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調教される日々
風呂場での出来事
明るい…。目に光が刺さる。ここはどこだ。なんでここにいるんだ。庵ははっきりしない意識の中ここはどこなのか、なんで今ここにいるのかということを必死に考えていた。1つ確かに分かることはこの部屋は音が響くということだった。音が響く…?そんな部屋1つしかない。風呂場だ。段々と意思がハッキリしてきた庵は状況が少しずつ掴めてきた。そんな庵の様子に気づいたのだろう。庵の体を洗っていた亮が話しかけてきた。
「悪い庵。起こしちまったか。もうちょっとで体洗い終えるから目閉じて休んどけ。」
亮のその声を聞いた庵は先程のことがフラッシュバックした。この男と同じ空間にいる。それだけで気持ち悪くなってしまう。庵は耐えきれなくなり立ち上がった。そして亮を突き飛ばした。その時全身に痛みを感じたがそれに堪えてでも亮から離れたかったのだ。
「っ、い、らなぃ…!」
「………庵。」
庵に突き飛ばされた亮は笑みを失い庵を見る。庵はその亮の顔が怖かった。震えた。足だって痛い。腰も痛い。手も首も拘束具が着いていたとこも全部全部痛い。立つことも辛い。ここにいることも辛くて庵は生理的な涙が溢れてきた。
「そんなのいらねぇよっ、それより、こんなことよりもっ、ここから出せよ…っ!」
庵は亮に怒鳴られる覚悟でそう叫んだ。だが何故か亮は怒らなかった。怒るどころか庵の話を最後まで聞いてくれた。そして庵が話し終えた時亮はゆっくりと庵に近づいていった。
「相手が俺でよかったな。こっち来い。」
「はなせっ、いやだっ!」
亮は嫌がる庵の手を引き自身の腕の中に閉じ込めた。そして椅子の上に座りその自分の上に庵を乗せた。それは庵の身体が限界だと知っていたから。立っている時も足をプルプルとさせてまるで産まれたての子鹿状態だった。その庵の様子を見たから亮はすぐに庵を抱き寄せ今の形にしたのだ。力ずくではあったが庵を休ませるための亮なりの優しさだった。
「いいから暴れんな。ここで大人しくしてろ。体痛いんだろ?」
「い、やだっ…!」
「ほら、いい子だから大人しくしろ。まだ薬も抜けてねぇんだ。そんなに暴れたら血流がよくなって余計に薬が回っちまうぞ。」
亮が庵を落ち着けようと頭を撫でたり背中を撫でたりして優しく話しかける。だが庵は中々落ち着いてくれなかった。それどころか亮が近くにいるというパニックから余計に暴れだした。
「やだっ、はなせよ…!!」
「庵。ゆっくり息をしろ。過呼吸になる。」
「ならっ、それならお前がはなせよっ!!」
「それは無理だ。こんな状況のお前をほっとけねぇ。」
「はな、せっ、なんで…っ。」
先程とはまるで別人だった。あれだけ泣き叫んでもやめてくれなかったのに今は優しくしてくる。頭すら撫でてくれる。辛いことをしてこない。痛いことも苦しいこともしてこない。でもやっぱり庵は亮が怖かった。辛いことをされないからってさっきのことを忘れられるわけじゃない。そうなのに…怖いのに人の温かさに…亮の温もりに触れると庵は自然と涙が溢れだしてしまった。そんな庵を亮は優しく撫で続ける。
「お前の世話を頼まれたからには最後までやる。それだけだ。」
「…ふっ、ぅ…おまえなんか、きらいだっ…。」
「今は嫌いで許してやる。」
庵は亮がわからなくなっていった。地雷が分からない。怖い。けど今この場にはこの人しかいない。久々に触れることのできた人の優しさ。庵は母親に抱きしめられている感覚になった。会いたい。恩返しがしたい。もう会うことの出来ないと理解すればするほど庵は涙が溢れ出ていった。
