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糸
言っちゃダメなこと
「お、お疲れ様です…。」
最悪のタイミングでリビングに戻ってきてしまった龍之介に瀧雄はとりあえず挨拶をした。亮も不機嫌のまま龍之介に一礼をする。
「ああ。それでどうしたんだ。なんでこいつは怒ってんだ?」
「りょうが…」
「な、なんでもありません組長!」
庵がさっきまでのことを全部龍之介に言おうとしたら瀧雄は何故かそれを妨げるように声を荒らげた。そのため庵はもちろんのこと、龍之介も驚いていた。
「ちょっと瀧…っ!」
「いいから黙ってろ庵。」
瀧雄は庵に怖い顔をして小声でそう言った。龍之介にさっきのことを言ってしまえばとんでもないことになってしまうから。もしさっき庵が口を滑らせていたら庵は多分3日はベットから出られない。だから瀧雄はこうして庵を庇ったのだ。
「本当になんでもないんです。ちょっとした喧嘩です。」
「…そうか。」
多分龍之介は気づいている。庵が何かをやらかしてしまったということを。まぁ亮も不機嫌で庵も不機嫌な様子を見れば大体は想像がつくだろう。2人が何かをやらかして喧嘩をしたということが。だがそれを分かっていて龍之介はそう言った。それは瀧雄が2人を庇ったから。だからこうなったのにはなにか意味があると思ったのだ。そしてそれを龍之介は瀧雄に託すことにした。
「はい。そうなんです。ほんとにしょうもないことなんで気にしないでください。」
と、瀧雄。その瀧雄の横で庵は不貞腐れた様子で立っていた。そんな庵をみて龍之介は思わず笑いそうになってしまう。
「それならいい。俺は今からちょっと電話をしなきゃいけねぇから席を外す。その間庵を頼むな。」
「はい。」
と、瀧雄が返事したのを見て龍之介は寝室へと向かっていった。そして龍之介の姿が見えなくなったのを確認した途端庵は瀧雄に声を荒らげた。
「…なんで邪魔したの。瀧のばか。」
「馬鹿かお前!組長に他の女抱けとか冗談でも言ったらやり殺されんぞ!」
瀧雄の本気の叱りだ。だが庵は怖くなかった。怖いというよりもよかったという感情が勝ったから。
「…え、うそ。」
「嘘じゃねぇよ。脅しでもねぇ。本気だ。」
瀧雄はため息をつきながら庵にそう言った。そんな瀧雄をみて庵は震え上がった。もしさっき亮に言ったことを龍之介に言っていたらと思うと恐ろしくてたまらない。
「…言わなくてよかった。」
「そうだな。けどなんでそもそもお前はそんなことを思うんだ。お前は俺らの事好きじゃねぇか。」
「それは…そうだけどっ、」
庵は瀧雄に言ったことに対して何かを迷っている様子でそう言った。そんな庵を亮は黙って見ていた。
「だけど?」
と、瀧雄が聞いてきたが庵は言おうか迷っていた。だって言えるような内容じゃなかったから。でも言わないと多分2人は一生聞いてくる。それなら腹を括るしかないと庵は口を開いた。
「……イキすぎるの…怖いもん。毎日毎日…身体持たないっ、きついよ…。」
「「…………。」」
庵がそう言うと何故か2人は黙り込んだ。だから庵は恥ずかしくて下を向く。何か言って欲しいのに何も2人は言ってくれなかったから。そんな沈黙を破ったのは亮だった。
「はぁ…そんな理由かよ。」
「そんな理由ってなんだよ!亮には分かんないよ俺の辛さが!」
「知らねぇよ。お前が可愛いのが悪い。」
「…っ、なんだよそれっ、俺はずっとずっときつくても逃げられなくて我慢してるのに!」
また亮と庵が喧嘩を初めてしまった。だが今度は2人の喧嘩を瀧雄は止めなかった。止める必要はないと思ったのだろう。
「だからそれはお前が可愛いのが悪いんだって。」
と、亮
「それ理由になってないから…っ!!」
と、庵。
「まぁまぁ落ち着けって庵。そう怒るな。」
