60 / 80
第10章
10-4
しおりを挟む
大学対抗では、優勝したのは、慎二と美咲だけだった。美波は、バタフライに専念していのだが、100も200もタッチの差で2位に終わっていた。僕も、葵も宏美も2位だった。ただ、番外の混合リレーの女子は3チームの中では最終の美咲が頑張って、トップになった。
宏美はよっぽど、悔しかったんだろう、レースが終わった後も着替えないで、裏で、泣いていた。葵がそばに付いていたから、僕達は、声もかけなかった。今年になって、他の者よりも、黙々と頑張って、独りでランニングなんかもこなしていたから、なおさらだろう。
試合が終わった時、4人で集まっていて
「ほんと 2年の男、だらしないよね 二人とも、ビリだったじゃぁない。慎二もモトシも女の子にばっか、かまってるからよ 男なんだから、もっと 厳しくてもよかったんじゃあないの!」と、美波が痛烈なこと言ってきた。初めて、優勝出来なかったから、少し、イラついていたのかもしれない。
「でも、舞野は4位になったわよ 慎二が一生懸命教えていたし、未経験者なのに、すごいわよ」と、葵もかばってくれた。僕は、自分のことしか、やってなかったから、少し、救われた。
「次の部長はどうする? 」と慎二がみんなの顔を見ながら聞いてきた。
「実力からすると、美咲がダントツよね でも、ちょっと性格的に調子いいとこあるけどね」と、美波は言っていたが
「私は、周りを見ているのは、宏美だと思う。だけどね、この前、試合終わった後、側に行って声かけていたじゃあない その時ね、あの子、あんなに感情出したの初めてだよ でもね、何言っても応えないんだよ 自分の中で、押し殺しちゃって 私、背中をさするしかしてあげれなかった リーダーシップという点では ?マークかなー」
「葵 すまんな いつも、側に居る僕が、慰めるんかも でも、女の子だしな」
「モトシが行っていると、ややこしくなるから 葵で良かったんだよ」と、美波が言ってくれた。
「宏美はタイプ的に葵タイプだよな 葵より線が細いみたいだけど」と、慎二
「てもね あの子 最後に、私、体操部の練習にも参加します って 鍛えるみたいよ 私より、強いわよ」と、葵が言って、続けて
「私にはあなた達が居てくれたから、心強かったわよ それに、この頃、同じクラスだから、詩織が2・3人でいつも一緒に居てくれて、絢も茜も、授業一緒の時には駆け寄ってきてくれて いろいろ聞いてくれるし、楽しいのよ」と、葵が言っていたが、僕は、絢もやってくれているんだと思った。
「今年も、男はだめか 女性部長は碧先輩以来、伝統になりつつあるな」と、慎二は嘆いていた。
「やっぱり、僕は美咲が良いと思う 宏美では、付いていく方も大変だ 思い込みも激しすぎる」と、僕の意見を言った。
みんなも、同じ意見だったけど、その次がもっと大変だと感じていた。今年の新入部員3人は、未経験者どころか、みんな水泳に取り組む奴なんか居ないからだ。体育系のクラブは、どこも部員が少なくなっていくので苦労してるんだ。団体競技はもっと厳しい。
― ― ― ☆ ☆ ☆ ― ― ―
前期試験が始まる前に
「今年も、みんなで来るでしょ?」と、美波が聞いてきたが
「試験終わったら、僕は行きたいところあるから、今年は遠慮するよ」
「あぁ 俺も、パス 就活で行きたいと思ってるとこある」と、慎二も言ってきた。
「じゃあ 下の子達も多分、来ないわよ 部長の件、どうする 何時伝える?」と葵が心配していた。
「試験終わったら、ミーティング開こ それまでに、葵 美咲に打診できるか」と、慎二が提案した。
「うん なんとかね 説得しておくわ」
「美波は就職どうするんだ?」と、僕が聞くと
「うん この辺でいいところ探しているだけど 葵も地元で先生でしょ?」
「私 決めていない どこでも、いいんだ」と、その時 葵は慎二の方を見ていたのを、僕は見逃さなかった。
- - - - - - - ☆ ☆ ☆ - - - - - - -
「絢 試験終わったら、独りで行ってみたいところがあるんや すまんが、今年は独りで、先に帰ってくれ」
「なんでー どこ行くの? 一緒に行ったらあかんの?」
「うん 帰ってきたら、ちゃんと話す それまで、我慢してくれ」