「ぅ、ふ…うぅっ、ぅ…っ、」
「泣け。溜めてるもん全部吐き出して楽になれ。」
亮は庵の目からこぼれ落ちる涙を手で拭いながらそう言った。時より優しく抱きしめ庵の背中を撫でてくれる。亮がそんなふうに長いことしてくれたこともあり庵は少し落ち着くことが出来た。
「なんで、なんでなんだよっ…なんでっ、きゅうに、優しくしてくるんだよ…っ、さっきは、あんなに…っ。」
「若の頼みだからだ。」
その亮の言葉を聞いて庵は思った。龍之介が殺せと言えば容赦なく殺してくるだろう。怖いけどそっちの方がいい。庵が早くその日が来ないかなぁなんて思っていたその時亮に顔を掴まれた。
「まぁ本音言うと思った以上にお前が可愛くて世話してるって言うのもあるな。いつもだったら風呂場に投げ捨てるからな。」
「……さいていだ。」
「口答えする元気が出てきたか。いい事だ。」
亮はそういいニカッと笑うとシャワーを手に取り、流すぞ?と言ってきた。そして優しく身体を流してくれた。そのシャワーの温度が心地よくて庵は再び睡魔に襲われる。あれだけ泣き叫んだこともあり体がとても疲弊している。だから体が睡眠を欲しているのだろう。眠りたくないのにまた眠ってしまいそうだ。
「お、眠くなってきたか?」
「…そんなんじゃ、ない。」
「そうかそうか。まぁ眠くなったらいつでも寝ろよ。」
亮はいつまでも強がり強気でいる庵が愛おしくなっていた。こんなはずではなかった。ただの龍之介のお気に入りでただ遊ぶだけのつもりだった。なのに何故か夢中になっている自分がいたのだ。それはきっと瀧雄も同じだろう。だが亮と瀧雄はこの気持ちに蓋をしなければならない。それは庵が龍之介のものだから。そんな風に亮が色々考え込んでいると腕の中にいた庵に動きが無くなった。その庵の顔をのぞき込むと庵は夢の中へと入っていっていた。
「寝たか庵。いい子だ。」
亮は眠ってしまった庵の頭を撫で頬に軽くキスを落とした。そして庵の寝顔を見てため息を漏らした。
「もし若に捨てられたら俺が責任もって育ててやるよ。まぁそんな日は一生来ねぇだろうがな。若があんな顔したの初めて見たんだからよ。」
「悪い庵。起こしちまったか。もうちょっとで体洗い終えるから目閉じて休んどけ。」
亮のその声を聞いた庵は先程のことがフラッシュバックした。この男と同じ空間にいる。それだけで気持ち悪くなってしまう。庵は耐えきれなくなり立ち上がった。そして亮を突き飛ばした。その時全身に痛みを感じたがそれに堪えてでも亮から離れたかったのだ。
「っ、い、らなぃ…!」
「………庵。」
庵に突き飛ばされた亮は笑みを失い庵を見る。庵はその亮の顔が怖かった。震えた。足だって痛い。腰も痛い。手も首も拘束具が着いていたとこも全部全部痛い。立つことも辛い。ここにいることも辛くて庵は生理的な涙が溢れてきた。
「そんなのいらねぇよっ、それより、こんなことよりもっ、ここから出せよ…っ!」
庵は亮に怒鳴られる覚悟でそう叫んだ。だが何故か亮は怒らなかった。怒るどころか庵の話を最後まで聞いてくれた。そして庵が話し終えた時亮はゆっくりと庵に近づいていった。
「相手が俺でよかったな。こっち来い。」
「はなせっ、いやだっ!」
亮は嫌がる庵の手を引き自身の腕の中に閉じ込めた。そして椅子の上に座りその自分の上に庵を乗せた。それは庵の身体が限界だと知っていたから。立っている時も足をプルプルとさせてまるで産まれたての子鹿状態だった。その庵の様子を見たから亮はすぐに庵を抱き寄せ今の形にしたのだ。力ずくではあったが庵を休ませるための亮なりの優しさだった。
「いいから暴れんな。ここで大人しくしてろ。体痛いんだろ?」