中々に喧嘩がヒートアップしてきたので一応瀧雄はそう言って仲裁に入った。だが怒ってしまった庵は中々熱が冷めない。だから案の定庵は…。
「だって亮が…っ!」
と、怒った。だから瀧雄はとりあえず庵を擁護しつつ訂正すべきことはすることにした。
「まぁそうだな。亮が悪いな今のは。けどお前も悪いんだぞ庵。」
「…え?」
瀧雄に悪いと言われ庵は訳の分からない様子だった。まぁそれもそうだろう。庵からすれば毎日毎日抱いてくる亮たちが悪い。そう思っているのだから。だがそうでは無いのだ。だからといって言っていいことと悪いことがある。瀧雄はそれを庵にちゃんと分からせようとしていた。
「なぁ庵。本当に俺らが他の女抱いてもいいのか?お前なんとも思わねぇの?」
「…………っ。」
そう瀧雄に言われ庵は黙り込んでしまった。それはちょっと嫌だと思ってしまったから。いくら体が辛くてもそれは…少し…嫌かもしれない。少しだけ…。そんな風に考え込んでしまった庵をみて亮が…。
「そんな顔すんなって。実際にはそんな事はしねぇから。」
「亮の言う通りだ。そもそも他の奴らには勃起しねぇし。」
「…ならちょっとは優しくして。」
「お前次第だな。」
と、キッパリと亮に言われてしまい庵はまた黙り込んだ。自分の行いを改めるしかない。そうなのだがそもそも庵はどうしたらいいのかが分からないんだ。だから黙り込んで考えていた。
「…………っ。」
「おい庵。何考え込んでんだ。だってそうだろ?お前が俺らとの約束を守ればお前は何もされねぇし酷くもされねぇ。だよな?」
と、亮がいいながら庵にキスをした。その後で瀧雄も庵にキスをしてくる。
「亮の言う通りだ。分かったな?」
「…うん。」
「分かればいい。」
そう言って瀧雄は庵の頭を撫でた。その後、瀧雄は何やら難しい顔をして庵を見た。そのため庵も瀧雄を見返した。
「…たき?どうしたの?」
「いや、まぁな。実際お前には窮屈な生活をさせてるからなぁ。」
「それは仕方ねぇだろ瀧。だから庵には外に出さえしなければ家ではなんでもしていいってルール与えてんだろ。」
「…家でなんでもって言っても限られちゃうもんっ、」
亮の言ったことに対して庵は不貞腐れた様子でそう言った。そしてそんな庵に亮と瀧雄は何も言い返せなかった。だって庵の言ったことは事実だから。
「そうだよなぁ。」
と、瀧雄が言ってまた頭を抱え込むようにして考えていると庵が急に明るい表情になった。
「あ、龍が帰ってきた!」
そう言って庵は龍之介の元まで走っていった。そんな庵を龍之介は優しく抱きしめた。
「庵。お前体調大丈夫か?こいつらになんもされてねぇか?」
と、龍之介は言いながら庵にキスを落とす。そして庵もそれを受け入れ嬉しそうな顔をした。
「うん。大丈夫だよ。」
「なら明日旭川さんのとこ行くんだがお前も一緒に来い。」
「…え?」
龍之介がそんなことを言うなんて想像していなくて庵は思わずフリーズしてしまう。そんな庵をみて龍之介は…。
「嫌だったか?お前が嫌なら無理しなくていい。」
「そ、そうじゃなくて…っ、おれ、出ていいの?外に…。」
「ああ。そう言ってんじゃねぇか。」
確かに龍之介はそう言った。外に出ていいって。だから庵は嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
「やった…!!いく…!!」
「良かった。明日は俺ら3人で商談に行くことになっちまったからよ。その間お前を1人にしたくねぇからな。いくら部下でも何するか分かんねぇし。俺はそもそも幹部のこいつら意外信頼してねぇからな。」
「それは嬉しい限りですね。」
と、亮が嬉しさを隠せていない様子でそう言った。
「ああ。だからお前は俺らが話してる間旭川さんとこの駿里さんと一緒にいろ。覚えてるか?お前を助けてくれた人だ。」