「サンゴの研究所に行くんやろ?」
「うん 絢は何でもお見通しなんやなー どんなことやっているのか、自分の眼で確認したいし、まだ、続くんかどうか 雇ってくれる可能性もあるのか」
「やっぱり、そうかぁー 南の島かぁー 元気で帰ってきてよ 海に沈んじゃあ嫌よ もう、ずーとあれしてないんやから 茜なんか、いつも・・・愛してもらってるてっよー」
「茜ちゃんは、就職どうするって」
「京都の採用試験受けるって 大阪にするかも知れんって 京都でも、田舎になると遠いからな でも、直ぐに結婚して、カメラ手伝うかもわからんって」
宏美はよっぽど、悔しかったんだろう、レースが終わった後も着替えないで、裏で、泣いていた。葵がそばに付いていたから、僕達は、声もかけなかった。今年になって、他の者よりも、黙々と頑張って、独りでランニングなんかもこなしていたから、なおさらだろう。
試合が終わった時、4人で集まっていて
「ほんと 2年の男、だらしないよね 二人とも、ビリだったじゃぁない。慎二もモトシも女の子にばっか、かまってるからよ 男なんだから、もっと 厳しくてもよかったんじゃあないの!」と、美波が痛烈なこと言ってきた。初めて、優勝出来なかったから、少し、イラついていたのかもしれない。
「でも、舞野は4位になったわよ 慎二が一生懸命教えていたし、未経験者なのに、すごいわよ」と、葵もかばってくれた。僕は、自分のことしか、やってなかったから、少し、救われた。
「次の部長はどうする? 」と慎二がみんなの顔を見ながら聞いてきた。
「実力からすると、美咲がダントツよね でも、ちょっと性格的に調子いいとこあるけどね」と、美波は言っていたが
「私は、周りを見ているのは、宏美だと思う。だけどね、この前、試合終わった後、側に行って声かけていたじゃあない その時ね、あの子、あんなに感情出したの初めてだよ でもね、何言っても応えないんだよ 自分の中で、押し殺しちゃって 私、背中をさするしかしてあげれなかった リーダーシップという点では ?マークかなー」
「葵 すまんな いつも、側に居る僕が、慰めるんかも でも、女の子だしな」
「モトシが行っていると、ややこしくなるから 葵で良かったんだよ」と、美波が言ってくれた。
「宏美はタイプ的に葵タイプだよな 葵より線が細いみたいだけど」と、慎二
「てもね あの子 最後に、私、体操部の練習にも参加します って 鍛えるみたいよ 私より、強いわよ」と、葵が言って、続けて
「私にはあなた達が居てくれたから、心強かったわよ それに、この頃、同じクラスだから、詩織が2・3人でいつも一緒に居てくれて、絢も茜も、授業一緒の時には駆け寄ってきてくれて いろいろ聞いてくれるし、楽しいのよ」と、葵が言っていたが、僕は、絢もやってくれているんだと思った。
「今年も、男はだめか 女性部長は碧先輩以来、伝統になりつつあるな」と、慎二は嘆いていた。
「やっぱり、僕は美咲が良いと思う 宏美では、付いていく方も大変だ 思い込みも激しすぎる」と、僕の意見を言った。
みんなも、同じ意見だったけど、その次がもっと大変だと感じていた。今年の新入部員3人は、未経験者どころか、みんな水泳に取り組む奴なんか居ないからだ。体育系のクラブは、どこも部員が少なくなっていくので苦労してるんだ。団体競技はもっと厳しい。
― ― ― ☆ ☆ ☆ ― ― ―
前期試験が始まる前に
「今年も、みんなで来るでしょ?」と、美波が聞いてきたが
「試験終わったら、僕は行きたいところあるから、今年は遠慮するよ」
「あぁ 俺も、パス 就活で行きたいと思ってるとこある」と、慎二も言ってきた。
「じゃあ 下の子達も多分、来ないわよ 部長の件、どうする 何時伝える?」と葵が心配していた。
「試験終わったら、ミーティング開こ それまでに、葵 美咲に打診できるか」と、慎二が提案した。
「うん なんとかね 説得しておくわ」
「美波は就職どうするんだ?」と、僕が聞くと
「うん この辺でいいところ探しているだけど 葵も地元で先生でしょ?」
「私 決めていない どこでも、いいんだ」と、その時 葵は慎二の方を見ていたのを、僕は見逃さなかった。
