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第4章
4-9 一真さんとデート
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彼が、一つ向こうの駅から乗って来て、この駅で各駅停車の普通に乗り換える予定。電車が着いて、一番前の車両に乗るって言っていた。
少し微笑んでいるような顔で彼が降りてきた。別に何かを言う訳でも無く、私のことを見ているので
「おはようございます」と、私から言うと
「そう おはようだね 来てくれたんだ」
「そりゃー 昨日の夜 約束したじゃぁないですかー」
「そうなんだけど 現実かなーぁって それに こんな可愛いらしい娘とデートだなんてー」
今日は、小さなお花の刺繍が襟から胸元にまでしてある白いブラウスにベージュのインナー付きのラップのミニスカートそして、赤いリボンの髪止めで来ていた。彼は、白いポロシャツにベージュの綿パンと今日もシンプルなのだ。
「あのー 眩しいですね 服装が・・・」
「子供ぽいですか? もっと 大人っぽいのん ほうがいいのかなー」
「いや そんなことないですよ 僕は 見慣れて無いからー それに水澄さんは脚もすぅーっとしていて ミニが似合う 水澄さんは可愛いほうがいいです」
「そーですかー 良かったぁー うれしい 褒めてくれて」
そして、電車に乗ったんだけど、何にも話も無く、降りてからもスタスタ歩く彼と並ぶのも大変で、遅れて後ろに付いていくという場面も・・・。公園に入ってからもそんな調子で、ちっともリードするとか手を繋ぐとかの素振りも無かったのだ。また、こんなの補導されているみたいだからー いやーぁ と思っていた。
「ここだよ 自然史博物館 中学生以下は無料らしいから 学生証出して」
「へぇー へぇー ただなんやー」
「まぁ らしいな」
入口を入ると、いきなり ナウマンゾウの標本が
「うわぁー おっきい ふ~ん でも 動物園の象くらいっかなー こんなのが生きていたんだー この辺にも普通に居たの?」
「まぁ 化石があちこちで発掘されてるからな 居たらしい 野尻湖は有名だろう?」
「野尻湖? あぁー 冬になると氷ついたのが盛り上がって 神の御渡りってとこだ」
「・・・それは 諏訪湖! 野尻湖は長野の北で新潟に抜ける途中」と、言い方が冷たかった。
「そうかー じゃー いわさきちひろ だっけかな 絵本の・・・活動してたとこ・・・ あっ 今 私のこと アホやって思った!?」
「そんなことないよ ぼくだって その いわさき何とかって 知らないものー」
「あっ 人間って こんなのと戦って 食料にもしてたんだってー」
「らしいね 加古川の方は日本海にまで通じて低い土地だったみたいでね そこは季節的に移動するナウマンゾウ達がいて、そこを人間が沼地なんかに誘い込んで襲ったんだって」
「ふ~ン 一真さん 詳しいんだね もしかして 原始人?」
「うん 地底から蘇ってきたのかも 水澄ちゃんに 逢う為」
「そうかー いいや 次行こぉー」と、私は見え見えの冗談に身震いしながらも、思わず彼の手を引っ張っていた。その後、恐竜とかの骨格標本を見て廻っていると
「水澄ちゃん もう少し おとなしく見ようね」と、諭すように・・・。私は、初めて見るようなものばっかりで、その度に大きな声で騒いでいたみたい。
「あっ だって びっくりしちゃってー 初めてだから・・・」
「まっ まぁ いいんだけど 周りの人がこっち 見るからー ただでさえ 目立つのにー」
「・・・私達 目立つの?」
「達じゃぁなくってー 水澄ちゃんが そのー 無邪気で可愛いからー」
「はっ それは・・・子供ってこと?」
「いや それは・・・えーとぉー 植物園を見て 何か食べよーか」
私達は、博物館、植物園を出て公園内の喫茶店で食べようかと向かって、私はカツサンドとレモネードを注文すると、彼も同じもので。
「たべたら アスレチックのほうに 行こうか?」
