それから 本町絢と水島基は

すんのはじめ

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第8章

8-2

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 土曜日、家庭教師をしている家に出掛けた。しばらく、行ってなかったので、幸一郎君が進路どうなったか気になっていた。

「どうした? 話し合ったか?」

「うん 自分で決めたんなら、それで良いって だけど、商売は厳しいから、高校の間に良く考えろって」

「そうか でも、公立も馬鹿にしていたら、受かんないから、気を引き締めていこうな」

「もちろん 公立校でもトップクラス目指すよ」

「そうだよな 幸一郎君 逞しくなったな」

「そう 先生のお陰だよ」

 自分の髪の毛で遊んでいた富美子が、それまで我慢していたように話かけてきて

「先生 これ見て 直ぐにテストあっんだ」
 
 見ると数学のテストで、100点満点だった。

「すごいな 富美子ちやん 頑張ったね」

「うん クラスで1人だけだったんだよ」

「二人とも、頑張るから、先生も教えがいあるよ」

 今日は、トンカツ定食を用意してくれていた。お父さんも上機嫌で

「あいつが、店を継ぐって言ってくれたんで、嬉しくってね それまで、頑張って繁盛させなきゃってね もう、しばらく、あの子達の面倒お願いします」と、言ってくれた。

 7時を過ぎると、もう薄暗くなってきた中央公園に絢がやってきた。相変わらず、小走りで、今日は、短めの黒のワンピースだったが、黒は絢には似合わないなと思った。

「まった? ごめんね」

「いつもだけど、走ってこなくっていいんだって」

「うん そーなんやけどな どう、これ 可愛い? 最近、水泳部の女の子連中が危ないからな モトシにちょっと可愛いとこみせとこ思もてな」

「うん 可愛いよ 絢は足が真っ直ぐだから似合うよ」

「ありがとう なぁ カレー食べにいこー まだ、食べれるやろーぅ」

「うん いいけど じゃぁ行くか」

 絢はなんかすっきりした感じだった。

「茜とな お昼に会ったんやけど もう、昨日、京都から帰って来たんやって」

「そうなんか 結局、もう、行ったんか」

「写真もあちこちで撮ったらしいけど、正式に付き合って欲しいっていわれたんだって 茜もOKしたって言ってた。お互い、最初から感じるものがあったんやって・・ そんなもんなんかなぁー ねぇ モトシもウチに感じてくれてた?」

「えー どうだろー 忘れたけど でも、途中から、何かで結ばれてるような気がしてたよ」

「そう 嬉しい! ウチもな、離れられへんような気がしてた 小学校の時から、ずーと」

「それでな 茜 琵琶湖の見えるホテルに泊まったんやて ふたりで 愛し合ったって言ってたから、多分、茜 全部あげちゃったんだわ 幸せなんだって なんか、すごく、綺麗になってたわ 化粧も教えてもらったんやて」

「そうか それは、思い切り ええなぁ」

「ウチ 余計な心配やったんやろか あの子、あんまり、男の免疫無いねん 騙されてへんかったらええけどな」

「しょうがないよ もう、20才になったんやから 自分の責任や 向こうも大人やん 幸せって言ってるんやったらええんとちゃう」

「そーやな でも、離れてたら、男って、直ぐ目移りするしな 茜 苦労するの可哀そう」

「そんなん その気やったら、日帰りでも、会えるやん」

「ちゃうねん 男と女は いつでも、側に居たいねん ウチやって、いつでもモトシにくっついて居たい」

「そう言ってもらえると嬉しいけど、茜ちゃんは違うかもよ」

「ねぇ モトシ 一緒に住まへん? 嫌?」

「絢 今日、変だよ そんなこと、親達が許すわけないやん」

「ふぅーん 嫌なんだ」

「嫌なんて言ってないぞ そらー 一緒に居たいよ でも、現実的にな 自分達だけで生活できるようにならんと まだ、勉強中だし」

「うん モトシがその気あるんやったら、良いんだぁ」

 その夜、やっぱり城跡公園を通って送って行った。僕は、絢を抱きしめて、キスをしていった。そして、柔らかいお尻を触って、抱き寄せていたが、その時、絢は嫌がる様子もなく、身を任せきりだった。茜ちゃんに刺激を受けたのかも知れない。
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