- - - - - - - ☆ ☆ ☆ - - - - - - -
「絢 試験終わったら、独りで行ってみたいところがあるんや すまんが、今年は独りで、先に帰ってくれ」
「なんでー どこ行くの? 一緒に行ったらあかんの?」
「うん 帰ってきたら、ちゃんと話す それまで、我慢してくれ」
「サンゴの研究所に行くんやろ?」
「うん 絢は何でもお見通しなんやなー どんなことやっているのか、自分の眼で確認したいし、まだ、続くんかどうか 雇ってくれる可能性もあるのか」
「やっぱり、そうかぁー 南の島かぁー 元気で帰ってきてよ 海に沈んじゃあ嫌よ もう、ずーとあれしてないんやから 茜なんか、いつも・・・愛してもらってるてっよー」
「茜ちゃんは、就職どうするって」
「京都の採用試験受けるって 大阪にするかも知れんって 京都でも、田舎になると遠いからな でも、直ぐに結婚して、カメラ手伝うかもわからんって」
20
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
みんなの女神サマは最強ヤンキーに甘く壊される
けるたん
青春
「ほんと胸がニセモノで良かったな。貧乳バンザイ!」
「離して洋子! じゃなきゃあのバカの頭をかち割れないっ!」
「お、落ちついてメイちゃんっ!? そんなバットで殴ったら死んじゃう!? オオカミくんが死んじゃうよ!?」
県立森実高校には2人の美の「女神」がいる。
頭脳明晰、容姿端麗、誰に対しても優しい聖女のような性格に、誰もが憧れる生徒会長と、天は二物を与えずという言葉に真正面から喧嘩を売って完膚なきまでに完勝している完全無敵の双子姉妹。
その名も『古羊姉妹』
本来であれば彼女の視界にすら入らないはずの少年Bである大神士狼のようなロマンティックゲス野郎とは、縁もゆかりもない女の子のはずだった。
――士狼が彼女たちを不審者から助ける、その日までは。
そして『その日』は突然やってきた。
ある日、夜遊びで帰りが遅くなった士狼が急いで家へ帰ろうとすると、古羊姉妹がナイフを持った不審者に襲われている場面に遭遇したのだ。
助け出そうと駆け出すも、古羊姉妹の妹君である『古羊洋子』は助けることに成功したが、姉君であり『古羊芽衣』は不審者に胸元をザックリ斬りつけられてしまう。
何とか不審者を撃退し、急いで応急処置をしようと士狼は芽衣の身体を抱き上げた……その時だった!
――彼女の胸元から冗談みたいにバカデカい胸パッドが転げ落ちたのは。
そう、彼女は嘘で塗り固められた虚乳(きょにゅう)の持ち主だったのだ!
意識を取り戻した芽衣(Aカップ)は【乙女の秘密】を知られたことに発狂し、士狼を亡き者にするべく、その場で士狼に襲い掛かる。
士狼は洋子の協力もあり、何とか逃げることには成功するが翌日、芽衣の策略にハマり生徒会に強制入部させられる事に。
こうして古羊芽衣の無理難題を解決する大神士狼の受難の日々が始まった。
が、この時の古羊姉妹はまだ知らなかったのだ。
彼の蜂蜜のように甘い優しさが自分たち姉妹をどんどん狂わせていくことに。
※【カクヨム】にて編掲載中。【ネオページ】にて序盤のみお試し掲載中。【Nolaノベル】【Tales】にて完全版を公開中。
イラスト担当:さんさん
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
罪悪と愛情
暦海
恋愛
地元の家電メーカー・天の香具山に勤務する20代後半の男性・古城真織は幼い頃に両親を亡くし、それ以降は父方の祖父母に預けられ日々を過ごしてきた。
だけど、祖父母は両親の残した遺産を目当てに真織を引き取ったに過ぎず、真織のことは最低限の衣食を与えるだけでそれ以外は基本的に放置。祖父母が自身を疎ましく思っていることを知っていた真織は、高校卒業と共に就職し祖父母の元を離れる。業務上などの必要なやり取り以外では基本的に人と関わらないので友人のような存在もいない真織だったが、どうしてかそんな彼に積極的に接する後輩が一人。その後輩とは、頗る優秀かつ息を呑むほどの美少女である降宮蒔乃で――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる