血の繋がりのない極道に囲まれた宝

安達

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調教される日々

亮の危機

「そうですね。宏斗さん。」



リビングにいたまさかの人物。鍵を変えたはずなのに何故かここにいる宏斗。亮も状況を掴めていなかったが庵を寝かせている最中に物音に気づきリビングに来たのだ。そこにいたまさかの宏斗に亮は言葉を失いそうになったがここで負けては庵が危険になる。だから亮は負けじとそう言い返した。



「お前も生意気になったよな。あの頃はあんなに可愛かったのに。」

「俺は若にしか忠誠を誓っておりませんから。」

「相変わらず気に食わねぇ。まぁいいや。今はそんな事どうでもいい。」

「庵は渡しません。」

「なら力ずくで奪うまでだ。なぁ兄さん。」



兄さん…?今なんと言った?これはまずい。宏斗だけではなく怜二までいるなんて…。さすがの亮も怜二までいるとなれば勝ち目がない。



「どうした亮。珍しく余裕がねぇみたいだな。」



宏斗に名を呼ばれて出てきた怜二をみて亮は思わず唾を飲んだ。そんな亮をみて怜二が笑い出した。そしてそんな亮にさらに追い打ちをかけるべく怜二は話し始めた。全ては庵を手にするために…。



「俺の部下の中にお前を気に入ってる奴がいてよ。また遊んでくれるか?あん時みたいにお前の泣き顔が見たくて仕方ねぇらしくてよ。」

「なんのご冗談を…。」



怜二の言葉に亮は怒りが込上げる。拳を握りしめその怒りを抑えているがやっとの状況だ。それに宏斗と怜二…この2人とタイマンしたところで勝てるはずもない。その焦りからの冷や汗も止まらなかった。



「お前のその顔なら男だろうがなんだろうが抱ける奴は多い。せっかくだしこの組のために金稼ぎでもしてきたらどうだ。」

「怜二さん。俺を挑発しても無駄ですよ。庵は渡しません。」

「さすが龍之介の舎弟だな。」



怒り狂わせ亮に自滅させようとしたがそれは無理だったようだ。怜二は気に食わぬ顔で亮を見る。そして面倒くさそうに立ち上がった。



「なら単刀直入に言う。死にたくなければ庵を渡せ。」

「いいえ。渡しません。どうして怜二さんはそうも若の所有物を欲しがるのですか?」

「決まっているだろ。楽しいからだ。あいつの歪んだ顔を見るのが楽しくてたまらない。それに今回攫ってきたあいつは可愛い顔をしてるからな。」

「………。」



怜二の行動言動すべてに亮は腹が立った。龍之介だけは何があっても守ると決めたあの日から亮にとっての宿敵は怜二と宏斗だった。兄弟であるというのに弟に手をかけようとする。龍之介が優秀だからこそ腹が立ってしまうのだろう。こんな冷酷非道な怜二に一般論は通じない。庵を渡さないと言うならばそれなりの対価を渡さなければならない。だから亮は…。



「俺が変わりに相手をすると言えば庵から手を引いてくださいますか?」

「ほぅ…。」




自らの体を売ってきた亮に怜二は面白いと笑みを浮かべた。その横で宏斗も笑っている。その理由は亮の過去に関係がある。龍之介に助けられるまで亮は怜二の玩具だった。その影響で今の幹部や宏斗にまで体をいたぶられた。その地獄から救い出してくれたのが龍之介だった。だから亮は龍之介に命をも差し出している。だが龍之介のところについても怜二らの顔を見なければならない。その度に震え上がりそうになる身体を抑え亮は必死に耐えていた。だが今回ばかりは方法が他に見つからずそう言うしかなかった。庵をこの男に渡せば必ず深い傷をおうことになってしまうから。



「いいねぇ亮。お前のその責任感が馬鹿みたいにあるとこ俺は好きだぜ。」



宏斗も宏斗で亮のことは気に入っている。だから亮のその発言を聞いてさぞ楽しそうに笑っていた。



「俺は龍之介が反吐が出るほど嫌いだがお前は違う。なんなら手元にすら置きたいほどにな。元は俺のもんだったしよ。それに俺は別にあいつを傷つけることさえ出来れば俺はなんでもいい。お前がそう言うなら相手をしてもらおうじゃねぇか。但し覚悟はしとけよ。俺らは優しくなんてしてやらねぇからな。」



そう言い怜二は亮の腕を乱暴に引いた。怜二はこうしていつも亮を痛めつけていた。掴まれた腕も執拗に締め付けられ痣が必ず残る。亮はあのころのことがフラッシュバックして負けそうになった。だが今は守るべく存在がいる。だから亮は怜二に駄目元でお願いすることにした。



「…ここでやらせてくれませんか?」

「お前そういう趣味なの?」



ここは龍之介の家だ。そんなことろでやってしまえば龍之介にもバレてしまう。なのにここでやろうとする亮に宏斗は馬鹿にするようにそう言った。



「違います。ですが庵から離れるのは不安なのでここでやらせてください。」

「お前のその龍之介への思いを壊してやりたいな。」

「く゛っ…、」



亮が龍之介への思いを語るほど怜二は腹が立って仕方がない。その怒りを亮にぶつけるように怜二は亮の鳩尾を思いっきり殴った。その衝撃により亮はその場に座り込んでしまう。そんな亮の上に怜二は座り込んだ。だがその時寝室から物音が聞こえた。亮は焦る。ここで庵が来てしまえば終わりだ。必ず抱き殺される。どうするどうする…。だが考えても考えても今の亮には解決策が生まれなかった。そして起きてきたのであろう庵が寝室のドアを開けてしまった。



