まともに相手にしてもらえなくて・・ おまけにブスといわれて でも、好きなあの人と

すんのはじめ

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第2章

2-6

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 夏休みになって、私達のグループの何人かがいつも駅の近くの公園でたむろしていた。そして、久美を頼って1年生の子も時々顔を見せていた。私に、紹介していたが、申し訳ないけど、私はあんまり興味がなかったのだ。それよりも、このグループのこと いつまでもこのままじゃぁいけないと感じ始めていたから・・。

 8月になって、お母さんが

「紗奈 お盆休み取ったから 宮津に行こうね」

「えー あんまり行きたくないなー だって 今年も、花火も中止なんでしょ つまんない」

「そんなこと言わないでよー もう ずーと行ってないし おばあちゃんも紗奈に会いたいって・・だから、今年は行こうよ」

「うーん おばぁちゃんかー・・ 元気かなー」

 宮津はお母さんの実家なんだ。もう、最後に行ったのは、私が小学校の6年の時だから、5年も経つ。おじいちゃんの初盆の時だ。用水路で朝になって発見されて、多分、酔っぱらって落こっちゃって、そのままだったんじゃぁないかと・・突然だった。

「そうよ あの人も いつまでも元気かどうかわからないわよ」

 前の日の夜、小さめのトランク型バスケットに、用意をしていると

「紗奈 その短いショートパンツで行くの? 久しぶりなのに、もっと、女の子らしい恰好にすればー」と、お風呂あがりのお母さんが言ってきた。

「うーん 旅行中はこのほうが楽やん 脚も広げられるしね でも、ワンピースは入れたよ 向こうで着る」

「じゃぁ せめて帽子はストローハットのものにね 野球帽は嫌よ」

「そうかなー この方が恰好良いと思うけどなー」

「恰好良いと思ってるのは本人だけよ ストローハットの方がリボンも付いているし可愛らしいわよ 一応 それでも女の子なんだからー 見た目だけでもネ」 お母さん! 娘に対して一言多いんだよー

 私達は京都から特急に乗って、宮津に着いた。お父さんは何だかんだと理由をつけて、来なかった。おそらく、何日かはゴルフなんだろう。私は、着いたらタンシチューを食べさせてねという条件で了承したのだ。市内の洋食屋さんで、昔、お父さんに食べさせてもらって、とってもおいしかったのを、思い出していたのだ。

 少し、歩いてお店の前まで行くと・・あぁ そうだ こんな、いかにもって感じの洋食の古いお店。幸い、2階の道路側の席に案内してくれた。おいしい・・思い出した・・この味。あの時、あんまりおいしいと言う私をみて、お父さんも満足そうな顔をしていた。今は、お母さんが、珍しく、柔らかな微笑みを私に向けていた。その時、私もおいしそうに喜んでいたのだろう。こんな素直な私をお母さんに見せるのはひさしぶりなんだ。

「サダちゃん まぁ 大きくなって・・」と、私を見るなりおばぁちゃんに抱き寄せられてしまった。

「おばぁちゃん 元気そうで良かった・・ ねぇ ウチ 汗くさいから・・もう・・ 離して」

「そうかい そうかい 外は 暑いからね こっち来な 裏の縁側なら、涼しい風が通るよ 冷えたスイカもあるだで」

 お母さんの実家は、市街地から少し、離れていて、歩くと30分くらいかかる。タクシーには中途半端に近いけど、お母さんが歩くのは嫌っと言って・・・。お母さんは2人姉弟で、3つ下の弟さんが実家の農業を継いで、結婚していて、確か私より4つ下の女の子と、また、2つ離れて男の子が居る。

「やぁ サダちゃん ようきんしゃった 姉貴も・・」と、日焼したお母さんの弟さんが声を掛けてきた。「田んぼの空いたところでモロコの養殖をやっとるでな、ちょっと行っとった」

