まともに相手にしてもらえなくて・・ おまけにブスといわれて でも、好きなあの人と

すんのはじめ

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第5章

5-6

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 2学期になって最初の土曜日。塾の日だ。髪の毛を切って、初めて充君と会う。なんて言うかなーって、切ったこと少し後悔していたのだ。それに、キスしたあと何となく、ふたりの間はぎこちなかったしー。

「おはよう 充君」

「・・・あっあー・・」

「なぁ なんにも 感想無いのー?」

「べつにー まだまだ暑いね」

「もうー あのなー 充君に何にも相談無く、こんなんにしてもうてごめんナ」

「べつに 俺に相談することじゃぁないよ 紗奈がいいと思うのならーそれで 別に、見た目が変わったからってー 紗奈が変わるわけじゃあないし いいんじゃないのー」

「なんか そーいう言い方ってー ずるーい ウチ 充君に勝手なことすんなって 怒って欲しかった だって ウチ 半分は充君のもんやでー」

「なんだよー 俺のもんなのかー いつからー?」

「ウーン ウチが勝手に決めてるだけ」

「そうかー じゃぁなー 髪の毛をどうしようが 紗奈はいつだって可愛いよ」

「・・ ウン 充君には嫌われないように いつだって可愛くいるね」

「バカ 普通にしてればいいよ それよりな紗奈 すまん 後期試験 鳥取にして良いか? 募集人数も多いからな」

「うん べつにー ええけど・・ 京大に行くんやから、あんまり関係ないやん」

「うん だけどな・・ 最悪のこと考えるとな・・」

「なんやー 歯切れ悪いなー」

「縁起悪いねんけどなー 静岡は工学部ってキャンパス違うからな だからー 同じ大学でも 紗奈とは」

「ふーん 鳥取やったら 一緒ってわけかーぁ それで、ウチのこと考えてくれてたのか ええよ ウチは・・どこでも付いていく でも 京大なんやろー? 」

 私は、休憩時間になると、傍に寄って行って、わざと充君の手を触っていった。心の中では好きって言っていたのだ。

 その夜、私は、彼の言っていた言葉を思い出していた。充君は少し弱気になっているみたいだ。最悪のこと考えるなんて・・・確かに、揃って受からなかったら・・どうしたら良いんだろう。

 
 そして、直ぐに統一模試があった。私は、初めて、第一志望に京大の名前を書いた。結果、B判定だった。私が気にしている様だったのか、掛川先生が

「瀬戸内さん 順調そうだよ B判定なんて立派なもんだよ 他の大学書いてればAだったかもな この調子で頑張れよな」と、励ましてくれたみたい。

 お母さんに報告すると

「そのB判定って どれくらいなのー? 良くないの?」

「うーん 受かるか落ちるかっていうと 受かる可能性の方が少し高いって程度かなー」

「そう 受かるのね」

「だからー 可能性あるってだけだよ まだ これからなんだからー」

「そう サダちゃん 髪の毛切っちゃったから お母さんね ガックリしちゃってー その頭見ると 毎日、男の子 と居るみたいでー」

「ごめんね お母さん だけど、直ぐ伸びてくるよ 今は、スッキリした気分で頑張れてるからー」

「だったら いいけどー お父さんは 可愛いじゃあないかって ノー天気だしー お隣さんにも 言われたのよ サダちゃん あんなに髪の毛短くしちゃって なんかあったの?って」

「いいじゃん 元気ですよーって 言っておけばー」

「ちがうのよ 変な仲間に入っているから、やっぱりネ って陰でウワサしてるのよ きっと」

「お母さん 気にしすぎだよ ウチは 真直ぐに生きています」

 ― ― ― * * * ― ― ―

 9月の中旬になると、学校の体育祭があった。私は、どっちかというとうっとおしかったのだ。女子は団体のチェアダンスとかで練習しなきゃぁなんないし、中には興味のない者もいるので、合わせて踊るなんてこと意味あるのかなって思っていた。振付を覚えられない子がやっぱり居て、みんなから白い眼でみられるし・・。

 当日、組対抗の全員リレーというので、みんなが50mずつ走るのだけど、私の番で走っていると、あの瑠衣の応援してくれている姿が見えて、その横で天野結華さん達クラス女の子達がみんなで私を応援してくれているのも見えた。そして、私は夢中で走っていた。そんなに、早くなかったのだけど、気分は爽快だった。

 そして、共通テストの申し込みが始まって、私の一番苦手な科目、社会では日本史を選んで出した。充君は世界史にしていたんだけど、私には、どうも外人の名前が覚えられないし、あっちこっちの事柄がごちゃになってしまって、とっつけなかったからだ。

「サダちゃん 本当に受けるのね お母さん まだ 夢見てるみたい こんなに勉強する子だって、思ってなかったから」

「お母さん 私は 本当は勉強好きなんだよ 小さい頃から だって先生は知らないことばっかりお話してくれるんだもの」

「そうね 絵本を読んであげても、一生懸命に聞いていたわね だから、字も読めないのに、お話の内容を全部、覚えたりして暗唱してたわね まだ、幼稚園にも行ってないのに」

「そーだったかなー 覚えてないけど お母さんの膝の上で、よく読んでもらった記憶はあるよ」

「そうだったわね お母さん サダちゃんが生まれた後 どうしてか、次の子が出来なくって お父さんもお母さんも あなたに愛情をすべて注ぎ込んできたのよ」

「わぁー 私 責任重大だね 両親の重い愛情」

「ふざけてるんじゃぁないの だから 軽はずみなことはしないでね」

「なに? 軽はずみなことってー」

「だから 他人に迷惑を掛けるとかー 女の子なんだから、男の子とのこととかー」

「大丈夫 安心して 変なことしないよ! 男の子も充君しか居ないから」

「そんなにむきになんないでよ そんな眼しないの・・ その充君とのことも、一応、心配よ 怒らないでよ お母さん あんまり、あの子のこと知らないから それに、どんなお付き合いなんかも 良い子だとは思うけど 取返しのつかないことだけはしないでネ」

 取り返しのつかないことってなによー 充君はそんな無責任な男ちゃうわー 私の嫌がることはしてこないしー と、心の中で言い返していた。
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