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第12章
12-1 私達の最後のシーズン
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春休みはまだ数日あるのだが、午前中だけの練習が始まった。9時からなので、私は8時過ぎに体育館に出て行くと、もう ひなたと莉子が打ち合っていた。
「花梨 あの子等 ヤル気満々やね 多分7時頃からやでー」
「みたいね 莉子なんか 合宿で泣きながらうさぎジャンプしてたけどね よっぽど、悔しかったんだろうね 練習試合でも負けたからね」
「うん 私等も飛ばされたけどねー 花梨 泣いてたやろーぅ」
「なにゆうてんねん 水澄なんて 涙流してやんかー なんで 今更ってー」
「うん・・・ 花梨 私等も早出 特訓やろーかー」
「う~ん あの子等に張り合ってるみたいやしなー ふたりだけにしといたろーなー これから、あの二人はどんどん強ぉーなっていくんやー 二人で考えながら そやから、ウチ等は居残り特訓にしょーよー」
「そーだね じゃぁ 全体練習終わって 1時間ね!」
「水澄 ウチな 合宿で遥香に攻め込まれたんやんかー 遥香はいつもウチのこと見てるから パターン読んでるんやー それにな あの子 ウチにセンター中心に攻撃して来て、強弱つけてな 短いとこも攻めて来てた ウチのフォアサイドにも返して来んと・・・ウチにフォアを打たせんよーにしてたんやー 徹底的に封じ込まれたワー」
「みたいやったね 遥香 何か 合宿で変わったみたいやねー」
「うん 雰囲気が違うネン 水澄もそーやったヤン ひなたに あの子も完全に水澄のスマッシュのくるとこ予測してて ちゃんと対応して、水澄のバック狙わんと、バックハンドで水澄の一番遠いとこに返してたやんかー あの子も成長しとるでー」
「そーやねん 私 いつも ひなたの相手してるやんかー いつの間にか、私の弱点見つけたんやろね 花梨 私等 やっぱり、響先輩に言われたように 安穏としとったんやー 夏までに、もっと 進化せんとあかんなー」
「うん そーやー ふたりでな がんばろーぉ」
その日から、私達はふたりで話し合いをしながら、居残り練習をしていたのだけど、次の日からは、若葉、香、遥香も加わっていたのだ。
新学期が始まって、1週間して新入部員が体育館に並んでいた。その中には東方みずきちゃんの姿もあった。中でも、ひょろ長くて、一番背が高い方なのだ。体形からすると卓球に向いているのかも知れない。今年は、増えて15人前後が並んでいた。小学校からスクールに通っていたと言う子が5人居た。
「やっぱり 去年の優勝が効いたのかなー 志望者が増えたの それにね 忍埜山に誘われたけど 花梨と水澄に憧れて入ってきたって子も居たわよ」と、石切監督も明るかったのだ。忍埜山を断って京都から通うという押切美実。経験者だと言う中に、白川輝葉という子がいた。
「若葉 あの子 妹なんやろー? 何で内緒にしてたん?」
「べつに 内緒にしてたんちゃう あの子が好きなようにやっているだけやー ウチは忍埜山にいったらーってゆうたんやでー」
「なんで? ええやん 姉妹で・・・」
「あの子はお姉ちゃんの妹って眼で見られるのが嫌みたいやでー 昔から・・・ だから ウチも知らんぷりすることにしてるんよ でも花梨と水澄に憧れて入ってきたみたいよー」
「ふ~ん そんなもんかねー」
今年の場合、新入部員は素振りのグループと球拾いのグループは交代でやり、1週間後には、打ち合いを監督と高校生の何人かが教えていたのだ。すると。中には突出した子も2人居たのだ。ひとりは押切美実で、もうひとりは白川輝葉なのだ。
新学期が始まって、最初の土曜日の練習の日。9時からなのだが、私は、普段と同じ7時過ぎの電車で・・・駅には、東方みずきちゃんともうひとり蓮宮瑠利ちゃんも。二人とも、新入部員なのだけど、私は、蓮宮瑠利ちゃんが同じ駅からとは知らなかったのだ。昨日、みずきちゃんから何時の電車ですかと聞かれていたので、みずきちゃんが来るとは思っていたのだが
「水澄先輩 瑠利ちゃんも 同じ塾の先輩の後輩なんですよー」
「あっ あーそーなんだー 二人合格したってー あなた達のことなのー それで、揃って 入部してくれたの?」
「そーです! ウチ等は水澄先輩を尊敬してますからー」と、瑠利ちゃんもハキハキした元気のいい子なのだ。
「あのー 水澄先輩は 普段も 電車 早いんですかー?」
「うん 大体 この電車」
