私は いじわる 小悪魔が住みついた でも・・

すんのはじめ

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第8章

8-5

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 次の日、朝

「おはよう これ お弁当」

「おぉ サンク 27 ちゃんと 風呂で乳もほぐしたかー」

「あんなー 朝から なんてこと言うねん 変態! でも、腕が痛いねん ほんで あざだらけやー」

「まぁな 動かしたら、慣れて来るヨ ガンバローな 今日も」

 なるほど、30分もすると、ほぐれてきて痛いところもなくなっていた。私は、もう、惰性で身体を動かしていた。その日、私は、身体も軽くて、自分じゃあないみたいだった。

 ノックを受けていても、ボールに向かっていて、顔の前に飛んできても、怖くなかった。昂君のためにも、この可愛い顔をくずしたくなかったのだ。でも、まわりから見るとすごーい顔つきだったみたい。

「真珠 大丈夫か 真珠だよな なんか 乗り移ってるのか―」と、末永先生に呼ばれて、聞かれた。

「先生 真珠って やれば 出来る子なんだよ」と、私も、不思議だった。自分が怖い。

 お昼の休憩の時も、鈴花が聞いてきた。

「真珠 どうしちゃったの 禰豆子が戦う時みたいな顔だったよ 穣先輩に喰らいつきそうな勢いで 球 捕ってたよ すごかったんだけど」

「ウン ウチなぁー 小悪魔 抜けたかもー これから どんどん前に進む 真珠ちゃんになるんだ 王子様のためにも」

「あいつは 王子みたいな 上品なもんちゃうなー どっちかいうと 騎士カナ 真珠は村はずれでアヒルを追いかけてる ドロまみれの小娘」

「鈴花 なんやねん その ドロまみれってー 上品で清楚なかわいい娘 やろー」

「へぇー 上品ねぇー それは、彩乃先生のこと言ってんのんかー」

 その日は、午後からも調子よかった。シートバッティングでもヒットこそ少なかったが、良いあたりばっかりで、外野までも飛んでいたのだ。

 その日、帰る時、昂君が

「真珠 人が違うみたいだったな 今日 ノック受けている時も、鬼のような顔つきだったぞ」

「やだー 鈴花にも言われた 昂 そんなん 嫌い?」

「嫌 別にー 真珠が どんな顔になっても・・でも、ボールに向かって行くの 恰好良かったよ」

「そぉーう 恰好良い? でもなー 顔にだけはぶつけんようにしてたんやでー 昂のために」

「アホ でも そんな真珠の姿 好きやでー それにな 捕った後のファーストへのスローイングした後 2.3歩 流れるようにするんやー あれは 恰好ええなぁー プロみたいやー 惚れてしまう」

「えぇー ほんまぁー」と、言っているのに 彼は走って行ってしまっていた。

 ― ― ― * * * ― ― ―

 2月期の始業式の前の夕方。昂とバツティングの素振りをするため、近くの公園に出て行ったら、翠ちゃんも一緒に来ていた。

「真珠ちゃん なんか、頑張りがすごいんだってね 昂もびっくりしていたよ あのね これ 私のお古なんだけど 小さくなっちゃってね 捨てるのも、もったいないくらい 可愛いのよ 着てくんない? 持ってきちゃったー」

「えぇー 翠ちゃんのー うれしい! 着ます もらっても良いの―」

「もちろんよ 昂のお弁当も作ってくれてるしー お礼 それに、真珠ちゃんが 可愛いと 昂も喜ぶから」

「お姉ちゃん 俺 なんにも・・」

「うふっ 最近 デートも出来へんから、着たとこ見せられへんけどね」と、昂君の顔を見たけど、そっぽ向かれた。

 その後、直ぐに、翠ちゃんは帰って行った。昂と素振りをしていたけど、なんか昂の横で振っていると、どんな球でも打てる気がしていた。

「真珠 2学期 始まって、直ぐにな 男子 女子の試合やるって、監督と穣先輩が話していたよ 真珠とは敵になるんだな」

「えー ウチ等 勝てっこないやん」

「いや 男子チームは打てない奴 ばっかーなんだよ 香澄さんが最初投げて、締めくくりに鈴花が出てきたら、多分、打てない。鈴花の球は、多分、内角攻めでくるよ 速い球を 俺は今から覚悟してる」

「そーなん じゃー 昂は ウチ等がボロ負け しーひんと思ってるのー」

「ウン オーカと鈴花が打てばな もちろん、その前に真珠が出れればな 真珠が打つと、あの二人は怖いよなー 島本先輩がどう思ってるのか、わからんけど・・」

「なんや それっ ウチ次第ってことかー」

「そうなるかなー まぁ がんばれやー」

「そんなん プレッシャー やんか」

「今の お前ならできる」

「そーかなー あっ 又 今 お前って言ったやろー ウチ ほんまに 顔 歪んでも面倒見てヤー 頑張るからー」  
  
 昴は知らんふりをして素振りを続けていた。
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