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第1章
1-1 私と彼との関係
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「なんで 始まる前に言わないんだよー」と、翔琉君が・・・
私は、この日 算数の教科書を忘れてきてしまったのだ。だから、クラスの決まりで忘れ物をした人は授業が始まる前に教室の後ろに立って、そのことを皆の前で報告して何とか許してもらうのだ。今なら教育委員会の懲罰ギリギリなんだろうか。そして、先生から「となりの人に見せてもらいなさい」の冷たい声で、机を寄せて教科書を見せてもらって授業を受けるのだ。
「だって そんなこと ゆわれへんヤン 恥ずかしい!」
「あほっ それっくらい 俺には言えよー 女の子が後ろに立つ方が恥ずかしいやろー 先に俺に言えば 代わりに立ってやるのにー」
「・・・ そんなん・・・」だけど、見せてもらっている教科書は、余白のところがヘタクソなマンガがあちこちに書かれていて落書きだらけで、翔琉君は授業を真面目に聞いていないんじゃぁないのかと思っていたのだ。それでも 彼の言葉にキュンとしていたのだ。
欅原翔琉 幼稚園から一緒なんだけど、彼は幼稚園の時のことは覚えていないと言うか 私のことなんか 気に掛けもしてなかったみたい。そして、小学校に入学した時も、同じクラスで席も隣同士だったのに・・・1年生の時は、まだ、机は2人掛けでくっついていた。2年生になってからは1人ずつの机になったのだ。でも、2年・3年生の時は違うクラスで離れてしまったのだ。
4年生になって、再び同じクラスに・・・4年から6年生までは ず~っと クラス替えがないから 一緒のクラスで。そして、席替えが行われても 私の隣りには なぜか 彼が居ることが多かったのだ。担任の先生も どうして いつも 私達を並ばせるんだろかと考えたこともあった。クラスの皆は気付いて無いだろうけど、私は意識していたのだ。彼は・・・どうなのか わからない。だけど 席に座っている時だけは、いつも 彼と一緒っていう感覚が・・・私には・・・。
6年生になった時も、隣りの席には翔琉君が居た。
「なんだ また お前かぁー」
「ぅぅー・・・ わたくしは嬉しくって 涙が出てきそうでございます チミはどうして こんなカワイ子ちゃんの隣りになって幸せだなーぁ とか言えないん?」 腹ん中はくそぉーって思っていたのだが
「はぁーぁ お前 熱あるんか? 保健室行けよー」
「もぉー そんなんちゃうわー」
1学期が始まってしばらくした時、先生が「今から 隣りの人でも良いし クラスの中で気になっている人でも良いし その人の良い所を言葉にして書きなさい 他人の良い所を見つけて確認するって大切なことよ 相手が異性だって恥ずかしがらないでいいわよー はっきり 相手にも伝えるって素敵なことなのよ あとで 発表してもらいますからー」
河道屋楓先生。30前で独身の女性で、4年生の時から持ち上がりで私達の担任なのだ。はっきりとした性格で学生時代はラクロスをやっていたと言うことで、体育が専門なのだ。だから、攻撃的でウジウジしていると直ぐにお説教が始まるのだ。
先生はあんなことを強引に言っていたけど、私の隣りは翔琉君 その反対隣りは、水橋十蔵。翔琉君とは気が合うみたいで仲がいいのだけど、私は この子はチャラチャラしていて あんまり好きなタイプじゃぁないのだ。彼以外に気になる人といえば・・・宮川奨君 クラスで成績がいつもトップの秀才。江州遼子さん クラスの女の子の中では美人ということで男の子には一番人気があって、成績も優秀なのだ。その二人以外でいうと小泉智子ちゃん 私と仲が良くって学校の行き帰りなんかも一緒なのだ。彼女は活発なほうで、私は、どっちかというと、あんまり目立たないようにしていようという方だから・・・そんな訳だから、気になっている人のことを・・・と、いうと翔琉君しか居ない。
