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囚われの身
溢れ出す気持ち
*亮視点
「そう?」
「そう?じゃねぇよ馬鹿。たく、狸寝入りしやがって。」
俺が見てた時こいつは若の腕の中で気持ちよさそうに眠ってたくせにあれ演技だったのかよ…。中々やるようになったな。たく、ため息が止まんねぇよ。
「なんでそんなにため息つくの…。」
「あったりめぇだろ。聞かれたくねぇ話全部聞かれちまったんだぞ。」
「だけどあそこで俺が起き上がったらそれこそ亮はもっと困ると思って…。」
「あ?なんでだよ。」
「龍もいたからさ、気まづくなりそうだなぁって思ったんだ…。」
確かに庵の言う通りかもしれねぇな。若も栗濱が俺の父親ってことを今しがた知ったばかりだ。だからあそこでこいつが起き上がってたりしたら変に気を使わせちまったに間違えねぇ。なんだかんだで庵も大人だな。
「お前なりに気遣ってくれたんだな。ありがとよ庵。」
「いいよ。」
はは、いいよ…か。初めて会った時はそんな事いう庵を想像できなかったな。こんな風に笑える日が来るとも思わなかった。俺がそんな風に幸せに浸っていると庵が俺の顔色をやけに伺ってきた。
「庵?」
言いたいことがあるなら全部言えばいい。我慢するな。俺はその意味を込めて庵の名を呼んだ。すると庵は…。
「聞いていいのかわかんないけど亮にとっての憎い相手って誰なの…?」
ほぅ…そう来たか。まさかそれを聞かれるとは思わなかったな。でもこれで確信をもてた。庵は俺が栗濱の息子だってことを知らない。そこは聞いてないんだ。まぁそれを知ったところで庵は栗濱の存在を知らないし栗濱組と言うヤクザのグループがあることも知らない。だから知られても問題は無いがややこしくなるため知られていないに越したことはない。
「さぁ、誰だろうな。」
「教えてくんないの?」
まぁ気になるよな。俺たちの仕事に対しても庵は最近興味を示してきてるんだから。顧客リストとかを見て「どんなお客さんなの?」とか聞いてくるぐらいだ。だからこいつがさっきの会話を聞いて気にならねぇ方がおかしいぐらいだ。でもな庵、世の中には知らなくていいことが山ほどあるんだぜ。
「こっからは大人の話だ。子供のお前にはまだ早い。」
「なんだよそれ…っ、おれは子供じゃないからっ!」
はは、可愛いやつ。まだ15のくせに大人ぶってんじゃねぇよ。
「悔しかったら早く大人になることだな。」
「そんなの無理に決まってんじゃん…っ!」
そりゃそうだよな。時間が過ぎないことには庵が大人になることは無い。俺も意味不明なことを言ってるのはわかっている。けれど誤魔化すしかない。この話だけは庵に知られたくないから。
「じゃあ寝ろ。まだ体痛いだろ。」
「すぐそうやって話逸らす…。」
お、バレたか。庵にしては勘がいい。俺たちと過ごしてきた時間が経てば経つほどこいつは賢くなるな。
「いいじゃねぇか別に知らなくてもよ。お前は知らなくていいことだ。」
「俺のことはいやってぐらい調べ尽くしてるくせに…。」
「はは、言うようになったじゃねぇか。」
「だってそうじゃんか…っ!」
「まぁそうだな。けど…。」
俺はそこまで言うと庵の顔を鷲掴みにした。そしたらまぁ当然庵は身構える。これまでの経験から何かをされることを感じ取ったんだろうな。けど庵は抵抗はしない。抵抗したとしても庵は俺には勝てないから。
「これ以上文句言い続けんなら若んとこ戻ってまた抱き潰すぞ。」
「…っ!」
ああ。なんて可愛い顔をするんだこいつは。脅しで言ったのに我慢できなくなっちまうじゃねぇか。けどここは我慢だ。あれだけ抱き潰したあとだからな。
「嫌だよな庵。そんだけ嫌なら寝ろ。今のお前には休みが必要だ。」
「…わかった。」
よっぽど抱かれるのが嫌みたいだな。まぁあんだけのことすりゃセックスに対して恐怖心を抱くのも無理はない。だけどそれはそれでまずいな。庵がセックスのことを嫌えば俺たちはこいつを抱くのに一苦労しちまう。無理やりやってもいいがそれじゃあいずれ庵に嫌われちまう。それだけは避けなきゃいけねぇ。くそ、こりゃ若と瀧とまた作戦練らねぇとな。そんな風に俺が思っていると庵が俺の腕の中に自ら入ってきた。
「どうした庵。」
「眠くなった…。」
庵の奴そう言って俺のことをギュッて抱きしめてきやがった。たく、こっちの気も知らねぇで可愛いことばっかりしやがって。こっちは我慢すんのもやっとなのによ。けど今は何があろうと耐えないといけねぇ。何せさっき抱き潰したばっかりだからな。
「そうかそうか。腹は減ってねぇ?」
「うん…。」
「じゃあ寝とけ。起きたら飯食おうな。」
「…うん。」
「おやすみ庵。」
「…おやすみなさい。」
庵はそう言うと一瞬で寝た。まじで一瞬だ。
「寝るの早すぎんだろお前。」
まぁ寝る子は育つって言うしな。寝れたんなら良かった。こいつにとってこの家が安心できる場所になりつつあるってことだからな。嫌な環境だとどんだけ頑張っても寝れねぇ。けど一瞬で寝たって言うことはそういうことだ。ちょっと嬉しいな。けどその嬉しさを遥かに超えるもんが俺の中に今ある。
「はぁ…困った事になっちまったな。」