「あっ おじさん お久しぶりです」

「おぉー 大きいなったな ワー 脚長いのー スラーとしとる ウチの子等と やっぱー 都会の子は、違うのー」

 確かに、おじさんのところの子供たちは、日焼けしてるんだけど、ぽっちゃり気味で、栄養満点なんだろうか、運動不足なんだろうか。

 一息ついたところで、おばあちゃんが

「サダちゃん お風呂で汗流しといで 浴衣を用意したんじゃ サダのを 着替えなさい」
 
 出てくると、おばぁちゃんが待ってくれていて、扇風機のある座敷に連れて行ってくれて、髪の毛を拭いてくれていた。

「サダちゃん すまんのー ワシがこんなじゃから・・あんたに、継がれてしもたんじゃな」

 おばぁちゃんも髪の毛がチリチリで今は、短くして坊主頭みたいにしている。やっぱり、小さい頃はみんなからからかわれたみたいだった。私が生まれて、まもなくして髪の毛がチリチリになりだして、おばぁちゃんは、そのことを気にしていたと、お母さんから聞いたことがあった。そして、詳しいことはわからないが、おばぁちゃんのおばぁちゃんは外国の人だったらしいのだ。私も、何分の一かは外国人なんだろうか。お庭からは、扇風機の風とは違う樹の香りと共にそよ風が入ってきていた。お母さんが生まれ育った家の風なんだ。

「おばぁちゃん ウチ そんなん気にしてへんでー お父さんも、フランス人形みたいで可愛いって言ってくれてるし・・」

「そう フランス人形ね 確かに 眼も大きくて お人形さんみたいね」

「ウチ おばぁちゃんの団子汁 食べたい」

「そうかぇ 覚えていてくれたんか じゃぁ 明日 アゴ 買ってきて、作るね」

 汗もおさまったところで、紺地に花菖蒲の絵柄の浴衣を着せてくれた。私、初めてだった。浴衣着たの! 髪の毛も普段は纏めているんだけど、久々に、横を少しだけリボンで結んで横に広がってフワッとしたままだった。乾いてくると髪の毛がチリチリになってくるんだけど、誰にも、遠慮は要らなかったのだ。

 その夜は海のものが並んでいて、私の好きな白イカとかトリ貝なんかもいっぱいあった。そして、街の花火が中止になったからと、庭で色んな花火を・・もっとも、おじさんの子供たちを喜ばせるためだったんだろうけど・・。

 上の子の百合子ちゃんが、私に懐いてくれて、ずーと傍から離れなかった。やっぱり、白地に朝顔の絵柄の浴衣を着せてもらっていた。下の勇作君は、まだ、恥ずかしいのか、あんまり、寄ってこない。この前、会ったときは、まだ、小さかったから、一緒に遊んだ記憶が曖昧なのだろう。

 次の日、橋立の海水浴場に皆で出掛けた。海に入っても、百合子ちゃんと一緒に浮き輪で泳いでいたけど、だんだんと慣れてきたのか、勇作君とも泳ぐようになってきて・・そのうち、平気で触れ合うようになっていた。私も、年下の子達だから、普段の男とか女のことも忘れて、気負いもなく、子供の気持ちにかえっていた。

 その夜は、おばぁちゃんが港の広場に私達子供を連れて行ってくれて、少しばかりの夜店が出ていたのだ。ヨーヨー釣りとかたこ焼きで楽しませてくれて

「サダちゃん あんたが素直な優しい子に育ってくれていて、安心したよ 毎年、ワシに絵を描いて年賀状も送ってくれてな ありがとうな」

「おばぁちゃん そんなー ウチも おばぁちゃんのこと 大好きやでー いつまでも元気でな」

 私、少し、ゆがみ始めているような、今の生活。友達も少ないねんとは・・言えなかった。私、何を目標に生きているんやろー。だけど、おばあちゃんと接していると、こころが洗われたような気になって来る。


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