「覚えてる…!俺と歳が近いお兄さんだよね…?」
「そうだ。」
最悪のタイミングでリビングに戻ってきてしまった龍之介に瀧雄はとりあえず挨拶をした。亮も不機嫌のまま龍之介に一礼をする。
「ああ。それでどうしたんだ。なんでこいつは怒ってんだ?」
「りょうが…」
「な、なんでもありません組長!」
庵がさっきまでのことを全部龍之介に言おうとしたら瀧雄は何故かそれを妨げるように声を荒らげた。そのため庵はもちろんのこと、龍之介も驚いていた。
「ちょっと瀧…っ!」
「いいから黙ってろ庵。」
瀧雄は庵に怖い顔をして小声でそう言った。龍之介にさっきのことを言ってしまえばとんでもないことになってしまうから。もしさっき庵が口を滑らせていたら庵は多分3日はベットから出られない。だから瀧雄はこうして庵を庇ったのだ。
「本当になんでもないんです。ちょっとした喧嘩です。」
「…そうか。」
多分龍之介は気づいている。庵が何かをやらかしてしまったということを。まぁ亮も不機嫌で庵も不機嫌な様子を見れば大体は想像がつくだろう。2人が何かをやらかして喧嘩をしたということが。だがそれを分かっていて龍之介はそう言った。それは瀧雄が2人を庇ったから。だからこうなったのにはなにか意味があると思ったのだ。そしてそれを龍之介は瀧雄に託すことにした。
「はい。そうなんです。ほんとにしょうもないことなんで気にしないでください。」
と、瀧雄。その瀧雄の横で庵は不貞腐れた様子で立っていた。そんな庵をみて龍之介は思わず笑いそうになってしまう。
「それならいい。俺は今からちょっと電話をしなきゃいけねぇから席を外す。その間庵を頼むな。」
「はい。」
と、瀧雄が返事したのを見て龍之介は寝室へと向かっていった。そして龍之介の姿が見えなくなったのを確認した途端庵は瀧雄に声を荒らげた。
「…なんで邪魔したの。瀧のばか。」
「馬鹿かお前!組長に他の女抱けとか冗談でも言ったらやり殺されんぞ!」
瀧雄の本気の叱りだ。だが庵は怖くなかった。怖いというよりもよかったという感情が勝ったから。
「…え、うそ。」
「嘘じゃねぇよ。脅しでもねぇ。本気だ。」
瀧雄はため息をつきながら庵にそう言った。そんな瀧雄をみて庵は震え上がった。もしさっき亮に言ったことを龍之介に言っていたらと思うと恐ろしくてたまらない。
「…言わなくてよかった。」
「そうだな。けどなんでそもそもお前はそんなことを思うんだ。お前は俺らの事好きじゃねぇか。」
「それは…そうだけどっ、」
庵は瀧雄に言ったことに対して何かを迷っている様子でそう言った。そんな庵を亮は黙って見ていた。
「だけど?」
と、瀧雄が聞いてきたが庵は言おうか迷っていた。だって言えるような内容じゃなかったから。でも言わないと多分2人は一生聞いてくる。それなら腹を括るしかないと庵は口を開いた。
「……イキすぎるの…怖いもん。毎日毎日…身体持たないっ、きついよ…。」
「「…………。」」
庵がそう言うと何故か2人は黙り込んだ。だから庵は恥ずかしくて下を向く。何か言って欲しいのに何も2人は言ってくれなかったから。そんな沈黙を破ったのは亮だった。
「はぁ…そんな理由かよ。」
「そんな理由ってなんだよ!亮には分かんないよ俺の辛さが!」
「知らねぇよ。お前が可愛いのが悪い。」
「…っ、なんだよそれっ、俺はずっとずっときつくても逃げられなくて我慢してるのに!」
また亮と庵が喧嘩を初めてしまった。だが今度は2人の喧嘩を瀧雄は止めなかった。止める必要はないと思ったのだろう。
「だからそれはお前が可愛いのが悪いんだって。」
と、亮
「それ理由になってないから…っ!!」
と、庵。
「まぁまぁ落ち着けって庵。そう怒るな。」
