ゴブリン戦記

木下寅丸

文字の大きさ
4 / 47

4話:『西の魔女』

しおりを挟む

私の名前はピーチ。


魔女だ。
森の中で1人、優雅に暮らしている。
お父さんとお母さんは、とうの昔に死んでしまった。
なのでただ一人。。。


散歩は日課。
家に籠りっきりだと錆びついちゃうからね。
今日も家の周囲を回っている。



今日は珍しいものを見つけた。
行倒れの人間だった。
顔に生傷があるわけでもないのに、
包帯をグルグル巻きにしているのはなんでだろ?


優しいお姉さんは、
看病をすることにしたぞ!



・・・



見つけた日から、今日で丁度一ヶ月。
まだ目を覚まさない。
看病ごっこも飽きてきたし、
そろそろ捨ててこようかな?








少年は夢を見ていた。

とても長い夢だ。



育てられた3人の父親が次々に死んでいく。
切られた。
首が飛んだ。
弓で射られた。


僕は逃げた。
逃げついた先で、また同じ光景が繰り返される。


育てられた3人の父親が次々に死んでいく。
切られた。
首が飛んだ。
弓で射られた。


僕は逃げた。
逃げついた先で、また同じ光景が繰り返される。


育てられた3人の父親が次々に死んでいく。
切られた。
首が飛んだ。
弓で射られた。


僕は逃げた。
逃げついた先で、また同じ光景が繰り返される。



どこへ逃げても、最初に戻る。

切られ、首が飛び、射られる。


無限のリピート。
少年の人格は破綻する。
繰り返される度に、徐々に。


悲しみが、憎しみに。
涙が、怒りに。
自分の非力さが、勇者への憎悪に変わる。



「復讐だ、、、、」



夢はそこで消えた。






ピーチ:「ゴミ捨て完了!」「あばよ、達者でな!」


ピーチは粗大ごみを捨てた。ドサッ!
粗大ごみに、君と過ごした日々は忘れないよと涙ぐんだ。
お別れの言葉を口にする。


すると、
粗大ごみが動き出した。


スー:「いてぇ。何がどうなってるんだ」
ピーチ:「ありり、生きてたのか」




少年と魔女はこうして出会った。




スーは魔女と名乗る女の子を見つめていた。
見た目は18歳くらい、自分よりも年齢は上に見える。
しかし、大人にも見えない。
服装は正に魔法使いそのもの。昔絵本で読んで貰ったような、
黒いローブにとんがり帽子。
箒で空飛んでいたことには驚いた。


スー:「助けてくれたことには感謝する。けど、俺には行くところがあるから、、、すぐに出て行くよ」


ピーチは少年を見ていた。
明らかに人間なのに、ゴブリンだと言う。
聞いてみると、数奇な人生。
目の下の深いクマは、それが原因なのかな?


こんな丁度良い暇つぶし道具を
なぜ、みすみす逃がさなきゃいけないのか返答に困っていた。


ピーチ:「復讐か、、、。辛かったんだね。分かるよ、男にはやらなきゃいけないことってあるもんね」
   :「でもさ、君強いの?」


スーは大袈裟に分かる、分かるよという魔女を怪しんでいた。
これ以上、話すことはないだろうと別れを告げた。


スー:「それじゃあ行くよ」


外に出てみると、一体のゴーレムが立っていた。
襲ってくる気配はなかった。


ピーチ:「試してあげるよそいつで。君の思いの強さというものを」


スーは弱かった。

数秒でやられた。
思いの強さと力の強さは別ものであった。


ピーチ:「私が手伝ってやるさ。勇者とやらを倒せるようにね」


不敵な笑みを浮かべながら、
倒れているスーに向かって言った。







・・・

・・・・・





一年後



ピーチ:「準備は出来たのかい?」
スー:「ああ。厳しい稽古も終わった。後は行くだけさ」
ピーチ:「寂しくなっちゃうね、、、」


ピーチは一年間の思い出に振り返っていた。

自分の思いつくままにした、稽古という名のいたずらも今日で終わり。
今日で最後か、、、。


スー:「それじゃあな。色々あったけれど、ありがとな」
ピーチ:「それじゃあね。いつか帰ってくるから。涙」



スー:「え?」
ピーチ:「え?」



ピーチは家に別れを告げた。
旅について行く気満々だったようだ、、、。











ピーチ:「それ、まだ着けていく気なのかい」
スー:「うるせぇ。包帯は俺のアイデンティティだ」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【架空戦記】狂気の空母「浅間丸」逆境戦記

糸冬
歴史・時代
開戦劈頭の真珠湾攻撃にて、日本海軍は第三次攻撃によって港湾施設と燃料タンクを破壊し、さらには米空母「エンタープライズ」を撃沈する上々の滑り出しを見せた。 それから半年が経った昭和十七年(一九四二年)六月。三菱長崎造船所第三ドックに、一隻のフネが傷ついた船体を横たえていた。 かつて、「太平洋の女王」と称された、海軍輸送船「浅間丸」である。 ドーリットル空襲によってディーゼル機関を損傷した「浅間丸」は、史実においては船体が旧式化したため凍結された計画を復活させ、特設航空母艦として蘇ろうとしていたのだった。 ※過去作「炎立つ真珠湾」と世界観を共有した内容となります。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

処理中です...