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極道の世界
閉ざされた扉
「何をそんなに驚いているんだい?庵は俺がそんなに怖いの?」
宏斗は脅え驚き震えている庵にそう言った。そして段々と庵に近づいてくる。それも土足で…。
「こ、こないで…っ、」
「ああ。そうか。セキュリティ強化したのになんでここに俺がいるんだって庵は思ってるんだね。」
「やめろっ、くるなっ…!!」
「それはね、庵。俺はハッカーよりも腕がいいからだよ。それをあいつらは知らない。だから俺はこうして直ぐにセキュリティを破れるんだ。」
そう言いながら宏斗は庵の近くまで来る。当然庵も逃げようとした。宏斗が近くに来ればどうなるかなんて分かっていたから。しかし…。
「はなせよっ、やめろ…っ!!」
庵は逃げようと震える足で走ったが宏斗に腕を捕まれ彼の腕の中に入ってしまった。その時とんでもない嫌悪感に襲われ庵は全力で暴れた。
「あんまり暴れないでよ庵。無駄に時間を取っちゃうだろ?」
宏斗はそう言いながら簡単に庵を抑え込む。そして庵を抱きかかえた。それもものすごい力で…。
「はなせよっ、やめろっ、離せってば…っ!!」
「宏斗。あんまり騒ぐような口を塞ぐか気絶させろ。」
その声が聞こえて庵はまるで石のように固まった。それはその声の主が玲二だったから。亮を撃った張本人。庵が怖くてたまらない人だ。
「その必要は無いよ兄貴。庵の力なんてたかが知れてるからね。」
「それならいいが周りの連中に気づかれないようにしろよ。」
「俺がそんなミスするわけないでしょ。それは兄貴が一番わかってるじゃん。実際瀧雄が忍ばせた部下もすぐに気づいて処分したしね。」
2人のその会話を聞いて庵は怖くて暴れることすらできなくなっていった。人を簡単に苦しめることが出来る2人が怖くて震えが止まらない。ブルブルと震え涙すら溢れてきた。きっとそれは龍之介らに愛されていたから。その分こういった辛い場面になると余計に辛くなるのだ。
「あーあ。庵もう泣いちゃったよ。兄貴が怖かっんじゃない?俺がここに来た時はまだ強気だったし。」
「それならそれでいいだろ。そっちの方が躾をする手間も省けるからな。」
「まぁそうだね。」
「無駄話はこの辺にしてさっさと行くぞ宏斗。」
「はーい。」
宏斗のその返事を聞くと玲二は足を進めて行った。それに続くように宏斗も歩いていく。それには本気で焦った庵。このまま連れていかれたら宏斗に何をされるか分からない。でも体が震えて動かない。動きそうにない。ブルブルと震えるだけで動かない。それでいいのか?いや駄目だ。庵も男なんだ。自分で何とかしなきゃいけない。助けを求めるんじゃくて自分でなんとかするんだ。動け…!動かせ…体を動かせ…!!