中々に喧嘩がヒートアップしてきたので一応瀧雄はそう言って仲裁に入った。だが怒ってしまった庵は中々熱が冷めない。だから案の定庵は…。
「だって亮が…っ!」
と、怒った。だから瀧雄はとりあえず庵を擁護しつつ訂正すべきことはすることにした。
「まぁそうだな。亮が悪いな今のは。けどお前も悪いんだぞ庵。」
「…え?」
瀧雄に悪いと言われ庵は訳の分からない様子だった。まぁそれもそうだろう。庵からすれば毎日毎日抱いてくる亮たちが悪い。そう思っているのだから。だがそうでは無いのだ。だからといって言っていいことと悪いことがある。瀧雄はそれを庵にちゃんと分からせようとしていた。
「なぁ庵。本当に俺らが他の女抱いてもいいのか?お前なんとも思わねぇの?」
「…………っ。」
そう瀧雄に言われ庵は黙り込んでしまった。それはちょっと嫌だと思ってしまったから。いくら体が辛くてもそれは…少し…嫌かもしれない。少しだけ…。そんな風に考え込んでしまった庵をみて亮が…。
「そんな顔すんなって。実際にはそんな事はしねぇから。」
「亮の言う通りだ。そもそも他の奴らには勃起しねぇし。」
「…ならちょっとは優しくして。」
「お前次第だな。」
と、キッパリと亮に言われてしまい庵はまた黙り込んだ。自分の行いを改めるしかない。そうなのだがそもそも庵はどうしたらいいのかが分からないんだ。だから黙り込んで考えていた。
「…………っ。」
「おい庵。何考え込んでんだ。だってそうだろ?お前が俺らとの約束を守ればお前は何もされねぇし酷くもされねぇ。だよな?」
と、亮がいいながら庵にキスをした。その後で瀧雄も庵にキスをしてくる。
「亮の言う通りだ。分かったな?」
「…うん。」
「分かればいい。」
そう言って瀧雄は庵の頭を撫でた。その後、瀧雄は何やら難しい顔をして庵を見た。そのため庵も瀧雄を見返した。
「…たき?どうしたの?」
「いや、まぁな。実際お前には窮屈な生活をさせてるからなぁ。」
「それは仕方ねぇだろ瀧。だから庵には外に出さえしなければ家ではなんでもしていいってルール与えてんだろ。」
「…家でなんでもって言っても限られちゃうもんっ、」
亮の言ったことに対して庵は不貞腐れた様子でそう言った。そしてそんな庵に亮と瀧雄は何も言い返せなかった。だって庵の言ったことは事実だから。
「そうだよなぁ。」
と、瀧雄が言ってまた頭を抱え込むようにして考えていると庵が急に明るい表情になった。
「あ、龍が帰ってきた!」
そう言って庵は龍之介の元まで走っていった。そんな庵を龍之介は優しく抱きしめた。
「庵。お前体調大丈夫か?こいつらになんもされてねぇか?」
と、龍之介は言いながら庵にキスを落とす。そして庵もそれを受け入れ嬉しそうな顔をした。
「うん。大丈夫だよ。」
「なら明日旭川さんのとこ行くんだがお前も一緒に来い。」
「…え?」
龍之介がそんなことを言うなんて想像していなくて庵は思わずフリーズしてしまう。そんな庵をみて龍之介は…。
「嫌だったか?お前が嫌なら無理しなくていい。」
「そ、そうじゃなくて…っ、おれ、出ていいの?外に…。」
「ああ。そう言ってんじゃねぇか。」
確かに龍之介はそう言った。外に出ていいって。だから庵は嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
「やった…!!いく…!!」
「良かった。明日は俺ら3人で商談に行くことになっちまったからよ。その間お前を1人にしたくねぇからな。いくら部下でも何するか分かんねぇし。俺はそもそも幹部のこいつら意外信頼してねぇからな。」
「それは嬉しい限りですね。」
と、亮が嬉しさを隠せていない様子でそう言った。
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