「うん 行く!」
「あー でも そんな短いスカートでだいじょーぶカナー」
「平気だよ インパン付きだからー」
「インパン?」
「インパンだよー インナーパンツ 知らないの?」
「ウッ インナーパンツだろー」
「あー 見たこと無いんだぁー」と、私は立ってスカート部分をめくって
「おい! わかったよー もう いいよー まぁ 短パンみたいなのが下についているんだな」
と、私達はその野外アスレチックに向かって、やっているうちに自然と手を繋いだり、私が一真さんに抱き着いたりして楽しんでいたのだ。不思議なもので、こうやっていると親密になってきているようだった。
そして、帰り道 歩いている時に
「僕は 来週から 土曜も日曜も塾に通うことになったんだ。だから、こーやって会えるのも難しいかもしれません ようやく仲良くなったのにねー」
「あーぁ 塾ねぇー そーだよね 大学のことがあるものねー でも いいんですよ 私のことは気にしないでください」
「でも せっかく こーやってるんだから 時々 会ってもらえますか そのー お付き合いってかー」
「いいですよー でも お付き合いっていうんじゃーぁなければ お知り合いってーか おこがましいんだけど よろしければ お友達として」
「うん そーですね まだ 付き合うってねぇー 時々 ラインしますね」
「はい そーですね でも それとは別に 今日は とても楽しかったです 知らなかったことばっかーで 勉強にもなりました それに、一真さんって 冷たいとこあるんか思ってたけど とっても純真でいい人なんだって わかった」
「ウン いい人かぁー 違う様になるよう頑張る 水澄ちゃんも 優しくて明るい無邪気な女の子だってこともわかった 何か 受験勉強にも身が入るみたい」
別れて、ひとりで家に向かっている時、私は あの人は、最初はとっつき難いなって思っていたけど、一日一緒に居ると、優しくしてくれて良い人と感じていたのだ。翔琉も私のことを見守ってくれるけど、一真さんは、もっと 大きく私を包み込んでくれるような優しさ・・・こういうのを、もっと 男の人を知りなさいよ とお母さんは言っているのかなぁーって
少し微笑んでいるような顔で彼が降りてきた。別に何かを言う訳でも無く、私のことを見ているので
「おはようございます」と、私から言うと
「そう おはようだね 来てくれたんだ」
「そりゃー 昨日の夜 約束したじゃぁないですかー」
「そうなんだけど 現実かなーぁって それに こんな可愛いらしい娘とデートだなんてー」
今日は、小さなお花の刺繍が襟から胸元にまでしてある白いブラウスにベージュのインナー付きのラップのミニスカートそして、赤いリボンの髪止めで来ていた。彼は、白いポロシャツにベージュの綿パンと今日もシンプルなのだ。
「あのー 眩しいですね 服装が・・・」
「子供ぽいですか? もっと 大人っぽいのん ほうがいいのかなー」
「いや そんなことないですよ 僕は 見慣れて無いからー それに水澄さんは脚もすぅーっとしていて ミニが似合う 水澄さんは可愛いほうがいいです」
「そーですかー 良かったぁー うれしい 褒めてくれて」
そして、電車に乗ったんだけど、何にも話も無く、降りてからもスタスタ歩く彼と並ぶのも大変で、遅れて後ろに付いていくという場面も・・・。公園に入ってからもそんな調子で、ちっともリードするとか手を繋ぐとかの素振りも無かったのだ。また、こんなの補導されているみたいだからー いやーぁ と思っていた。
「ここだよ 自然史博物館 中学生以下は無料らしいから 学生証出して」
「へぇー へぇー ただなんやー」
「まぁ らしいな」
入口を入ると、いきなり ナウマンゾウの標本が
「うわぁー おっきい ふ~ん でも 動物園の象くらいっかなー こんなのが生きていたんだー この辺にも普通に居たの?」
「まぁ 化石があちこちで発掘されてるからな 居たらしい 野尻湖は有名だろう?」
「野尻湖? あぁー 冬になると氷ついたのが盛り上がって 神の御渡りってとこだ」