だから、わたしは翔琉君のことを書こうと・・・隣りをチラチラみるんだけど・・・彼は、反対隣りの白浜美蕾ちゃんと一言二言話し合っているんだ! 彼女は6年生になって転校してきて、おまけに翔琉君と気象記録の係をやることになったのだ。そのせいか 二人で話し合うことが多かったので、授業中でも、先生のしゃべったことを 「今 なんて言ったの?」と、彼女は翔琉君に聞いたりして・・・あのバカは落書きばっかーして先生の話なんか聞いて無いはずなのに、ちゃんとそれに答えるのだ。私の心の中は穏やかでなかった。というのも、彼女は愛くるしい可愛い笑顔で、またたく間に男の子の間でも人気を遼子ちゃんと二分してしまっているのだから・・・。
私は、それとなく翔琉君のことを特定ということでなく、誰にでも当てはまるように「女の子に対しても優しくて、人の悪口を言わない子」と、いう風に書いていたのだ が 翔琉君が発表したのは 「転校してきて クラスの皆と進んで打ち解けるように 誰とでも、明るく接しようとしている 前向きな白浜さんのこと 素敵だなと思います」 ・・・・クラスの何人かから冷やかし半分の声があがっていた。(なによー それっ・・・私のこと言ってくれるんじゃぁないのぉー・・・プン)
それに、白浜美蕾さんの時、彼女は「転校してきて、不安だった私を優しく助けてくれた欅原君 それにクラスの皆が私を受け入れてくれて感謝しています 素敵なクラスに入れて良かったと思っています 私は このクラスの皆さん大好きです」と、皆からやんやの喝采を浴びていた。又 彼女はポイントを稼いでいたのだ。
私の番になった時、それまで書いてきたことを読み上げるんじゃぁ無くて「いつも 皆のことを考えて 気を使ったり 盛り上げてくれる水橋十蔵君は素晴らしいと思います」と、咄嗟に言ってしまった。
翔琉君の方を見たけど、彼は私と眼を合わせようとしてこなかったのだ。 (ふ~ん その気 無いんだ やっぱり 私のことなんか興味無いんだ)
私は、この日 算数の教科書を忘れてきてしまったのだ。だから、クラスの決まりで忘れ物をした人は授業が始まる前に教室の後ろに立って、そのことを皆の前で報告して何とか許してもらうのだ。今なら教育委員会の懲罰ギリギリなんだろうか。そして、先生から「となりの人に見せてもらいなさい」の冷たい声で、机を寄せて教科書を見せてもらって授業を受けるのだ。
「だって そんなこと ゆわれへんヤン 恥ずかしい!」
「あほっ それっくらい 俺には言えよー 女の子が後ろに立つ方が恥ずかしいやろー 先に俺に言えば 代わりに立ってやるのにー」
「・・・ そんなん・・・」だけど、見せてもらっている教科書は、余白のところがヘタクソなマンガがあちこちに書かれていて落書きだらけで、翔琉君は授業を真面目に聞いていないんじゃぁないのかと思っていたのだ。それでも 彼の言葉にキュンとしていたのだ。
欅原翔琉 幼稚園から一緒なんだけど、彼は幼稚園の時のことは覚えていないと言うか 私のことなんか 気に掛けもしてなかったみたい。そして、小学校に入学した時も、同じクラスで席も隣同士だったのに・・・1年生の時は、まだ、机は2人掛けでくっついていた。2年生になってからは1人ずつの机になったのだ。でも、2年・3年生の時は違うクラスで離れてしまったのだ。
4年生になって、再び同じクラスに・・・4年から6年生までは ず~っと クラス替えがないから 一緒のクラスで。そして、席替えが行われても 私の隣りには なぜか 彼が居ることが多かったのだ。担任の先生も どうして いつも 私達を並ばせるんだろかと考えたこともあった。クラスの皆は気付いて無いだろうけど、私は意識していたのだ。彼は・・・どうなのか わからない。だけど 席に座っている時だけは、いつも 彼と一緒っていう感覚が・・・私には・・・。
