それから 本町絢と水島基は

すんのはじめ

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第3章

3-5

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 私、小学校の時の担任の植田先生を訪ねていた。お世話になっていたし、大学に行った時も、写真を送ったきりで、挨拶もしてなかったから。留守でもいいやと思っていたけど、先生は居た。

「あらぁ 絢ちゃん 突然 どうしたの」

「すみません 突然で 私、先生に不義理しちゃったままだから・・帰省してるんで、挨拶しなきゃと思って」

「まぁ あがりなさいよ 先生も会いたいなって思っていたのよ」

 先生は、私が高校の時、雅恵ちゃんに誘われて、カラオケに行ったんだけど、その時一緒だった男の子達がお酒飲んでて、高校生なのにと警察に補導されたことがあった。保護者に引き取りに来てもらいなさいってなって、私、親に言えなかったから、先生の名前出して、お世話になったことがあった。担任の時も、いろいろ気にかけてくれて。

「高校の時、警察でありがとうございました。ウチ、あの時、どうしていいかわからなくて・・」

「いいのよ あんなこと それに絢ちゃんは何にも悪くなかったんだし それよりさ 写真見てびっくりしたのよ 水島君と・・水島君も大学へ行く前に、寄ってくれたんだけど、絢ちゃんとは長いこと会ってないって言ってたから・・」

「内緒だったんです。だって、モト君、ウチのことなんか、忘れて嫌いになっているかもって、不安だったから。でも、決心して・・初めて大学で会った時、抱きしめてくれた。とっても、嬉しかったんです」

「そう 水島君も絢ちゃんのこと、ずーと気にかけていたから、忘れてなかったんだね お付き合いしてるの?」

「えぇ 私等、見えない何かで繋がっている気がするし、だから、彼を信じています。大好きだし、モト君も好きって言ってくれたし」

「良かったわね 写真見ても仲良さそうだし 絢ちゃん、そうとう頑張ったみたいね 学校の美術の先生に聞いたんだけど、あそこの教育美術って、合格人数が少ないそうじゃぁない。逆に、こっちの教育大のほうが入りやすいって 自信あったの?」

「わからない ウチはとにかく、モト君と一緒に勉強したいって、思ってただけだったから」

「絢ちゃんってえらいわね 自分の思ったことまっしぐらだね 先生の教え子中でも、一番の努力家だわ 石川君は東大、杉沢君は京大に合格したし、先生うれしいわ 絢ちゃんは学校の先生になるの?」

「はい 植田先生みたいに、温かい先生 勉強できなくても、絵とか何か得意なことがあるんなら、それでもいいんだよ。そのうち勉強しなきゃって思える時まで そんなことを教えてあげたい だから、教員免許も取れるように頑張ってます」

「そうなの 頑張ってね これからも、水島君についていくの?」

「うん 仮に、嫌われてもずーと追いかけて行きます。嫌われないような女めざします」

「若いっていいわぁー 絢ちゃん 幸せそーだし」

「先生 ウチ 今 とっても幸せ お父さんも最初猛反対だったけど 今は あそこに行かせて良かったつて言ってくれてるし」

「そりゃーぁ 反対よねー まして 女の子 ひとりでしょ 普通 賛成しないわよー よく 押し切ったのね」

「ふふっ 私 強情だから・・・それと、モト君が居たから・・・小学校の時から・・・」
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