「・・・それは 諏訪湖! 野尻湖は長野の北で新潟に抜ける途中」と、言い方が冷たかった。
「そうかー じゃー いわさきちひろ だっけかな 絵本の・・・活動してたとこ・・・ あっ 今 私のこと アホやって思った!?」
「そんなことないよ ぼくだって その いわさき何とかって 知らないものー」
「あっ 人間って こんなのと戦って 食料にもしてたんだってー」
「らしいね 加古川の方は日本海にまで通じて低い土地だったみたいでね そこは季節的に移動するナウマンゾウ達がいて、そこを人間が沼地なんかに誘い込んで襲ったんだって」
「ふ~ン 一真さん 詳しいんだね もしかして 原始人?」
「うん 地底から蘇ってきたのかも 水澄ちゃんに 逢う為」
「そうかー いいや 次行こぉー」と、私は見え見えの冗談に身震いしながらも、思わず彼の手を引っ張っていた。その後、恐竜とかの骨格標本を見て廻っていると
「水澄ちゃん もう少し おとなしく見ようね」と、諭すように・・・。私は、初めて見るようなものばっかりで、その度に大きな声で騒いでいたみたい。
「あっ だって びっくりしちゃってー 初めてだから・・・」
「まっ まぁ いいんだけど 周りの人がこっち 見るからー ただでさえ 目立つのにー」
「・・・私達 目立つの?」
「達じゃぁなくってー 水澄ちゃんが そのー 無邪気で可愛いからー」
「はっ それは・・・子供ってこと?」
「いや それは・・・えーとぉー 植物園を見て 何か食べよーか」
私達は、博物館、植物園を出て公園内の喫茶店で食べようかと向かって、私はカツサンドとレモネードを注文すると、彼も同じもので。
「たべたら アスレチックのほうに 行こうか?」
「うん 行く!」
「あー でも そんな短いスカートでだいじょーぶカナー」
「平気だよ インパン付きだからー」
「インパン?」
「インパンだよー インナーパンツ 知らないの?」
「ウッ インナーパンツだろー」
「あー 見たこと無いんだぁー」と、私は立ってスカート部分をめくって
「おい! わかったよー もう いいよー まぁ 短パンみたいなのが下についているんだな」
と、私達はその野外アスレチックに向かって、やっているうちに自然と手を繋いだり、私が一真さんに抱き着いたりして楽しんでいたのだ。不思議なもので、こうやっていると親密になってきているようだった。
そして、帰り道 歩いている時に
「僕は 来週から 土曜も日曜も塾に通うことになったんだ。だから、こーやって会えるのも難しいかもしれません ようやく仲良くなったのにねー」
「あーぁ 塾ねぇー そーだよね 大学のことがあるものねー でも いいんですよ 私のことは気にしないでください」
「でも せっかく こーやってるんだから 時々 会ってもらえますか そのー お付き合いってかー」
「いいですよー でも お付き合いっていうんじゃーぁなければ お知り合いってーか おこがましいんだけど よろしければ お友達として」
「うん そーですね まだ 付き合うってねぇー 時々 ラインしますね」
「はい そーですね でも それとは別に 今日は とても楽しかったです 知らなかったことばっかーで 勉強にもなりました それに、一真さんって 冷たいとこあるんか思ってたけど とっても純真でいい人なんだって わかった」
「ウン いい人かぁー 違う様になるよう頑張る 水澄ちゃんも 優しくて明るい無邪気な女の子だってこともわかった 何か 受験勉強にも身が入るみたい」
別れて、ひとりで家に向かっている時、私は あの人は、最初はとっつき難いなって思っていたけど、一日一緒に居ると、優しくしてくれて良い人と感じていたのだ。翔琉も私のことを見守ってくれるけど、一真さんは、もっと 大きく私を包み込んでくれるような優しさ・・・こういうのを、もっと 男の人を知りなさいよ とお母さんは言っているのかなぁーって
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