「そんなに 早いんですかー 学校に早く行って 何するんですか?」
「う~ん 練習の時もあるけど 大概は授業の予習してるかなー」
「はぁー クラブやりながら成績もって そーいうことなんだ」
「うっ だけじゃぁないよ! あなた達も頑張ってね 覚悟要るわよー」
「頑張りますけど 出来るとこまでしか 出来ないですよー」と、みずきちゃんが言っていたけど
「みずきちゃん あなた達はがんばりやみたいだから言っておくけど 限界ってね 結果に満足できない時は まだ 限界まで行って無いってことよ まだまだ努力できるのよ」
「はっ ・・・ 先輩・・・名言ですね 肝に命じておきます」
「なんか それっ 古い言い方ね」受け止め方が 何か、調子良くって不安も感じるのだ。少ししか離れて無いのだけど、世代の違いなのかなーと感じていた。
私と花梨は抱えている課題も順調に克服しようとしていたが、私の場合はミドルのスマッシュを打ち込むとスピードが落ちて威力も半減するのだ。それと、本堂監督が言っていた言葉。逆サイドへのスマッシュ それも スピードがあって短いスマッシュ バウンドの後はイレギュラーに跳ねていく 私にとっては、第2の魔球だけど・・・まだ スピードにのって打つことが出来ていなかった。
「若葉 連休中のミニ合宿 今年もやりたいネン どう 思う?」
「だね やろうか あそこに連絡してみるわー」
と、若葉が言うのには「女将さんの返事はね 来るだろうからと、思っていたのだけど 4日の日にしか確保出来なかったんだって でも、8畳1部屋は確保してあるからって だから お願いしますって言っておいたわ」
「うん じゃぁ 4日の1泊ね 決まり!」
「あっ あー 4日かぁー」と、香は困った顔をしてて
「なんや 香 都合 悪いんかぁ? デートとか」と、花梨が突っ込むと
「あー ええんやー そんなんちゃうけどー・・・」
「花梨 ほっときぃーなー 香も 色々とあるんやろからー」
「あっ そう 水澄はデートの予定は?」
「私は ・・・ 卓球一筋です! 花梨こそ 好きな子とかおらへんのぉー?」
「・・・おるでー ウチの好きな子は ここに・・・」と、私を見つめて来て
「なんやのー その眼は・・・ 私のこと?」
「うん 抱きしめとぉーなるぐらい」
「やめてよー そらぁー 私も花梨のこと抱きしめとぉーなるぐらい好きやでー でも へんな意味ちゃうでー」
「ウチは変な意味でも 水澄とやったら かめへんと思ってるんやー」
「あほっ 私は そんな趣味ございません! もう やめてよねー おかしぃーなるのって」
「花梨 あの子等 ヤル気満々やね 多分7時頃からやでー」
「みたいね 莉子なんか 合宿で泣きながらうさぎジャンプしてたけどね よっぽど、悔しかったんだろうね 練習試合でも負けたからね」
「うん 私等も飛ばされたけどねー 花梨 泣いてたやろーぅ」
「なにゆうてんねん 水澄なんて 涙流してやんかー なんで 今更ってー」
「うん・・・ 花梨 私等も早出 特訓やろーかー」
「う~ん あの子等に張り合ってるみたいやしなー ふたりだけにしといたろーなー これから、あの二人はどんどん強ぉーなっていくんやー 二人で考えながら そやから、ウチ等は居残り特訓にしょーよー」
「そーだね じゃぁ 全体練習終わって 1時間ね!」
「水澄 ウチな 合宿で遥香に攻め込まれたんやんかー 遥香はいつもウチのこと見てるから パターン読んでるんやー それにな あの子 ウチにセンター中心に攻撃して来て、強弱つけてな 短いとこも攻めて来てた ウチのフォアサイドにも返して来んと・・・ウチにフォアを打たせんよーにしてたんやー 徹底的に封じ込まれたワー」
「みたいやったね 遥香 何か 合宿で変わったみたいやねー」
「うん 雰囲気が違うネン 水澄もそーやったヤン ひなたに あの子も完全に水澄のスマッシュのくるとこ予測してて ちゃんと対応して、水澄のバック狙わんと、バックハンドで水澄の一番遠いとこに返してたやんかー あの子も成長しとるでー」
「そーやねん 私 いつも ひなたの相手してるやんかー いつの間にか、私の弱点見つけたんやろね 花梨 私等 やっぱり、響先輩に言われたように 安穏としとったんやー 夏までに、もっと 進化せんとあかんなー」
「うん そーやー ふたりでな がんばろーぉ」
その日から、私達はふたりで話し合いをしながら、居残り練習をしていたのだけど、次の日からは、若葉、香、遥香も加わっていたのだ。
