血の繋がりのない極道に囲まれた宝

安達

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調教される日々

膨張する独占欲 *

「んく゛っ、ぁあっ、いく゛っ、だめっ、ぁ、いっぢゃ゛っ!」



龍之介の巧みなテクニックによりすぐさま絶頂が近づいてきた庵。既に腰もガクガクと震えており今にもイきそうだった。しかし何故か庵が達する寸前で龍之介は動きをとめた。あれだけ達することは嫌だった庵だが寸止めをされてしまうと話は別だ。今度はイキたくてたまらなくなった。



「…ぅ、いやっ、」

「駄目だ庵。俺の許可無く気持ちよくなろうとするな。」



イキたすぎるあまり庵は自分で弄ろうとしたけれど庵の手を拘束している瀧雄はもちろんのこと龍之介はそれを許さなかった。そして為す術をなくして大人しくするしかなくなった庵を見ると龍之介は庵の身体から手を退けて目の前にいる亮と瀧雄をみた。



「おい。」



龍之介のその声に亮も瀧雄もすぐさま動きを止めた。それは龍之介の声がいつもと違ったから。いつもとは違うワントーン低いその声。その声を龍之介が出す時は必ず理由があるとき。だから2人はその理由を探るべく動きを止めたのだ。



「…若、どうかされましたか?なんで怒ってるんですか?」

「やっぱお前ら退け。俺はこいつと2人で楽しむからよ。」

「はい!?」



思ってもいなかった龍之介の言葉に亮は思わず声が裏返った。焦ったあまりに変な声が出てしまったのだ。それもそのはず。亮も瀧雄も庵を抱く気満々だったのだから。だから龍之介にそう言われて悲しくないはずがなかった。



「な、なんで急にそんなこと言うんですか!さすがに酷すぎますよ若!」

「瀧の言う通りです。これじゃあ俺らは生殺し同然じゃないですか。こんな仕打ちあんまりです。」

「うるせぇな文句を言うな。それともなんだ。お前らは俺の命令に歯向かうつもりか?」

「はい。」

「そうだよな………ん?亮、お前今なんつった?」



あまりにも綺麗に亮が『はい。』と返事をしてきたので龍之介は初め亮が言っていることを理解できなかった。だが時間が経てばその異変に気づくことが出来たようで龍之介は亮を睨みだす。



「若の命令に歯向かうと言わせて頂いたんです。俺は流石にここで引き下がれません。」

「はぁ…たく亮。お前と言う奴はいつまで経っても生意気のままだな。」

「その生意気な俺を買ったのは若ですけどね。」

「そうだな。お前があまりにも優秀そうに見えたから買ったんだがこの始末じゃ見過ごせねぇな。いつもの優秀なお前はどこに行ったのやら。俺はお前にこんなにも期待してると言うのに。勿論瀧、お前もだぞ。俺はお前らだけを信頼して行動してる。」

「…狡いっすよ若。そんなこと言われたら異論出来ないじゃないですか。」



龍之介にとって亮と瀧雄は唯一信頼出来る部下だ。だがそれは亮と瀧雄にとっても同じことだ。亮と瀧雄にとっての信頼する上司は龍之介しかいない。龍之介以外信じることが出来ない。だからそんな龍之介にさりげなく嬉しいことを言われてしまえば亮は何も言い返すことが出来なかった。全て龍之介の思惑通りだ。そしてそんな大人しくなった亮を見たあとに龍之介は瀧雄の方を向いた。



「瀧、お前はどうだ。異論はあるか?」

「…いえ。ないです。」

「満点の答えだな。」

「「…………。」」



龍之介にそう褒められたが2人は何か言いたげな顔をしていた。あからさまに文句がありますと言っているような顔だ。そんな亮と瀧雄のことを庵は黙って見ていた。いつも凛として男らしい亮だが龍之介を前にすると大抵こうなる。庵の前ではかっこいいことばかりするのに龍之介の前になると感情豊かになる彼らを見て庵は心の中で少し笑った。そして思った。龍之介は凄いな、と。人をここまで従えることが出来るなんて中々出来ないことだから。



「お前らなぁ。そんな顔をしても駄目に決まってんだろうが馬鹿。お前らは今出来ることを探してなんかしとけ。」

「…分かりました。」



亮は龍之介の言葉にそう返した。瀧雄は頷くのみで返事をすることは無かったが龍之介の行動を邪魔するつもりもないらしい。だから龍之介は瀧雄のことを大目に見ることにした。いつも返事をしない時はシバいているが今回はそれをなしにした。



「じゃあそういう事だ。くれぐれも羽目を外すなよ。特に亮。お前は怪我してんだから悪化させないように気をつけるんだぞ。」

「…はい。」

「瀧、お前もな。」

「承知しました。」




亮と瀧雄のそれぞれの返事を聞くと龍之介は庵を抱きかかえた。そしてそのまま立ち上がり寝室へと向かっていく。そんな姿を黙って見ていた亮は拳を握りしめていた。そんな亮を見て瀧雄が口を開く。



「お前手怪我してんだから拳を握るな。若にまた叱られんぞ。」

「うるせぇ。俺に構うな。」

「なんだよお前。機嫌悪ぃの?」

「当たり前だろ。庵行っちまったな。」

「だな。でも若には適わねぇよ。俺らなんかを大切にしてくれるのなんて若だけなんだから。そんな若にあんなこと言われちゃ下がるしかねぇよな。」

「まぁそうだけどよ。」


亮もちゃんと分かっている。庵は龍之介のもので自分たちのものでは無い。それに加え龍之介の庵への独占欲はどんどん膨張していっている。だから龍之介の指示以外での庵への接近は今後出来なくなるだろう。そうなればきっと庵を抱くことは出来なくなってしまう。それを察した亮は相手が龍之介と言えどもやはり悔しさが消えなかった。



「そんな顔すんなって亮。」

「お前はよく呑気にそんなこと言ってられるな。せっかく庵をだくチャンスだったんだぞ。」

「そうだけどよ…若がいない時に楽しめばいい話だろ。」

「お前それ若に殺されんぞ。」

「はは、そうだな。でも仮にそうなってもお前が助けてくれるだろ。」

「守るわけねぇだろ。何が楽しくてお前を守らきゃいけねぇんだよ。」

「…てめぇ。」



亮の言った言葉が引き金となり早速また喧嘩が始まりそうな雰囲気になってしまう。龍之介がいれば彼に怒られ止められて2人は喧嘩を辞めるが今は龍之介が居ない。つまり止めてくれる人がいない。そうなれば必然的に彼らが満足するまで喧嘩をし続けることになってしまう。そして案の定口喧嘩を超えての喧嘩を始めようとする2人のせいでリビングはどんどん騒がしくなっていった。そんなことが起きているリビングとは裏腹に寝室では全く違う雰囲気が醸し出されていた。



「庵。どうしたよ。」

「…………っ。」

「たく、お前は何ハブててんだよ。」

「…そ、そんなんじゃないし。」

「何だ。じゃあご機嫌ななめか?それともさっき擽ったこと根に持ってんのか?」

「それも、あるけど…っ、」

「けど?」

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