「い、やだっ…!」
「ほら、いい子だから大人しくしろ。まだ薬も抜けてねぇんだ。そんなに暴れたら血流がよくなって余計に薬が回っちまうぞ。」
亮が庵を落ち着けようと頭を撫でたり背中を撫でたりして優しく話しかける。だが庵は中々落ち着いてくれなかった。それどころか亮が近くにいるというパニックから余計に暴れだした。
「やだっ、はなせよ…!!」
「庵。ゆっくり息をしろ。過呼吸になる。」
「ならっ、それならお前がはなせよっ!!」
「それは無理だ。こんな状況のお前をほっとけねぇ。」
「はな、せっ、なんで…っ。」
先程とはまるで別人だった。あれだけ泣き叫んでもやめてくれなかったのに今は優しくしてくる。頭すら撫でてくれる。辛いことをしてこない。痛いことも苦しいこともしてこない。でもやっぱり庵は亮が怖かった。辛いことをされないからってさっきのことを忘れられるわけじゃない。そうなのに…怖いのに人の温かさに…亮の温もりに触れると庵は自然と涙が溢れだしてしまった。そんな庵を亮は優しく撫で続ける。
「お前の世話を頼まれたからには最後までやる。それだけだ。」
「…ふっ、ぅ…おまえなんか、きらいだっ…。」
「今は嫌いで許してやる。」
庵は亮がわからなくなっていった。地雷が分からない。怖い。けど今この場にはこの人しかいない。久々に触れることのできた人の優しさ。庵は母親に抱きしめられている感覚になった。会いたい。恩返しがしたい。もう会うことの出来ないと理解すればするほど庵は涙が溢れ出ていった。
「ぅ、ふ…うぅっ、ぅ…っ、」
「泣け。溜めてるもん全部吐き出して楽になれ。」
亮は庵の目からこぼれ落ちる涙を手で拭いながらそう言った。時より優しく抱きしめ庵の背中を撫でてくれる。亮がそんなふうに長いことしてくれたこともあり庵は少し落ち着くことが出来た。
「なんで、なんでなんだよっ…なんでっ、きゅうに、優しくしてくるんだよ…っ、さっきは、あんなに…っ。」
「若の頼みだからだ。」
その亮の言葉を聞いて庵は思った。龍之介が殺せと言えば容赦なく殺してくるだろう。怖いけどそっちの方がいい。庵が早くその日が来ないかなぁなんて思っていたその時亮に顔を掴まれた。
「まぁ本音言うと思った以上にお前が可愛くて世話してるって言うのもあるな。いつもだったら風呂場に投げ捨てるからな。」
「……さいていだ。」
「口答えする元気が出てきたか。いい事だ。」
亮はそういいニカッと笑うとシャワーを手に取り、流すぞ?と言ってきた。そして優しく身体を流してくれた。そのシャワーの温度が心地よくて庵は再び睡魔に襲われる。あれだけ泣き叫んだこともあり体がとても疲弊している。だから体が睡眠を欲しているのだろう。眠りたくないのにまた眠ってしまいそうだ。
「お、眠くなってきたか?」
「…そんなんじゃ、ない。」
「そうかそうか。まぁ眠くなったらいつでも寝ろよ。」
亮はいつまでも強がり強気でいる庵が愛おしくなっていた。こんなはずではなかった。ただの龍之介のお気に入りでただ遊ぶだけのつもりだった。なのに何故か夢中になっている自分がいたのだ。それはきっと瀧雄も同じだろう。だが亮と瀧雄はこの気持ちに蓋をしなければならない。それは庵が龍之介のものだから。そんな風に亮が色々考え込んでいると腕の中にいた庵に動きが無くなった。その庵の顔をのぞき込むと庵は夢の中へと入っていっていた。
「寝たか庵。いい子だ。」
亮は眠ってしまった庵の頭を撫で頬に軽くキスを落とした。そして庵の寝顔を見てため息を漏らした。
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