「はなっ、せっ!!」
庵がそう言い全力で身を捩った。すると運のいいことに宏斗はそこまで力を入れてなかった。そのため庵は床に落ちる形となったが宏斗から逃げることが出来た。
「あ、やば。」
上から宏斗の呑気な声が聞こえる。だが庵は今逃げることしか考えてない。だから宏斗が焦ってない理由まで考える余裕がなかった。そして庵は走り出そうと体制を整え今しがた出ていった玄関のドアノブを掴みドアを開けようとしたが…。
「……うそだ。」
庵はその場に立ち尽くしてしまった。それはドアが開かなかったから。それは当然だ。だって瀧雄がセキュリティを強化したのだから。誰が想像できただろうか。強化してしまったことで庵を逆に苦しめることになることを…。
「はは、庵はほんとに馬鹿だねぇ。そういう所も好きだよ。」
宏斗は為す術なく自分たちを見て怯えるしか無くなった庵のことを笑ってきた。宏斗は人のこういう顔が大好きなのだ。だが反対に玲二は不機嫌になっていた。庵が勝手に逃げたからであろう。
「おい宏斗。笑ってないでさっさと捕まえて来い。庵の躾は後でたっぷりしてやる。」
「はーい。」
玲二を怒らせると面倒と思っている宏斗はすぐにそう返事をして庵の所まで歩いていく。それも悪い笑みを浮かべながら。その宏斗が怖くて庵は逃げようとするも後ろはドアだ。逃げるところなんてなかった。
「おいで庵。」
恐怖からその場に座り込んで震えている庵に宏斗はそう言った。しかしそう言われて庵が着いていくはずがない。だからせめてもの抵抗としてその宏斗の言葉に対して庵は首を横に振った。しかしその庵の行動は間違っていた。その証拠に首を振り自分を拒否してきた庵に宏斗は笑みをなくした。
「ほんとに馬鹿だね庵は。」
宏斗はそう言うと庵と視線を合わせるようにしゃがみこんできた。そして庵の耳元に顔を近づけてくる。
「そうやって我儘ばっかり言うと後で後悔するんだよ庵。お前はもう俺のものになるんだから。」
「…い、っ、やだっ、」
怖い。龍之介早く戻ってきて。庵はそれしか考えられなくなった。龍之介らに捕まえられた時とは違う恐怖。庵は思った。このまま宏斗に連れていかれたら二度とここに戻って来れないんじゃないかって。だから連れて行かれる前に何とかしなきゃいけないのに…。
「やめっ…!!」
宏斗は嫌がる庵の腕を掴み無理やり立ち上がらせた。そしてそのまま庵を問答無用で抱きかかえる。今度は絶対に逃がさないと言わんばかりの強い力で。
「お待たせ兄貴。」
「宏斗…さすがに時間がかかりすぎだ。」
「庵が舐めた態度ばっかりとるからさ。ちょっと怖がらせたんだよ。」
宏斗がそう言ってきたので玲二は宏斗の腕の中にいる庵を見た。すると宏斗の言う通り庵は怯えもう抵抗する様子はなくなっていた。
「そうか。それならいい。」
「てかまだエレベーター来てないからいいじゃないか。」
「まぁそうだな。」
宏斗は脅え驚き震えている庵にそう言った。そして段々と庵に近づいてくる。それも土足で…。
「こ、こないで…っ、」
「ああ。そうか。セキュリティ強化したのになんでここに俺がいるんだって庵は思ってるんだね。」
「やめろっ、くるなっ…!!」
「それはね、庵。俺はハッカーよりも腕がいいからだよ。それをあいつらは知らない。だから俺はこうして直ぐにセキュリティを破れるんだ。」
そう言いながら宏斗は庵の近くまで来る。当然庵も逃げようとした。宏斗が近くに来ればどうなるかなんて分かっていたから。しかし…。
「はなせよっ、やめろ…っ!!」
庵は逃げようと震える足で走ったが宏斗に腕を捕まれ彼の腕の中に入ってしまった。その時とんでもない嫌悪感に襲われ庵は全力で暴れた。
「あんまり暴れないでよ庵。無駄に時間を取っちゃうだろ?」
宏斗はそう言いながら簡単に庵を抑え込む。そして庵を抱きかかえた。それもものすごい力で…。
「はなせよっ、やめろっ、離せってば…っ!!」
「宏斗。あんまり騒ぐような口を塞ぐか気絶させろ。」
その声が聞こえて庵はまるで石のように固まった。それはその声の主が玲二だったから。亮を撃った張本人。庵が怖くてたまらない人だ。
「その必要は無いよ兄貴。庵の力なんてたかが知れてるからね。」
「それならいいが周りの連中に気づかれないようにしろよ。」
「俺がそんなミスするわけないでしょ。それは兄貴が一番わかってるじゃん。実際瀧雄が忍ばせた部下もすぐに気づいて処分したしね。」
2人のその会話を聞いて庵は怖くて暴れることすらできなくなっていった。人を簡単に苦しめることが出来る2人が怖くて震えが止まらない。ブルブルと震え涙すら溢れてきた。きっとそれは龍之介らに愛されていたから。その分こういった辛い場面になると余計に辛くなるのだ。
「あーあ。庵もう泣いちゃったよ。兄貴が怖かっんじゃない?俺がここに来た時はまだ強気だったし。」
「それならそれでいいだろ。そっちの方が躾をする手間も省けるからな。」
「まぁそうだね。」
「無駄話はこの辺にしてさっさと行くぞ宏斗。」
「はーい。」
宏斗のその返事を聞くと玲二は足を進めて行った。それに続くように宏斗も歩いていく。それには本気で焦った庵。このまま連れていかれたら宏斗に何をされるか分からない。でも体が震えて動かない。動きそうにない。ブルブルと震えるだけで動かない。それでいいのか?いや駄目だ。庵も男なんだ。自分で何とかしなきゃいけない。助けを求めるんじゃくて自分でなんとかするんだ。動け…!動かせ…体を動かせ…!!