6年生になった時も、隣りの席には翔琉君が居た。
「なんだ また お前かぁー」
「ぅぅー・・・ わたくしは嬉しくって 涙が出てきそうでございます チミはどうして こんなカワイ子ちゃんの隣りになって幸せだなーぁ とか言えないん?」 腹ん中はくそぉーって思っていたのだが
「はぁーぁ お前 熱あるんか? 保健室行けよー」
「もぉー そんなんちゃうわー」
1学期が始まってしばらくした時、先生が「今から 隣りの人でも良いし クラスの中で気になっている人でも良いし その人の良い所を言葉にして書きなさい 他人の良い所を見つけて確認するって大切なことよ 相手が異性だって恥ずかしがらないでいいわよー はっきり 相手にも伝えるって素敵なことなのよ あとで 発表してもらいますからー」
河道屋楓先生。30前で独身の女性で、4年生の時から持ち上がりで私達の担任なのだ。はっきりとした性格で学生時代はラクロスをやっていたと言うことで、体育が専門なのだ。だから、攻撃的でウジウジしていると直ぐにお説教が始まるのだ。
先生はあんなことを強引に言っていたけど、私の隣りは翔琉君 その反対隣りは、水橋十蔵。翔琉君とは気が合うみたいで仲がいいのだけど、私は この子はチャラチャラしていて あんまり好きなタイプじゃぁないのだ。彼以外に気になる人といえば・・・宮川奨君 クラスで成績がいつもトップの秀才。江州遼子さん クラスの女の子の中では美人ということで男の子には一番人気があって、成績も優秀なのだ。その二人以外でいうと小泉智子ちゃん 私と仲が良くって学校の行き帰りなんかも一緒なのだ。彼女は活発なほうで、私は、どっちかというと、あんまり目立たないようにしていようという方だから・・・そんな訳だから、気になっている人のことを・・・と、いうと翔琉君しか居ない。
だから、わたしは翔琉君のことを書こうと・・・隣りをチラチラみるんだけど・・・彼は、反対隣りの白浜美蕾ちゃんと一言二言話し合っているんだ! 彼女は6年生になって転校してきて、おまけに翔琉君と気象記録の係をやることになったのだ。そのせいか 二人で話し合うことが多かったので、授業中でも、先生のしゃべったことを 「今 なんて言ったの?」と、彼女は翔琉君に聞いたりして・・・あのバカは落書きばっかーして先生の話なんか聞いて無いはずなのに、ちゃんとそれに答えるのだ。私の心の中は穏やかでなかった。というのも、彼女は愛くるしい可愛い笑顔で、またたく間に男の子の間でも人気を遼子ちゃんと二分してしまっているのだから・・・。
私は、それとなく翔琉君のことを特定ということでなく、誰にでも当てはまるように「女の子に対しても優しくて、人の悪口を言わない子」と、いう風に書いていたのだ が 翔琉君が発表したのは 「転校してきて クラスの皆と進んで打ち解けるように 誰とでも、明るく接しようとしている 前向きな白浜さんのこと 素敵だなと思います」 ・・・・クラスの何人かから冷やかし半分の声があがっていた。(なによー それっ・・・私のこと言ってくれるんじゃぁないのぉー・・・プン)
それに、白浜美蕾さんの時、彼女は「転校してきて、不安だった私を優しく助けてくれた欅原君 それにクラスの皆が私を受け入れてくれて感謝しています 素敵なクラスに入れて良かったと思っています 私は このクラスの皆さん大好きです」と、皆からやんやの喝采を浴びていた。又 彼女はポイントを稼いでいたのだ。
私の番になった時、それまで書いてきたことを読み上げるんじゃぁ無くて「いつも 皆のことを考えて 気を使ったり 盛り上げてくれる水橋十蔵君は素晴らしいと思います」と、咄嗟に言ってしまった。
翔琉君の方を見たけど、彼は私と眼を合わせようとしてこなかったのだ。 (ふ~ん その気 無いんだ やっぱり 私のことなんか興味無いんだ)
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