「亮…なにしてるの?」



寝室から出てきてしまった庵は目の前の光景に目を見開いた。そして歩き出す。事務所で見た2人に亮が抑えられているこの状況を見て助けようとしたのだ。だがここに来させるわけにはいかない。だから亮は自分を助けようと歩き出した庵に声を荒らげた。



「馬鹿っ、来んじゃねぇ!お前は寝室に戻れ!!」

「へぇ…。あん時は少しだったがやっぱりまじかで見ると可愛いな。」



宏斗がそう言い庵を直視する。大変だ。このままでは庵が危ない。亮は自分の上に乗っている怜二を退けようと手を動かしたがその腕を掴まれてしまう。



「随分と生意気になったんだな亮。俺に手を出すとは何事だ?」

「あぁ゛!!」



怜二は亮が自分に手を出してきたことが相当気に食わなかったらしく亮の手を掴むとあろうことか骨をおった。リビングにごきっという音が響き渡る。さすがの亮も痛みから声を上げてしまった。そしてそんな亮をみても怜二は慈悲をかけなかった。



「亮。もう一本いっとくか?生意気な手は使いもんになんねぇようにしねぇとな。」



そう言い怜二が亮のもう片方の手首を掴み折ろうとしたのを見て庵は走り出した。



「やめてっ、亮からはなれろっ…!!」



庵は亮の元まで駆け寄ると怜二の手を掴んだ。折らないで。お願いだから痛い目に遭わせないで。何度も何度もそうお願いした。そんな庵をみて怜二は何故か笑い出した。



「はは、お前にも庇ってくれる存在ができるとはな。まぁいい。そのお前のおかげで獲物を手にする事が出来たからな。」

「っ、はなせ!」



怜二は立ち上がると庵を担ぎあげた。その時庵は勿論抵抗するが怜二の力はとんでもなく強かった。亮や龍之介とは比べ物にならない。それほどまでに強く庵にはどうすることも出来なかった。そして亮は当然庵を助け出そうと痛みを殺して立ち上がる。だがそんな亮を怜二は蹴り飛ばす。



「生意気な犬は要らねぇな。そこで大人しくしてろ。こいつで楽しんだあとお前の躾もし直してやる。」



怜二はそう言いながら亮を踏み付ける。容赦なく踏みつけ亮のお腹を潰していく。だが亮も亮で黙ってはいない。庵を助けなければならないから。だから亮は少し怜二の足の力が弱まったその時を狙い怜二の足の下から抜け出した。そして担がれている庵を奪い取る。



「はは、お前はほんとに生意気になったんだな。ねぇ兄さん。」

「そうだな。あんま調子乗んなよ亮。」



亮は庵を抱きかかえたまま怜二らと距離をとる。その時全身が痛んだ。鳩尾を踏まれ続けたこともありまともに歩けない。そんな亮を庵は心配でたまらないという目で見ていた。



「宏斗。庵で楽しむよりも先に亮の躾を先にする。」

「俺は性欲を満たせればなんでもいいから兄さんに従うよ。」



2人には聞こえないような小声で宏斗と怜二は話していた。何を話しているの分からない亮からすれば恐怖でしかないだろう。先程から宏斗は舌なめずりをする。宏斗からすれば獲物が今2匹いる状況だ。そして上手くいくならその2人ともで楽しみたいと思っている。それは怜二も同じだ。だが1匹しか手に入らないとなれば2人が手にしたのは庵の方だ。しかし気に食わぬ亮を痛い目に遭わせたいという気持ちがどうやら勝ってしまうだようだ。それを知らない亮は庵を全力で守るべく宏斗らを睨み続ける。



「チッ、ゲス野郎が…。」

「さぁ庵お楽しみの時間だ。なぁ亮。いい子だからこっちに来い。勿論庵を連れてな。」

「庵…逃げるんだ。寝室には鍵があるから入って閉めろ。」



両手を広げながら亮らをまつ宏斗に亮は舌打ちをする。だがこの状況では勝ち目がない。2人が同時に助かることなんて無理だ。だったら亮は庵を守る。龍之介から託された庵を守るまでだと庵にそう言った。だが庵は亮を置いていけないとその場に留まってしまう。



「早くしろ庵…時間がねぇ。骨をおられるだけじゃすまねぇぞ。」



そう言った亮の手は腫れ上がっている。骨折しているのだから当然だがあまりにも痛々しい。なのに亮は庵を守ろうとする。そんな亮を庵はますます置いて行けなくなる。



「だ、だって…亮が…っ、」

「死にてぇのか!俺は強いから大丈夫だ!だがお前まで守る余裕はねぇ。だから早く行け!」



庵はいい子だ。だから亮を置いていけない。そんな庵が亮は正直嬉しかった。けれど駄目だ。庵の足が動かないのならば動かすまで。亮は庵の腕を引き寝室のドアを開けると庵を寝室の中に投げ込むように入れ扉を閉めた。そして鍵を外側から閉めるとその鍵をドアの隙間から寝室に入れた。寝室からは庵の講義の声が聞こえてくる。



「庵。黙ってそこにいろ…。鍵をこっちに渡すんじゃねぇぞ。そんな事したら俺が死んじまうから。」



亮を助けるために自分をも犠牲にしてくると思った庵に亮はそう言った。死ぬことは無い。絶対にないだろう。だがそこまで言わなければ庵は鍵をこちら側に渡してきてしまう。だから亮はそういったのだ。そんな亮をみて怜二も宏斗も機嫌が急降下する。



「やってくれたな亮。兄さんどうする?」

「どうするもこうするもねぇよ。何が強いだ。笑わせるな。俺に突っ込まれて赤子のように泣き喚いてたのは誰だ?まぁこうなったからには…分かってるよな?」

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