「はなっ、せっ!!」
庵がそう言い全力で身を捩った。すると運のいいことに宏斗はそこまで力を入れてなかった。そのため庵は床に落ちる形となったが宏斗から逃げることが出来た。
「あ、やば。」
上から宏斗の呑気な声が聞こえる。だが庵は今逃げることしか考えてない。だから宏斗が焦ってない理由まで考える余裕がなかった。そして庵は走り出そうと体制を整え今しがた出ていった玄関のドアノブを掴みドアを開けようとしたが…。
「……うそだ。」
庵はその場に立ち尽くしてしまった。それはドアが開かなかったから。それは当然だ。だって瀧雄がセキュリティを強化したのだから。誰が想像できただろうか。強化してしまったことで庵を逆に苦しめることになることを…。
「はは、庵はほんとに馬鹿だねぇ。そういう所も好きだよ。」
宏斗は為す術なく自分たちを見て怯えるしか無くなった庵のことを笑ってきた。宏斗は人のこういう顔が大好きなのだ。だが反対に玲二は不機嫌になっていた。庵が勝手に逃げたからであろう。
「おい宏斗。笑ってないでさっさと捕まえて来い。庵の躾は後でたっぷりしてやる。」
「はーい。」
玲二を怒らせると面倒と思っている宏斗はすぐにそう返事をして庵の所まで歩いていく。それも悪い笑みを浮かべながら。その宏斗が怖くて庵は逃げようとするも後ろはドアだ。逃げるところなんてなかった。
「おいで庵。」
恐怖からその場に座り込んで震えている庵に宏斗はそう言った。しかしそう言われて庵が着いていくはずがない。だからせめてもの抵抗としてその宏斗の言葉に対して庵は首を横に振った。しかしその庵の行動は間違っていた。その証拠に首を振り自分を拒否してきた庵に宏斗は笑みをなくした。
「ほんとに馬鹿だね庵は。」
宏斗はそう言うと庵と視線を合わせるようにしゃがみこんできた。そして庵の耳元に顔を近づけてくる。
「そうやって我儘ばっかり言うと後で後悔するんだよ庵。お前はもう俺のものになるんだから。」
「…い、っ、やだっ、」
怖い。龍之介早く戻ってきて。庵はそれしか考えられなくなった。龍之介らに捕まえられた時とは違う恐怖。庵は思った。このまま宏斗に連れていかれたら二度とここに戻って来れないんじゃないかって。だから連れて行かれる前に何とかしなきゃいけないのに…。
「やめっ…!!」
宏斗は嫌がる庵の腕を掴み無理やり立ち上がらせた。そしてそのまま庵を問答無用で抱きかかえる。今度は絶対に逃がさないと言わんばかりの強い力で。
「お待たせ兄貴。」
「宏斗…さすがに時間がかかりすぎだ。」
「庵が舐めた態度ばっかりとるからさ。ちょっと怖がらせたんだよ。」
宏斗がそう言ってきたので玲二は宏斗の腕の中にいる庵を見た。すると宏斗の言う通り庵は怯えもう抵抗する様子はなくなっていた。
「そうか。それならいい。」
「てかまだエレベーター来てないからいいじゃないか。」
「まぁそうだな。」
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