まともに相手にしてもらえなくて・・ おまけにブスといわれて でも、好きなあの人と

すんのはじめ

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第5章

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「サダちゃん 今年も宮津に行く? おばぁちゃんが待っているってー」

「うーん 塾もあるしなー お母さん 今年は止めとく もしかして、CORONA移すかわからんしー ええかなー」

「まぁね おばぁちゃん がっかりすると思うけどー しょうがないよね そのかわり 合格の報告には行くようにしなさいよね」

「そうだねー そうしたいよねー」

 私は、お盆に2日間塾が休みになる時があったんだけど、その時くらいは充君とどこかに遊びに行きたいと思ってた。だから、おばぁちゃんにはゴメンナサイと言っていたのだ。

「なぁ 充君 塾の休みの時 プールでも行こうよ 一緒に」

「えぇー プールかぁー」

「嫌? ウチの水着 見れるデー」

「うーん ハダカやったらナー」

「またぁー このすけべー 行くのん嫌なん?」

「でも、休業中やでー 多分」

「だったらさー 海までいこー その方が感染の可能性低いしー 敦賀まで京都から2時間ぐらいやん」

「えぇー だったら須磨の方が近いんちゃうかなー」

「だってさー 敦賀のほうが海っぽいやん ゆっくり座っていけると思う」

「かなー でもな 今はシャワーもないかもしれんぞー」

「ええよ そしたら 泳がへんもん つかるだけ なっ お弁当食べるだけでもええやん ウチ 作るしー」

 結局、なんとなく乗り気がしてない充君を連れ出して、私達は、京都駅から敦賀行きの快速に乗って、電車の中では問題集をやりながら、敦賀駅からはバスで気比松原海水浴場に着いた。

「わぁー ずーと松林やでー あっち 砂浜がずーと続いてるヤン 海もきれいね」

「そーやなー きれい 砂も白いねんなぁー」

 海辺は比較的すいていた。海水浴客もまばらで、確かに浜の茶屋なんかも無かったのだ。

「なーんやー せっかく水着も持ってきたのになぁー シャワーないとねー」

「浸かるだけって ゆうとったやん しゃーないでー」

「だね でも 短パンで来て良かったわー 脚だけでも海に入れるもんね」

 私は白いジーンのサロペットの短パンにTシャツ、麦藁帽で来ていたので、波打ち際まで行って、背負っていたリックを下ろし、直ぐにサンダルを脱いで、海に浸かって行った。

「わぁー 水がきれいだよ 気持ちいいー 充君も早くー」

「紗奈 子供みたいだなー あんまり はしゃぐと転ぶぞー」

 といいながらも、手を繋いで、時たま、水を蹴り上げたりして海の中を歩いたりしていた。そして、木陰をみつけて、お弁当を食べて・・トンビが私達のお弁当を狙っているのがわかった。時々、背中のほうから近くまで急降下してくるのだ。まるで、ここは自分達の庭だって言わんばかりだった。

「なんか 怖いね あいつ・・」

「だね でも、こっちが見てると来ないんだよネ 賢いね たぶん 紗奈の弁当がうまそーなんだよ」

「だってさー 充君に馬鹿にされたくないから、頑張って作ったんだよ」

「ウン 紗奈のはいつも うまい」

「ありがと そう 言ってくれて」と、私は、唇だけチュッとするふりをしていた。

 その後、突堤まで行って、海の中の小魚が岩の海藻を突っついてるのが見えたりしていた。大きそうな魚は見えない。確かに、漁船がいっぱいあるふうでも無かったから、この辺りでは、もう、捕れないんだろう。そして、帰る時、松林を歩いていて、人影が無いのを確かめて、私は決心して

「ねぇ ウチのこと好き?」と聞いたら、充君は「ぁぁ 好きだよ」と、言ってくれて

「・・やったら・・ ねえ」と、私は、歩くのを止めていた。充君は私を抱き寄せてくれて、帽子をずらして、私の髪の毛を抱くように唇をあわせてきてくれたのだ。どれぐらいの間だったのかわからなかった。私の中では小学校からのながーい時間だったように思えていた。

「ずーと我慢してたんだ でも紗奈が嫌がるかもと思うとな・・もう、我慢できない 紗奈のこと抱きしめたいと思ってた」

「・・ウチも・・してほしかった・・ずーと」

 帰る時、ずーと、ふたりとも話すこともなかったのだ。ただ、手だけは繋いでいて、電車の中で私は頭を充君の肩に預けるようにしていた。幸せにひたっていたのだ。

 別れる時、充君は私の手を握り締めてくれて

「いいかー 絶対に 一緒に行くんだぞー」と、言ってくれた。私は、さっきの時から身体中が火照っていて夢ごごちだったんだけど・・。「わかった ついていくよ 絶対に離さんとってよー」


 塾の休みが終わって、充君と顔を合わせたとき、私は、少し恥ずかしかった。そして、その日は何となくぎこちなく、あんまり話をしなかったのだ。

 昨日の夜も寝ようかとベッドに入った時、あの時のことが思い出されて・・あの時、私が充君の背中に手をまわしたら、腰をぐっと引き寄せられて、お腹あたりに充君の・・多分 あの部分なんだろう。確かに、あたっている 充君のもの・・とわかってしまっていた。当たり前なんだけど、小学校の時とは違うと、私は、そのことが頭をよぎってしまって、身体が火照ってくるのがわかった。そして、また、茜さんのあの時の光景が蘇ってきて、身体の中心も疼いてきていたのだ。

 しばらく、寝付けなかったので、起き上がって、自分にしっかりしろって、参考書を引っ張り出していたのだ。

 塾を出て、別れる時も、あの時のことが無かったように「サヨナラ又明日ね」と言って別れてしまっていた。だけど、私は、歩きながら 今度はいつ? また、してくれるの? と・・・やっぱり、こんなんじゃーしなきゃ良かったのかも とも考えたりもしていた。充君は平気なのー あんな風に普通に・・サヨナラなんて。

 家に戻ると、おばぁちゃんから私宛に天橋立の知恩寺の文殊のお守りが届いていた。私の為に行ってきてくれたんだ。中から手紙が「私の孫なんだからどんなことにも負けないで向かっていくんだよ」って短い文が入っていた。涙が滲み出てきたけど・・

「そうなんだよ 私は グジグシしてちゃーだめなんだ 今の目標は合格すること 一緒に受かれば、いくらだって いちゃいちゃできるもんね」と、自分に言い聞かせていた。吹っ切れたように、何故だか水シャワーを浴びていた。冷たかったんだけど、これは試練なんだとバカなことを考えていたんだ。 
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