栗濱どうすっかなぁ。いい加減やる気を出さねぇと…。まぁ今は全部忘れて寝るか。若達今何してんだろうな…。
「そう?」
「そう?じゃねぇよ馬鹿。たく、狸寝入りしやがって。」
俺が見てた時こいつは若の腕の中で気持ちよさそうに眠ってたくせにあれ演技だったのかよ…。中々やるようになったな。たく、ため息が止まんねぇよ。
「なんでそんなにため息つくの…。」
「あったりめぇだろ。聞かれたくねぇ話全部聞かれちまったんだぞ。」
「だけどあそこで俺が起き上がったらそれこそ亮はもっと困ると思って…。」
「あ?なんでだよ。」
「龍もいたからさ、気まづくなりそうだなぁって思ったんだ…。」
確かに庵の言う通りかもしれねぇな。若も栗濱が俺の父親ってことを今しがた知ったばかりだ。だからあそこでこいつが起き上がってたりしたら変に気を使わせちまったに間違えねぇ。なんだかんだで庵も大人だな。
「お前なりに気遣ってくれたんだな。ありがとよ庵。」
「いいよ。」
はは、いいよ…か。初めて会った時はそんな事いう庵を想像できなかったな。こんな風に笑える日が来るとも思わなかった。俺がそんな風に幸せに浸っていると庵が俺の顔色をやけに伺ってきた。
「庵?」
言いたいことがあるなら全部言えばいい。我慢するな。俺はその意味を込めて庵の名を呼んだ。すると庵は…。
「聞いていいのかわかんないけど亮にとっての憎い相手って誰なの…?」
ほぅ…そう来たか。まさかそれを聞かれるとは思わなかったな。でもこれで確信をもてた。庵は俺が栗濱の息子だってことを知らない。そこは聞いてないんだ。まぁそれを知ったところで庵は栗濱の存在を知らないし栗濱組と言うヤクザのグループがあることも知らない。だから知られても問題は無いがややこしくなるため知られていないに越したことはない。
「さぁ、誰だろうな。」
「教えてくんないの?」
まぁ気になるよな。俺たちの仕事に対しても庵は最近興味を示してきてるんだから。顧客リストとかを見て「どんなお客さんなの?」とか聞いてくるぐらいだ。だからこいつがさっきの会話を聞いて気にならねぇ方がおかしいぐらいだ。でもな庵、世の中には知らなくていいことが山ほどあるんだぜ。
「こっからは大人の話だ。子供のお前にはまだ早い。」
「なんだよそれ…っ、おれは子供じゃないからっ!」
はは、可愛いやつ。まだ15のくせに大人ぶってんじゃねぇよ。
「悔しかったら早く大人になることだな。」
「そんなの無理に決まってんじゃん…っ!」
そりゃそうだよな。時間が過ぎないことには庵が大人になることは無い。俺も意味不明なことを言ってるのはわかっている。けれど誤魔化すしかない。この話だけは庵に知られたくないから。
「じゃあ寝ろ。まだ体痛いだろ。」
「すぐそうやって話逸らす…。」
お、バレたか。庵にしては勘がいい。俺たちと過ごしてきた時間が経てば経つほどこいつは賢くなるな。
「いいじゃねぇか別に知らなくてもよ。お前は知らなくていいことだ。」
「俺のことはいやってぐらい調べ尽くしてるくせに…。」
「はは、言うようになったじゃねぇか。」
「だってそうじゃんか…っ!」
「まぁそうだな。けど…。」
俺はそこまで言うと庵の顔を鷲掴みにした。そしたらまぁ当然庵は身構える。これまでの経験から何かをされることを感じ取ったんだろうな。けど庵は抵抗はしない。抵抗したとしても庵は俺には勝てないから。
「これ以上文句言い続けんなら若んとこ戻ってまた抱き潰すぞ。」
「…っ!」
ああ。なんて可愛い顔をするんだこいつは。脅しで言ったのに我慢できなくなっちまうじゃねぇか。けどここは我慢だ。あれだけ抱き潰したあとだからな。
「嫌だよな庵。そんだけ嫌なら寝ろ。今のお前には休みが必要だ。」
「…わかった。」
よっぽど抱かれるのが嫌みたいだな。まぁあんだけのことすりゃセックスに対して恐怖心を抱くのも無理はない。だけどそれはそれでまずいな。庵がセックスのことを嫌えば俺たちはこいつを抱くのに一苦労しちまう。無理やりやってもいいがそれじゃあいずれ庵に嫌われちまう。それだけは避けなきゃいけねぇ。くそ、こりゃ若と瀧とまた作戦練らねぇとな。そんな風に俺が思っていると庵が俺の腕の中に自ら入ってきた。
「どうした庵。」
「眠くなった…。」
庵の奴そう言って俺のことをギュッて抱きしめてきやがった。たく、こっちの気も知らねぇで可愛いことばっかりしやがって。こっちは我慢すんのもやっとなのによ。けど今は何があろうと耐えないといけねぇ。何せさっき抱き潰したばっかりだからな。
「そうかそうか。腹は減ってねぇ?」
「うん…。」
「じゃあ寝とけ。起きたら飯食おうな。」
「…うん。」
「おやすみ庵。」
「…おやすみなさい。」
庵はそう言うと一瞬で寝た。まじで一瞬だ。
「寝るの早すぎんだろお前。」
まぁ寝る子は育つって言うしな。寝れたんなら良かった。こいつにとってこの家が安心できる場所になりつつあるってことだからな。嫌な環境だとどんだけ頑張っても寝れねぇ。けど一瞬で寝たって言うことはそういうことだ。ちょっと嬉しいな。けどその嬉しさを遥かに超えるもんが俺の中に今ある。
「はぁ…困った事になっちまったな。」
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