彼は いつから私の彼氏? 好きと感じた時から・・・でも、別の道を進むねん

すんのはじめ

文字の大きさ
22 / 96
第4章

4-6

しおりを挟む
 3日の日は、お昼前に駅でお母さんと待ち合わせをしていた。午前中はお店に出て早退するらしい。私が着替えて、お母さんに教わったように洗面所で軽くお化粧して出て来ると

「おぉ いつもながら 可愛いのぉー お母さんも張り切ったのか? 洋服も可愛い」と、お兄ちゃんが・・・もう、翔琉君ンチに行く時間のはずだが 

「まだ 行かへんのー?」

「あぁ 断った 悪いけど 水澄の体調が悪いからってな 一緒に家に居てやりたいからって」

「はぁー? そんなん ・・・ 駅でバッタリしたらー」

「まぁ そん時はそん時でー 俺だけって行くってのも おかしいやろー?」

「そーかなー おかしい カナ? すまんのぉー 気使わせて 兄貴ぃー」

「うふっ そんなんより 楽しんでこいよ おいしいもの喰って 駅まで送って行ってやろうか」

「いいよー ひとりで ダイジョービ!」

 
「うん 上手にお化粧できたみたいね 可愛らしいわ」と、お母さんに会った時、感激していた。

 電車に乗って準急で一駅、歩いて15分程のところに、そのお店はあった。店の周りは樹々で囲まれていて、奥まったところにある。木の階段を3段ほど上がって玄関があって、静かなお店なのだ。

 向こうの人は先に来ていて、私達が席に着くと、息子さんという男の子が

竹通一真たけみちいっしんです 陽光学院高校の3年です」と、先に挨拶をしてきた。真っ白なポロシャツに白い綿パンで何かの宗教の人みたいなんだけど、続いて、お母さんに催促されて、私も

「香月水澄です 太子女学園中学の1年生です」

「まぁ お写真拝見したけど 実際にお会いすると ずっと 可愛いわー ねっ 一真?」

「あっ あー そーだね」と、とりあえず腰掛けた後、予めお料理が頼まれていたのか前菜が運ばれてきて、

「たみちゃん ワイン飲むでしょ」と、ワインが来て、私達にはぶどうジュースで、お母さんがワインを口にして、

「一真さんは とても 勉強がお出来になってー 陽光学院は大阪でもトップなんでしょ 阪大医学部目指しているなんて ご立派ですよねー」

「いゃーぁ 周りはみんな そんなもんですよー」と、さらっと言っていて、細くて涼し気な眼からは物事を冷静に判断する人なんだという印象を受けたのだ。そして、最初に会ったときも、筋肉質でなくて細身で背が高くて、私と頭ひとつ違ったのだ。

「たみちゃん 久し振りね こうやって会うの 何年ぶりかしら」

「達樹が生まれたときに フーちゃんがお祝いに来てくれて以来 15年位かしら」

「たみちゃんから連絡もらってね びっくりしたのよ」

「えぇ 水澄が今年中学生になったでしょ だから 区切りかなって 今までバタバタして 連絡しなきゃーって思ってたんだけど ついついね」

「水澄ちゃん 卓球部に入ったんだって? あそこは強豪チームだから 大変なんでしよ?」

「はい でも 先輩が親切だから なんとかー」

「この子 のめり込むほうでね 夜も自主トレとかで頑張るのよー 土曜日なんかも練習だって出て行くのよー」

「そーなの 一真も運動はしてないんだけど 補習授業とかで 土曜日も出て行くのよ 午前中だけなんだけど」

「あらっ そーなんですかー 水澄も午前中だけなんですの じゃぁー 終わったら 今度 学校も近いんですし 水澄を公園とか美術館とかに誘っていただけないかしらー」

「えっ お母さん そんなの・・・」 私 突然のことで、どう言ったら良いのか・・・

「それは良いかもねー 一真もガールフレンドも居ないんだから こんなに可愛らしい娘と歩いたら 自慢出来るでしょ せっかく こーやって お知り合いになれたんだから もっと お互いのこと知り合えば?」

「そーなのよ こちらからも是非 お願いするわー この子ね 小さいころは目立たない地味な子だったんだけど 最近 顔立ちも可愛らしくなってきたのよねー」

「あらっ たみちゃん それ! 親の贔屓目じゃぁない?」

「ふふっ かもね」

「じょーだんよ! 確かに 人目を引くような可愛らしさヨ! お洋服のカタログに載っているモデルさんみたい ねっ 一真?」

「はっ? ・・・まぁ・・・可愛い人だけど・・・でも まだ 中1・・・」

「いいじゃぁないの こんなに可愛い子 早く お友達になっとかなきゃ 取られちゃいますよ ・・・ちょっと 言い方 下品だったかしらー」

「いいのよー 水澄だって 年上の人とお付き合いして巾を広げなきゃって思ってるの 特に 女子校だからね でも、まだ子供なので、一真さんには物足りないかもしれないけど、優しくてとっても良い子なのよー」

「お母さん 私・・・」と、どうしたらいいのか戸惑っていた。その場は、断りの言葉も言えなかったのだ。

  お料理も食べ終えて、お茶を飲んでいる時

「そうだ お写真をね」と、お店の窓際にみんなを呼び寄せて、お店の人にお願いをしていたのだけど

「今度は ふたりで並んで」と、私と一真さんを並べてきて・・・私は、仕方なしに手を前で揃えていて 撮られてしまった。こんなことぐらいなんだけど・・・この時は、私はまだ 心の中で (翔琉ごめんなさい) と・・・。

 そして、お店を出て別れる時

「そうだ 一真 水澄ちゃんの連絡先 交換した?」

「あっ 水澄には まだ 携帯持たして無いのよー そろそろクラブのこともあるし、これから契約に行くわー 又 番号連絡するね」と、急にお母さんが言い出した。

 それから、家の近くのお店に飛び込んで、お母さんは私にって急いで契約したのだ。

「あとで 一真さんに番号 連絡しておきなさいね これ!あの人の番号」と、番号が書かれたメモを渡された。

「でも・・・ 私 あの人とそんなに話して無いしー 何を言えばいいのかー」

「だからよー 水澄のほうから連絡したほうが 効き目あるのよ これからお付き合いするのにネ!」

「お母さん・・・ そんなぁー お付き合いってー」

「まぁ そんなに 固く考えないで ただの お知り合いとしてね 普通よ!」と、強引に押し切られた。お母さんは、どうしてもお付き合いをさせたいみたい。こんな時って 私 お母さんには何にも言えないのだ。翔琉にはどう言えばいいんだろうか
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

光のもとで2

葉野りるは
青春
一年の療養を経て高校へ入学した翠葉は「高校一年」という濃厚な時間を過ごし、 新たな気持ちで新学期を迎える。 好きな人と両思いにはなれたけれど、だからといって順風満帆にいくわけではないみたい。 少し環境が変わっただけで会う機会は減ってしまったし、気持ちがすれ違うことも多々。 それでも、同じ時間を過ごし共に歩めることに感謝を……。 この世界には当たり前のことなどひとつもなく、あるのは光のような奇跡だけだから。 何か問題が起きたとしても、一つひとつ乗り越えて行きたい―― (10万文字を一冊として、文庫本10冊ほどの長さです)

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜

のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、 偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。 水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは―― 古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。 村を立て直し、仲間と絆を築きながら、 やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。 辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、 静かに進む策略と復讐の物語。

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

処理中です...