新学期が始まって、1週間して新入部員が体育館に並んでいた。その中には東方みずきちゃんの姿もあった。中でも、ひょろ長くて、一番背が高い方なのだ。体形からすると卓球に向いているのかも知れない。今年は、増えて15人前後が並んでいた。小学校からスクールに通っていたと言う子が5人居た。
「やっぱり 去年の優勝が効いたのかなー 志望者が増えたの それにね 忍埜山に誘われたけど 花梨と水澄に憧れて入ってきたって子も居たわよ」と、石切監督も明るかったのだ。忍埜山を断って京都から通うという押切美実。経験者だと言う中に、白川輝葉という子がいた。
「若葉 あの子 妹なんやろー? 何で内緒にしてたん?」
「べつに 内緒にしてたんちゃう あの子が好きなようにやっているだけやー ウチは忍埜山にいったらーってゆうたんやでー」
「なんで? ええやん 姉妹で・・・」
「あの子はお姉ちゃんの妹って眼で見られるのが嫌みたいやでー 昔から・・・ だから ウチも知らんぷりすることにしてるんよ でも花梨と水澄に憧れて入ってきたみたいよー」
「ふ~ん そんなもんかねー」
今年の場合、新入部員は素振りのグループと球拾いのグループは交代でやり、1週間後には、打ち合いを監督と高校生の何人かが教えていたのだ。すると。中には突出した子も2人居たのだ。ひとりは押切美実で、もうひとりは白川輝葉なのだ。
新学期が始まって、最初の土曜日の練習の日。9時からなのだが、私は、普段と同じ7時過ぎの電車で・・・駅には、東方みずきちゃんともうひとり蓮宮瑠利ちゃんも。二人とも、新入部員なのだけど、私は、蓮宮瑠利ちゃんが同じ駅からとは知らなかったのだ。昨日、みずきちゃんから何時の電車ですかと聞かれていたので、みずきちゃんが来るとは思っていたのだが
「水澄先輩 瑠利ちゃんも 同じ塾の先輩の後輩なんですよー」
「あっ あーそーなんだー 二人合格したってー あなた達のことなのー それで、揃って 入部してくれたの?」
「そーです! ウチ等は水澄先輩を尊敬してますからー」と、瑠利ちゃんもハキハキした元気のいい子なのだ。
「あのー 水澄先輩は 普段も 電車 早いんですかー?」
「うん 大体 この電車」
「そんなに 早いんですかー 学校に早く行って 何するんですか?」
「う~ん 練習の時もあるけど 大概は授業の予習してるかなー」
「はぁー クラブやりながら成績もって そーいうことなんだ」
「うっ だけじゃぁないよ! あなた達も頑張ってね 覚悟要るわよー」
「頑張りますけど 出来るとこまでしか 出来ないですよー」と、みずきちゃんが言っていたけど
「みずきちゃん あなた達はがんばりやみたいだから言っておくけど 限界ってね 結果に満足できない時は まだ 限界まで行って無いってことよ まだまだ努力できるのよ」
「はっ ・・・ 先輩・・・名言ですね 肝に命じておきます」
「なんか それっ 古い言い方ね」受け止め方が 何か、調子良くって不安も感じるのだ。少ししか離れて無いのだけど、世代の違いなのかなーと感じていた。
私と花梨は抱えている課題も順調に克服しようとしていたが、私の場合はミドルのスマッシュを打ち込むとスピードが落ちて威力も半減するのだ。それと、本堂監督が言っていた言葉。逆サイドへのスマッシュ それも スピードがあって短いスマッシュ バウンドの後はイレギュラーに跳ねていく 私にとっては、第2の魔球だけど・・・まだ スピードにのって打つことが出来ていなかった。
「若葉 連休中のミニ合宿 今年もやりたいネン どう 思う?」
「だね やろうか あそこに連絡してみるわー」
と、若葉が言うのには「女将さんの返事はね 来るだろうからと、思っていたのだけど 4日の日にしか確保出来なかったんだって でも、8畳1部屋は確保してあるからって だから お願いしますって言っておいたわ」
「うん じゃぁ 4日の1泊ね 決まり!」
「あっ あー 4日かぁー」と、香は困った顔をしてて
「なんや 香 都合 悪いんかぁ? デートとか」と、花梨が突っ込むと
「あー ええんやー そんなんちゃうけどー・・・」
「花梨 ほっときぃーなー 香も 色々とあるんやろからー」
「あっ そう 水澄はデートの予定は?」
「私は ・・・ 卓球一筋です! 花梨こそ 好きな子とかおらへんのぉー?」
「・・・おるでー ウチの好きな子は ここに・・・」と、私を見つめて来て
「なんやのー その眼は・・・ 私のこと?」
「うん 抱きしめとぉーなるぐらい」
「やめてよー そらぁー 私も花梨のこと抱きしめとぉーなるぐらい好きやでー でも へんな意味ちゃうでー」
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