彼は いつから私の彼氏? 好きと感じた時から・・・でも、別の道を進むねん

すんのはじめ

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第8章

8-6

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 大阪大会の初戦の日。個人戦から始まって、ベスト8に残ったのは、燕、美麗先輩、花梨、若葉と私の5人だった。だけど、準々決勝で私と当たる予定の花梨は棄権してしまっていた。そして、美麗先輩と若葉が当たっていて、美麗先輩が勝ち上がって、次は二色が浜の進藤かがりさんなのだ。私は、燕先輩と当たってしまって、最終ゲームまでもつれ込んで、デユースを繰りかえしたけど、結果、準決勝敗退。結局、決勝では勝ち上がってきた美麗先輩と燕先輩の戦いになって、燕先輩が優勝していた。

 そして、団体戦の試合前の準備練習で、香の動きが硬かった。個人戦でも、動きが悪くって、初戦敗退だったのだ。

「香 どうしたん? 緊張か?」と、若葉が心配して

「うん・・・ なんか お腹重い」

「早い目にトイレ いっといでーな」

「うー そんなんとちゃうねんけどなー」

「あのなー 普段の香やったら そんなに難しい相手ちゃうでー 気楽にいこーぜ」

 会場は4試合が同時に行われるので、試合前の調整をする場所が無くて、廊下で身体を動かす程度しか出来なくて 「花梨 香のフォローお願いね」と、言い残して、私と若葉は会場を離れた。

 我がチームの試合が始まったようだけど、20分ほどでトップの燕先輩は圧倒的に勝ったみたいなので、私達が会場に戻ると、もう第2試合が始まっていて、香は第1ゲームを5-11で落としていて、花梨が香に向かって

「香がビビッて負けるのは勝手やけどなー 後のメンバーがカバーしてくれるやろう でもな でも 全体の流れってものがあるんやー 雰囲気が悪うなるんやでー ウチ等、学校の代表メンバーやでー 忘れてるんちゃうかー! 自覚しいやー! 香が普通にいつもの調子でやったら勝てる相手やないの! 変身したんちゃうのー」と、強い口調でハッパを掛けていた。「花梨 もっと 優しい言葉掛けてぇなぁー 余計 ヒビルヤン」「アホかー ドロ雪姫になってこい!」と、背中をポンと送り出していた。

 それからは、香も気を引き締めて、連続で3ゲームを奪って勝っていたのだ。次の試合の私達も3-0で危なげ無く勝利していたのだ。

 1日空いての2戦目。美麗先輩、花梨と私達ペァも難なく皆が3-0で勝っていて順々決勝に進んでいた。

「明日の準々決勝のメンバー トップ 燕 2番 香 3番水澄と若葉 4番 美麗 5番 朝咲 でいく」と、試合の後 コーチから発表があった。若葉が言って居た通りに香が選ばれて、花梨の名前は無かったのだ。

 試合が終わった時、会場には一真さんの姿も見えていた。だけど、香は彼に向かって手を振るだけで私達の元に戻ってきていた。

「ええの? 香 一緒に帰るんちゃうのー?」

「ううん 今日はええの それより 花梨 ありがとうネ ウチ 血がのぼってぼぉーとなってしもてたんやなー あの時 叱ってくれて 眼が覚めたわー やっぱり仲間やなー」

「仲間やねんけどなー 香 戦っている時は自分 ひとり なんやでー 自分でなんとかしやなーあかんねんって・・・覚えときやー」

「香 花梨はきついこと言うてるみたいやけどなー 花梨やって 試合に出たくってウズウズしてるんやでー 暴れたいはずやー 香には何とか勝って欲しいんやー けど・・・おそらく、監督から諭されたはずやー なぁ? 花梨? 秘密兵器やって言われたんちゃうの? 全中に向けての もしかしたら、大阪大会の決勝も隠されるんか? そーなんやろー?」

「・・・若葉はお見通しやねんなー コーチから試合メンバーの発表があるまでは 皆には黙っておけって言われたんやけどー 監督に呼ばれて・・・どうしても 今年は全中制覇したいんだってー その為にウチには犠牲になってくれって 個人戦も、大阪大会では全中個人戦のに出る資格を取れる準々決勝までで、あとは棄権するんだってっ ウチは もう 全中決勝で秋元蓮花に勝つことに専念してくれって ウチならきっと勝てるから それまでは、ウチのことを隠しときたいんやって 研究されんよーにな その為に必ず太子女学園を全中決勝まで連れて行くことを約束するから・・・勿論、全中では個人でも優勝するんだぞって言われた」

「えぇー そんなん むちゃくちゃヤン 花梨やったら そんなんせんでも勝てるわー」

「水澄 でもなー 水澄やって ウチのこと いろいろと見て、弱いとことか考えて・・・ 今では、ウチとやっても対等になったやんかー 全中の頂点に立つんはウチの夢やー シングルは難しいかも知れんけど、団体は頂点に近いと思う そやから 承知したんやー 監督も言ってたけど、来年は連覇やーって 来年は思うように暴れてくれても良いから・・・今年は・・・ってよ!」

「う~ん なんやー 納得出来ひんけどなー なんか  真正面からとちゃうよーなー 花梨が納得したんやったらー ええけどー」

「それとなー 本当やったら それは水澄の役目やったんやけどー あいつのスマッシュなら 相手も戸惑うと思う でも あいつはアホやから、言っておいても自分からどんどん行くやろー バカの一つ覚えみたいに・・・経験不足やから、加減して、相手見て対応できないんやー まだまだな で 花梨に託すことにしたって ゆうてたでー」

「なっ なんやー 私はアホなんかぁー 前も響先輩に言われたわー なぁ 若葉ぁー?」

「そうねぇー 燕先輩との試合 最後までもつれて、でも 水澄はスマッシュ繰り返していて バカみたいに・・・ 同じとこにこれでもかと繰り返してー ちょっと、フォア側とか短いスマッシュもあるでしょ あの魔球みたいなやつ 先に先手打ってれば決着ついていたのに・・・」

「・・・だって・・・あんまり手の内みせたらあかんと思って・・・」

「ふふっ 水澄はまっしぐらやからなー バカ正直で・・・ でも ウチは 真正面から秋元蓮花にぶつかっていくでー それまで あんた等 絶対にウチを全中決勝まで連れて行くんやでー」と、花梨は・・・

 その後、4人で手を合わせて「頂点に立つぞー オー」と、体育館の前で叫んでいた。だけど、私は 心の中で少し傷ついて・・・アホなんかぁーと・・・反省もしていたのだ。
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