテもバツが悪かったのか、早々に出てったけどネ 昨日 あいつ 帰り遅かったでしょう?」

「う~ん 私寝てしまっていたから…・・・」 本当は、帰ってきたのは明け方の4時に近かったのだ。

「真美 しっかりしなさいよ! あんな あばずれみたいな女に取られてしまうよ!」

 確かに、あれから 彼に求められたのは、数回なのだ。それに、前みたいに濃厚なもので無く、私には、あっさりとしたものだったのだ。愛欲というより、性欲の捌け口みたいに・・・子供が出来るとこんなものなのかなーと思っていたのだけど。もしかすると、あの人と楽しんでいたのかも・・・。

 でも、私にはどうしたらいいのかもわからなかった。誰にも、相談出来ないし、菜美にも・・・。彼が私と礎良のもとに戻ってきてくれるのを待つしかなくて、 私が悪いのよねと 思うことにしていた。

 彼も早く帰ってきた時には、礎良を抱き上げて、あやしてくれたりもしていた。そんな風で、あれから菜美も彼の話をしてくることも無かったのだ。だけど、彼のシャツを洗う時、時々 私も使っていない香水の匂いがするのを感じていたのだ。

 そのまま、その年の大晦日も成人式の一大行事も無事 済ませて、礎良が1歳になった時、保育園で預かってもらうようになって、私は仕事の時間も増えていたので、お母さんから着物の着付けを習うようにしていたのだ。栞奈ちゃんも、一応一人前になったので、自分で部屋を借りると菜美の部屋から独立していた。

 そして、4月頃から、どうも 時々なんだけども、タテが菜美と栞奈ちゃんを誘って居酒屋なんかに行っているみたいなのだ。タテの会社の若い男の人も一緒だというんだけど、私は穏やかでなかった。はっきりと問うのも怖かったのだ。今の、平穏な生活に波風を立てたく無かった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました

ちくわ食べます
恋愛
大学のサークル飲み会。 意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。 しかし返ってきたのは―― 「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。 完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。 その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。

初体験の話

東雲
恋愛
筋金入りの年上好きな私の 誰にも言えない17歳の初体験の話。

Macaron Marriage〜恋をしないと決めたのに、極甘の愛に溶かされる〜

白山小梅
恋愛
 小学生の時の初恋を忘れられずにいた萌音。高校生になったある日、父から告げられたのは"婚約決定"の報告だった。受け入れることが出来ない萌音は、その後数度にわたって逃亡を繰り返す。  そんな中、通っていたカフェの店長に背中を押されて渡仏を決める。フランスでのびのびと生活していた萌音の元に飛び込んだ母の体調不良。それを機に帰国を決めるが、それは両親が仕組んだ嘘だった。  散々逃げ回った萌音はようやく観念し、あと一年だけ自由に過ごすことを条件として結婚を受け入れる。だが一年を過ごすと決めた場所で、渡仏の背中を押してくれたカフェの店長と再会して……。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。

彼の巨大な体に覆われ、満たされ、貪られた——一晩中

桜井ベアトリクス
恋愛
妹を救出するため、一ヶ月かけて死の山脈を越え、影の沼地を泳ぎ、マンティコアとポーカー勝負までした私、ローズ。 やっと辿り着いた先で見たのは——フェイ王の膝の上で甘える妹の姿。 「助けなんていらないわよ?」 は? しかも運命の光が私と巨漢戦士マキシマスの間で光って、「お前は俺のものだ」宣言。 「片手だけなら……」そう妥協したのに、ワイン一杯で理性が飛んだ。 彼の心臓の音を聞いた瞬間、私から飛びついて、その夜、彼のベッドで戦士のものになった。

処理中です...