彼は いつから私の彼氏? 好きと感じた時から・・・でも、別の道を進むねん

すんのはじめ

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第6章

6-5

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 9月2学期が始まって、最初の練習の日。私はコーチに呼ばれて

「花梨から どうしても水澄と組みたいと言ってきた。水澄はどうなの?」

「あっ はい 私も・・・」と、どうやら昼間の間に花梨ちゃんはコーチに直談判したらしい。

「そう ちょっと 心配な面もあるけど・・・やってみるかー うまく行けば 最強のペァになるかもね」

 その日の練習は何となくギスギスしていて、もう3年生も出て来ていないのだ。燕先輩が私に相手してと呼ばれたのだけど、私のフォァサイドの攻撃に対応できてない。イラついている様子で調子を崩しているみたいだった。

 その日の帰り道、香ちゃんと

「なんか クラブの中 暗いよねー 3年生も居なくなったしー」

「花梨ちゃんがね 張り切っているんはわかるんだけど トップ目指すんだって・・・個人でも ダブルスでも水澄と組むから 最強よって 言ってるん聞いたわー あの子 強引なとこあるからー もちろん 実力もあるわよー それで、先輩達にはおもしろく無いんじゃぁーないのかなー」

「ええー だって 夢の話よー」

「それが 今の実力と 特に 水澄の伸びを考えると 夢でも無いかもねー 花梨と水澄って本当に最強なんだとウチも思うわ だからー 先輩達は怖いのよー 練習も空回りしているみたい 燕先輩は本当は花梨と組みたかったんちゃうんやろかー ほらっ あの人の相手は3年生やったやろー そやから 今度は花梨と・・・って思ってたんちゃうやろーか」

「そんなのー お互いに切磋していくのが練習ちゃうのー?」

「まぁ そのうち コーチが何とか調整していくよー」

「そーだよね コーチとか監督さんがいるもんね」

「あのね 夏休みの最後に ウチ 一真さんとデートしたんだぁー 神戸に連れてってもらった」

「はっ そーなん・・・」

「それもねー ウチ 夜景見たこと無いからー 見たいって・・・」

「えっ 夜まで?」

「そーだよ 8時頃まで 腕組んで寄りかかってたんだぁー」

「なによーぉー それっ 恋人同士みたいじゃん」

「ウン まぁ みたいだよー お昼に異人館とか廻って、それから中華街で食べて、ハーバーランドで時間つぶして、ロープウェイで展望台に行ったんだぁー 夢ごこちだったよ 彼もいい想い出になったってぇー」

「ふぅ~ん 香 又 短いのん 穿いていったんでしょっ!」

「ふふっ だって 男の子はミニの方が喜ぶでしょっ! 一真さんもおんなじヨ! ウチ インパンもスパッツも穿いていかへんかってんでー ピンクのショーツだけでな 時々 彼には見えていたかもー」

「わぁー 誘惑してんのかよー 色仕掛けヤン」

「水澄 そんな 下品な言い方ないやろー ウチ等 お嬢さんなんだからー」

「香 ちょっと 立ち止まって 考えたほうがええんちゃう? ほんまに彼のことが好きなんか なんか 彼の将来に魅かれてるだけちゃうかぁー?」

「そんなことないと思う・・・彼 優しいしー・・・それより 水澄もちょっと立ち止まって考えたほうがええんちゃう?」

「うーぅ 何を・・・」

「花梨とダブルス組むんやろぅ? あの子 負けん気強いし、向かっていくタイプやんかー サーブでもな ミドルでどんどん押して行くやろー?」

「うん そんな感じよねー」

「ふつう あかんかったら考えるやんかー でも あの子はこれでもかって押してって、返って来るボールを待ってて叩きつけるんやー 水澄もそんな風なとこあるでー 突き進むタイプやからなー」

「私は そんなことないと思うけどな」

「自分で気が付いて無いだけ! 今まで練習の相手が多いから、相手にあわせてただけヤン」 

「そーかなー でも 花梨と 話し合って うまいことやるって!」

「なら ええけどぉー ウチは水澄には 若葉のほうが相性ええと思うけどなー あの子 落ち着いているし、練習も色々と工夫してるみたいやからー 水澄にはブレーキになって丁度ええねん」

「だって もぉ 花梨にウンって 言ってしもーたモン まぁ 何とかなるんちゃう 花梨も トップ目指すって燃えてるんやー 私やって 同じならトップになりたい その為やったら・・・何かを犠牲にしてもええねんって考えるよーになってきた」

「犠牲って?」

「ううん なんでも ない 卓球に打ち込もぉーって思ってるんよ!」
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