17 / 17
第2章:『悟る、孤高の委員長』
悟る、孤高の委員長8
しおりを挟む堀さんは、ある放課後にクラスの子に話があると時間を設けた。
「ごめんね皆。私少しお話があるの」
人望の厚い堀さんの言葉は、誰も文句を言わずに受け入れた。
「私さ、1人が好きなの。だからもう今までのようにお話しに行くことは少なくなると思う。静かに本を読んでいたいわ。でも、一つだけ覚えてほしいことがあるの。私は皆のことが大好きで、決して嫌とかそういうのじゃない。ただ、静かに過ごさせてほしいの」
「私のワガママをどうか受け入れて下さい」
堀さんは皆にペコリと一礼をした。クラスの皆は、突然の告白に無言であった。何が起きているかは分からないけど、そういうことならという感じの雰囲気を醸し出していた。
その日はそれで解散した。次の日から噂話や、陰口がちょくちょく耳に入ってきた。あんな事を言って、本当は私達を見下しているのよ。とか、なんか自分に酔ってんのかな委員長。とか、つまらない妄言だ。
堀さんの言葉の真意を理解したいる人間はどのくらいいるのだろうか?嫌いにならない人はどれだけいるのだろうか?人望の厚い委員長は消え、堀さんは今、好きな時間を有意義に、主に読書などをしている。
「ねえ木下君お話しましょうよ」
「おう堀さん、調子はどうだい?」
「ボチボチよ」
堀さんの爪は綺麗になっており、憑き物が落ちたみたいであった。以前のとは比べ物にならないくらい1人で過ごしている。休み時間、授業の移動など、そんな感じだ。寂しくはないのだろうか?でも、不思議と生き生きとしている。
「良いのか?1人が好きなら無理に話そうとしなくて良いぞ」
「まーね木下君。あれは、皆を傷つけないようオブラートに包んだものいいだったけど。本当にそうみたい。1人が楽で楽でたまらないの」
「寂しくないのか?」
「寂しくないわ。でもね木下君。どんなに1人が好きであっても、人間は社会的な動物だわ。だから、ときどき人と話したくなるの」
「そんなものなのか」
「だから今私は木下君とお話がとてもしたいの」
よくよく考えてみれば、異性の同級生に私今貴方ととってもお話したいというセリフが臭く感じたのだろうか?全然俺は気にしないけど。堀さんの顔が少し赤くなっているように感じた。
「あらあら、委員長。木下君は私のものだわ。私に許可を取りなさい」
神崎はわざとらしく、俺に首に抱きついてくる。俺のことをものだと思っているのだろうか?
「神崎さん。木下君貸して」
「仕方ないわね。特別よ委員長」
「ありがとう」
「ねぇねぇ木下君。この前読んだ本でとても興味深い話があったの聞いて聞いて」
「どんな話?」
堀さんは、時たま、こんな感じで一気に話すようになった。楽しそうで何よりだ。そして、頭の良い人の話って面白いので俺にとっても楽しい時間だ。
「木下君。何事にも例外があるってことを知っている?」
「何かによるけど知っているつもり」
「そう。木下君もまた私にとっての例外みたい」
「つまり」
「何も気にせず、楽しくお話できる唯一の人間ってこと」
「おう、光栄だぜ」
私が照れている仕草を見て、堀さんはクスクスと笑っていた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる